生物と物質の違いは、生物かどうかではなく、生物として活動できる「条件」にあるのではないか?

地下で3億年!生き、条件が揃えば蘇生!する微生物。
代謝を行わない微生物も存在する。

最近の地下微生物の発見から考えると、生物と物質の違いは、生物かどうかではなく、生物として活動できる「条件」にあるのではないか?

「BIGLOBEニュース」
リンク
より引用

「死をもあざむく?地球の内側で見つかった微生物の不死へのアプローチ」

 地球の深部炭素に関する国際的なサイエンスネットワーク団体、ディープ・カーボン・オブザバトリー(Deep
Carbon
Observatory:DCO)が驚きの事実を発表した。

 地球の地下で生きる微生物の質量は150~230億炭素トンで、全人類を合わせた炭素質量のじつに245~385倍あるというのだ。
 地下の奥深くで生命が存在できるはずがないと考えられていたのが、そう遠くない昔のことであるのを考えれば、まったく驚きである。
 だが、その発表を詳しく見てみると、さらに驚愕の事実が述べられていた。
 地下生命の年齢である。

●科学者の培養実験。細菌は蘇生する。
 1920年代末、チャールズ・リプマンという科学者が、岩の中に細菌が、しかも生きたまま存在するのではと疑い始めた。
 彼は、密封した瓶の中に入れられた乾燥した土に潜んでいた細菌が、40年後に蘇生した事実について考察していた。もし、細菌が40年間も生きられるのだとすれば、はたしてどこかに限界はあるのだろうか?
と。
 沼から採取した岩のような石炭は、その実験にぴったりに思われた。彼は石炭を砕き、そのカスから何かが成長するかどうか観察してみた。そして、思ったとおりだった。
 石炭の粉末を滅菌水に混ぜて2、3週間放置しておくと、細菌のようなものが現れ始めたのだ。粉末を細菌が大好きな「ペプトン」たっぷりの溶液に入れた場合は、たったの5時間であった。

 興味深いことに、この蘇生には、液体に数日間浸かるという水分補給期間が必須であることも判明した。石炭の粉末が湿っていたとしても、そのままペトリ皿のエサ入り寒天培地に入れても、何も育たなかった。

 むろん、リプマンはサンプルが汚染されないよう細心の注意を払って実験を行なった。徹底的な洗浄・殺菌作業には、数時間あるいは数日におよぶ洗浄、浸漬、加熱、加圧が含まれる。
 だが、これで判明したのは、160度でサンプルを数時間熱したとしても、石炭の内側にいる細菌を殺せないということだった。
 それどころか、かえって細菌に力を与えるのだ。加熱時間が長くなるほどに(なんと最大50時間行われた)、その成長は促されたのである。


●過酷な環境に耐えるためのアンヒドロビオシス
 リプマンは、石炭から手に入れた細菌が、人間の腸内細菌のそれと同じ意味で生きているとは信じなかった。
 むしろ、石炭を形成する過程で、カラカラに乾燥し、仮死状態になっていたと信じた。
 「石炭の中の微生物は実際に生存者である。石炭はもともとは泥炭のような性質で、おそらくは微生物がきわめて豊富だったろう。だが、そこから石炭が形成されたときに、その中に囚われの身となったのだ。」

 「私の意見では、石炭の塊のそこかしこに、一時的な胞子か、それに類する耐久性を備えた休止状態の細菌が散らばっており、時と環境の試練を生き延び、その生命としての特徴や栄養型に変化する力、あるいは状況が繁栄するにふさわしいものになったときに増殖する力を維持したのだろう。」(Journal
of
Bacteriology)

 こうした干からびた状態を現在では「アンヒドロビオシス(anhydrobiosis)」という。これはクリプトビオシス
の一つで、凄まじい生命力で知られるクマムシのような動物が、極度の乾燥状態や、宇宙の真空や放射線の集中砲火に打ち勝つため活動を停止する無代謝状態のことだ。


●3億歳の微生物
 リプマンが使った石炭は、ウェールズとペンシルベニアで採取されたもので、中には540メートルの地下から採掘されたものもあった。
 ペンシルベニアの石炭は、ペンシルベニア紀という地質学上の時代の名称の由来ともなっている。そして、それは少なくとも3億年も前の時代のものだ。
 リプマンの実験が行われたのは1931年のことだ。おそらく同僚は彼がおかしくなってしまったと考えたことだろう。
 しかし2019年の我々の目から見れば、リプマンが別におかしくもなんともなかった線の方が濃厚だ。

 世界最高齢の個体は、節くれだったブリストル・コーン・パインやクローンで形成されたアスペンの森林ではなく、地下の岩の中に囚われたちっぽけな微生物なのかもしれない。それが、成長もせず、子孫も残さず、ただ死神をごまかしているだけに過ぎないのだとしても。


●地下細菌の寿命の長さを示唆する最近の研究
 ここ10年で、堆積物や岩、あるいは地中深くの隙間や亀裂の中で生きているこうした細菌が、予想外に長生きであることを示す研究は増えている。
 たとえば、2000年代初頭、帯水層や堆積物の微生物が呼吸をする速度は、地上にいる微生物のそれよりもずっと遅いことが明らかにされた。
 そのバイオマス回転率(細胞の分子が置き換わるためにかかる時間)を計測すると、数百から数千年の長さであった。

~中略~

●地下の囚人になる代償としての不死
このあたりで話をまとめよう。地球の地殻には、不活発な古代の細菌がうじゃうじゃいる。それは省エネモードにあるが、ギアはいつでも入れられる状態にある。
 永遠に思える時間を暗闇の中に閉じ込められ、静寂の中、かろうじて食べ、かろうじて呼吸し、かろうじて動く。それでも死んでいない、生きているのだ。
 もしチャールズ・リプマンが正しかったのなら、恐竜が登場するより5000万年も前に生まれた地球内部の細菌細胞は、明日にでも再び分裂を再開するかもしれない。なんと驚愕の事実であろうか。

 だが、こうした魔法のような力を発現させるために、細菌は地下牢獄に囚われていなければならない。その代償として、事実上の不死が与えられているのである。

 

 

 

田村正道

2020年6月24日 (水)

性が変動する生物

有性生物の中で、性が変動する生物は、魚類、爬虫類に見られる。
占いフォーラム (fanex)リンクより引用。
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●有性生殖の分類
有性生殖は大きく接合型と受精型に分類されます。接合型では生殖を行う両者の個体の「生殖細胞」は区別が付きませんが、受精型では、大型で動きの小さな生殖細胞(卵子)と小型で運動量のある生殖細胞(精子)とが結合して、新個体が生まれます。

この時、卵子を供給する個体をメス(♀)、精子を供給する個体をオス(♂)と言いますが、このオスとメスのあり方にも様々なタイプがあります。

ほ乳類などでは、オスとメスは生まれた時から決まっていてそれが変化することはひじょうに稀ですが、魚類などには成長や必要に応じて性が変わる物はよくあります。これを「性転換」と言っています。

またアオミドロなどの場合、いつでも精子でも卵子でも供給することができ、生殖を行う相手との関係でそのどちらかを提供するようになっています。基本的にはオス役のアオミドロがメス役のアオミドロに接合管を挿入して、雄性細胞を送り込み雌性細胞に結合させます。これは接合型の有性生殖から一歩進化した状態と考えることもできます。高等生物でもミミズなどは元々「雌雄同体」で、精子と卵子のどちらも提供することができ、ある意味では性が固定されている生物よりも多様な子孫の作り方が可能です。

●性が変動する生物
性が変動する生物には、生まれた時にはメスで後にオスに転換するもの(雌性先熟)、逆にオスで生まれてメスに転換するもの(雄性先熟)、また生殖の必要性により転換するもの、栄養状態によって転換するものなどがあります。

クマノミは雄性先熟で、生まれた時がオスで成長するとメスに変わります。逆にキンギョハナダイは雌性先熟で生まれた時はメスで成長するとオスになります。
ホンソメワケベラは、群の中に1頭だけオスがいて、他はメスになっていて、いわゆる「ハーレム」を作っていますが、その1頭だけのオスが死ぬと、群の中のメスのどれかがオスに変化して精子を供給するようになります。キンギョハナダイもハーレムは作りませんが、近くにオスがいない環境にいるメスはオスに転換する傾向があります。

カミナリベラではオスに生まれた個体はずっとオスですが、メスに生まれた個体は、近くにオスがいない場合自分がオスになることがあります。しかしこの「メスあがりのオス」は生まれながらのオスよりも小さくて弱く、そのオスが率いるハーレムに生まれながらのオスがやってくると、勢力争いに負けて追い出されてしまいます。カミナリベラの場合、この小型のオスというのは、大きなオスのいる所では生きていけないのでメスとして生殖活動を行うことにより自分の子孫を残せるようにしているが、大きなオスのいない所では自分がオスになってまわりのメスに大量に精子をばらまいた方がたくさん子孫を残せるということで、こういう転換の仕方をするのだと言われています。ただしこのオスに転換するのは一種の博打でもあるわけです。

カキなどは生殖時期が終了するといちど中性になり、その後の栄養状態が良いとメスになり、悪いとオスになります。

●性の決定の仕組み
性転換を行わない生物では、性の決定は環境により決まるものと、遺伝子で決まるものとがあります。は虫類の中には、卵が孵化する時のまわりの温度によってオスとメスが決定するものがあります。また子供の頃の栄養状態が良いとメスになり、悪いとオスになるものもあります。

ほ乳類や鳥類では性染色体により性が決定します。ほ乳類の場合はメスがXX、オスがXYであって、Y染色体の存在がオスの身体を作り上げます。これに対して鳥類の場合はメスがZWで、オスがZZになっていて、ほ乳類とは逆にW染色体の存在がメスの身体を作り上げます。

●変則的?な生殖法
この手の話をすると毎度おなじみプラナリアですが、プラナリアの一部には夏には無性生殖を行い、冬には有性生殖を行うものがあります。またイシサンゴは有性生殖と無性生殖のどちらもすることができて、分裂によって自分のコピーをすぐ近くに作ることもできれば、受精によって自由に動き回る幼生(プラヌラ)を作り、この幼生が海の中を動き回ってどこかの岩に定着してそこで成長する場合もあります。

また世代によって生殖の仕方が異なる生物も多く知られています。クラゲの類は有性生殖によってプラヌラ型の幼生を作り、これは成長するとポリプという形の成体になります。ところがこのポリプは無性生殖で増えます。そして水温などの条件が成立するとストロビラという、たくさんくびれた形の生殖体に変化し、このくびれのひとつひとつが分離して、エフィラという幼生になります。このエフィラが成長するとクラゲ型の成体になるのです。

同様の現象はシダ植物、コケ植物などでもみることができます。

 

2020年4月30日 (木)

「コウモリ」はなぜ「ウイルスの貯水池」なのか

新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染症(COVID-19、以下、新型コロナ感染症)が世界中で猛威をふるっているが、このウイルスはSARS(SARSr-CoV、重症急性呼吸器症候群)と同じ人獣共通感染症(Zoonosis)だ。こうしたウイルスの自然宿主(最初にウイルスにかかった生物)はコウモリとされているが、なぜコウモリ起源のウイルスがこんなに多いのだろうか。

コウモリが感染させるウイルス
 人獣共通感染症はヒトの感染症の60%以上を占める。世界で毎年約10億人が病気になり、数百万人が死ぬ病気だ。人獣共通感染症では、野生生物を自然宿主にしていた病原体(ウイルス)が、家畜などの脊椎動物や昆虫などの無脊椎動物を経由し、あるいは直接にヒトへ感染して広がっていく。

 ウシから天然痘や結核、ブタやアヒルからインフルエンザ、ヒツジやヤギから炭疽症、ネズミ(齧歯類)からペスト、主にイヌ(ネコやコウモリなども)から狂犬病といった人獣共通感染症があるが、サル免疫不全ウイルス(SIV)が変異してヒトに感染してヒト免疫不全ウイルス(HIV-1、HIV-2)になったようにヒトと野生生物の接触によって感染が広がることも多い(※1)。

 自然宿主にはコウモリが多く、コウモリの次は霊長類、齧歯類の順になるようだ。また、世界で新たな人獣共通感染症が発生するリスクの高い地域としては、コウモリはアジアの一部と中南米で多く、霊長類は中米、アフリカ、東南アジアに集中し、齧歯類は北米、南米、中央アフリカの一部と予測されている(※2)。

 コロナウイルスも人獣共通感染症で、最初に発見されたのが1965年という新しいウイルスだ(※3)。このウイルスが注目されたのはSARSが流行した時で、SARSの自然宿主は当初、ジャコウネコと考えられていた。

 その後、同じウイルスがコウモリ(キクガシラコウモリの一種、Rhinolophus
sinicus)で発見され、現在ではコウモリのSARSウイルスが共通祖先としてヒトとジャコウネコに感染したとされている(※4)。ちなみに、いわゆる南京虫、トコジラミ(Cimex
lectularius)もコウモリからヒトに寄生先を変えた生物だ(※5)。

 SARSウイルスやMARS(MARS-CoV)ウイルス(コウモリ→ヒトコブラクダ→ヒト)などのコロナウイルスの研究が進んだ結果、コウモリはコロナウイルスなどヒトに対して新たに出現するウイルスの「貯水池(Reservoir)」と考えられるようになった(※6)。

 SARSウイルスと遺伝子が96%同じ新型コロナのウイルスも同じようにコウモリが自然宿主と考えられているが(※7)、なぜコウモリはウイルスを貯め、主要な感染源になっているのだろうか。

コウモリはウイルスの貯水池
 コウモリという生物の特徴は、その種類の多さだ。哺乳類の種類の約20%がコウモリとされ、その種類は900種を超えるが、環境破壊のせいで絶滅危惧種も多い。分布域も広く、哺乳類ではヒトとネズミなどの齧歯類、クジラ類と同様、地球上の広い範囲に棲息している。

 また、哺乳類の進化の中では比較的プリミティブな生物で、多くの哺乳類が持つ遺伝的特質の原型を持っている。つまり、コウモリの古い形質の遺伝子で保存されてきたウイルスは、変異すると他の哺乳類へ感染する能力を持ちやすいことになる。

 種類によってはかなりの長距離を飛翔するのもコウモリの特徴だ。つまり、ウイルスを広い範囲に感染させる能力を持っている。広範囲に多種多様なコウモリが分布し、広大な空間を移動するわけだ。

 また、多くの種類のコウモリは冬眠することが知られている。ウイルスもコウモリとともに越冬し、長い期間、生きながらえることができる。また、コウモリ自体の寿命も長く、30年以上も生きる種もいる。こうした意味でもコウモリはウイルスの貯水池になるのだろう。

 ヒトのトコジラミがコウモリ由来だったように、コウモリは哺乳類の血液を吸うダニやシラミなどを媒介しやすい。こうした寄生虫からウイルスが感染することも多い。

 さらにコウモリは、あまり清潔ではない湿った洞窟や木の洞などに集団で棲息する種が多い。そもそもコウモリの個体数は多く、こうした集団が密集することでウイルス感染のパンデミックを起こしやすい。また、容易に捕まえることができるので食用にする地域もある。

 コウモリの認知やセンシング、コミュニケーション手段はエコーロケーション(反響定位)だ。口から発する超音波が跳ね返ってくることで、飛行したり位置を認知したりする。その際に飛び散る唾液などを介してウイルスが感染しやすくなる。

 以上をまとめると、コウモリはウイルスが好みやすい環境に棲息して大集団を形成し、広く分布して長距離を移動し、哺乳類の多くに共通する遺伝的な特徴を持ち、ウイルス感染によるパンデミックや他の哺乳類にウイルスを感染させやすい特徴を持っているということになる。

 こうした生物は他にもいる。我々ヒトだ。集団が密集して暮らし、長距離を移動し、口から唾を飛ばしながらコミュニケーションする。コウモリからヒトへ、ヒトから他の生物へ、ウイルスの連鎖が広がっているのかもしれない。

 一方、コウモリの生息域は自然破壊で狭められ、劣悪な環境で暮らさざるを得なくなっている。また、地球温暖化で分布も変化し、これまでヒトとあまり接触しなかった種類のコウモリが身近に現れるようになってきた。

 コウモリという貯水池のウイルスが変異しやすく、ヒトに感染しやすい状況になっているというわけだ。新型コロナウイルスもコウモリからヒトに感染するようになったが、これからも新たなウイルスが出現し、人類の脅威になるかもしれない。

引用元:リンク

 

 

昆虫の進化戦略(昆虫が多様に進化し、繁栄しているのはなぜか

昆虫は現在の地球上で、繁栄を極めており、500万種以上の種類があると言われている。ちなみに現在のほ乳類は約4000種である。
何故昆虫はこれほどまでに繁栄し得たのか。

まず昆虫が小さな体を獲得した点があげられる。昆虫が小型となったのは、陸上の昆虫が脊椎動物系と異なり、呼吸器官として気門を用いていることに由来する。
脊椎動物はエラや肺で吸収した酸素を血管によって全身の細胞にいきわたらせるという方式であるのに対し、気門は体に分布する10対くらいの気門から、空気を取り入れ、気管と呼ばれる太いパイプから、より細いパイプで必要箇所に送り届ける方式である。この方式は比較的単純なつくりであるという点で優位性を持つが、逆に長い距離の運搬が困難である。つまり空気を送り届けられる範囲でしか大きくなれないという物理的限界を持つ。だから酸素濃度が上昇した時期は「ムカシトンボ」など、比較的大型の昆虫も存在したが、現在は哺乳類と比べると著しく小型である。

更に昆虫は小型化することで、同一環境内で互いに小さなニッチを分け合う事を可能にした。例えば植物食の昆虫の場合、一つの植物を数多くのニッチに分け合うことができる。例えば葉を食べる、茎に穴を開ける、葉の裏側に回り込む、花のつぼみやさやをかじる、樹皮の内側に潜む、幹の中心部まで穴を掘る、地下の根に棲みつく等々。一つの植物だけでも多様な利用形態を生み出し、多様化することができる。そういった理由から昆虫は進化するほど小型化するという傾向がある。

昆虫が豊かな多様性を獲得したもう一つの理由は、「飛べる」ことである。最初に空を飛んだ生物は昆虫である。最初に翅を持った昆虫は1億5000万年の間、飛翔できる唯一の動物として捕食者から逃れ、多様な場所へと拡散できるという大きな強みを持っていた。その後や鳥類やコウモリが現れた後も、昆虫は空から締め出されることはなく、むしろそれが「淘汰圧」として働くことで、多様な適応を果たしていった。

しかしそれらも含めて昆虫の多様性を可能にした最も大きな理由がある。変異スピードの速さである。その象徴ともいえるのが、昆虫の成長の仕組みである。蝶、ハチ、ハエ、蚊、アリ、カブトムシ、ノミにいたるまで、現在の昆虫の85%は完全変態する(卵→幼虫→蛹→成虫)。不完全変態(蛹を経ないもの、バッタ、トンボ、セミなど)も含めれば、ほぼすべての昆虫が変態を行う。幼虫の期間と成虫の期間を比較すると、体つきも、食べ物も、種によっては生息域も全く異なる。
この完全変態が登場したのは史上最大の絶滅といわれるベルム期末(2億5000万年前)である。ベルム期末には、海生生物のうち最大96%、全ての生物種で見ても90%から95%が絶滅したといわれる。原因は火山爆発やプランクトンの激増に伴う海洋無酸素化など諸説あるが、いずれにせよ、環境の超激変期であったことは間違いない。この激変に対して、古い有翅昆虫の多くは滅び、完全変態の機能を獲得した昆虫類が生き残った。

では、完全変態を行う蛹の時期に昆虫は何をしているのか?蛹の中を観察すると、変態期の蛹はドロドロのスープ状になっている。生存上最低必要な呼吸や一部の神経系を除き、幼虫時代に用いられていた細胞は自死(アトポーシス)し、分解される。それに代えて、成虫時代に必要な器官のもととなる(外骨格や翅や足や内臓など)幹細胞が休眠状態から作動し、成虫の身体を作り上げるのである。つまり昆虫は幹細胞からもう一度生まれ変わるのである。ドロドロに溶けた細胞はその際の栄養として使われる。昆虫の幼虫はほとんど動かずひたすら食べ、栄養を蓄積する。逆に成虫は全く食べないか、ほとんど食べない。幼虫時代にひたすら栄養を蓄積し、この変態期にほとんどの栄養を使うのである。
その分逆に成虫は摂食するという制約から逃れ、交尾(生殖)と拡散に専念する。言葉を変えれば成虫は変異に専念しているともいえるのだ。更に未解明だが、環境の激変期であることから、蛹期に作動する幹細胞はこの2度目の誕生期に、遺伝子の発現のさせ方を変える=変異している可能性もある。

昆虫は気門や神経系(分散神経系)など比較的単純な構造で形成されている。これ自体が変異のしやすさを生み出していることに加えて、この「生まれ変わる」という生態がさらに変異を促進させたと考えらえる。
つまり昆虫の繁栄の究極の理由は、変異のしやすさと、それを促進する機能にあると考えられるのだ。
(参考「昆虫は最強の生物である」スコット・リチャード・ショー)

 

北村浩司

2020年4月17日 (金)

生物は遺伝子増幅により細胞レベルで外圧への耐性を高め、進化していく

サルは遺伝子の偶発的なバグで人間に進化したわけではありません。無方向の変異によって進化が成立しないことは知られていますが、では外圧適による進化のシステムはどのような構造をしているのでしょうか。

実は生物の細胞は外圧を受けることにより、その耐性を高めるための遺伝子増幅を作動させて遺伝情報を変化させています。単細胞生物はこの変化をもろに次の世代に受け継ぐことができます。多細胞生物においても、身体の細胞の持つ遺伝情報をもとに生殖細胞がつくられることで進化を続けてきたようです。
このことは、現在の耐性菌などについて考察するうえでも重要な視点になりそうです。

ー遺伝子の数を増やすための遺伝子増幅組換え機構ー
遺伝子の増幅とは、ある特定の遺伝子の数が増える現象で、その遺伝子産物が多量に必要な時に観察される環境適応反応の一つです。例えば害虫に対して徐々に殺虫剤が効かなくなる、あるいは癌細胞に対して制癌剤の効果が徐々に低下するのは、それらの細胞内で薬剤(この場合には殺虫剤と制癌剤)に対する耐性遺伝子が増幅して、薬剤の効果が打ち消され、細胞が耐性になってしまったためです。またリボソームRNA遺伝子など、通常の生育に多量の産物が必要な遺伝子も増幅によりその数が増えています。

また遺伝子の増幅はその産物量を増やすだけでなく、余分なコピーを染色体上に持たせることで、新しい遺伝子を創り出す原動力ともなってきました。つまり生物が単純な構造からより複雑な構造へと進化過程で、様々な新しい遺伝子登場してきましたが、その多くが遺伝子増幅により増えたコピーが変化して創られたと考えられています(重複遺伝子)

重複遺伝子とは、1つの遺伝子がコピーされて2つの遺伝子になることを遺伝子の重複といい、重複してできた遺伝子を重複遺伝子と呼ぶ。遺伝子の重複は頻繁に起きていて、例えばヒトの全遺伝子の70%以上が重複遺伝子だ。重複によりまったく同じ機能を持った2つの重複遺伝子ができるため、片方の重複遺伝子の機能が消失したり低下したりしても生命活動には支障をきたさない。

通常、遺伝子の機能を壊すような突然変異が生じると病気になってしまうが、重複遺伝子は低リスクで突然変異を貯めることができるというわけだ。また、突然変異は希に新しい機能を持った遺伝子を生み出するが、突然変異を貯めておくことができる重複遺伝子ではその確率が高くなる。

このように遺伝子重複は、遺伝的多様性(遺伝的変異)を高め、新しい機能を作り出すなど、生物の進化に重要な役割を果たしていると考えられており、ショウジョウバエ属の生息分布と重複遺伝子の数に関する研究から「重複遺伝子をゲノム中にどの程度持つのか」という種の遺伝的構造が、多様な生息環境への適応能力と関係していることが分かっています。

参照1:リンク
参照2:リンク

2020年4月10日 (金)

生物は、岩石と水の場で生まれたのかもしれない。

生命は何処で生まれたのか?
有機物のない岩石と水の場、そこで宇宙線エネルギーの中で生まれたのかもしれない。

リンク
より引用

●「常識覆す成果」海底地下の岩から微生物 東大グループが発見


南太平洋の海底を掘削した岩石の中に、微生物が生息していることを東京大学の研究グループが発見しました。この岩石の中では、これまで生物は生息できないと考えられていて、研究グループは常識を覆す成果だとしています。

バクテリアなどの微生物は、地下から見つかるケースが増えてきていますが、有機物を豊富に含む堆積物の中や熱水噴出孔など、エネルギーを得ることができる場所にかぎられ、玄武岩と呼ばれる地下に広く存在する一般的な岩石の中には、生物は生息できないと考えられてきました。

こうした中、東京大学の鈴木庸平准教授の研究グループは、南太平洋のおよそ5000メートルの海底から、さらに100メートル余り地下の玄武岩を微生物が混入しないように掘削し、生物がいないか調べました。

その結果、玄武岩の筋状の模様の部分に、1マイクロ程度の小さなバクテリアなどが多数生息していることを発見しました。筋状の部分は玄武岩の一部が長い年月で粘土質に変化した部分だということで、見つかったバクテリアの詳しい種類や、どのようにエネルギーを得ているのかなどについて解析を進めています。

 
鈴木准教授は「誰も調べてこなかったので、もしかしたらと思ったが生物がいて驚いた。普通の岩石の中に生物が広く存在している可能性を示していて、これまでの常識を覆す成果だ」と話しています。

 

田村正道

2020年4月 1日 (水)

人間の顔は腸の延長

専門的に言うと解剖学者というのか、脳生理学者というのかわかりませんけれど、養老さんの先輩筋に当たる三木成夫さんという人がいまして、僕はものすごく偉い人だと思っています。
もう数年前に亡くなりましたけれども、この人は顔というのをどういうふうに規定しているかというと、人間の体の発達史に即して人間の顔とは何なのかということを言おうとしているわけです。つまり、機能の面からではなくて、動物から人間に発達してきたものとしての人間の顔とは何かということを三木さんは言っているわけです。

 三木さんの言い方をしますと、人間の顔というのは形から考える考え方をすれば、人間の食道まで通っている腸管がちょうど内側から外側へめくれ返ったものだ。
肛門で言えば脱こうというのがあるでしょう。つまり、痔の病気に脱こうというのがある。
この脱こうと同じで、要するに脱こうの上のほうに付いているのが人間の顔だというのが三木さんという人の考え方です。
腸管の延長線が頭のところに来て、それが開いてしまっているというのが人間の顔だと考えれば大変考えやすいし、発達史的に言いますとそのとおりで、そういうふうに考えると人間の顔の位置付けができると、三木成夫さんという人はそういう説き方をしています。
この説き方はとてもおもしろいので僕なんかの好きな説き方です。
つまりこれを発生史的な説き方といいます。
人間が発達してきて、それで人間にまでなったという言い方が、あるいはもっと、人間の定めだったのだ。定めだったんだけど、だんだん陸に上がってきて哺乳類になって、それで人間になったのだという発達した過程というのがあるわけです。
その過程から言いますと、つまり過程からいう考え方というのをこの人はよく非常に綿密に、非常にわかりやすく、しかも非常に一貫した考え方をとっていて、結構腸管が上のほうでめくれているというのが人間の顔だと考えれば妥当だし、一番よいと言っています。

 もう一つ解剖学的に言うと、魚にえらというのがあるでしょう、人間の顔というのはえらと同じ、えらが発達したものだと考えると大変考えやすいと三木さんは説明しています。顔ということを、あるいは表情をしている顔全般ということを、筋肉も含めて全般ということを、魚のえらが発達したものだと考えると考えやすいということを言っています。

 今言いましたように、腸管の延長線が人間の顔の表情、顔ですから、顔の表情の内臓感覚というのがここにきているということになるわけです。

 三木さんの説明の仕方をすると、口にとっての舌というのだけは内臓感覚だけではなくて、いわゆる感覚器官的なと言いますか、内臓ではなくて、外臓、外臓というのはおかしいですけれど、外とつながった、つまり感覚器官と同じような感覚が舌と唇には入っていて、そこが一番顔の中で敏感な箇所であるという説明をしています。
 ですから、人間の舌というのは要するに喉の奥から出ている手だと考えるとものすごく考えやすいのだ、そういうふうに考えると非常にわかりやすいのだということを説いています。
 僕が知っている範囲では、人間の顔についての二つの説き方というのは、人間の顔の機能と役割と解剖学的な性質について説かれている説き方というので、大別してその二つがあると思います。その二つで大体において、顔についての考え方は全部尽きていると言ってもいいのではないかなと思います。

 

 

大森久蔵 

2020年3月28日 (土)

哺乳類ってどう分裂して今に至るのか

実現塾でも人の進化を扱ってきましたが、
今回はほかの動物(犬)に着目して、進化、系統を追求します。
犬や猫ももとは同じ動物から外圧によって違う方向で進化してきたみたいです。

リンク

1.恐竜の時代からほ乳類の時代へ

 中生代(2億4800年前~6500万年前)は恐竜が地上で大きな勢力を振るっていました。ほ乳類は中生代にはすでに誕生していましたが、未だ繁栄するには至らず、恐竜の陰に隠れるように細々と暮らしていました。
 6500万年前に突然恐竜が絶滅すると、それまで恐竜が占めていた生活空間に大きな空きが生じます。

 生物には生活空間に空きがあると、自らの形と仕組みを変えながらそこに適応していくという能力があります。
 それまで、現在のネズミのような姿をしていたほ乳類は、環境に適応していく過程で様々な形態を持つ様々な種に分かれ、それまで恐竜が占めていた地位を瞬く間に埋めていきました。
 新生代はほ乳類が支配する時代となりました。それは現在まで続いています。

2.イヌ科の出現

現在のイヌ科、ネコ科、イタチ科、クマ科などの食肉目の共通の祖先とされているのは、新生代に入ってまもなく誕生したミアキスという動物です。
 ミアキスは現在のヨーロッパから北米にかけて生息し、主に樹上生活を行っていたと考えられています。

 第三紀に入ってしばらくは温暖な気候が続いていましたが、漸新世に入るとしだいに気候が寒冷化してきます。寒冷化により、それまで森林に覆われていた北米大陸に草原地帯が拡がります。
 ウマやラクダの仲間が草原地帯での生活に適応して進出すると、新しい獲物を追い求めて、草原で集団で狩りを行うタイプのイヌ科の動物が出現しました。
 森林が後退し草原が出現する中で、森にとどまるネコ科と草原に進出するイヌ科に分かれたとされています。

 第三紀の終わり頃には今のオオカミやキツネ、タヌキなどの直接の先祖であると考えられているトマークタスが現れました。
 北アメリカで生まれたイヌ科の動物は、様々な種類に分かれながら世界に拡がっていきます。現在アフリカに生息しているジャッカルも、元をたどればルーツを北アメリカに持っていると考えられています。

 トマークタスの子孫からはやがて、現在のイヌの直接の祖先であるオオカミが生まれます。オオカミは勢力を伸ばしながら、当時陸続きであったベーリング海峡を歩いて渡り、アジアにまで進出してきました。

3.ヒトとオオカミの出会い

 東アジアで、ヒトの祖先はオオカミと出会いました。
 その頃の文献は残されていないので、オオカミが飼い慣らされた経緯などは推察でしか分からないのですが、最初は、ヒトの食べ残しを求めて近くに寄ってきたのだと考えられています。ヒトにとっては、オオカミはそれ自体が脅威でもありますが、一方で外敵が近寄ってくるとオオカミが吠えてその存在を知らせてくれるので役に立つ部分もあります。

 恐らくオオカミの子供を人間が飼い慣らし始め、人間に慣れる性質を持っている個体を選んで繁殖させていく過程で「イヌ」がつくられたのだろうと考えられています。
 やがて、イヌは人間社会の中に入り込んで生活するようになり、共に狩りを行ったり、外敵に立ち向かうようになりました。イヌの存在は、ヒトが世界に拡がっていく過程で大きな力となったと考えられます。
 イヌという最良の友を得ることがなければ、現在の人間社会の姿も違うものになっていたかもしれません。

 ミトコンドリアDNAの分析から、イヌの起源は東アジアで、約1万5千年前頃にオオカミから分かれたであろうと考えられています。
 人間が「イヌ」を創り出すまでは、イヌは世界には存在しなかったのです。東アジアで生まれたイヌは、その後人間の移動に伴って世界中に分布を拡げていきます。

 イヌの誕生からまもなく、ヒトがベーリング海峡を渡り北アメリカに渡ったときには、すでにイヌを連れていたと言われています。
 アメリカ大陸のイヌには、旧大陸のイヌの遺伝子以外の部分も持っている個体が存在しています。アメリカ大陸に連れて行かれたイヌと現地のオオカミとの交配があったようです。

 ヒトに連れて行かれた先で野生化すると、土着の野犬となります。
 東南アジアからオーストラリアに島づたいに渡った原住民が連れていたイヌは、そこで野生化しディンゴと呼ばれる種になりました。
 有袋類(カンガルーやコアラ)と単孔類(カモノハシ、ハリモグラ)のユートピアであるオーストラリアに真獣類(“一般的”なほ乳類)が存在する理由です。
 言うなれば、イヌはヒトによる世界最初の移入種とも言えます。

 その後、各地でヒトはイヌの品種改良を行い、その用途に応じて様々なイヌの種類をつくりだしていきました。
 もとはオオカミであった種から、現在のように多様な形態のイヌが作り出せた要因は、様々な形態を取り得る遺伝子の多様性を持っていたからだとも言えます。

 逆から言えば、ウシがオーロックスと言われる種から創り出され、ブタがイノシシから創り出されたことから分かるように、生命とはその中に変化する可能性を持っている存在であると言うこともできます。
 イヌがオオカミと大きく異なる形態を持ち、多様であるのは、人間とのつきあいが長く、その用途のために最も適した性質を持つ個体を繁殖をさせた結果、人為的に変化を加速させたのだと言えます。

 

 

 

 

匿名希望

生命誕生のカギの一つは深海底のメタルが握っている

以下引用サイト
リンク

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深海熱水噴出孔環境は地球生命が誕生した可能性が最も高い場所として注目されています。生物の系統学的・比較生理学的研究から、初期の生命は、このような環境で、還元型アセチルCoA経路や逆クエン酸回路というCO2固定代謝システムを使って生体分子を合成する、独立栄養生物であったと推定されています。

この考え方は、2017年に東京大学の研究グループにより実施された、太古代初期(39.5億年前)の微生物化石の同位体分析とも適合します。では、この始原的なCO2固定システムは、地球形成初期の深海熱水噴出孔環境でどのようにして始まったのでしょうか?


それを再現するために、これまでCO2や有機化合物を熱水や岩石と共に煮たり、流したり、混ぜたりする実験が数多く行われてきました。しかしどの手段を使っても、CO2固定システムに関する有機化学反応はほとんど進行せず、有効な方法は見つかっていませんでした。

最近、JAMSTECの研究グループは、海洋調査船「なつしま」と「かいよう」を利用した沖縄トラフ深海熱水領域の電気化学計測を行い、熱水噴出孔を中心とした岩体を流れる電流の存在を確認しました。

熱水と海水との間には電位差があり、熱水は低く海水は高い、という関係にあります。また、噴出孔や周囲の岩体は、硫化金属などの導電性が高い鉱物を多分に含んでいます。さらに硫化金属は、熱水に溶存する水素(H2)や硫化水素(H2S)が酸化して電子が生じる反応を触媒する性質を持ちます(例:H2S
→ S + 2H++
2e-)。

このため、噴出孔の内側で生じた電子が、熱水と海水との電位差に沿って、導電性の高い鉱物を通じて噴出孔の外側に移動することで、電流が流れます。このような熱水噴出孔近傍における電流の発生(熱水発電)をもたらす条件(1.
熱水と海水との間に電位差がある、2. 噴出孔が硫化金属から構成される、3.
熱水中に水素や硫化水素が含まれる)は、いずれも深海熱水環境に普遍的に見られる特徴であり、熱水発電は海洋底で幅広く、さらには時代を通して発生してきたと考えられます。

研究グループは、熱水発電が生命誕生に果たした役割を明らかにするため、硫化金属の触媒能や導電性などの電気化学特性を調べてきました。

一方、2017年に、フランス
ストラスブール大学の研究グループによって、逆クエン酸回路内の一部の反応が純金属(金属鉄など)によって促進されるという実験結果が報告されました。

もし初期の地球上のある特定の場所に、純金属を継続的かつ豊富に供給し続けるシステムがあれば、そのような環境は生命誕生に非常に有利だったかもしれません。しかし純金属は現在の地球上にはほとんど見られず、この状況は地球形成初期(41~42億年前)でも同様で、少なくとも地球規模では微量な存在であったと考えられます。

一方、初期海洋にはFe2+などの金属イオンが豊富に含まれていました。これら金属イオンは深海熱水噴出孔から放出される硫化水素と反応し、硫化金属の沈殿物を生じていたと考えられます。

さらに熱水発電(図2)を考慮すると、この沈殿物は噴出孔と海水との境界面で低い電位に長期間さらされたはずです。では、この過程で硫化金属がメタルへと電気還元され、その表面で生命発生に不可欠な有機化学反応が促進された可能性はあるのでしょうか?この可能性を探るべく、本研究は以下の室内模擬実験を行いました。

今回、研究グループは、初期海洋底の熱水噴出孔環境で生じていたと推測される電位条件を再現した反応容器内で、噴出孔の代表的な構成鉱物である硫化金属が電気還元して、メタル化する可能性を検証する実験を行いました。

その結果、鉄・銅・鉛・銀を含む硫化金属が、数時間~数日のスケールでそれぞれのメタルへと変化することが観察されました。例えば硫化鉄(FeS)は、-0.7
V(対標準水素電極電位[用語3];以下ではこの基準を使って電位を表記する)よりも低い電位で、次第に金属鉄(Fe0)へと変化しました(FeS + 2H++ 2e-
→ Fe0 +
H2S)。

さらに、この実験で生じた硫化鉄と金属鉄の複合体(FeS_PERM)が還元剤及び触媒となって、逆クエン酸回路内の一部の反応を含む、生命発生に不可欠な化学反応を促進することを発見しました。

図3に、硫化鉄を-0.7
Vで1週間電気還元して生成したFeS_PERMを、数種の有機化合物の水溶液と混合し、室温で2日間攪拌した結果を示します。

まず、逆クエン酸回路の一部である、オキサロサク酸のリンゴ酸への還元反応(図3a)は、約40%の収率で進みました。興味深いことに、同様の実験を電気還元前のFeSやFe0(市販の純ナノ鉄粒子)を使って行ったところ、オキサロ酢酸の脱炭酸が卓越し、リンゴ酸は全く生成しませんでした。

また、逆クエン酸回路内の有機酸(ピルビン酸・オキサロサク酸・αケトグルタル酸)やグリオキシル酸にアンモニアを付加してアミノ酸を合成する反応も(図3b-e)、FeS_PERMが存在する条件では高い収率で進み、特にアラニン、グルタミン酸の生成は90%以上の収率になりました。

いずれの反応でも、FeS_PERMをFeSやFe0に置き換えると、目的生成物の収率が大きく下がる結果となりました。その他、FeS_PERMによる促進が確認された反応には、フマル酸→
コハク酸、硝酸→ アンモニアがあります。

-0.7
Vという電位は、現在の地球で活動中の熱水噴出孔環境でも観測されている、天然で実現可能な値です。

また、形成初期の地球はマントルの温度が高く、海底の熱水活動は現在よりも約10倍活発であったことなどから、-0.7
Vやそれ以下の電位を生じる熱水噴出孔が遍在していたと推測されます。

このため、初期海洋底では、今回の実験で示された鉄・銅・鉛・銀を含む硫化金属のメタル化や、その結果生じたPERMが促進する有機化学反応が幅広く進行し、生命の発生を大いに後押ししたと考えられます。

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西本圭

恐竜を絶滅に追い込んだのは隕石の衝突だけではない!?

一般的に、昔地球に住んでいた恐竜たちが絶滅したのは隕石の衝突によるものだと言われることが多いですが、実態としてはどうだったのでしょうか。


---------------------以下引用---------------------


およそ6500万年前
「小さな」隕石が猛スピードで地球に衝突した衝撃とその後の極端な気象変動により恐竜はほどなく絶滅したという説が広く受け容れられています。

専門家の見方は少し違います。
隕石がくる前から恐竜は種の総数が激減しており、ほとんど絶滅しかかっていた。そこへ最後のとどめとして隕石が突っ込んできた。実際に他の生き物の多くはディープインパクトを生き延びたわけです。 
隕石が衝突しなくても恐竜が絶滅した確証はありませんが概ね絶滅に向かっていたと考えられています。

恐竜を絶滅に向け追い込んでいった怖ろしい敵は「花」を咲かせる植物と考えられています。シダ類が単為生殖で胞子を飛ばし生息域を拡張しながら巨木の森を出現させたジュラ紀には、この葉っぱをひたすら食べる首の長い恐竜がのし歩いていました。

ところが白亜紀に入る頃には「花」が咲きます。
花粉を運ぶ昆虫には「花」は蜜を与え、ただ食べるだけの恐竜には毒を盛りました。
この時代、口が下向きについているトリケラトプスのような恐竜が勢力を伸ばしましたが、基本的に地面に生える草を食べるようになっていました。盛んに交配し種のバリエーションを激増させた花は昆虫と共に大変な隆盛を極め様々な環境に適応しながら巨木の森を季節によってはお花畑となる草原に変えていきました。

 一方の恐竜は自己免疫疾患など疾病だらけです。 一発で全ての動物を殺す毒ではなく役に立つ動物には無害で役に立たない動物には毒、それもジワジワと弱まり慢性病を起こす時限爆弾のようなものです。 肉食恐竜も植物の毒を蓄積した草食動物を食べるため、やはり疾病だらけです。 映画ジュラシックパークにもこうした研究成果を踏まえて植物の毒にやられた病気の恐竜が登場します。

私たち人類は、数千万年をかけ恐竜を絶滅寸前に追い込んだ植物戦略をわずか1万年少しの時間に濃縮した猛攻を招いています。


以上

 

 

 

 

匿名希望

針葉樹と広葉樹は「細胞」が違う~特徴を理解して適材適所に用いる~

木材の性質をあらわすとき、「重い、軽い」「硬い、柔らかい」「強い、弱い」といった言葉を使いますが、このような性質の違いは、樹種によって異なる細胞レベルの特性を把握することで理解が深まります。植物も動物と同様に細胞ひとつひとつが積み重なって構成されていますが、木目という木の表情も細胞・組織によるものです。


●針葉樹と広葉樹は「細胞」が違う
 先がとがり細い葉の針葉樹と、扁平な形の葉の広葉樹。針葉樹と広葉樹は、一般に知られているように葉の形から見分けられます。幹は、針葉樹はまっすぐ伸びているのに対し、広葉樹は太くて曲がっていることが多く、さらに枝分かれしているのが特徴です。

 外見の違いだけではなく、針葉樹と広葉樹は細胞と組織の成り立ちが異なっています。
針葉樹の組織は単純で、大半の樹種は 「90%以上が仮道管」 で占められています。

仮道管とは、水を根から樹幹を通して葉へ送る通路のことですが、木そのものを支える役目も担っています。細胞の構成は非常に単純で、配列は整然としています。

広葉樹の組織構造は複雑で、細胞の種類が多いだけではなく、細胞ごとの機能も分業・専門化しています。水分の通り道は主に道管が、木を支えるのは主に木部繊維が担っています。

 また、養分の貯蔵機能をもつ柔組織といわれる組織も発達しています。人間の身体に置き換えて、筋肉と血管がひとつになっているのが針葉樹、
筋肉と血管がそれぞれ独立して別々の働きをしているのが広葉樹と考えると分かりやすいかも知れません。
複雑な構造をもつ広葉樹は、針葉樹に比べ多様な性質を持つことになります。

●バラエティーに富む広葉樹
 英語で針葉樹をソフトウッド、広葉樹をハードウッドと言うように、針葉樹は軽くて柔らかく、広葉樹は重くて硬いといわれています。
これは木が含んでいる空気の量に関係しています。木を構成する細胞と細胞の間には、無数の孔=空気の隙間が空いていて、細胞と空気の隙間の割合を空隙率(クウゲキリツ)といいます。
大半の広葉樹は空隙率が低いため気乾比重が大きく、木は重くなります。
逆に針葉樹は空隙率が高くなり、比重も小さく、木は軽くなります。

硬さの違いに関しては、空隙率の低い広葉樹は細胞の密度が高いために硬くなり、針葉樹は密度が低いために柔らかくなるというわけです。

 ところで、広葉樹には、重くて硬いという一般的な認識からはずれる樹種もあります。針葉樹の樹種は540種と言われているのに対して、広葉樹は20万種と格段に多く、さらに構造も複雑なことから、性質もバラエティーに富んでいます。

 たとえば世界で一番軽い木として知られ、模型飛行機の材料としておなじみのパンヤ科のバルサは、広葉樹なのに発泡スチロールのように軽くて柔らかく、板状のものならハサミやカッターで簡単に切ることができます。また、世界で一番重い木はハマビシ科のリグナムバイタですが、こちらも広葉樹です。船舶のスクリューの軸受けに使われる木ですが、重くて硬いため、金属の加工機械がないと切れないほどです。
水に入れてみるとその違いは一目瞭然で、バルサは浮きますが、リグナムバイタは完全に沈んでしまいます。バルサの比重は0.1で、細胞の密度はわずか7%、残りの93%はすべて空気です。一方のリグナムバイタの比重は1.3。87%が細胞で、空気はわずか13%です。同じ広葉樹でもこの二種の性質は正反対と言っていいほどに違うのです。

●特徴を活かして適材適所に
上記のように広葉樹は多様な性質を持っていますが、一般的には内装材に使う広葉樹は重くて硬いものが主流で、強度があり、キズが付きにくい材料といえます。このことから、靴を履いたまま暮らす文化の欧米では、広葉樹は床材に重宝されてきました。家具材に広葉樹が多いのも、このような特徴を活かしてのことです。
一方、軽くて柔らかく単純な構造をもつ針葉樹は、柱や梁といった建築の構造材に多用されてきました。

 

 

 

 

 

道民 

«「樹木は永遠の命を持つ」 : イチョウの木には老化に関する遺伝子がなく、永遠不滅に近い生命体である可能性が国際研究チームによる解析で判明

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