生物と物質の違いは、生物かどうかではなく、生物として活動できる「条件」にあるのではないか?

地下で3億年!生き、条件が揃えば蘇生!する微生物。
代謝を行わない微生物も存在する。

最近の地下微生物の発見から考えると、生物と物質の違いは、生物かどうかではなく、生物として活動できる「条件」にあるのではないか?

「BIGLOBEニュース」
リンク
より引用

「死をもあざむく?地球の内側で見つかった微生物の不死へのアプローチ」

 地球の深部炭素に関する国際的なサイエンスネットワーク団体、ディープ・カーボン・オブザバトリー(Deep
Carbon
Observatory:DCO)が驚きの事実を発表した。

 地球の地下で生きる微生物の質量は150~230億炭素トンで、全人類を合わせた炭素質量のじつに245~385倍あるというのだ。
 地下の奥深くで生命が存在できるはずがないと考えられていたのが、そう遠くない昔のことであるのを考えれば、まったく驚きである。
 だが、その発表を詳しく見てみると、さらに驚愕の事実が述べられていた。
 地下生命の年齢である。

●科学者の培養実験。細菌は蘇生する。
 1920年代末、チャールズ・リプマンという科学者が、岩の中に細菌が、しかも生きたまま存在するのではと疑い始めた。
 彼は、密封した瓶の中に入れられた乾燥した土に潜んでいた細菌が、40年後に蘇生した事実について考察していた。もし、細菌が40年間も生きられるのだとすれば、はたしてどこかに限界はあるのだろうか?
と。
 沼から採取した岩のような石炭は、その実験にぴったりに思われた。彼は石炭を砕き、そのカスから何かが成長するかどうか観察してみた。そして、思ったとおりだった。
 石炭の粉末を滅菌水に混ぜて2、3週間放置しておくと、細菌のようなものが現れ始めたのだ。粉末を細菌が大好きな「ペプトン」たっぷりの溶液に入れた場合は、たったの5時間であった。

 興味深いことに、この蘇生には、液体に数日間浸かるという水分補給期間が必須であることも判明した。石炭の粉末が湿っていたとしても、そのままペトリ皿のエサ入り寒天培地に入れても、何も育たなかった。

 むろん、リプマンはサンプルが汚染されないよう細心の注意を払って実験を行なった。徹底的な洗浄・殺菌作業には、数時間あるいは数日におよぶ洗浄、浸漬、加熱、加圧が含まれる。
 だが、これで判明したのは、160度でサンプルを数時間熱したとしても、石炭の内側にいる細菌を殺せないということだった。
 それどころか、かえって細菌に力を与えるのだ。加熱時間が長くなるほどに(なんと最大50時間行われた)、その成長は促されたのである。


●過酷な環境に耐えるためのアンヒドロビオシス
 リプマンは、石炭から手に入れた細菌が、人間の腸内細菌のそれと同じ意味で生きているとは信じなかった。
 むしろ、石炭を形成する過程で、カラカラに乾燥し、仮死状態になっていたと信じた。
 「石炭の中の微生物は実際に生存者である。石炭はもともとは泥炭のような性質で、おそらくは微生物がきわめて豊富だったろう。だが、そこから石炭が形成されたときに、その中に囚われの身となったのだ。」

 「私の意見では、石炭の塊のそこかしこに、一時的な胞子か、それに類する耐久性を備えた休止状態の細菌が散らばっており、時と環境の試練を生き延び、その生命としての特徴や栄養型に変化する力、あるいは状況が繁栄するにふさわしいものになったときに増殖する力を維持したのだろう。」(Journal
of
Bacteriology)

 こうした干からびた状態を現在では「アンヒドロビオシス(anhydrobiosis)」という。これはクリプトビオシス
の一つで、凄まじい生命力で知られるクマムシのような動物が、極度の乾燥状態や、宇宙の真空や放射線の集中砲火に打ち勝つため活動を停止する無代謝状態のことだ。


●3億歳の微生物
 リプマンが使った石炭は、ウェールズとペンシルベニアで採取されたもので、中には540メートルの地下から採掘されたものもあった。
 ペンシルベニアの石炭は、ペンシルベニア紀という地質学上の時代の名称の由来ともなっている。そして、それは少なくとも3億年も前の時代のものだ。
 リプマンの実験が行われたのは1931年のことだ。おそらく同僚は彼がおかしくなってしまったと考えたことだろう。
 しかし2019年の我々の目から見れば、リプマンが別におかしくもなんともなかった線の方が濃厚だ。

 世界最高齢の個体は、節くれだったブリストル・コーン・パインやクローンで形成されたアスペンの森林ではなく、地下の岩の中に囚われたちっぽけな微生物なのかもしれない。それが、成長もせず、子孫も残さず、ただ死神をごまかしているだけに過ぎないのだとしても。


●地下細菌の寿命の長さを示唆する最近の研究
 ここ10年で、堆積物や岩、あるいは地中深くの隙間や亀裂の中で生きているこうした細菌が、予想外に長生きであることを示す研究は増えている。
 たとえば、2000年代初頭、帯水層や堆積物の微生物が呼吸をする速度は、地上にいる微生物のそれよりもずっと遅いことが明らかにされた。
 そのバイオマス回転率(細胞の分子が置き換わるためにかかる時間)を計測すると、数百から数千年の長さであった。

~中略~

●地下の囚人になる代償としての不死
このあたりで話をまとめよう。地球の地殻には、不活発な古代の細菌がうじゃうじゃいる。それは省エネモードにあるが、ギアはいつでも入れられる状態にある。
 永遠に思える時間を暗闇の中に閉じ込められ、静寂の中、かろうじて食べ、かろうじて呼吸し、かろうじて動く。それでも死んでいない、生きているのだ。
 もしチャールズ・リプマンが正しかったのなら、恐竜が登場するより5000万年も前に生まれた地球内部の細菌細胞は、明日にでも再び分裂を再開するかもしれない。なんと驚愕の事実であろうか。

 だが、こうした魔法のような力を発現させるために、細菌は地下牢獄に囚われていなければならない。その代償として、事実上の不死が与えられているのである。

 

 

 

田村正道

2019年9月28日 (土)

極限環境の強アルカリ性の泉に生息する、現時点の生命科学の知識では特定不能の未知代謝系を駆使して生きる「常識外れな微生物」

自然界で最もアルカリ性が強い極限環境の1つが、米国・カリフォルニア州にある「ザ・シダーズ」、最近の研究で、その地下にある蛇紋岩化反応を介して湧き出る強アルカリ性の水に超好アルカリ性微生物が生きていることが発見されました。その微生物のゲノム解析をしたところ、ゲノムサイズが非常に小さく、生命に必須といわれる遺伝子群が欠落しているなどしていて、常識外れな生物だそうです。

多くの生命が保有する機能の内、この微生物が保つのは、複製/転写・翻訳/細胞膜合成の機能だけ。ATP合成酵素/アミノ酸代謝/核酸合成/解糖系/呼吸系/嫌気的エネルギー代謝(メタン発酵、酢酸発酵等)はありません。どうも現時点の生命科学の知識では特定不能の未知代謝系を駆使して生きるようです。

このような特異なゲノム構造を持つ微生物は、この極限的な地下環境に適応するために、大規模なゲノムの再編集や代謝機構の特異化を余儀なくされた結果として創り出された微生物なのか、それとも、非常に原始的な生命の形を維持しているがために、現存する生命と異なるゲノム構造になっているのかは、明らかになっていません。

「ザ・シダーズ」は地球の初期環境と似ています。今後、これらの微生物の環境適応戦略や進化メカニズムの詳細を明らかにすることで、生命の進化や多様化の謎を知る手掛かりがつかめるかもしれません。


参考:地下深部の超極限的な環境に「常識外れな微生物群」を発見~マントル岩石と生命との関わりや地球初期の生命進化の謎の解明に前進~(リンク

 

 

 

 

斎藤幸雄

2019年9月26日 (木)

クラゲが不老不死の可能性?

 よく時の権力者が不老不死を求める逸話などがありますが、現代でも不老不死の研究はされており、その可能性が「ベニクラゲ」にあるとされてきています。
 このベニクラゲ、実は寿命という概念がないらしく、仮に想定しても5億年は生きるとされています。そんなベニクラゲについて面白い記事が見つかったので引用します。
リンク
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      「地中海に生息するベニクラゲは不老不死?!」

そのなんとも、うらやましい?! 能力を有している生き物とは、世界中の温帯から熱帯に生息しているといわれる「ベニクラゲ」という生物です。

このベニクラゲ、日本でも全国の沿岸で見かけることができるそうです。彼らは、成長しても傘の大きさが約1cmの小さな、小さなクラゲで、透明の体に紅色の消化器官が透けて見えることからこの名前がつけられたそうです。

この小さな体のクラゲさんですが、先にも書いたように、なんとも不思議な能力を持っていて、老衰後に若返りを起こすのだそうです。そのことから、「不老不死のクラゲ」と呼ばれているのだそう。

不老不死の仕組み〖若返りの方法〗

若返りができるなんて、本当にすごい能力だと思いませんか?
できることなら、私も、できてしまったシミを消したり、どんどん落ちていく代謝に歯止めをかけたいのですが(笑)

普通のクラゲたちは、成長して成熟した後、徐々に衰弱していき、最終的には海水に溶けて消滅していくのだそうです。なんていうか、はかない命のような気がしますね? クラゲさんたちは、一体、どんな理由があってこの世の中に生を受けるのでしょう??
まぁ、人間にしても同じなのですが・・・。

ですが、先ほどから話題に上がっている「ベニクラゲ」さんたちは、他のクラゲと同じように衰弱した後、消滅せずに海底の岩などに付着して、クラゲの成長段階である「ポリプ」と呼ばれる状態に若返りし、再び成長を始めることがあるのだとか。
それはつまり、ポリプ → 成長 → 衰弱 → ポリプ → 成長 → 衰弱 → ポリプ ・・・・と、永遠に続いていくということ?!
まさに「不老不死」と言うことになりますよね!!
この「若返り」ができる生物は、今のところ、この地球上で「ベニクラゲ」しか確認されていないのだそう。

「不老不死」って、なんだか、人にとっては永遠の課題のような気もしますが、けれど、巷にのこっている「八尾比丘尼伝説」なんかを聞くと、自分だけが永遠の命を手に入れたとしても、結局、幸せにはなれないような感じを受けるのは、私だけでしょうか?
とは言っても、このベニクラゲの若返りのメカニズムを解明すれば、人類にとって、とても大きな一歩になるのは、間違いないですよね。

「不老不死」なら絶対に死なない??

ですが、このベニクラゲ。絶対に死ぬことなく生き続けるのかというと、そうではありません。彼らが生息している場所は、決して安全な場所ではなく、海の中。そこには天敵も一緒に生活をしているのです。そうなれば、寿命がないとは言っても、他の生き物に食べられて命を落としてしまう事だってあるわけです。

また、不思議なことに不老不死であるといわれているにもかかわらず、他の生物と同様に、ベニクラゲも生殖活動を行うのだそうです。 
そうですよね~。 一生、生き続けられるのであれば、子孫を残す必要は無いですものね。なんとも不思議な、ベニクラゲですね。

ベニクラゲ「不老不死」の秘密

このベニクラゲの若返り、発見されたのは、1991年なのだそうです。この、神秘的な能力が彼らに備わったわけや、そのメカニズムはいまだに解明されていないそうです。けれど、これほどの魅力あるメカニズム、解明しない手はないですものね。 今まさにその仕組みを解き明かそうとする取り組みがなされているのだそう。
 幸いなのか? ベニクラゲと人間の遺伝子構成は似ているらしく、若返りの仕組みがわかれば人間にも応用できるのではないかと期待されているみたいです。

ベニクラゲの若返り回数の世界新記録

京都大学瀬戸臨海実験所の久保田教授によると14回だそう。
14回も若返れてしまうとは・・・。ちなみに、一説によると、このベニクラゲの寿命は5億年以上なのだとか・・・。恐るべし、ベニクラゲ!!


・ベニクラゲは、他のクラゲと同じように衰弱した後、消滅せずに海底の岩などに付着して、クラゲの成長段階である「ポリプ」と呼ばれる状態に若返りし、再び成長を始めることがある。
・ベニクラゲは、不老不死であるといわれているにもかかわらず、他の生物と同様に、ベニクラゲも生殖活動を行う。
・ベニクラゲと人間の遺伝子構成は似ているらしく、若返りの仕組みがわかれば人間にも応用できるのではないかと期待されている。

 

 

 

 

コキマール 

胎児にはしっぽがある!?人間の進化と胎児の神秘

「胎児の成長は、人間の進化の過程をたどっている」という話を聞いたことがありますか? それはいったいどういうことなのでしょう?
 理学博士であり、宇宙創生にかかわる「ゆらぎ」研究の第一人者である佐治晴夫先生のお話を紹介します。
リンク より


◆最初は魚のような形をしている

受精卵が細胞分裂を繰り返して着床し、だんだんと胎児らしい形になるまでには、約40日かかります。この間、ボール状の細胞のかたまりは刻一刻と形を変えていきます。

 「…受精後約32日目の赤ちゃんはまだ魚の顔で、エラのようなものがみえます。約34日目になると、鼻が口にぬける両生類の姿に、約36日目には原始爬虫類のような形に、約38日目にのどの器官ができ、約40日目に人間の顔立ちになります。つまり、地球が40億年近くかけて行った生物の進化を、人間の赤ちゃんは、発生からわずか40日足らずで駆け抜けてしまうのです。
 単純に考えれば、胎内の赤ちゃんの1日は、地球の1億年分に相当することになります」(※)

 最初のころはしっぽのようなものもついていて、成長の過程でだんだんと小さくなっていきます。この変化が、人間の先祖の道筋をたどっていることになるなんて、とても神秘的ですよね。

◆産声(うぶごえ)をあげて、肺呼吸へ切り替え

おなかの中で人間らしい見た目に変化していく赤ちゃんですが、肺呼吸をするのはママのおなかから出てから。

 「(中略)生まれた赤ちゃんにとって初めての試練は、“魚”との決別です。大きな声で泣いて、肺の中にたまったたくさんの羊水(ようすい)を吐き出し、肺呼吸に切り替えて、人間に生まれ変わるのです。私たちが、まばたきをするのは、いつも目がぬれていた魚時代の記憶が残っていて、陸では乾いて痛くなってしまう目を涙で潤して、痛みをとるためのしぐさだったのです。」(※)

お産のときに赤ちゃんが「オギャ―」と泣くのは、人間として大きな一歩を踏み出したことになるのですね。そして、40億年前の記憶は、あなたからおなかの中の赤ちゃんへ、そのまた子どもへと、バトンが渡されます。40億年間渡され続けたバトン、さて、どこまで行くのでしょう?

※出典:東急沿線情報誌「SALUS」2017年5月号 佐治晴夫先生連載「宇宙のカケラ」より

壮大なスケールのお話、いかがだったでしょうか。ときには40億年前に思いをはせながら、赤ちゃんと一体の貴重な妊娠期間をじっくり味わってくださいね。(文・たまごクラブ編集部)

転載終わり

 

 

 

匿名希望

大腸菌にも雌雄の区別がある

小さな大腸菌にも雌雄の区別がある?『敗者の生命史38億年』稲垣栄洋氏に、表題の内容が書かれていました。
参考になります。部分引用させて頂きます。

(以下途中から引用)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
単細胞生物には雌雄の区別はなく、単純に細胞分裂をして増えるだけだった。ただし、細胞分裂をして増えるということは、元の個体をコピーしていくことである。そのため、どんなに増えても元の個体と同じ性質の個体が増えるだけである。

環境の変化を乗り越えて同じ性質の個体が増えていくよりも、性質の異なる個体を増やしていった方が、生き残っていくには有利なのである。

たとえば、単細胞生物のゾウリムシは、ふだんは細胞分裂をして増えていく。しかし、それでは、自分のコピーしか作れない。そこで、ゾウリムシは、二つの個体が出会うと、体をくっつけて、遺伝子を交換する。こうして、遺伝子を変化させるのである。

ゾウリムシは、二つの個体が接合して、遺伝子を交換すると紹介したが、ゾウリムシには、いくつかの遺伝子の異なるグループがあり、その間でだけ接合して遺伝子を交換することが知られている。

ゾウリムシも、グループを作って遺伝子を交換している。雌雄があるわけではないが、これは雌雄の起源に近いと言えるだろう。
また、単細胞生物には雌雄はないと考えられていたが、アメリカのレーダーバーク博士は、大腸菌に雌雄があることを発見して、世界を驚かせた。
生物はミトコンドリアと共生することによって、核を持つ真核生物になり進化を遂げた。大腸菌は、その進化に乗らなかった細菌である。

大腸菌ではF因子を持つFプラス個体と、F因子を持たないFマイナス個体とがある。そして、Fプラスの個体は、Fマイナスの個体にプラスミドと呼ばれるDNA分子を移すことができるのである。遺伝子を交換するのではなく、一方通行に遺伝子を送り込むのは、動物の精子や、植物の花粉と同じである。つまり、大腸菌は雌雄があるとされるのである。
(引用終わり)

 

 

 

廣渕一志

2019年9月19日 (木)

哺乳類の祖先か?卵胎生生物の生態

哺乳類の祖先と思われる卵胎生生物は、胎内で卵を孵化させる。また、卵胎生魚類であっても体内受精の必要から、卵胎生~胎生の生物種は交尾を行って繁殖してゆく。したがって、メスにとっては胎内の卵の温度を保つ必要があるため、生殖負担は必然的に大きくなる。が、その分、卵にとっては常に一定以上の温度が保たれるため、出生の可能性が高くなる。これによって、寒冷地域での繁殖の可能性が大きく開かれることになる。

陸上生物では、爬虫類のトカゲや蛇など。体外に産み出るまでの間にも母親が移動して水や養分を獲得できるため、胎内孵化の機能を獲得し、乾燥や飢餓状態でも適応できるようになったと考えられる。

また、どちらの方法であれ、胎内の温度を保つために卵胎生の機能を獲得したとすれば、その時点で他の卵生生物よりも体温維持の機能(能力)が発達していたと思われる。したがって、哺乳類に進化して初期の頃こそ恒温動物にはなり得なかったが、体毛の発現によって簡単に恒温動物へと進化できた可能性がある。

どちらの適応方法も、外敵の少ない寒冷地や乾燥地・食料の少ない地域での繁殖を目指した適応方法であり、外敵から卵を守るために硬い殻で卵を覆った卵生爬虫類や、多産多死を前提とする、卵生の魚類とは真逆の適応方法である。激化する外敵による淘汰圧力に勝ち抜いてきたのが卵生の爬虫類、外敵の少ない寒冷地や乾燥地に逃げるしかなかった種が哺乳類なのではないだろうか。

 

 

 

田中拓帆

2019年9月12日 (木)

性別による行動の違いを生み出す脳内物質のはたらきを発見 ドーパミンが性別による行動の差を生み出す

リンク

東京大学大学院総合文化研究科の原田一貴助教と坪井貴司教授は、埼玉医科大学の周防諭講師らの研究グループと帯広畜産大学の姜興起教授と共同でドーパミンと呼ばれる神経伝達物質が性別による行動の違いを生み出すことを線虫の解析から明らかにしました。オスとメスで脳内物質のはたらきが、どのように異なっているのかは不明な点が多く、本研究は脳機能の性差の解明に寄与することが期待されます。

動物のオスとメスでは、行動の違いが見られます。行動の性差は子孫を残すために重要ですが、その違いを生み出す脳機能の違いはまだ不明な点が多いのが現状です。土壌に生息する体長1mm程度の生物である線虫は、脳内の神経細胞が非常に少なくて解析しやすいので、脳機能の基本的な仕組みを研究するのによく用いられます。この線虫には、精子と卵子の両方を作る雌雄同体と、精子だけを作るオスの二つの性があります。雌雄同体は単独でも子供を産めますが、オスは子供を残すためには雌雄同体と交尾する必要があります。今回の研究では、オスと雌雄同体の行動の違いを調べました。

まず、行動解析により、雌雄同体よりもオスの方が運動量が多いことを明らかにしました。オスは交配相手を探すために動きまわる必要があり、雌雄同体はその必要がないので、この違いはそれぞれの状況に合っています。ドーパミンは哺乳類では感情・意欲・運動・薬物依存などに関わる神経伝達物質で、線虫も持っています。ドーパミンを作れない変異体の線虫ではオスの運動量が減り、雌雄同体の運動量が増えており、運動量の性差が小さくなっていました。これは、ドーパミンが運動量の性差を生み出していることを意味しています。さらに、オスでは、ドーパミンによる制御にはオスだけが持っている神経細胞が働いていることを明らかにしました。雌雄同体での制御では、オスと雌雄同体両方に存在するSIAと呼ばれる神経細胞がはたらいていました。神経活動を記録したところ、オスではこの神経細胞の反応性が悪くなっていました。この結果により、オスと雌雄同体でドーパミンは異なったはたらきをすることで、逆方向に運動量を制御しており、その結果、行動の性差が生み出されることが明らかになりました。

動物のオスとメスには行動の違いがありますが、その根底にある脳機能の性差は未知な点が多いままです。本研究は、一つの脳内物質が性別により異なった作用を持つことで、繁殖に重要な行動の違いを生み出すことを明らかにし、脳機能の性差の一端を明らかにしています。脳のはたらきの性差を理解することにより、精神疾患やその治療薬の作用の男女差の理解につながることが期待されます。

「行動の性差を生み出す神経の活動をダイナミックにとらえることができ、苦労も多かったですがワクワクする発見の連続でした」と原田助教は語ります。「数千匹の行動解析は大変でしたが、興味深いドーパミンの働きの性差を焙り出すことができ、その甲斐がありました」と共同研究者の埼玉医科大学の周防講師は語ります。一方、坪井教授は、「原田助教の非常に丁寧かつ高度な神経活動計測、そして周防講師の研究グループらが新たに開発した行動解析装置とそれを用いた非常に緻密な分析によって今回の研究が可能になりました」と評価しています。「今後は、ドーパミンだけでなくどのドーパミン受容体によって行動の性差が生み出されるのか、またドーパミン以外の神経伝達物質によっても行動の性差が生み出されるのかといった疑問を掘り下げていきたい」と坪井教授は将来の展望を語ります。

 

 

 

 

長曾我部幸隆

2019年9月10日 (火)

生命誕生のカギの一つは深海底のメタルが握っている

地球生命が誕生した可能性が最も高い場所として注目されれ「深海熱水噴出孔環境」。このような環境で生命の原材料である有機化合物が作り出されるメカニズムはよく分かっていまでんしたが、最近、そのメカニズムが解明されつつあるようです、

最近の研究で、初期海洋底の熱水噴出孔環境で普遍的に発生する電流(熱水発電)により、噴出孔の代表的な構成鉱物である硫化金属が金属鉄に変化する途上で生じる硫化鉄と金属鉄の複合体が還元剤及び触媒となって、生命発生に不可欠な複数の有機化学反応を促進することが発見されています。

研究によると、深海熱水噴出孔環境の
 1.
熱水と海水との間に電位差がある
 2. 噴出孔が硫化金属から構成される
 3.
熱水中に水素や硫化水素が含まれる
ことが生命誕生のカギとなうようです。

以下、生命誕生のカギの一つは深海底のメタルが握っている(リンク)より一部転載
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深海熱水噴出孔環境では電流の発生(熱水発電)が普遍的に生じています。一方、最近の観測によって、土星や木星の衛星(エンケラドスやエウロパ)や、形成初期の火星における活発な熱水活動の証拠が見つかるなど、深海熱水噴出孔は太陽系に遍在しています。

今回の研究では、熱水発電によって生命の原材料となる有機化合物が生じるという、熱水のエネルギーを駆動力とした新たなメカニズムを突き止めました。今後、このメカニズムに対する金属の種類や電位条件の影響についての系統的な研究から、生命を生み出しうる環境条件の一端が明らかになり、宇宙における生命の普遍性や類似性を理解するための科学的基盤の構築につながると期待されます。

深海熱水噴出孔環境では電流の発生(熱水発電)が普遍的に生じています。一方、最近の観測によって、土星や木星の衛星(エンケラドスやエウロパ)や、形成初期の火星における活発な熱水活動の証拠が見つかるなど、深海熱水噴出孔は太陽系に遍在しています。

今回の研究では、熱水発電によって生命の原材料となる有機化合物が生じるという、熱水のエネルギーを駆動力とした新たなメカニズムを突き止めました。今後、このメカニズムに対する金属の種類や電位条件の影響についての系統的な研究から、生命を生み出しうる環境条件の一端が明らかになり、宇宙における生命の普遍性や類似性を理解するための科学的基盤の構築につながると期待されます。

深海熱水噴出孔環境は地球生命が誕生した可能性が最も高い場所として注目されています。生物の系統学的・比較生理学的研究から、初期の生命は、このような環境で、還元型アセチルCoA経路や逆クエン酸回路というCO2固定代謝システムを使って生体分子を合成する、独立栄養生物であったと推定されています。この考え方は、2017年に東京大学の研究グループにより実施された、太古代初期(39.5億年前)の微生物化石の同位体分析とも適合します。では、この始原的なCO2固定システムは、地球形成初期の深海熱水噴出孔環境でどのようにして始まったのでしょうか? それを再現するために、これまでCO2や有機化合物を熱水や岩石と共に煮たり、流したり、混ぜたりする実験が数多く行われてきました。しかしどの手段を使っても、CO2固定システムに関する有機化学反応はほとんど進行せず、有効な方法は見つかっていませんでした。

最近、JAMSTECの研究グループは、海洋調査船「なつしま」と「かいよう」を利用した沖縄トラフ深海熱水領域の電気化学計測を行い、熱水噴出孔を中心とした岩体を流れる電流の存在を確認しました(※参考資料3)。熱水と海水との間には電位差があり、熱水は低く海水は高い、という関係にあります(図2)。また、噴出孔や周囲の岩体は、硫化金属などの導電性が高い鉱物を多分に含んでいます。さらに硫化金属は、熱水に溶存する水素(H2)や硫化水素(H2S)が酸化して電子が生じる反応を触媒する性質を持ちます(例:H2S
→ S + 2H++
2e-)。このため、噴出孔の内側で生じた電子が、熱水と海水との電位差に沿って、導電性の高い鉱物を通じて噴出孔の外側に移動することで、電流が流れます。このような熱水噴出孔近傍における電流の発生(熱水発電)をもたらす条件(1.
熱水と海水との間に電位差がある、2. 噴出孔が硫化金属から構成される、3.
熱水中に水素や硫化水素が含まれる)は、いずれも深海熱水環境に普遍的に見られる特徴であり、熱水発電は海洋底で幅広く、さらには時代を通して発生してきたと考えられます。

 

 

 

 

斎藤幸雄

2019年9月 8日 (日)

驚異的な再生能力だけじゃない 脳を切断しても記憶が残る、プラナリアの謎

非常に高い再生力を持つプラナリア。なんと2体に切られる際に脳が半分になっても両個体に記憶が引き継がれるそう。記憶は脳以外にもあるものなのか?

引用元:リンク
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再生能力の高さで知られる、扁形動物のプラナリア。体を2つに切っても死なず、2匹の完全体の扁形動物になります。彼らは非常に単純な生物ですが、脳を持ち、簡単な訓練を記憶することもできます。しかも驚くべきことに、脳を切断されても、切断前の記憶が残っているそうです。今回のYouTubeのサイエンス系動画チャンネル「SciShow」では、脳の進化の謎を解く手がかりとなる、プラナリアの記憶について紹介します。

■脳を切断されても切断前の記憶が残る生物・プラナリア

マイケル・アランダ氏:プラナリアは、淡水と海水に生息する扁形動物で、再生能力が高いことでよく知られています。尾を切っても再生し、半分に切っても2匹の完全体の扁形動物になります。それでもなお2匹とも頭部があり、その中には脳もあります。何より驚くべきことは、脳を切断された後も、切断前の記憶が残っていることです。

プラナリアは非常に単純な生物ですが、脳があり感覚受容などを管轄しています。しかもこの脳は、単なる神経の塊などではなく、ちゃんとした脳であり、脳葉が2つあり、全身の神経機能を司り、それぞれ管轄する部位があります。

つまりプラナリアの脳は、原始的な脳の姿である可能性が高いのです。そのため、プラナリアの脳は、脳の進化を研究したり、記憶などについての根源的な疑問をぶつけるにはうってつけであるといえます。

当然のことながら、プラナリアの記憶について調べることは困難です。しかし、プラナリアには新しい不自然な動作をするように訓練できますし、異なる条件下でもその記憶を保持しているかどうかを確認できるのです。

プラナリアの欲求は単純です。生肉を好み、光と変化を嫌います。僕もこれには共感します。プラナリアは、好物のエサのためには、嫌いな光も我慢しますが、同時に他にも変化が起きると対応できません。例えば、プラナリアを滑らかなガラスのペトリ皿から出して、ざらざらしたペトリ皿に移すと、最初のうちは、中央に光が当たったレバー片があっても、怖がって動きません。

ところが、プラナリアを事前にざらざらしたペトリ皿に移しておけば、この新しい環境に慣れる訓練を、おとなしく受けさせることができます。その後にスポットライトを当て、レバーを与えると、プラナリアはすぐにレバーめがけて動きます。

訓練の成功は、こうして十分に立証されました。さらにプラナリアは、この「食事運動療法」訓練の後でも、少なくとも14日間は記憶を保持できることがわかりました。

■記憶を保持するのは脳だけではない可能性がある
ここで一つの疑問が提起されます。ここでプラナリアの頭部を切断してしまったら、どうなるでしょうか。扁形動物はこれまでには、エサを食べるなどの通常の働きが可能な新しい頭部を、一週間で再生できることがわかっていました。その間は食べずに生き、問題なく過ごします。

ところでこれまでは、脳を持つ生き物であれば、記憶を保持するのは恐らくは脳であると考えられてきました。そこで、1950年代以降、科学者たちは、扁形動物が頭部を失い、脳を再生した場合はどうなるのかを調べてきました。するとたいへん不思議なことに、彼らは以前の訓練を記憶しているようなのです。

例えば、2013年に行われた実験では、訓練済みの扁形動物は、その訓練を受けたのは頭部切断前であったにも関わらず、エサに素早く近づきました。しかし、訓練済みのプラナリアと訓練を受けていないプラナリアとの差異は、頭部切断前とさほど変わらなかったことから、研究者たちは、この実験の記憶保持は100パーセント肯定できないと結論付けました。とはいえ、そもそもプラナリアが訓練を覚えていられるとこと自体が驚きですよね。

さて、プラナリアがどのように記憶を保持するかということに関しては、実はよくわかってはいないのです。ある興味深い説によれば、習慣的な行動の記憶は、脳の外部の神経組織に部分的に移管されるというのです。

なぜかはわかりませんが、体内の他の神経に保持される記憶が存在するわけですね。これは、これまで記憶についてわかっていると考えられていたことを根底からひっくり返してしまいます。

確かに「マッスルメモリー」という言葉はありますが、そもそもこの言葉も、四肢をコントロールする脳の部位の働きを指すものであり、四肢そのものの記憶についてではないのです。

この現象を深く理解し、それがプラナリア特有のものなのか、それとも脳を有するすべての生物に共通するものなのかを解明するために、さらなる研究が必要です。なぜなら、ヒトの記憶がなんらかの形で脳外にも存在するならば、その仕組みを知ることで、脳の損傷や記憶障害、認知症の治療法を改良できる可能性があるからです。頭の無い変形動物から得られる学びとしては、素晴らしいものだとは思いませんか。

 

 

 

 

土偶

2019年9月 3日 (火)

なぜ男性にもX染色体が必要なの?

リンク より引用

女性はXX染色体、男性はXY染色体をもつといわれています。

では、男性はなんらかの女性的な部分をもっているのでしょうか?もし答えがイエスなら、それは男性を半女性にするのでしょうか。もっと専門的に言うと、なぜ男性は女性と同じ染色体の一つをもっているのでしょうか?

人間は46本の染色体を持っており、ペアを作っています。つまり、私たちは23対の染色体を持っているのです。そのうち22対は常染色体と呼ばれています。そして残る1対は性染色体です。

常染色体は私達の特徴、例えば身長、髪の色、肌の色、代謝速度などを決定します。一方性染色体は、個人の性を決定します。性染色体には2種類あります。X染色体とY染色体です。女性は22対の常染色体と2本のX染色体を持ちます。つまり、22
+ XXです。一方、男性は22対の常染色体とX染色体とY染色体を各一本持ちます。つまり、22 +
XYです。

そのため、X染色体は女性の染色体で、Y染色体が男性の染色体だとわかります。では、なぜ男性の性染色体はYYではないのでしょうか?X染色体を持つことは男性を半男性にしないのでしょうか?もしかしたら、YYを持つ男性はスーパーマンなのでは?
なぜYYは不可能なのか?
性染色体とはいいますが、X染色体もY染色体も性決定とは無関係な目的を持つ情報を含んでいます。深く追求する前に簡単に要点を見ていきましょう。染色体は細胞内の遺伝物質です。各染色体は多くの遺伝子をもっており、そのため情報伝達構造の実体なのです。

性染色体は性別を決定する役割を持つだけでなく、他の様々な機能を持つ遺伝子も持っています。それらの機能は性別や性的な成長に関係があるかもしれませんし無いかもしれません。ここから難しい部分が始まります。X染色体は800から900個の遺伝子を持っています。それに比べてY染色体は60-75遺伝子しか持ちません。信じられないかもしれませんが事実です。

X染色体は胎児の生存に必須の特定の遺伝子を複数持っています。なので、個人が生き延びるには、少なくとも一つのX染色体が必要なのです。もし生物がYYの染色体を持てば、それはスーパーマンになるのではなく、たんにスーパーデッドになります。

Y染色体上で失われた遺伝子は何でしょう
ヒトは総計で2万の遺伝子を持っています。X染色体は人の生存に必要なDNAのうちおよそ5%を持っています。一方Y染色体は2%以下です。X染色体がなければ人は死んでしまうことは明白ですが、X染色体上の遺伝子で重要なのはどの遺伝子でしょうか。

X染色体はDMDとして知られる遺伝子を持っています。この遺伝子はジストロフィンと呼ばれるタンパク質の情報を持っています。ジストロフィンは骨格筋や心筋の形成に必要です。筋肉を強くし、損傷を防ぐ働きがあります。それに加えて、少量ですが脳神経にも存在しています。

他の重要な遺伝子はCYBB遺伝子です。この遺伝子はシトクロムb-245というタンパク質の構造をコードしています。このタンパク質はNADPHオキシダーゼと呼ばれる免疫系に不可欠な酵素の形成に必須です。

これらはY染色体から失われた多くの遺伝子の中のたった2つにすぎません。しかしそれだけでも十分明白なのは、これらの遺伝子がなかった場合人間が生き延びることは不可能であるため、すべての人が少なくとも1つのX染色体が必要だということです。Y染色体にはこれらの遺伝子が現在欠落していますが、人の通常の生存に必要な遺伝子を持っていた時期もかつてありました。不幸にも、3億年の進化の過程で、ほぼ95%もの遺伝子をなくしてしまったのです。
以上
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XY染色体によって性別が決まるが、それ以外にそれぞれの機能を持っている。X染色体は生存遺伝子を持っているため、女が男より寿命がなくなるかなと思いました。
そうして3憶年の進化でY染色体の生存遺伝子がなくなったとしてたら、再生できないか。人類の進化の歴史から見ると、Y染色体に生存能力を求められなくなって、消えていったと考えられるが、生存危機を感じていたら復活するでは?

 

 

 

 

匿名希望

Y染色体は構造上消える運命にあるのか?

Y染色体は生殖により遺伝子組み換えが行われず、異常が発生すれば蓄積するしかない構造になっている?

知的好奇心の扉「トカナ」リンクより転載します。
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 人間にはX染色体とY染色体の二種類の性染色体が存在し、XXは女性、XYは男性となる。Y染色体には男女を決めるマスタースイッチであるSRY遺伝子が存在するが、それ以外にはほとんど遺伝子が存在しておらず、見た目にもX染色体より小さくしなびている。

 Y染色体もかつてはX染色体と同じくらいのサイズで多くの遺伝子を含んでいたが、多くの遺伝子が別の染色体へと流出してしまったと考えられている。X染色体を含むその他の染色体と異なり、Y染色体では子供に受け渡す前にシャッフリング(組み換え)が行われない。これはつまり、父から息子へとダイレクトに受け継がれ、その際に異常が取り除かれず、蓄積してしまうということだ。そのため長い時間の間に劣化してしまっており、460万年後には消えてしまうという推定も存在する。

 だが最近になって、Y染色体には消滅を止める仕組みが備わっていることもわかってきた。2017年に専門誌「PLOS
Genetics」に掲載された論文によれば、Y染色体が遺伝子の増幅を起こしやすく、大規模な構造の再編成が可能であるという。さらには、Y染色体には大規模なパリンドローム(回文構造。DNA配列が前でも後ろからでも同じ領域)が存在しており、その中に損傷した遺伝子修復に必要な“バックアップ”が含まれているというのである。

 ただし、この仕組みがY染色体を消滅の危機から救ったのか、それともギリギリのところで持ちこたえているだけなのか、科学者らの見解は分かれている。

■男性は消えるのか?

 Y染色体がなくとも男性は消えない。鳥類や昆虫などY染色体をもたない生物は珍しくないし、爬虫類のように孵化するときの温度で性別が決まる生物もいる。もし人間からY染色体が消えたとしても、性決定のマスタースイッチであるSRY遺伝子は他の染色体に移動するとみられており、生殖に男女両性が必要である以上、男性が生まれなくなるということはないだろう。

 実際、トゲネズミなど、Y染色体を失ってしまった哺乳類も見つかっているが、Y染色体上にあった遺伝子はX染色体に移動して残っている。また、人為的にSRY遺伝子を別の染色体に移すことも可能であり、マウスでの実験が成功しているという。

 さらに、遺伝子工学がY染色体に取って代わるという意見もあり、生殖補助医療の発展により、不妊症の男女カップルだけでなく、女性同士、男性同士で子供を作ることもいずれ可能になると言われている。
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転載終わり

 

 

 

 

中田燿平

«目覚めさせてしまったようだ。永久凍土がとけて長い眠りから覚醒した生物~その①~

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