2017年12月16日 (土)

最古級、胎盤もつ哺乳類の化石を発見~1億4500万年前の歯の化石、哺乳類が恐竜時代まで夜行性だった検証も

英国で見つかった、ごく初期の哺乳類の歯の化石の研究によると、歯の年代は約1億4500万年前で、歯の持ち主は昆虫を食べ、動き回るのは夜だけだったと考えられています。
この発見は、実現論・前史(実現論1_3_01)「現在の哺乳類の祖先である原モグラは約1億年前に登場するが、その時代は大型爬虫類の天下であり、原モグラは夜行性で、林床や土中に隠れ棲み、そこからチョロチョロ出撃するという、密猟捕食の動物であった。」の確かさを裏付ける現象事実です。
以下、リンクより転載。
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 英国南部で見つかった太古の2つの歯が、ごく初期における、胎盤をもつ哺乳類だったことが分かった。この系統のものとしては、分かっている中で最古級だという。歯の持ち主は昆虫を食べ、動き回るのは夜だけだったとみられる。これは白亜紀の地球を支配していた恐竜を避ける生活戦略だった。
 2つの歯の持ち主はそれぞれ異なっていた。共に哺乳類の新種で、小型のトガリネズミにどことなく似ていた。小さい方はDurlstotheriumと命名され、ほとんど昆虫ばかり食べていた可能性が高い。Durlstodonと名付けられた大きい方の種は、植物を細かく処理できるだけのしっかりした歯を持っていたかもしれないが、研究者らは確信には至っていない。この発見は、11月7日付けの学術誌「アクタ・パレオントロジカ・ポロニカ」に発表された。
 2015年の夏、英ポーツマス大学の学部生だったグラント・スミス氏がこの歯を発見したのは、ドーセットの海岸沿いで集めた約60キロの岩石を詳しく調べていたときだった。スミス氏と指導教官のデビッド・マーティル氏は、哺乳類の歯ではないかと推測したが、念のため、哺乳類の歯を専門とするスティーブ・スウィートマン氏に歯を見てもらった。
 スウィートマン氏の分析によると、歯の年代は化石が見つかった岩石層と同じ約1億4500万年前で、形態は真獣類のものによく似ていた。真獣類とは、胎盤をもつ哺乳類のグループで、イヌ、ゾウ、ヒトなどいま生きている哺乳類のほか、その仲間である絶滅した種も含まれる。
「歯を見た瞬間、ぼう然としました。衝撃を受けました」と、論文の筆頭著者でポーツマス大学の研究員であるスウィートマン氏は話す。「この種の化石が白亜紀後期から出ても驚きませんが、ずっと早い白亜紀前期で目にするとは普通思いません」
 なぜこの化石がそれほど衝撃的だったのかは、我々も含む真獣類がいつ頃に現れたかについて、ホットな議論が続いているためだ。化石と遺伝的な証拠から、一部の古生物学者は少なくともジュラ紀後期の約1億6000万年前から存在しているとの説を唱えている。だが、真獣類の登場はもっと遅い可能性を示す研究もある。
 スウィートマン氏の分析が妥当なら、少なくともヨーロッパにおいて、これまでに見つかった真獣類の化石の最古記録を塗り替え、出現時期をめぐる議論に重要な物証が加わることになる。現在知られている最古の真獣類は「ジュラマイア」という中国の化石で、今回発見の2種より1500万年ほど古い。だが、ジュラマイアは真獣類ではないと主張する研究者もいる。
「中国やヨーロッパ以外の、もっと古い岩石からも真獣類は見つかるでしょう」とスウィートマン氏は言う。「化石はあると期待しています。まだ発見していないだけです」
■「夜行性ボトルネック」を検証してみた
 近縁種の頭骨を測定した結果に基づき、これら初期の哺乳類はおそらく夜行性だったとスウィートマン氏は考えている。そして11月6日、同氏の説は思わぬ後押しを得た。恐竜が絶滅しかけるまで、哺乳類は日光の下に足を踏み入れなかったとする別の研究結果が学術誌「ネイチャー・エコロジー・アンド・エボリューション」に発表されたのだ。
 研究者たちは、初期の哺乳類は夜行性だったのではないかと長い間考えてきた。哺乳類の大半は爬虫類や鳥類よりも色覚が劣る上、目の形と網膜は、遠い祖先が暗視に適応していたことを示すからだ。
 一体なぜか。以前からの仮説によれば、原因は恐竜だ。初期哺乳類は夜行性の生活を営み、恐竜の目を避けていた。それが、いったん恐竜が死に絶えると、哺乳類は日中も安全に活動できるようになったというものだ。
「こうした『夜行性ボトルネック』の証拠は長年にわたり積み上げられてきました」と話すのは、論文の著者で、イスラエル、テルアビブ大学と英ロンドン大学ユニバーシティ・カレッジで学ぶ博士課程学生のロイ・マオール氏だ。
 マオール氏は、現生哺乳類2415種の昼と夜の習性について膨大なデータを集め、それによって太古の昔に絶滅した哺乳類の行動を描き出した。
 マオール氏のモデルによれば、最初の哺乳類は2億1800万年前から1億6600万年前の間に登場しており、夜行性だったと判明。その子孫の多くも同様だった。つまり、恐竜時代の大半を通じて哺乳類はおそらく夜行性だったことになる。
 ところが、6600万年前に(鳥類以外の)恐竜が絶滅すると状況が変わる。あるモデルでは、哺乳類は恐竜絶滅の約900万年前に昼間の活動を始めたとされるが、昼行性に移行し始めたのは恐竜絶滅の直後だという説もある。
「実際の発見と理論がこれほど一致するのかと驚きました」とマオール氏と話している。
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斎藤幸雄

ヒトが想像する「恐竜」は、こうして一瞬でくつがえる。

リンク
これまで「恐竜のタマゴは白い」と言われ続け、多くの研究者も疑うことなくそう思っていたはずなのに、オンライン学術誌「PeerJ」で、まさかの青緑のタマゴが公表されました。
世界で初めて、
「色付きタマゴ」発掘。
なにこれ!?ユーズド感あるデニムのような鮮やかさに、恐竜ラバーはざわめいたことでしょう。実はこのタマゴが1番最初に見つかったのは2015年の話で、海外では研究者のインタビュー記事が公開されたりしていたのですが、今ほど反響はありませんでした。
研究内容や、考察が事細かにまとめられた文書を読むと、まだまだ謎の多いこの生物へのロマンが広がっていくものなんですよね。
恐竜は鳥なの?トカゲなの?
今まで見つかってきたタマゴは、全て茶色や黒になってしまっていて、正確な色を特定することは出来ませんでした。けれど、いちばん生態が近いとされているワニのタマゴも無色で、数少ない卵生の哺乳類、カモノハシとハリモグラもそうだったことから、「恐竜のタマゴは白である」という定説を疑うことはなくここまできたのです。
色が付き始めたのは恐竜の時代が終わったあと。一部の鳥類が進化した時に、初めて生まれたものだと思われていました。けれどこの発見で、「恐竜は、鳥より先に色付きの卵を産むように進化していた。鳥が色付きの卵を産むのは、祖先である恐竜がそうしていたから」ということが分かったのです。
ティラノサウルスの顔は「トカゲ」にかなり近かったと言われたり、鳥のように羽毛に包まれていたと言われてきました。両種の要素を持ち合わせていたのだろうけれど、今回のタマゴから考えると、思った以上に恐竜と鳥は近い存在なのかもしれませんね。





大川剛史

2017年12月 9日 (土)

微生物はどうやって生きている? 生命の存在自体が波動という捉え方

微生物には、カロリー値で計られるような「餌」を摂取してそのエネルギーを使って生きるというモデルにあてはならないものがたくさんあります。
そういう、カロリーのモデルで解釈する事もできなくはないですが、
>このメキシコの結晶内の事例は、この微生物が硫黄や鉄のエネルギーによって生きる事ができるタイプで、硫酸銅を食べる事が確認されたことから、閉じ込められたというよりも岩石と一体化して生きていた可能性があります。(330933)
といったものは、「餌」とか「食べる」という概念では括れないものを感じます。
まったく、別の「波動」(重力波?)によって生きているとするモデルを紹介します。
「飯島秀行先生の農業講座」リンク
より引用します。
~以下、引用~
■波動と微生物
では、何故、キャベツ、ブロッコリー、大根、などなど色々な種類の食べ物があって、食べるとエネルギーになって行くのでしょうか。食べ物には、それぞれの波動を持っています。波動とは微生物のことです。微生物が動いてゆく世界を波動といっているのです。
波動と微生物は同じなのです。しかし、今の学問は、波動の世界は波動の学問、微生物は微生物の学問と全部「分離科学」として扱っています。これらを一体のものとして説明している人はいなのです。
微生物が、多くの波動であれば、人間も多くの波動であります。人間とて地球の細胞であるのです。宇宙から見れば人間も微生物です。全ては微生物で構成されています。そして、その微生物は波動なのです。
また、生命と波動は同じものです。「生命」と「命」に違いが無いようなことと同じことです。言い方は違いますが、同じことを意味しています。
形をつくられる世界はアルカリで、それを動かしてゆく世界を酸と言っています。
酸とアルカリは、全て同居しているのです。




田村正道

2017年12月 6日 (水)

微生物は、岩石と一体化して生きているものもある。

微生物は、分裂を繰り返して生きているので、高等生物のような「寿命」という概念があてはまりませんが、生存に適さない環境になると死滅してしまいます。
ただし、微生物には中間の「休眠状態」というものが存在し、この期間が非常に長いものがあります。
古い年代のものが再生した例では、20万年前の氷の中の微生物が再生した例や、なんと2億5000年前の岩塩中の微生物が再生した例があります
●メキシコの高温の洞窟内の結晶から、5万年前に閉じ込められたと見られる微生物が再生した記事を紹介します。
このメキシコの結晶内の事例は、この微生物が硫黄や鉄のエネルギーによって生きる事ができるタイプで、硫酸銅を食べる事が確認されたことから、閉じ込められたというよりも岩石と一体化して生きていた可能性があります。
リンク
より引用します。
NASA宇宙生物学研究所(Astrobiology Institute)のペネロペ・ボストン(Penelope Boston)氏は、アメリカ科学振興協会の学会においてそれを”超生物”と呼んだ。もし確認されれば、微生物が過酷な状況において生存する方法を示した新たな事例になることだろう。
この発見は9年にも及ぶ研究の成果であるが、今の段階では論文としては発表されておらず、また専門家からの検証も行われていない。今後ボストン氏は、実験室と現場において蘇らせた微生物の遺伝子解析を進める予定でいる。
 微生物と一部がウイルスの40種の株でなる生命体は、実にユニークで最も近い種であっても遺伝子的に10パーセントも異なる。つまり一番近い親戚であっても人間とキノコのようにかけ離れているということだ。
クリスタルの洞窟と呼ばれるナイカ鉱山は800メートルの地下まで続いている。某採掘会社が採掘を開始するまで、外界から完全に切り離された場所であった。中には大聖堂のような広さの場所もあり、その鉄の壁は結晶によって縁取られている。
 ここに足を踏み入れる際、研究者は内部の汚染を避けるために宇宙服の簡易版のようなスーツを着用する。
 しかし非常に暑いため、氷のパックを全身に貼り付けなければならない。ボストン氏によれば、内部は38度もあり、20分も作業をしたら”冷却室”へ駈け込まねばならないそうだ。
 こうした発表について、サウスフロリダ大学のノリン・ヌーナン氏(研究には未参加)は、「驚くことではありません」とコメントしている。
 「生物学者として言えることは、地球の生命が異常なまでにタフで多彩な能力があるということです。」ボストン氏の発見にも素直に頷けるという。
 今回の発見は、極端な環境の中で生きる生物として最古のものではない。数年前、別の研究チームが50万年前の未だに生きている微生物に関する研究を発表している。それは氷と塩の中に捕らわれていたものだ。
 ナイカの微生物の年齢については、外部の専門家が結晶の位置と成長速度から推測した
 なおボストン氏は今回以外にも奇妙な生命を見つけている。それはアメリカやウクライナなどの洞窟内に生息する微生物である。
 硫酸銅を食べる習性があり、ほとんど殺すことすらできなさそうな生物だ。「地球の生命がいかにタフであるを示すまた別の事例ですね」とボストン氏は話してくれた。





田村正道

2017年12月 3日 (日)

哺乳類は“硫黄呼吸”で生命活動を維持している

まだ地球上に酸素が無い時代に誕生した原初の生命体(古細菌の一種)は、硫黄を代謝してエネルギーを生み出していました。地球上の酸素が増大して以降は、産生効率の高い酸素を利用してエネルギーを生み出す生物が繁栄しました。
人を含む哺乳類も酸素呼吸によりエネルギーを生み出して生命活動を営んでいますが、実はそれ以外に“硫黄呼吸”も行っていることが判明しました。
実験で硫黄呼吸をできなくしたマウスは寿命が極めて短くなることも確認されており、硫黄呼吸は補助機能ではなく、生命活動の維持に極めて重要な機能であると言えます。
◇東北大、ヒトを含む哺乳類における「硫黄呼吸」を発見リンク
<マイナビニュース>より
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~前略~
生物は、生命活動を維持するために酸素を利用してエネルギーを産生している。ヒトを含む哺乳類は、酸素呼吸によってエネルギーのほとんどを生産しており、生命活動を維持するためには酸素が必須であると考えられていた。しかし、筋肉など酸素消費が大きい組織、造血幹細胞、悪性度の高いがんでは低酸素状態になることが多く、酸素に依存しないエネルギー産生経路が存在する可能性が示唆されてきた。
赤池教授らのグループはこれまでに、硫黄が含まれているアミノ酸(システイン)に、さらに硫黄が付加された物質(システインパースルフィド)が、哺乳類の生体内で多量に存在することを明らかにしてきた。今回、東北大学加齢医学研究所の本橋ほづみ教授、生理学研究所の西田基宏教授らとの共同研究により、システインパースルフィドのミトコンドリアにおける新しい代謝経路を発見し、硫黄代謝物がエネルギー産生の過程で酸素の代わりに利用されていることを明らかにした。
これは、従来の定説を覆す画期的な発見であり、この新しいエネルギー産生経路を「硫黄呼吸」と名付けた。さらに「硫黄呼吸」に必要な硫黄代謝物を処理できないマウスを作製したところ、正常のマウスに比べ、成長が著しく悪くなることを見いだした。このことから「硫黄呼吸」は生命活動に極めて重要な役割を果たしていると考えられる。
~後略~
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稲依小石丸

街をつくるタコ

タコが街を作り、集団生活を営んでいる事例が複数確認されている様子。
タコは、イカと並んで無脊椎動物の中で最も高い知能を持つとされるがその知能が発揮されている?
《以下引用》リンク
タコは単独で行動すると考えられてきたが、貝殻を集めて山を築き、それを数世代続く「アパート」にしていることがオーストラリア沖で確認された。しかもそのアパートが集まって、小さな村のようなコミュニティをつくっていたのだ。
オーストラリア沖で「タコの街」が初めて発見されたとき、それは偶然だと考えられていた。タコは単独行動する生物だと考えられていたからだ。
タコたちの小さな集団が、海底にあった金属ゴミの周囲にそれぞれが穴を掘って一緒に生活しているのを、ダイヴァーたちが2009年に見つけた。これを「オクトポリス(Octopolis)」と名づけたが、この「タコの街」は、人間が捨てた金属ゴミがあったための特別なケースだと考えられていた。
ところが16年、人間の関与が考えられない別のタコのコミュニティが見つかった。タコたちは貝殻を集めて山をつくり、その「アパート」のなかのそれぞれの巣に住んでいた。科学者たちは、タコはこれまでもずっと群生してきたのかもしれないと考え始めている。
アラスカパシフィック大学で海洋生物学を研究するデイヴィッド・シェール教授の研究チームは、この新しい発見を『Marine and Freshwater Behavior and Physiology』誌で発表した。「オクトランティス(Octlantis)」と呼ばれるようになったこのコミュニティを数カ月にわたって観察した結果、オクトランティスは10~15匹ほどのコモンシドニーオクトパス(学名Octopus tetricus)で構成された「アパート」が、いくつか集まったものであることが確認された。
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タコの巣が集まった小さな“村”
このコミュニティは都市というより、岩場の周囲に巣が集まってできた、数世代続いた小さな村という感じだ。餌としてきた貝の殻が山積みされているうえ、タコたちが集めてきたビールの瓶や釣り用の鉛ルアーなどのゴミも蓄積されている。タコたちは何世代にもわたって(といっても、タコの寿命は3年ほどとされているが)、岩場のなかでこうした山をつくりあげ、内部に穴を掘り、隣り合うように巣をつくってきた。
「このようなコミュニティは、食料が豊富にあっても隠れ家となる場所が限られているようなところなら、どこでも発生する可能性があります」とシェール教授は「Quartz」の記事で説明している。海底は全体的に平坦だが、オクトランティスやオクトポリスの核になった露出した岩や金属ゴミは、そうした海底において隠れ家を提供してくれる領域として貴重なのだ。
ダイヴァーが撮影したものと、自動撮影カメラによる動画を使って、研究チームは「都会慣れした」タコたちの社会的行動を観察することができた。少なくとも3組のカップル同士が交接したほか、あと一歩というところで交接「未遂」に終わったケースも数回あった。新参タコとの諍いや近所のタコ同士の紛争も観察された。
研究チームによると、オクトランティスの住民たちは、これまでタコ同士の間で目撃されてこなかったような社会的行動も定期的に行っているという(シェール教授は15年、コモンシドニーオクトパス同士がさまざまなやり方でコミュニケーションをとっていることも発見している)。タコ同士が争っているときはサメに襲われやすくなるなど、街での生活は単独行動のタコと比べて、敵に身をさらす可能性も高いという。
一方で、こうした街をつくっている貝殻の山は、ホタテガイをはじめとするタコにとっての餌の絶好の生息地にもなる。タコたちは、隠れ家と食べ物を求めてこれらの場所に集まり、社会的行動もそれとともに発達したということのようだ。
研究チームによると、コモンシドニーオクトパス以外のタコでも、コミュニティで生息している例が観察されているという。タコたちの街は、人間が考えていたよりも一般的なものらしい。
この知性ある神秘的な動物(タコは無脊椎動物の中で最も高い知能を持つ[日本語版記事]とされ、色を見分け、形を認識することや、問題を学習し解決することができる)については、学ぶべきことがもっとありそうだ。
《引用以上》





匿名希望

2017年12月 1日 (金)

生命を捉えなおす。原因と結果のあいだに足し算が成り立たない生命。相転移によって秩序をつくる可能性。

生命とは不思議である。
生体を構成してる元素や分子はほとんどわかっているけれど、それをどういじくりまわしても生体の特質をあらわさない。生命は線形的なものなのではなく、非線形的なものなのかもしれない。
aとbという原因がそれぞれ単独にはたらいたときにあらわれる結果をそれぞれAとBしたとき、原因a+bがA+Bという結果になるのが線形性で、A+B+XやCというまったく変わった結果になるのが非線形である。
「生命を捉えなおす」リンクより引用
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意外におもわれるかもしれないが、われわれが宇宙のなかで生きているということを記述する科学は、まだないといってよい。「生きている状態」を科学的に記述するには物質の組み合わせをどれほど正確に記述してみても、そこから生命活動は出てこないからである。まして脳のふるまいや意識の活動は出てこない。
 生体を構成してる元素や分子はほとんどわかっているけれど、それをどういじくりまわしても生体の特質をあらわさない。遺伝子の自己複製能力や受精と発生分化のしくみの大半がわかったとしても、そうやって生まれた生命体が自分の内に複製されている情報と、生命活動を始めてこのかた自分の外からとりいれている情報をどのように“擦り合わせている”のかも、まったくわかっていない。
 それよりなにより、いったい物質の組み合わせでしかないはずの生命体が、いつ「生きているもの」になったのかが、まったくわからない。生命の発現は原子が一定のしくみでくみあわさると、アミノ酸やヌクレオチドといった低分子ができ、そこに原子にはない分子独特の性質があらわれることからはじまるのであるが、この段階は構成原子の種類によって変わってしまうのでグローバルな性質が発揮されているとはいいがたい。ところがこれらが100個から1000個へ集合を加えていくうちに、そうした細部の要素に直接に依存しないグローバルな性質が少しあらわれてきて、やがて高分子となった状態に脂質分子が加わるころには、オルガネラ(細胞小器官)としての特異な前兆を発揮しはじめる。
 何が、どこで、どのようにおこったのか。「情報」を主語にするにも、分子生物学の成果だけではほとんど説明がつかない。物質のふるまいを無視して「生きている状態」を語ることもできない。では、どう考えればいいか。本書の出発点はここにあった。
 本書で清水さんが最初に着手するのは、まずは「生きている状態」の“共通分母”をさがすということだった。そのうえで、遺伝子-ゲノム-オルガネラ-細胞-器官-個体-生物社会-生態系といったそれぞれの段階に、何かが「生きている状態」を一貫して共通させている秘密があるのではないかという思考にたつ科学を提案しようとする。
 これは、生命活動には固有の段階をまたいだグローバルな性質があることを仮定した見方である。つまり、生命を「生きている状態」にさせているのは、これらのそれぞれの段階のローカルな構成要素に依存しないグローバルな性質があるのではないかという見方だ。
 観察するかぎりは、遺伝子-ゲノム-オルガネラ-細胞-器官-個体-生物社会-生態系は、それぞれ「生きている」か「死んでいる」か、そのどちらかにしかいない。しかも、生きていても死んでいてもそれぞれの構成要素はほとんど変わらない。つまり、個々の要素の性質をいくら加え合わせても
「生きている」という性質は絶対に出てこない。ということは、この系、すなわち生体系は「非線形」であろうということになる。
 非線形というのは、原因と結果のあいだに足し算が成り立たないような性質をいう。たとえば、aとbという原因がそれぞれ単独にはたらいたときにあらわれる結果をそれぞれAとBしたとき、原因a+bがA+Bという結果になるのが線形性で、A+B+XやCというまったく変わった結果になるのが非線形である。そこで本書の第1の前提は、生命現象はこういう非線形的な性質を本来的にもっているのではないかということになる。
 グローバルな状態をつくっている系には、いくつかの共通の性質がある。そのひとつは非線形ということだが、もうひとつは「相転移」をおこしているということである。その系では「相」が劇的に変わっていく。
 たとえば氷と水と水蒸気は成分は同じでも、まったく異なる「相」をつくっている。層状に流れていた雲がいつのまにかウロコ雲になっているのも、水道の蛇口を少しずつあけていくと、水が糸状から急にねじり状になり、さらに棒状になって、そのうえで突然にバッと開いていくのも、「相」が変わったせいだった。逆に、コーヒーにミルクを垂らしたばかりのときはまだミルクをスプーンで引き上げることは不可能ではないかもしれないが、これがいったん交ざってしまったらミルクは二度と引き上げられない。こうした「相」の変化はあるところを境にして不連続におこる。劇的でもある。それが相転移である。
 おそらく生命現象もこういう相転移をおこしているのではないか。これが第2の前提になる。
 相転移をおこしている系には何がおこっているのかといえば、構成要素の変化では説明しきれない何かがそこに発現していると考えざるをえない。
 
このことを最初に考えたのは反磁性や超伝導体を研究したレフ・ダヴッイドヴィッチ・ランダウで、ランダウはその発生している何かを「秩序」とよんだ。たとえば磁石が強い磁力を発現するのは、構成要素が変わったからではなくて構成要素間の関係が変化したからである。原子磁石の並び方が変わったからなのである。ということは相転移では無秩序なものから秩序のある状態が形成されているということになる。そうならば、生命はまさしくこのような「秩序をつくっている系」なのではないか。これが本書の第3の前提になる。
 では、なぜこのようなことが生命現象で可能になっているのか。こうした現象はいまのところ太陽系では地球にしかおこっていないと考えられる。つまり太陽から適度に離れた系でしかおこらなかった現象である。ということは、「相転移によって秩序をつくる非線形な生命系」の動向には、どこかで「熱の問題」がかかわっているはずなのである。
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秋田稔行

2017年11月28日 (火)

トガリネズミは頭蓋骨を縮小→再増大させて冬を乗り越える

トガリネズミは、ネズミよりもモグラに近い哺乳類ですが、冬の間に頭蓋骨が縮小し、春になると再び元の大きさに戻るという特性を備えています。
トガリネズミは体が小さくてエネルギーを蓄積できないため代謝率が高く、常に餌の調達のために動き回っています。また、哺乳動物の中で、体重に対する脳の重さの割合が最も大きい(約10%)といわれています。
そこで、食料調達が厳しい冬を乗り超える為に、代謝量の大きい脳(→頭蓋骨)を縮小することで、代謝量を低減して生き延び易くする戦略をとったのではないでしょうか。
寿命は12~18ヶ月程度なので、越冬は1~2回ですが、そこを乗り越えられるか否かが種の存続のターニングポイントであったと考えられます。
◇トガリネズミの頭蓋骨、冬に縮小し春に再増大 研究で確認リンク
<AFPBB News>より
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【10月24日 AFP】小型のネズミに似た哺乳類のトガリネズミは、冬の間に頭蓋骨が縮小し、春になるとほぼ元の大きさに戻る。この不可解なプロセスを観察で確認したとの研究論文が23日、発表された。
 頭蓋骨の縮小と再増大のサイクルは、その原因についてはほとんど分かっていないが、季節移動や冬眠をしないトガリネズミが冬を越す助けになっている可能性があると、研究チームは指摘している。
 独マックス・プランク鳥類学研究所(Max Planck Institute for Ornithology)の研究チームによる論文の主執筆者のハビエル・ラザロ(Javier Lazaro)氏は「頭部の大きさ、すなわち脳の大きさを縮小することは、それに不釣り合いなほど大きなエネルギーの節約になる可能性がある」と述べ、脳がより多くのエネルギーを消費する器官であることを説明した。
 トガリネズミの頭蓋骨の収縮は以前にも観察されていたが、23日の米科学誌カレント・バイオロジー(Current Biology)に掲載された論文では、トガリネズミ十数匹を2014年の夏から2015年の秋までにわたって観察することで、このプロセスを初めて詳細に記録することに成功した。
 トガリネズミの頭蓋骨は、冬に最大20%縮小した後、春に15%再増大した。測定にはX線写真を使用した。認知能力への影響については今後の研究で明らかにされる可能性がある。
 測定では、頭蓋骨だけでなく、体の他の部分にも縮小がみられた。いくつかの主要器官は質量が減少し、背骨は短くなり、脳の質量は20~30%減少した。
 体が比較的大きなトガリネズミ個体は死に絶えてしまうことが過去の研究で示唆されていたが、今回の最新研究ではこれは起こらないことが分かった。
「これは、あらゆる個体が毎年冬になるとこの変化を経験することを意味しており、このことは依然として不可解なままだ」と、ラザロ氏は話した。(c)AFP
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稲依小石丸

2017年11月27日 (月)

「呼吸しない微生物?」 原始生命のゆりかごは、蛇紋岩化反応か?

「呼吸しない微生物?」(329092)で紹介した、呼吸をつかさどる遺伝子を持たない微生物ですが、「蛇紋岩化反応に頼って生きている可能性が高い」という見解が示されています。
「蛇紋岩化反応」とは、地中のマントルの主成分と推測される重くて硬い「かんらん石」に水が加わる事で、柔らかく軽い「蛇紋岩」に変化する反応で、水分は強いアルカリ性を示します。
このかんらん石に鉄分が加わっている場合は「磁鉄鉱脈」が帯状に形成される事もあります。
この反応が、原始生命のゆりかごであった可能性があります。
2Mg2SiO4 + 3H2O → Mg3Si2O5(OH)4 + Mg(OH)2
かんらん石   水分     蛇紋石       ブルーサイト
(Mg:マグネシウム,Si:ケイ素,O:酸素,H:水素)
YAHOOニュースリンク
より引用
~以下引用~
「“死の水”にすむ謎の微生物 生きる仕組みは全く不明 日本の研究者が発見」
生き物が呼吸をしたり、栄養を取り込みエネルギーを得たりして生きているのは常識だ。ところが、こうした仕組みが全く分からない謎の微生物を日本の女性研究者が発見した。一体どうやって生き永らえているのか。解明できれば、太古の地球で生命が育まれた秘密が分かるかもしれない。
 ■強アルカリ性の泉で発見
 極上ワインの産地として知られる米カリフォルニア州ソノマ郡。その山中に「ザ・シダーズ」と呼ばれる小高い丘があり、乳白色の泉が湧き出ている。
 泉の水は極めて強いアルカリ性で、水素イオン指数(pH)は11以上。生物の呼吸に必要な酸素を含んでおらず、栄養分となる炭素や窒素、リンなどもほとんど含まない“死の水”だ。泉の周囲に草木はなく、岩肌が不気味に露出している。
 この水質は「蛇紋(じゃもん)岩化反応」と呼ばれる現象と関係がある。地球深部の岩石であるマントルを構成するかんらん岩が、水と反応すると、蛇のような模様がある「蛇紋岩」に変質し、水素などが生じる現象だ。
 この丘はマントルに由来するかんらん岩が隆起してできた場所で、地下に雨水が染み込むことで蛇紋岩化反応が起き、極端なアルカリ性の泉が生まれた。
 厳しい環境にすむ生物を研究している海洋研究開発機構の鈴木志野特任主任研究員(環境微生物学)は、世界有数の過酷さを持つこの泉に着目。「今の科学では生命がいるとは到底考えられない。だからこそ、もし見つかれば新しい科学の始まりになる」。こう考えて平成23年、日米などの国際研究チームを主導し現地調査を開始した。
■呼吸とエネルギー生産の遺伝子がない!
 泉に管を差し込み、ポンプで水をくみ上げて採取。濾過(ろか)に使ったフィルターに微生物が引っかかっていないか調べるため、DNAを抽出してゲノム(全遺伝情報)を分析した。
 その結果は、チームを仰天させるものだった。地下深くから湧き出る泉に16種類の微生物がすんでいた。しかもその全てが、呼吸をつかさどる遺伝子を持っていなかった。さらに、このうち4種類は体内でエネルギーを生産するための遺伝子すら見当たらなかったのだ。
 生物なら何らかの方法でエネルギーを作り出しているはずだが、その仕組みは全く不明。論文にまとめ今年7月に発表すると、大きな反響を呼んだ。
 これらの微生物は泉の水に含まれるかんらん岩に密集した状態で見つかった。このため鈴木氏は「蛇紋岩化反応に頼って生きている可能性が高い」とみる。ただ、仮にそうだとしても、生きるための具体的な仕組みは全く分からない。
■原始生命に手掛かり、地球外でも?
 この泉の水は、生命が誕生した約40億年前の地球の環境とよく似ているとされる。当時の地球では、多くの場所で蛇紋岩化反応が起きていたと考えられるからだ。こうした過酷な環境で原始生命がどのように生き延びたのかは全く不明で、謎に包まれている。
 見つかった微生物は原始生命の特徴をとどめる「生きた化石」なのか、それとも泉の厳しい環境に適応するため独自の進化を遂げた生き物なのか。「いずれにしても、原始生命の生存戦略を理解するための有力な手掛かりになりそうだ」と鈴木氏は話す。
 この研究は地球外生命の探究にも役立ちそうだ。かんらん岩と水があれば、ほかの惑星でも蛇紋岩化反応が起きるとされており、これに頼って生きる生命がいるかもしれないからだ。土星の衛星エンケラドスや木星の衛星エウロパでその可能性が指摘されている。
 先月も現地を調査したという鈴木氏は「こんなに不可解な生命に出合ったのは初めて。彼らが生きる姿を詳しく調べたい」と話す。地下でひっそりと暮らす微生物が、生命の謎を宇宙のスケールで解き明かす鍵になりそうだ。(科学部 草下健夫)




田村正道

2017年11月21日 (火)

地球の微生物は宇宙空間に曝露しても存在しつづける

微生物は、海底や地底のマグマの近く、高温、高圧、高放射線下、アルカリ、硫酸etcの、(進化した生物から見ると)過酷な環境下で生息する事が可能なことがわかってきました。
代謝機能を持たずに外部エネルギーによって生きている(半分生きている)微生物も確認されています。
そこで、始原生物は、地球の(または、地球が形成される前の)高エネルギー環境の中で生まれたのではないか?、あるいは、宇宙から来たのではないか?とも考えられるようになってきました。
実際、宇宙空間ではどうか?
以下、宇宙ステーションの外表面でも生息しつづける事ができる事が確認された記事を紹介します。
「スプートニク日本」
リンク
より引用
「国際宇宙ステーションの標本採取で、地球の生命誕生論が確立される?」
国際宇宙ステーション(ISS)の外表面から標本を採取し調査したところ、いくつかの種類の細菌は宇宙空間の高い放射線に曝されても存在し続けることが証明され、更に同類の微生物が地球に入り込んだために生命が誕生した可能性も示す結果となった。次期ミッションで船長に任命されたアレクサンドル・ミスルキン氏が、モスクワ郊外にある宇宙飛行士養成センターの記者会見で述べた。
ミスルキン飛行士は「(前回滞在時に)標本を採取したとき、この中に生物なんているわけがないと考えていました。温度差はマイナス100度からプラス100度、私たちの感覚では餌となる普通の食物もなく、放射線も高い環境ですから。一体、どんな生物体が存在し得ると言うのか、と。すると、それが存在しているとわかったのです。もちろん、地球から持ち込まれたものです。ですが、私たちの惑星からやって来た何かが、宇宙空間の中でも生き延びることができたという事実が示すのは、微生物がこれらに耐え得るとすれば、地球上の生命は同じような形で誕生したのではないかという可能性です」と推測する。
そして、「我が国の微生物学者もこの問題の歴史的な重要性を強調しています。1月の船外活動では再び標本を採取してきますので、学者たちとこの方面で仕事を進められるのを楽しみにしています」と締めくくった。




田村正道

«海底下生命圏の微生物群が地球の元素循環を促進している

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