2017年10月17日 (火)

巨大結晶の中に5万年、未知の休眠微生物を発見

リンク
 鉄や硫黄などを食べて生きる微生物が、メキシコにある洞窟の巨大な結晶の内部に閉じ込められていたことが報告された。しかも、新種の可能性が高く、発見者である研究者たちの見方が正しければ、微生物は数万年もの間、休眠状態のまま生きながらえてきたと推測される。
 この発見が立証されれば、地球上の微生物は外界とのつながりを断たれた場所で、これまで考えられていたよりもはるかに厳しい環境でも耐えられるという説に、新たな裏付けを加えることになる。
NASA宇宙生物研究所のペネロペ・ボストン所長は2月17日、アメリカ科学振興協会による会合でこれを発表し、次のように述べた。「これらの微生物は、休眠状態にありながら、地質学的にみて重要な期間にわたり生存し続けてきました。つまり、何万年という単位で起こる地質学的現象によって、再び目覚めるかもしれないわけです。この地球上における微生物の進化の歴史を解明する上で、今回の発見は大きな影響を与えるでしょう」
■結晶製のタイムカプセル
 この結晶洞窟は、メキシコ、チワワ州北部のナイカ鉱山の中にある。鉱山で鉛や銀を引き上げるために、地下水を広い地下洞窟から汲み上げてみると、巨大な乳白色の結晶が林立する迷宮が姿を現した。中には、長さ9メートルに達する結晶もあった。微生物は、その洞窟の過酷な環境に適応し、生存してきた。
 2008年と2009年に米ニューメキシコ工科大学の支援を受けて調査に訪れたボストン氏は、結晶内の空洞に閉じ込められていた液体を採取した。そして、この中に眠っていた微生物を「覚醒」させ、培養することに成功した。ボストン氏の研究チームがこれを分析したところ、微生物は地球上で知られているどんなものとも遺伝学的に異なっていることがわかった。とはいえ、他の洞窟内や火山地形で見つかる微生物に最もよく似ていたという。
以前の調査により、この洞窟の中にある最古の結晶は50万年前のものであることがわかっている。これを基に結晶の成長速度を計算した結果、研究室で培養していた微生物は1万年~5万年前から、輝く結晶に守られながら存在していたと、研究チームは考えている。
 今回の報告について、チームは現在論文を執筆中であり、科学的な発見がもたらされたときに行われる論文の査読というプロセスを経ていない。したがって、他の専門家らもいまのところ詳しいコメントを言える状況ではない。
「これまでにも、数万年~数百万年前の物質から微生物を呼び覚ましたという報告はありますから、1万年~5万年前の標本から微生物を覚醒させたというのはそれほど驚くようなことでもないでしょう」と、米フロリダ大学の微生物学者ブレント・クリスナー氏はいう。
 例えば、氷河や琥珀、塩の結晶の中から古代の微生物を発見したという報告例もある。「ただし、発見されたものの年代が古くなればなるほど、懐疑的な意見も増えるので注意が必要ですが」と、クリスナー氏は断っている。
問題の一端は、どんな生命体にせよ休眠状態のままでどれくらいの期間生存できるか、誰にもわからない点にある。休眠するといっても、いつかは食事をとらなければならない。そうでなければ、細胞は衰え始める。また、いくらたくましいといっても、そんなに長い間、生存のためだけに代謝を抑えることが可能なのかどうかも、まだわかっていない。
 ナイカ鉱山の微生物は、入っていた液体に含まれているわずかなエネルギー源だけで生き延びてきた可能性はあると、クリスナー氏はいう。「不幸にも死んでしまった仲間の微生物を食べて生きていたとも考えられます」




す太郎

2017年10月16日 (月)

マグマ由来のメタンで生きる微生物の発見。地下鉱物世界に広大な生態系が広がっている可能性。

微生物は、他の生物と同様に、酸素呼吸しつつ有機物を分解しているものだけでなく、電気から直接エネルギーを得て生きているものや、呼吸の仕組みがなく地下鉱物の還元反応エネルギーによって生きているものが発見されています。
今回は、
地下300mの花崗岩深部の地下水から、花崗岩に含まれるマグマ由来のメタンによって生きている微生物が発見されました。
硫酸でメタンを酸化する呼吸方法によってエネルギーを取得し、硫化水素を生成していることがわかっています。
現在の多様な生物は、微生物が進化していったものであり、なおかつ、体内に多量の微生物が存在する形で生きています。
よって、この多様なエネルギーによって生きる微生物の生態系は、現在形で、私たちの体の中に引き継がれている可能性もあります。
東京大学HP
リンク
より引用します。
~以下引用~
「光合成由来のエネルギー源に依存しない地底生態系の解明に成功」
~前略~
●発表概要
我々の住む大地の深部は、過去にマグマが固まることで生じた岩石から構成される。特に花崗岩の量が圧倒的に多いが、地下深部には光が届かず光合成が起こらないため、地底生命は花崗岩の化学成分で生育する必要がある。花崗岩は水と反応すると水素を発生する鉄分が、他のマグマから形成する岩石と比べると少ないため、花崗岩には生態系を育むのに十分なエネルギー源が存在しないと考えられてきた。
東京大学大学院理学系研究科の鈴木庸平准教授らの研究グループは、日本原子力研究開発機構、産業技術総合研究所、名古屋大学、北九州市立大学、茨城高専、海洋研究開発機構、カリフォルニア大学バークレー校との共同研究によって、大型地下研究施設を有する岐阜県の瑞浪超深地層研究所(注5)で、深度300メートルの地下水を地下坑道から採取し(図1)、地下微生物の生態系を調査した。その結果、花崗岩深部でマグマ由来のメタンに依存した微生物生態系が存在することを明らかにした。
今回の発見は、光合成由来のエネルギー源に依存しない生態系が広大な地下空間に存在し、マグマ由来のメタンをエネルギー源とした巨大なバイオマスが、地底に存在する可能性を示すものである。
~中略~
●発表内容
光合成により生産された有機物と酸素に満ちた地上とは異なり、地底は生物に必要な栄養素が欠乏しているため生命の存在しない「死の世界」と考えられてきた。一方、マグマから形成される岩石は地底の土台を構成し、岩石中には鉄分が多く含まれる場合、鉄分と水が反応して水素が発生し、水素をエネルギー源とした化学合成に基づく地底生態系が存在する説も提唱されている。しかし、その実態については不明な点が多く、地底深部の大部分を占める鉄分に乏しい花崗岩に、光合成由来のエネルギーが表層から届かない場合は、微生物生態系は存在しないと考えられてきた。
本研究グループは、瑞浪超深地層研究所の地下深部の花崗岩から、地下水を採取して化学分析を行った。その結果、光合成由来の有機物がほとんど含まれないにも関わらず、硫酸呼吸や放射性元素のウランで呼吸する微生物が生息していることを明らかにした[1, 2]。本研究グループは、さらに地下水中に生息する微生物の種類と硫酸で呼吸するためのエネルギー源を特定するために、微生物の全ゲノム解析(注7)を実施した。その結果、メタンをエネルギー源とする微生物が主要な生態系の構成種であり、メタンを酸化するために硫酸で呼吸し、硫化水素を生成していることも明らかとなった。メタンの安定同位体(注8)から、メタンは花崗岩を形成したマグマに含まれていたもので、生態系は光合成由来のエネルギー源に依存していないと判断される。
花崗岩は光合成生物が誕生する35億年以前の地球にも豊富に存在しており、地球初期の表層と現在の花崗岩の地下深部は、微生物の生息環境が類似していると推測される。本研究成果は、光合成由来のエネルギー源がなくても、花崗岩中の化学成分のみで生命活動が持続されることを示した点にあり、このことは花崗岩地下深部に適応した生命は太古の姿のまま進化せずに現在に至る可能性を示唆している。瑞浪超深地層研究所の微生物生態系には、共通祖先に近縁な微生物が生息することが本研究グループの研究により明らかにされている[3]。共通祖先に近縁な微生物のゲノム中の遺伝子は、それらのほとんどが機能不明なため、地底での生態は全くわかっていない。地上は地底と大きく環境が異なるため、地上に回収して培養することもできないため、今後岩盤中に栄養を加えて地底で培養を行い、謎につつまれた地底での生態と進化を明らかにする予定である。
~引用おわり~

2017年10月 9日 (月)

自身をダメージから守ることのできない人間の細胞に、自己防衛できるバクテリアを注入した科学者の生命力が向上。

死なないバクテリアとはすなわち、彼らは自分自身を守ることができるということです。私たちの細胞は、自分自身をダメージから守ることができません。年を取ることから細胞を守る、その仕組みを明らかにしたい。
以下引用
リンク
■350万年も生き続ける、謎のバクテリア
 先月19日、ロシアの地方紙「The Siberian Times」が報じたところによると、話題のバクテリアとはその名も「バシラスF」。2009年、ロシア連邦サハ共和国(ヤクーチア)の「マンモスの山」と呼ばれる永久凍土から発見された。驚くべきことに、このバクテリアは350万年前の永久凍土層から“生きた”状態で見つかり、モスクワ大学の氷河凍土学者アナトリー・ブロチコフ博士らが調査してきたが、今回その謎多きパワーの一端が白日のもとにさらされたのだ。
 博士らはこの数年間「バシラスF」を培養し、マウスや植物などに投与する実験を繰り返してきた。すると、このバクテリアを体内に得たマウスは一生を通して活発で、免疫力も高いうえ、高齢出産が可能であるなど繁殖力にも著しい向上が見られたという。植物の場合には成長が早まり、寒さにも強くなるなどの変化が表れた。
■自らに注射した科学者は……!?
 しかし、驚くのはここからだ。前述の結果を受け、ブロチコフ博士は仰天のプランを実行に移した。なんと、自らが実験台となることに決めたのだ!
「永久凍土は溶けています。ですから、これらのバクテリアは水の中に解き放たれていると考えられるのです。つまりヤクーチアの人々は、水を通して、すでに(バクテリアを)体内に持っている可能性があります。そして事実、ほかの共和国の人々よりも長生きする傾向にある。私にとって危険など無いのです」(ブロチコフ博士)
 かくして博士は「バシラスF」を注射し、体内に取り込んだという。すると、博士の身体に目覚ましい変化が起きたのだった。
「(投与前よりも)長時間働けるほど丈夫になり、過去2年間はインフルエンザにも感染していないのです」(ブロチコフ博士)
 ところが、である。博士は、なぜ「バシラスF」が動植物の生命力を向上させるのか、現在もそのメカニズムを解明できずにいるというのだ。この点について彼は、「もしかしたら副作用があるのかもしれない」としながらも、次のように語っている。
「このような実験は、確かに医師の管理下で行われるべきかもしれません」
「でもそんなことを言いだしたら、アスピリンが効く仕組みだって本当はよくわかっていないのです」
「それと同じことです。メカニズムは不明だが、その効果は確認できる」
■不老不死の実現に向け、研究は続く
 とはいえ、ブロチコフ博士はメカニズムの追求を決して放棄したわけではない。永久凍土で350万年も生き続ける「バシラスF」の強靭な生命力を解き明かすことが、人間の長寿、そして不老不死の実現へとつながると信じ、研究を続けることを宣言している。
「このバクテリアは、氷の中で外部の世界から隔絶されてきました。死なないバクテリアとはすなわち、彼らは自分自身を守ることができるということです。私たちの細胞は、自分自身をダメージから守ることができません。年を取ることから細胞を守る、その仕組みを明らかにしたい」(ブロチコフ博士)
 ちなみに、今回の「バシラスF」によく似たバクテリアが、マンモスの脳からも発見されているという。また、石油の分子を分解し、水に変える能力を持つバクテリアの存在まで確認されているのだとか。いずれにしてもシベリアの永久凍土では、不老不死の夢に限らず私たちのあらゆる願いをかなえてくれる古代のバクテリアたちが、目覚めの時を待っているのかもしれない。果たして、ブロチコフ博士は「バシラスF」の摂取によって永遠の命を手に入れることに成功したのだろうか? 研究のさらなる進展と、何よりも博士自身の今後が気になるところだ。



す太郎

2017年10月 8日 (日)

植物も「移動」する ~スミレの移動のための花~

日本中の野山に生息するスミレですが、鉢植えや庭で育てようとすると、気難しい面があります。
植えられた環境が気に入らないと、なんと「移動」するのです。
正確には、元の本体は枯れて無くなって、別の場所に同じ個体が出現します。
スミレは春に開花しますが、その後、花とは全く形態の異なる「閉鎖花」(受精を伴わない花(種:自家受精またはクローン))を付け、鞘をはじかせて十から数十個の種を飛ばします。
そこで、環境が適さなかった元の場所は枯れて、環境の適した場所に移動するのです。
この閉鎖花の種の目的が「移動」であることは、この種をまいても育つわけではなく、蟻が巣の近くまで運んで種についた蜜を齧る事で初めて発芽する事からもわかります。
スミレは進化のための花と移動のための花を使い分けているのです。




田村正道

アリは仲間と餌を口移しする際に共生相手(アブラムシ)を共有する

アリはアブラムシと共生関係を形成するが、共生するアブラムシの種は頻繁に入れ替わる。
アリは多数の同類で集団を形成するため、集団内で現在の共生相手を共有する必要がある。
各個体がそれぞれ共生相手と接触して認識するとなると、共生関係の構築に膨大な時間がかかってしまうため、そ嚢(消化管の一部で食べたものを一時貯蔵する器官)に蓄えた餌を仲間に分け与える際に、共生相手の情報を伝達していることが確認された。
複雑な脳を持たなくとも、こうした情報を共有する仕組みを獲得しているのは、それだけ集団としての外圧共有が、適応していく上で重要であることの顕れであろう。
◇アリは「誰が共生相手か」を口移しで巣仲間に伝えることが判明リンク
<マイナビニュース>より
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アリとアブラムシの関係は、異なる生物同士がお互いに利益を与え合う「相利共生」のモデルケースとして研究されてきた。アリは栄養豊富な甘露を受け取るかわりにアブラムシを保護し、その天敵を排除する。多くの場合、パートナー種は頻繁に入れ替わり、アリと共生関係を結ばないアブラムシ種も多く存在する。したがって、アリは現在パートナーであるアブラムシを正確に認識、識別する必要があると考えられるが、アリがどうやってアブラムシを認識しているのかはほとんどわかっていなかった。
これまでに同研究チームは、アブラムシから甘露を貰った経験のあるアリは、アブラムシに対する攻撃性を著しく低下させることを明らかにしている。この結果は、アリがアブラムシを学習することを示唆しているが、アリはアブラムシと家族単位で共生関係をむすぶため、「自己学習」だけではアリ個体全員がそれぞれ学習する機会が必要となり、共生構築に多大な時間を要することになってしまう。そのため、アリが家族の他個体にアブラムシの情報を伝える何らかのシステムを持っているのではないかと考えたという。
そこで、マメアブラムシ経験のあるアリとシャーレ内で同居させたアリのアブラムシに対する攻撃性を測った結果、直接のアブラムシ経験が無いにも関わらず、アブラムシに対する攻撃性を顕著に減少させた。これは、アブラムシの情報が未経験アリへと伝達されたことを示している。次に、情報伝達がどのように生じているのかを明らかにするため、アリの口移し行動に着目した。口移しは、そ嚢に蓄えた液状の餌を吐き戻し仲間に分け与える行動で、アリやハチなどの社会性昆虫で広くみられる習性となっている。アブラムシ経験アリから未経験アリへの口移しを阻害したところ、未経験アリのアブラムシに対する攻撃性が顕著に増加した。このことから、働きアリ間の口移しの際にアブラムシの情報が伝達されることが判明したという。
自身の経験を伴わずとも,他個体の観察や情報伝達をもとに個体が行動を変化させる社会的学習は、主に大きな脳を持ち高度な社会生活を営む高等動物でみられる現象と従来は考えられてきた。しかし、小さな昆虫までもが他個体の得た情報をもとに意思決定をする仕組みをもつことが徐々にわかってきたということだ。
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稲依小石丸

2017年9月27日 (水)

呼吸しない微生物? 外部のエネルギーによって生きる生物が先行していた可能性

微生物の呼吸は、「発酵」や「嫌気呼吸(酸素ではなく窒素や鉄による)」から、光合成によって地球上の酸素が増えた段階で「酸素呼吸(酸素を使ってエネルギーを得る)」へと進化したと考えられています。
状況によって発酵と酸素呼吸を使い分ける微生物もありますが、発酵や嫌気呼吸を行う微生物は、嫌気性細菌として、酸素の影響を受けない(しかし栄養豊富な)土中か、または動物の体内(腸内)に暮らしています。
今回発見された「呼吸をしない微生物」は、これら「呼吸する仕組み」自体を持たない微生物とされていますが、それが事実だとすれば、栄養を分解してエネルギーを取り入れる方法以外の方法でエネルギーを取り入れる方法が先行して存在し、その後、より有効にエネルギーを取り入れる生物に進化したものと思われます。
地球の内部に存在するエネルギーによって生きているのかもしれません。
産経ニュース
リンク
より引用
●「呼吸しない微生物」を発見 どのようにして生きているのか不明…生命誕生の謎に手掛かり
呼吸する仕組みを持たず、どのようにして生きているのか分からない常識外れの微生物を発見したと海洋研究開発機構などの国際チームが発表した。
 生命誕生の謎の解明につながる可能性があるという。英科学誌電子版に発表した。
 チームは米カリフォルニア州の山で、地下深部からの湧き水に含まれる微生物を採取。ゲノム(全遺伝情報)を調べたところ、16種類の微生物は呼吸をつかさどる遺伝子がなかった。うち4種類は体内でエネルギーを生産するための遺伝子も見当たらなかった。これらが生命を維持する仕組みは全く分からないという。
 この湧き水は、地球のマントルの成分のかんらん岩と水が反応してできた。強いアルカリ性で酸素をほとんど含まず、生命にとって極めて厳しい環境だ。
 生命が誕生した約40億年前の地球は、よく似た環境だったとされる。
 過酷なこの時代に生命が生まれた理由は大きな謎で、今回の微生物が解明の手掛かりになる可能性があるという。
 海洋機構の鈴木志野特任主任研究員(環境微生物学)は「予想外の発見で驚いた。生命を維持する未知の機能を解明したい」と話す。(草下健夫)




田村正道

2017年9月25日 (月)

細胞は下等段階の生活体(微生物)の集合、融合、分化によって新生する 「千島学説の細胞理論」

千島学説は細胞は赤血球より生ずるとするものだが、それの更に元となる細胞進化に関する千島の学説を紹介する
一言で言えば細胞は今より下等段階の生活体(微生物)の集合、融合、分化という過程をもって新生するというものである。
千島の基本的な生物観は、生物はより原始的な態様を持つ存在が多数集合し融合することで、新たな態様に発展するということ(螺旋的発展)と、生物一般に見られる「個体発生は系統発生を繰り返す」ことが、細胞(や赤血球)においても当てはまるといったものである。
そして、このことは進化論的にも裏付けられる。そして現在の地球上においてそれを反復している証拠もあり、ウイルヒョウの「細胞は細胞の分裂によってのみ生ずる」という細胞学の鉄則は根本的な再検討を要することになるとする。
以下にその根拠となる現象と千島の論考を要約する。参考『新生命医学会』HP リンク
①生殖細胞と原生生物との類似
細胞の起源と微生物との共生現象を見る際に、まず生物体中で最も根本的な存在である赤血球と生殖細胞とが原生生物その他の下等生物に似た性格をもっているこを指摘する。
卵子はアメーバの休止期に、精子は鞭毛虫或いは帽針状腐敗菌に似た形をもっており、生殖細胞は分化した多細胞生物が再び原始の状態に戻ったものと解することができる。
このように考えるとき、生殖細胞と下等微生物との形態や習性に類似点があることは単なる偶然の一致ではなくて、生殖細胞は多細胞生物発生という原始状態に戻り、過去の歴史を反復する段階にあるものということもできる筈。
②赤血球と原生生物との類似
現代の血液学では赤血球は最高度に分化した細胞だと定義づけしている。それに対して千島は『赤血球は生殖細胞より一層に原始的で細胞以前のもの』という。
赤血球がまだ原生生物的形質を多分にもっているという証拠は、カバースライド法で両棲類、鳥類や哺乳類などの生きた赤血球を観察することで理解できる。
③細胞と微生物との共生関係
千島は様々な細胞や器官と微生物との共生関係を観察し、以下の考察を行う。
(1) 各種原生動物の細胞内に共生微生物といわれる細菌、藻類、酵母などを含み、時にはこれら共生微生物で細胞は充満し、それと共生するといわれる細胞が、どの部分を占めているのか全く分からないもの、いわゆる微生物自体の集塊といった観を示すものが広範囲にみられる。これらの共生微生物は細胞内へ侵入したり、細胞に捕食されたものではなく、原則的には自ら集団を形成し、前述した集合、融合、分化という過程を経て、より高次の細胞構造へ発展していく。
 
(2) 血球は共生微生物(ズークロレラ)に由来するという古典的な学説があるが、これは決して奇想天外な説ではない。ミミズの含糸細胞が糸状菌の集塊から分化することや、ウニの体腔液中の微生物と血球との間の移行像が見られることからも真実を含んだ学説である。
 
(3) 葉緑体は元来一個の独立した微生物(多分緑藻類だろう)に由来するというケラーの説も多分誤ったものではない。クロロフィルと血色素の化学構造が酷似していることも血球とクロレラとの系統発生的関係を暗示している。
 
(4) 動植物細胞質内のミトコンドリアは、共生菌の名残を示しているという説がある。これは妥当な説とおもわれる。細菌集塊、緑藻類(クロレラ)の集団の分化によって細胞が形成された名残がミトコンドリアであり、現在でもその過程は消化管壁細胞や昆虫の細菌細胞などの形成途中や、カイメン細胞などによって実証が可能である。
 
(5) 淋菌、結核菌、癩菌などが細胞内に充満して繁殖しているのは、多分、血球やその他の細胞が腐敗に陥る際、細胞内部に腐敗菌が自然発生するのと同じ原理で、細胞中に病原菌が新生したものだと推測できる。




北村浩司

藻類(酸素供給源<栄養源)の爆発的な増加が多細胞生物(動物)の発展を後押しした

大気中の酸素濃度の増大が燃焼によるエネルギーの生成を可能にし、多細胞生物の登場~複雑化・大型化を促進した主要因と考えられていました。
しかし、藻類の増加と動物の出現時期の関係から、酸素濃度の増大よりも、光合成を行う藻類が豊かな栄養源となったことが、多細胞生物の発展の主原動力であったとする説が唱えられています。
◇多細胞動物の出現、藻の大発生が後押しか 研究リンク
<AFPニュース>より
////////↓↓転載開始↓↓////////
【8月17日 AFP】地球上の生命の進化が30億年近くの間、単細胞の段階でほぼ足踏み状態を続けていた結果、海の中は細菌類で満ちあふれることとなった──。だがその後、赤道付近の海でも厚さ2キロに及ぶ氷が張っていた地球の全球凍結が約6億5000万年前に融解したことで、藻類が爆発的に増加し、すべての状況が一変したとする研究論文が16日、発表された。
 英科学誌ネイチャー(Nature)に掲載された論文の主執筆者で、オーストラリア国立大学(Australian National University)のヨッヘン・ブロックス(Jochen Brocks)教授によると、氷河が海に向けて滑り落ちる際に栄養物が山腹からはぎ取られ、それを摂取した「より大きな藻類が(それまでの)微小な細菌類に取って代わった」のだという。
 仏パリ(Paris)で開催の国際地球化学会議への出席中にAFPの取材に応じたブロックス教授は、「これらの藻類は食物網の基盤を根本的に変えた。藻類がいなければ、人間は今日ここに存在していなかっただろう」と語った。ブロックス教授は同会議で今回の研究成果を発表した。
 動物が地球上に初めて登場した時期とその要因は、科学における重大で最も手強い謎の一つとなっている。
 ブロックス教授によれば、この問題をめぐっては確かな事実よりも数多くの学説が提唱されており、専門家らも2つの主要な陣営に分かれてしまっている状況なのだという。当のブロックス教授も、自身の研究結果に後押しされるかたちで、一方から他方の陣営に鞍替えしているのだ。
 ブロックス教授はAFPの電話取材に「論争は20年間続いている」としながら、「さっきまで会議のセッションに参加していたが、両陣営は文字通りぶつかり合っているよ」と語った。
 主に生物学者で構成されている一方の陣営は、解決すべき謎など何一つないと強く主張する。彼らは、動物のゲノム(全遺伝情報)のような複雑さを持つ生物の進化には数十億年もの長い時間がかかるとする説を唱えている。
「もう一つの陣営は、動物はもっと速やかに進化できたはずだが、何かがそれを阻んでいたと主張している」とブロックス教授は説明した。
 酸素の不足は、多細胞生物の台頭にとって重大な障壁となると長年考えられていた。エネルギーを消費する大型の生命体には強力な燃料が必要で、その燃焼を助けるため酸素は不可欠だ。
 ブロックス教授の研究は、進化を拒む何かがあったとする障壁の仮説の裏付けするものだが、その考え方は全く別の方向を向いている。
■偶然の一致「可能性は極めて低い」
「今回の研究は、不足していたのが酸素ではなく、豊富な、栄養に富んだ食料源だったことを示す初の物的証拠を提示している」と、ブロックス教授は話す。
 これで話は藻類に戻る。
 地表の融解とともに豊富な窒素を含む栄養物が大量に海へと流れ込み、光合成を行う藻類が爆発的に増加した。その際、はるかに小型の細菌類の犠牲を招いた。
 生態系内のエネルギー量を決めるのは、食物連鎖の底辺で、細菌類にとってかわった藻類は平均で約1000倍の大きさだ。この違いについてブロックス教授は、「大きさの比率ではネズミとゾウくらいの差がある。海洋生態系で重要となるのは大きさだけ」と指摘する。
 そして「食物網の基盤に、栄養価が高く高エネルギーの微粒子が大量に得られた。これによって生態系全体が複雑で大型の動物へと向かうこととなった」と説明した。
 研究チームは、このような移行が起きた証拠を、オーストラリア中部に広がる砂漠地帯の地下深くから採取した岩石サンプルで発見した。サンプルの岩石は、約5000万年間続いた地球の氷結状態の直後の年代のものだった。
 研究では、クロマトグラフィー法(化学成分の析出)と分光法(質量の測定)を用いて、高次の生命体と細菌類の個体数を反映する上でそれぞれの指標となる分子2種類の経時変化を調べ、比較した。
 その結果は、複合生物の指標となる分子の数が100倍~1000倍に増加するほどの劇的な変化を示していた。
「藻類の増加と動物の出現は、発生時期が互いに非常に近いため、それが偶然の一致である可能性は非常に低い」と、ブロックス教授は話している。(c)AFP/Marlowe HOOD
////////↑↑転載終了↑↑////////
実際には酸素濃度上昇、栄養源の増加、酸素増大→オゾン層形成による紫外線緩和といった諸要素が作用しあって、多細胞生物の登場・発展を後押ししたのではないでしょうか。




稲依小石丸 

2017年9月 7日 (木)

生きる意志が時間を創る

こんばんは。
時間の流れを創っているのは、物理的時空ではなく、生きる意思である。
突然ですが、上記を声に出して唱えてみてください。
生きる意志が、時間を創る。
私たちが生きるということ、ただ生きるのではなく意志をもって生きること。
そのことによって時間が創られる。そう思うととても今という時間がいとおしく感じられます。
橋元淳一郎『時間はなぜ取り戻せないのか』という本の感想から引用させていただきます。
続きはコチラから→リンク

男と女の職場話

2017年8月28日 (月)

生命を維持するのに重要な遺伝子のない常識外れの微生物が発見された

マントル由来の岩石域から湧き出る強アルカリ性の水環境で、「呼吸」や「代謝」などをつかさどる遺伝子が無くても生きている微生物が発見されました。
呼吸をせずエネルギーを取り込まないのであば、もはや生命では無いのではないか?と思われますが、その微生物は活動し繁殖もしているとのこと。そうであれば、遺伝子よるものとは別の生命維持システムを保持しているのかも知れえません。
> 初期生命体は、ソマチッド(無機生命体)であり、秩序化のために高秩序エネルギー(≒光エネルギー)を受信・利用し、熱等の無秩序化したエネルギーを排出する代謝機能を獲得し、分子群の秩序化状態を維持した。(313304)
今回発見された微生物は、このことを裏付けているのかしれません。地球の初期環境における生命進化の謎を解き明かす上で非常に重要な発見になりそうです。
以下「常識外れ」の微生物発見 呼吸・代謝の遺伝子もたず(リンク)より転載
 ==========================================================
 
海洋研究開発機構は、生命を維持するための呼吸や代謝などをつかさどる遺伝子が無くても生きている微生物を見つけたと発表した。子孫も残していた。なぜ生存できるのかこれまでの常識では説明がつかないという。生命の進化をひもとく新たな発見として、解析を進める。
 世界には、地球内部を動くマントルが地殻変動の影響で地上に露出し、かんらん岩となった場所が数カ所ある。米カリフォルニア州ではこうした場所に泉があり、ユニークな微生物が水中の岩石にはりついているのを見つけた。
 27種類の微生物のゲノム(全遺伝情報)を解読したところ、16種類の微生物は呼吸をつかさどる遺伝子が無かった。そのうち5種類は糖の分解やアミノ酸の生産を通じてエネルギーを取り込む遺伝子が見あたらなかった。27種類のすべてが、増殖して子孫を増やしていることがゲノムから読みとれたという。
 研究チームは、泉の水とかんらん岩が触れて別の岩石に変わる反応過程を微生物が利用し、栄養を受け取っている可能性があるとみている。今後、微生物の細胞の成分を解析し、どのように栄養を取ったり呼吸したりしているか調べる。
 ======================================================以上
※詳しくは、国立研究開発法人海洋研究開発機構のプレスリリース(リンク)を参照。


 
斎藤幸雄

«生命を維持するための遺伝子がない微生物群を日本人科学者たちが発見

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