2019年7月15日 (月)

淡水魚と海水魚が共存できる好適環境水

適環境水とは、淡水にわずかな濃度の電解質を加えてできる、淡水魚と海水魚ともに生育できる不思議な水。例えば、海水に含まれるのは約60の成分だが、好適環境水は、ナトリウム、カリウム、カルシウムという必須の3成分だけを、濃度を薄くして作る。塩分濃度だけに注目すると海水の約4分の1。

この中で、マグロ、アジなどの海水魚と、金魚などの淡水魚が共存でき、その水で水耕栽培の小松菜が育つ。そこでは、魚の成長も早く、臭みもなく味もよいものが育つ。

その上、魚のストレスの指標値も海水飼育の場合の40%程度と低い。また、海水の塩分濃度が高すぎるため、海水魚は鰓で浸透圧を調整しているが、好適環境水では、その調整なしで生きていることが分かった。このような好適環境水中でのストレス低減が、成長の早さの原因と考えられている。

また、この発見は養殖する場所を選ばす、山の中でも海の魚が養殖できるというメリットがあり、高齢化対策も含めた過疎地の新しい産業としての可能性がある。

その上、このネットワークが広がれば、海外で養殖し、日本に運んで販売するという、現在の過剰なエネルギー消費(過剰なフードマイレージ)を抑えることもできる。いわば地産地消を海水魚についても可能にすることができる。

もう一点は、『深海は真水?!(346641)』とも絡み、深海が真水や塩分濃度の低い好適環境水であるとしたら、魚類の進化史も見直す必要があるということになる。

まず、好適環境水に現在の魚類も適応できているということは、進化の初期に獲得した機能は、好適環境水と同じ水の組成を外圧として適応したものであり、その機能を基盤に様々な機能が、その後の外圧変化の中で塗り重ねられたと考えられる。

そして、調査は必要だが、4億5千万年前の原始海水は淡水でも海水でもなく、塩分濃度が薄く、その中で多くの生物が生存していたという説がある。そうであれば、従来の塩分の濃い海水に適応した魚類⇒腎機能を強化して淡水に適応した魚類へという進化の前に、

①原始の好適環境水に適応した魚類から

    ↓↓    ↓↓
    ↓↓    ①’⇒好適環境水適応のままの深海適応した魚類
  
 ↓↓ 
    ②⇒高塩分の海水に鰓機能を強化し適応した魚類
          ↓↓
         
②’⇒腎機能を強化し淡水に適応した魚類
 
 
の①①'と②②’の二つの進化系列があり、今でも深海魚はストレスの少ない深海の好適環境水の中で生きているため、食料も酸素少なく、光も届かない海底で生きていけること、そして、深海魚は高塩分の表層海水中では生きられないこと、などが考えられるのではないか?

//////////////////////////////////////////////
陸上漁業の可能性~魔法の水・好適環境水を追う~(リンク)より引用

私が着目したのは、4億5千万年前の原始海水でした。当時は淡水も海水もなく、原始海水は今より非常に塩分濃度が薄く、その中で多くの生物が暮らしていたと考えられています。

それをヒントに、魚にとって必要な成分は何かを調べました。現在の海水は約60成分の元素で構成されていますが、消去法によって徐々に海水の成分をスリム化していきました。すると、最終的に残ったのは本当にわずかな成分で、我々はその水で魚を飼育することに成功したんです。飼育実験を重ねていくと、好適環境水の中で育てたほうが、海水と比べて魚が大きくなり、成長も早いことがわかりました(図①)。

 さらに、試験を繰り返す中で、海水で育てた魚には魚病が発生し全滅することが何度もありました。しかし、好適環境水のほうは病気が発生しなかったのです。この魚病が発生しない点が、好適環境水の大きな特徴だと思います。
(中略)
 研究の社会的背景として、とくに養殖漁業は、閉鎖された湾内において高密度で魚を育てますので、病気が一度発生してしまうと病原体が海域全体に広がり、魚が大量に死んでしまうという問題があります。その際には、抗生物質という薬を魚の餌に混ぜて病気を防いでいます。
 
さらに漁業が養殖に傾向してしまった背景としては、1977年に200海里漁業水域(排他的経済水域)が設けられて、漁場が縮小せざるをえなくなったことも影響していると思います。また、漁業者はより生産性を向上させるため、高密度に養殖を行うこととなり、結果、残り餌による海底のヘドロ化と水質の悪化につながり、ますます魚病のリスクは高まりました。今や海は安全なものといえません。ところが好適環境水だと魚病の危険性が低く、「海上の養殖」とくらべ「陸上の養殖」のほうがメリットが大きいと考えたのです。

 海は漁業権などの制約が多く、新しい技術、新しい会社が参入しにくいのです。海水をくむのにも許可がいるんですよ。だから我々は海と別れを告げて山に注目しています。山では水資源は豊富ですし、土地も安く場所によっては温泉水がとれるところもあります。

 最大のメリットは、安心・安全な産地のはっきりした魚を生産することができる。しかも、一つは魚のブランド化がはかれるんです。例えば、「那須マダイ」や「那須トラフグ」のように、そこの清らかな水を使って生産が可能になるわけです。今では考えられない地域のブランドで、魚の商品化が可能になるのではないかと考えています。
(中略)
好適環境水での陸上養殖は、水温の維持に大量なエネルギーを使います。石炭、重油などを使用すれば二酸化炭素が多く排出され地球温暖化につながります。そこで、今は日本の地熱に注目しています。世界中でもまれな火山国ですから、その地熱を使わない手はない。好適環境水を実用化するためには、エネルギーコストをいかに低く抑えていくかが重要になります。
(中略) 
また、食料輸送の観点からも二酸化炭素を出さない工夫が重要です。サバを例にすると、日本でとれたサバが東南アジアのタイに行き、タイで缶詰に加工されてまた日本に帰ってきます。人件費を安くするためにこのようなことが行われています。みなさんは大変なエネルギーの無駄遣いと思いませんか。

 

 

 

本田真吾

2019年7月 8日 (月)

海から川や湖へ!魚の淡水進出を支えた鍵遺伝子の発見 ― DHAを自分で合成すれば、海から離れても生きられる ―

国立遺伝学研究所の研究チームが、魚が海から淡水域へ進出する際に鍵となった遺伝子を発見。 その遺伝子とは「ドコサヘキサエン酸
(DHA)」を作るのに必要な遺伝子でした。

国立遺伝学研究所プレスリリースリンクより、以下転載。
-----------------------------------------------------------------
海から川や湖へ!魚の淡水進出を支えた鍵遺伝子の発見

 ― DHAを自分で合成すれば、海から離れても生きられる ―
プレスリリース資料リンク

魚は、海から川や湖などの淡水域へ何度も進出しながら、さまざまな形や性質をもつ種に進化していきました。海と淡水域は、栄養分や浸透圧などに大きな違いがあるため、一部の魚は淡水域に何度も進出する一方で、全く淡水域に進出できない魚も多くいます。しかしながら、その違いは分かっていませんでした。


この度、情報・システム研究機構
国立遺伝学研究所の石川麻乃助教と北野潤教授らの国際共同研究チームは、進化生物学のモデル生物であるトゲウオを用いて、魚が海から淡水域へ進出する際に鍵となった遺伝子を発見しました。


鍵となった遺伝子は、必須脂肪酸「ドコサヘキサエン酸
(DHA)」を作るのに必要なFads2遺伝子でした。DHAは、本来、海の餌には多く含まれますが、淡水域の餌にはあまり含まれていません。本研究チームは、淡水域に進出したトゲウオでは、このDHAを作るのに必要なFads2遺伝子が増えているため、DHAの少ない淡水の餌でも生きられることを発見しました。Fads2遺伝子は、他の幅広い種類の魚でも、海水に生息する種に比べ、淡水域に進出した種で増えていたことから、魚の淡水域への進出の鍵となる役割を果たしてきたと考えられます。


本研究は、国立遺伝学研究所、東京海洋大学、アクアトト岐阜、フレッドハッチンソン癌研究所、北海道大学、スイス連邦水科学技術研究所、沖縄科学技術大学院大学、京都大学、龍谷大学、福井県立大学、水産大学校、ベルン大学、基礎生物学研究所、岐阜協立大学、スペイン水産養殖研究所からなる共同研究チームによっておこなわれました。

(以下省略)

-----------------------------------------------------------------
転載終了

 

 

 

立川久

2019年6月28日 (金)

「敗者」こそが生命史をつむいできた-1~汽水域に追い詰められた弱い魚たち

「敗者」というと、戦いに敗れた弱い存在、みじめな存在だと考えてしまうが、38億年に及ぶ生命の歴史の中では、むしろ強者こそが先に滅び、敗者のほうが生き残ってきたのが事実です。

以下、生物学者の稲垣栄洋氏の記事「「敗者」こそが生命史をつむいできた」リンク より転載します。
 ===============================================================
■偉大なる一歩は本当に「偉大なる挑戦」だったのか?

海の中で生まれ、育まれてきた生物。その中で、最初に「上陸」を果たした脊椎動物は原始両生類である。

懸命に体重を支え、ゆっくりとだが、力強く手足を動かし陸地に上がっていく。その目は、まさに未知のフロンティアを目指す意志にみなぎっている。

人類で初めて月面に降り立った宇宙飛行士のアームストロングは「これは人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては大きな飛躍である」という言葉を発した。

上陸に成功した両生類は、何という言葉を残すだろう。しかし、この一歩こそが私たち脊椎動物のその後の繁栄につながる偉大な一歩だったことは間違いない。

しかし、である。

脊椎動物の陸上進出は、本当にこのような勇気ある冒険者によってなされたのだろうか。

 ■
巨大オウムガイと6メートルの甲冑魚が支配する世界

古生代、ありとあらゆる生物が進化を遂げ、地球に広がる大海原は生命にあふれていた。多様な種が出現し、豊かな生態系を作りだしていたのである。

しかし、生態系というのは「食う・食われるの関係」である。傍目に眺めていれば、豊かな海に見えるかも知れないが、そこを生き抜くことはけっして簡単なことではない。

このころ、海を支配していたのは、巨大なオウムガイであった。魚たちは、オウムガイの餌食になっていたのである。

また魚の中にも、頭部や胸部を厚い骨の板で武装した甲冑魚と呼ばれる種類が出現した。

甲冑に身を包んだ、いかにも強そうな彼らの最大の武器は「あご」である。それまでの魚は、現在のヤツメウナギのようにあごを持たない魚であった。しかし、甲冑魚は力強いあごを持ち、捕えた魚をむしゃむしゃとかみ砕いていく。まさに敵なしである。

生態系の頂点に立った甲冑魚の中には、6メートルを超えるような巨大な体で悠々と泳ぐものもいたという。

栄枯盛衰を繰り返す生命の歴史の中で、やがてはサメのような大型の軟骨魚類が現れ、甲冑魚に代わって海の王者の地位を奪っていった。

海の中は、力が支配する弱肉強食の世界だったのである。


過酷な「汽水域」に追いやられた弱者たち

弱い魚たちは、どうしたのだろう。

食べられる一方の弱い魚たちは天敵から逃れるように、川の河口の汽水域に追いやられていく。海水と淡水が混じる汽水域は、浸透圧が異なるため、海に棲む天敵も追ってくることはできないのである。

しかし、海を棲みかとしていた魚たちにとって、そこは過酷な環境であった。

逆境を乗り越えて戦いに敗れ、追いやられた弱い魚たちは、過酷な環境である汽水域へと逃れ行く。しかし、そこは魚が生存することができない過酷な環境である。

幾たびも幾たびも挑戦しても、多くの魚たちは汽水域の環境に適応することができずに死滅していったはずである。

汽水域で最初に問題となるのは浸透圧である。

塩分濃度の濃い海で進化を遂げた生物の細胞は、海の中の塩分濃度と同程度の浸透圧になっている。もし、細胞の外側が海水よりも濃い塩分濃度であれば、細胞の中の水は細胞の外へと溶け出してしまう。そして、もし細胞の外側が薄い塩分濃度であれば、その塩分濃度を薄めるために、水が細胞の中へと侵入してきてしまうのである。

そこで魚たちは塩分濃度の薄い水が体内に入ってくることを防ぐために、うろこで身を守るようになった。さらには、外から入ってきた淡水を体外に排出し、体内の塩分濃度を一定にするために腎臓を発達させたのである。

 ■
「骨」は、汽水域で生きるために生み出された

それだけではない。海の中には生命活動を維持するためのカルシウムなどのミネラル分が豊富にあるが、汽水域ではミネラル分が不足してしまう。そこで魚たちは体内にミネラルを蓄積するための貯蔵施設を設けた。それが「骨」である。骨は体を維持するだけでなく、ミネラル分を蓄積するための器官でもあるのである。

こうして生まれたのが、骨の充実した「硬骨魚」である。

これだけの変化を起こすために、いったい、どれくらいの時が必要だったのだろう。いったい、どれくらいの世代を経たことだろう。世代を超えて何度も何度も挑戦していく中で、魚たちは逆境を乗り越え、祖先からの悲願であった汽水域へと進出を果たすのである。

 ==========================================================つづく

 

 

 

斎藤幸雄

「敗者」こそが生命史をつむいできた-2~陸上への進出は、海を追われた弱い魚の決死行

引き続き、生物学者の稲垣栄洋氏の記事「「敗者」こそが生命史をつむいできた」リンク より転載します。
 ==============================================================

サケやマスの遡上は、古代の記憶に結び付いている?

しかし、支配者から逃れたはずの汽水域でさえも、彼らにとっては安住の地ではなかった。

強大な敵から逃れ、魚たちが手に入れた新天地となった汽水域。しかし、ここでは、新たな生態系が作りだされる。それは、強い魚が弱い魚をエサにする弱肉強食の世界である。

天敵から逃れてきた弱い魚たちではあるが、その中にも強い者、弱い者が存在する。そして、より強い魚が生態系の上位を陣取っていくのである。より弱い魚たちは、そこでも食べられる恐怖から逃れることはできないのだ。

迫害された弱い魚の中でも、さらに弱い魚は、より塩分濃度の薄い川の河口へと侵入を始める。もちろん、そこでも弱肉強食の世界は築かれる。

弱い魚の中でも、さらに弱い弱者中の弱者は、逃れても逃れても現れる天敵に追われながら、川の上流へと新天地を求めていくのである。

中には、同じ食われるのであれば、海も同じだとばかりに、再び海へと戻っていくものもあらわれた。サケやマスなどが、川を遡って産卵をするのは、彼らが淡水を起源とするからと考えられている。

浅瀬で泳ぎ回る敏捷性を発達させていた魚たちは、海に戻ってからも、サメなどから身を守る泳力を身につけていた。そのため、海を棲みかとすることができたのである。

こうして、汽水域に追いやられて進化を遂げた硬骨魚の中から、川や湖を棲みかとする淡水魚と、海で暮らす海水魚とが分かれていくのである。


「大きくてのろま」だからこそ、陸に上がらざるを得なかった

両生類の祖先とされるのは、大型の魚類である。

より弱い立場にある小型の魚類は、敏捷性を発達させ、高い泳力を獲得していった。

一方、元々大型の魚類であった両生類の祖先は、敏捷性を発達させていない。のんびりと泳ぐのろまな魚である。そのため、泳力に優れた新しい魚たちに棲みかを奪われていったと考えられている。そして、浅瀬へと追いやられていくのだ。

大型の魚類は浅瀬を泳ぐことができない。しかし、大きな体で力強くヒレを動かすことはできる。そこで、水底を歩いて進むように、ヒレが足のように進化していったと考えられている。

そして、浅瀬から次第に陸の上へと活路を見出していくのである。

もちろん、両生類の祖先がいきなり上陸して、すぐに陸上生活を始めたわけではない。

ふだんは水中で暮らしていても、水位が低くなると水辺を移動したり、水中にエサがないときには、水辺でエサを求めたりしたのだろう。敵に襲われたときには、安全な陸上へと逃げたのかも知れない。

こうして、陸上という環境を少しずつ利用しながら、次第に水中と陸上を行き来できる両生類へと進化を遂げていくのである。


「最弱トーナメント」優勝者が我々の先祖だった!

陸上という新天地を求めた魚は、どんな魚だっただろう。

その祖先は、海での生存競争に敗れ、汽水域へと進出した魚たちであった。

そこで硬骨魚類へと進化を遂げた魚たちの中で、より弱いものは川へと侵入した。そして、その中でもさらに弱い魚たちは上流へと追いやられた。まさに、最弱を決定するトーナメント戦のようなものである。

その戦いに負け続けた魚が、川の上流を棲みかとした。

川を棲みかとした魚たちの中で、小さな魚は俊敏な泳力を身につけた。一方、早く泳ぐことのできない、のろまな大型の魚類は水のない浅瀬へと追いやられていくのである。

ところが、である。このもっとも追いやられた魚が、ついに上陸を果たし、両生類へと進化を遂げる。そして、爬虫類や恐竜、鳥類、哺乳類の祖先となるのだから、自然界というのは面白い。

「歴史は勝者によって作られる」と古人は言った。

生命の歴史はどうだろう。

生命の歴史を振り返ってみれば、進化を作りだしてきた者は、追いやられ、迫害された弱者たちであった。新しい時代は常に敗者によって作られるのである。


進化はやっぱり、逆境からしか生まれない?

弱き魚を汽水域へと追いやり、広い海を我が物顔に支配したのは、サメの仲間であった。

サメはどうだろう。現在、サメは、古い時代の魚類の特徴を今に残す「生きた化石」とされている。

サメは進化した硬骨魚類のような鱗がない。サメ肌と言われるような固い皮で覆われているだけだ。そして、ミネラルを蓄積するような高度な仕組みの骨がない。そのため、汽水域で進化した魚が硬骨魚類と呼ばれているのに対して、サメやエイの仲間は軟骨魚類と呼ばれている。進化した硬骨魚類は、多種多様に進化を遂げ、川や湖、海とあらゆるところへと分布を広げていった。現在では、サメやエイを除く魚類は、ほとんどが硬骨魚類である。

弱者であった魚は、川という新天地を求め、そしてその後、大いに進化をしていった。しかし、無敵の王者であったサメは、自らを変える必要がない。そして、現在でもその古い型を維持しているのだ。

何も、進化しなければダメなわけではない。サメもまた、現在でも成功している魚類である。しかし、逆境に追い込まれることが、新たな進化を生みだすことは間違いないようである。

 =========================================================以上

 

 

 

 

斎藤幸雄

2019年6月26日 (水)

蛍(ホタル)はなぜ光るの?その発光原理とは?

東洋人と西洋人では五感での捉え方はどうだろうか?
ここで、東洋人らしい感覚での捉え方をご紹介しよう。私の知人(アメリカ人)が東京のあるホテルに夕食に誘い、ホタル鑑賞させたことがある。

 近寄ってきたホタルに対して、そのアメリカ人は手で払おうとした。そこで、私はホタルは日本人にとって神秘的で心が和む生き物だと説明すると首を傾げたのである。どうもアメリカ人には、お尻の光るハエ程度に感じたようである。現にアメリカではホタルをファイヤーフライと呼ぶらしいのです。(324827)

東洋人と西洋人で蛍光色を発光する蛍に対する捉え方が異なりますが、自然界に存在する対象そのものを無視(虫)できないのが日本人の捉え方。
万物に対する畏敬の念が特に、日本人にはあります。
美しい、綺麗だと感謝の気持ちで虫たちとも接します。

そもそも何故 蛍は、電気もないのに明るく発光できるのだろうか?
まさか、太陽光パネルのように体内で電気に変換しているのだろうか?
なんらかの化学反応なのだろうか?
しかしながら、生命体が発光する事の不思議さは、蛍だけに限らずアンコウやクラゲ、光が届かない深海生物などにも見られます。

以下、リンク より転載。

ホタルには、腹部先端の部分に"発光器"があるものが多く、そこで"ルシフェリン"という発光物質と"ルシフェラーゼ"と呼ばれる酸素、さらに生物共通のエネルギー源である"ATP(アデノシン三リン酸)"が結びつくことで「ルシフェリン-AMP」という物質になります。

この「ルシフェリン-AMP」が空気中の酸素と反応すると、発光体である「オキシルシフェリン」が生成され、体が光るしくみになっています(※光らないホタルもいます)。

ルシフェラーゼの性質はホタルの種類によって少しずつ違ってきます。そのため、黄緑、黄色、オレンジ色までホタルの光の色はさまざまだそう。

光るホタルの代表といえば「ゲンジボタル」と「ヘイケボタル」。
 卵から幼虫、蛹(さなぎ)、成虫になるまで一生を通して光ります。幼虫や蛹(さなぎ)の時は警戒行動として光るといわれていますが、成虫が光るのは求愛行動など、コミュニケーションのためだといわれています。
また、オス、メスを問わず光ります。

 

 

 

 

日出・真田十勇士 

2019年6月22日 (土)

根を切るともっと根が出る仕組みを解明

自然界は、相似形で構成されていると言われている。日本の盆栽は10mの大木を0.1%に縮小する(自然の木々をミニチア版にする)のであるが、どんな原理で創れるのか?
不思議に思っていた。そのメカニズムが解明された。

>植物にとって根の傷害は脱水という形で直ちに地上部に影響してしまう緊急事態であり、根を切られた植物はできるだけ早く根を再生しようとする性質があります。
>たとえば日本伝統の園芸芸術、盆栽作りでは慎重に根の剪定(根切り)を行います。
>根切りされた植物は、水や養分を効率よく吸収できる若い根を限られた空間(鉢)で再生することで、健全かつ小さな植物である盆栽になります。

緊急事態に対応する為に遺伝子情報を制御し、外部環境に適応するのが生命体なのであろう。

「根を切るともっと根が出る仕組みを解明 
やっぱり植物はたくましい!」
リンク
_________________________________

【植物のたくましさ】
「雑草は切っても切っても生えてくる」ということはひとつの植物のたくましさでしょう。これは頂芽優性と呼ばれる現象で、一番先端にある茎頂を失うと、その下で休眠している腋の茎頂が発達を開始し、新しい芽や葉が生えてくるのです。
また根が切断されても枯死する前に植物体が根を急速に再生させ、その場で固着生活を継続させる。

前述の頂芽優性については 近年、頂芽優性を制御しているのはストリゴラクトンという新しい植物ホルモンだということもわかってきました。
一方、切断された根がいかに再生してくるのかということについてはあまり研究がありませんでした。

私たちはこの問題に取り組み、傷害による植物根の再生過程に関わる因子が植物ホルモンのオーキシンであること、オーキシン合成の誘導、さらにオーキシンの極性輸送によって植物の根は再生することを明らかにしました。

シロイヌナズナはシャーレの寒天培地中で、生育させることができるモデル植物です。
ある日、根を途中で切断したシロイヌナズナを観察していました。そのシロイヌナズナは突然変異体で主根は伸びるけれども側根は出てこないはずだったのですが、あろうことか側根がフサフサと野生型と同じぐらい出ていたのです。

使った突然変異体はオーキシン信号伝達経路に異常があるmsg2/iaa19という変異体だったのですが、同様の経路に異常がある変異体で試験しても、本来、側根が出ないはずなのに側根が出てくるものがありました。
そこで慎重に無傷コントロールと根切りした野生型植物を4日後に比較すると、わずかですが確かに側根が増えていることがわかりました。

さらに興味深いことに、切断した植物の側根はコントロールより長い、つまり成長が早いということもわかりました。
根の総延長を測定するとコントロールと根切りした植物はなんと同じだったのです。
地上部と根の量は植物種で一定であるというshoot-root-ratioという現象が古くから知られています。もしかしたら根切りした植物は根の成長を促進させて、shoot-root-ratioを回復させているのかもしれません。側根数が増える現象をRoot-Cutting induced lateral root Number
(RCN)と呼び、側根の成長を促進する現象をRoot-Cutting induced lateral root Growth
(RCG)と名付けました。今回の論文発表では側根数が増えるRCNについてそのメカニズムを明らかにしました。

【エビデンスから仮説を立て、実験による検証を行う】
自発的な側根の形成にはオーキシンが重要な働きを持っていることが詳しく判っているので、私たちは根の再生にオーキシンがどのように関わっているのか? というアプローチを行いました。

(中略)

根切りがYUCCA9遺伝子を誘導することで、根のオーキシン量を増やしていると予想されました。
根のオーキシン量を測定したところ、根切りによって実際に増加していること、yucca9変異体ではそのような増加は見られないことを確認し、YUCCA9遺伝子が根切り応答に必要な遺伝子であるということが明らかになりました。

一方、オーキシン合成を阻害する試薬、YUCASINとNPAを同時投与すると側根はまったくできないどころか、根切りでも側根の発生は抑制されました。さらにオーキシンの極性輸送に関する変異体にYUCASINを投与すると、野生型より顕著に側根が減少すること、根切りによってオーキシンの極性輸送体遺伝子の発現は上昇することから、根切りによるRCNにはオーキシン合成の促進と同時に極性輸送が必要であると結論付けられました。
(後略)

 

 

 

 

岸良造

2019年6月14日 (金)

脳サイズ進化の謎 「大脳化」

人類に特有な進化の現象は「大脳化(身体の割合より大きな脳を持っている)」と思っていましたが、この「大脳化」は哺乳類と鳥類の特徴との事のようです。
>なぜ哺乳類と鳥類は大きな脳を進化させることができたのか?

との研究論文が有りましたので転載します
リンク
_______________
【脳サイズ進化の謎】
ヒトを含む哺乳類と鳥類は、同じ大きさの魚類や両生類と比べておよそ10倍~20倍大きな脳を持っています。哺乳類と鳥類のなかに高い学習能力や社会性を持つ動物が多く見られるのは、このように大きな脳を持っていることと関係しています。
体のわりに脳が大きく進化する現象は「大脳化」と呼ばれています。大脳化は高度な認知能力とそれに付随するさまざまな行動を可能とするため、いろいろな環境下で生存・繁殖上の利益をもたらすと考えられています。こういった適応的側面だけを考えれば、すべての脊椎動物に大脳化の機会があったと考えるのが自然です。しかし、大脳化はごく少数の例外を除いて哺乳類と鳥類でしか生じていません。なぜ、哺乳類と鳥類だけが大脳化に成功したのでしょうか?私たちはこの謎に迫りました。

【アロメトリーと進化的制約】
体の大きさはさまざまな生命の営みと密接な関係を持っています。体重をx 、対となる指標をy とすると
y=ax
b 

の式で寿命・行動圏・代謝の速さなど、さまざまな生命活動のサイズ依存性を記述することができます。この関係をアロメトリーと呼びます。

脳重量はアロメトリーを示す典型的な例です。この場合、x は体重、y は脳重、係数a は体重が仮に1gであったとしたときの脳重、指数b は一定の体重増加に対する脳重(以下、脳サイズとします)の増加率をそれぞれ表します。これまで古今東西の生物学者が、さまざまな動物で脳サイズのアロメトリーを記述してきました。その結果、どんな分類群で脳サイズのアロメトリーを求めても指数b はおよそ0.67から0.75の間の値を取ることがわかりました。

動物の住む環境が変わって大きな脳サイズが有利となる状況が生まれたとしましょう。この場合、自然選択の対象は脳サイズですから、体の大きさを変えることなく脳の大きさだけが進化するのが自然な帰結に思えます。ところが、実際はそうなっていません。脳サイズのアロメトリー指数がどんな動物でも似た値であることは、脳サイズ進化には決まったやり方があって、動物の脳サイズが進化するときは大抵体サイズも一定の割合で一緒に進化しているということを意味しています。

この現象を適応とは逆の視点から考察すると、もし大きな脳サイズが適応的となる状況が生じても、大きな体を進化させることのできない理由が他にある場合、脳サイズは進化しなかったのだろうと考えることができます。このように、適応進化を制限する要因は「進化的制約」と呼ばれています。

【哺乳類と鳥類だけに生じた制約の打破】
このデータを使って、まず私たちはアロメトリーがすべての脊椎動物で共通して見られることを示しました。
(中略)
次に、私たちは同じ種内の性成熟した個体間における体サイズと脳サイズの関係を鳥類・哺乳類とそれ以外の分類群で比較しました。その結果、鳥類と哺乳類では体の大きさに関わらず成体の脳サイズはおおよそ一定であることと対照的に、魚類では大きな成体は小さな成体よりも脳サイズが大きい傾向にあることがわかりました。また、ここには示しませんが、両生類・爬虫類・軟骨魚類は魚類と同じパターンを示していました。

この発見はアロメトリーによる制約が哺乳類と鳥類だけで弱まったという仮説と矛盾しません。また、このパターンを生物学的に解釈すると、鳥類と哺乳類の脳は体と独立に発達している一方で、他の脊椎動物では脳と体が一緒に発達していると言えます。
それでは、哺乳類と鳥類はどのように脳の成長と体の成長を分離させたのでしょうか?

【大脳化を可能とした特別な脳の発達方法】
私たちは再び文献調査によって、受精した胚が成体になるまでのさまざまな発育段階における脳サイズと体サイズのデータを8種類の脊椎動物で収集し、脳と体の発達過程を比較検討しました。その結果、
今回調べたすべての動物において、成長を始めた胚は一定のサイズになるまで脳サイズを急激に成長させ(下図破線部)、その後脳サイズの成長を減衰すると同時に体サイズの成長を加速させて成体になっていることがわかりました
また、哺乳類と鳥類は急激に脳が発達する期間を魚と比べて大きく延長していました。
(中略)
哺乳類と鳥類に見られる脳の発達方法がどうして魚類・爬虫類・両生類・軟骨魚類では進化しなかったかについて考えてみましょう。
これは推測になりますが、私は脳が発育に膨大なエネルギーを必要とすることと関係していると考えています。脊椎動物の胚発生初期に見られる爆発的な脳の発達には断続的な栄養供給が必要です。
これを長期間持続するため、哺乳類と鳥類は他の脊椎動物よりも長い期間にわたって子を養育します。

つまり、哺乳類や鳥類の養育は脳の発育に対する投資であると考えることができます。この仮説が正しければ、私たちを含む哺乳類が脊椎動物のなかで例外的に大きな脳を持っているのは、哺乳類の共通祖先が精力的に子育てする形質を進化させたことと関係があるのかもしれません。
__________________________

 

 

 

岸良造

2019年6月 3日 (月)

細胞核やDNAはウィルス由来か?旧来のウィルス観を覆す。巨大ウィルスの発見

今年2月、アメーバに感染する新規巨大ウイルスが発見された。メドゥーサウイルスと名づけられたこの巨大ウイルスは、全セットのヒストン遺伝子をゲノム内に保持しており、特異な粒子形態とゲノム組成から新たな「科」に属することが明らかになった。ヒストンは真核生物がDNAを折り畳んで核内に収納するために必須な5種類のタンパク質で、ヒストン遺伝子全セットを保持するウイルスはメドゥーサウイルスが初めて。

新規巨大ウイルスはアメーバを宿主として増殖するが、感染過程で一部のアメーバ細胞が厚い膜を被り休眠状態に入る(シスト化する)ことが明らかになった。これが、見たものを石に変える能力を持つギリシア神話の怪物「メドゥーサ」をイメージさせることから、この新規巨大ウイルスはメドゥーサウイルスと名づけられた。
メドゥーサウイルスは、粒子径が260ナノメートル、ゲノム長が38万塩基対とこれまでに記録されている巨大ウイルスの中では小型の巨大ウイルス。しかし、クライオ電顕単粒子解析により、先端が球状のスパイクでウイルス粒子表面が覆われているなど、独特の粒子形態が浮き彫りになった。ゲノムの遺伝子組成にも特徴があり、ゲノム内の461個のタンパク質遺伝子のうち61%(279個)が、データベースに類似した遺伝子がない新規遺伝子であることも判明した。また、感染過程の観察から、ウイルスゲノムの複製がアメーバの細胞核内で完了していることも伺え、これまでに報告されてきた巨大ウイルスとは様相を異にしている。

メドゥーサウイルスのゲノムで最も際立った特徴は、ヒストン遺伝子を全セット(ヒストンH1, H2A, H2B, H3, H4の5種類)保持していることだ。
また、ウイルス粒子からもウイルス由来のヒストンタンパク質が検出された。分子系統解析の結果はさらに興味深いもので、これらのヒストン遺伝子はその進化の枝が、真核生物の系統樹の根っこの部分から派生しており、その起源が真核生物の共通祖先よりも古いことも明らかになった。つまり、ウイルスのヒストン遺伝子は、真核生物の特定の系統から獲得されたものではないのである。このことは、真核生物の先祖がヒストン遺伝子を古代のウイルスから獲得した可能性を示唆している。同様の進化シナリオがメドゥーサウイルスのDNA複製酵素遺伝子の解析からも浮き彫りになった。
さらに、アメーバとメドゥーサウイルスのゲノム比較から、進化の過程で数多くの遺伝子の受け渡し(遺伝子水平移動)が両者の間で起こっていたことも明らかになった。遺伝子の受け渡しの方向は、アメーバからウイルス、ウイルスからアメーバへの両方向の事例があり、アメーバがウイルスから受け取った遺伝子の中にはウイルスの殻を作るためカプシドタンパク質遺伝子もあった。

既に今世紀初頭、生物学の常識を覆すウイルスが発見されている。ミミウイルスと呼ばれるそのウイルスは、単細胞真核生物(原生生物)であるアメーバを宿主として増殖する。粒子サイズとゲノム長で数多くの単細胞生物を凌ぐ大きさと複雑さを誇るミミウイルスの発見は、「ウイルスは小さくて単純なものだ」という生物学者の固定観念を覆し、大きなインパクトを与えた。ミミウイルスの発見を端緒に、世界中の研究者が巨大ウイルスハンティングを開始し、パンドラウイルス、ピソウイルス、マルセイユウイルスなど様々な巨大ウイルスの発見が相次ぎ、日本では、トーキョーウイルス(マルセイユウイルスの仲間)やミミウイルス・シラコマエ(ミミウイルスの仲間)などの発見がなされた。

ミミウイルスはアミノ酸をtRNAに結合するアミノアシルtRNA合成酵素など、リボソーム以外の翻訳に関わる分子の遺伝子をもっていることが明らかになった。通常のウイルスが遺伝情報の翻訳を宿主細胞に委ねているのに対し、ミミウイルスは自己複製を完全にアメーバに頼っているわけではなく、通常のウイルスよりも高い自立性を保持していると言える。高度な遺伝情報を保持し、生物の重要な特徴である翻訳系を部分的にでも保持しているミミウイルスを、生きものではないと言い切るのは難しい。

こうした巨大ウイルスからは、その生き生きとした多様な「生態」が伺え、その結果、ウイルスがDNAを発明したのではないか、細胞核はウイルス由来ではないか等の仮説も提唱されている。

 

 

 

北村浩司

2019年5月22日 (水)

カンブリア大爆発の捉え方、そして、雌雄分化の進化との関係

地球上に存在する38の動物門すべてが一気に誕生したとされる「カンブリア大爆発」は、イギリス、ウェールズのカンブリア山麓の5.4~4.9億年前の地層から発見された化石、その後のカナダ南部ブリティッシュ・コロンビア州ヨーホー国立公園で発見された「バージェス頁岩の動物群」の化石を根拠にした説。
ところが、南オーストラリアのフリンダース山脈のエディアカラ丘陵で発見された「エディアカラ紀の微小な硬外殻動物(クラウディナ等)の動物群」の化石により、カンブリア大爆発以前の先カンブリア時代(6~5.5億年前)に、すでに38の動物門が誕生していたらしいことがわかってきた。

Q.「カンブリア大爆発」という捉え方?
カンブリア紀に現在に至る動物“門”が存在し、爆発的に変異促進の進化を遂げたのは事実としても、カンブリア紀に捕食性の硬外殻生物が“突如として登場”したのではなく、また先カンブリア紀の動物は絶滅したのではなく、エディアカラ紀とカンブリア紀は繋がった連続した進化。(進化積層態)

Q.そのうえで、カンブリア紀に、“大型化”した捕食性の強い硬外殻生物に急速に進化(変異)したのは、なんで?
その原因として、
343092>カンブリア大爆発は眼の登場→種間闘争の激化が生み出した>。
この説は納得度が高い。そのうえで2点。

ひとつは、眼の進化の捉え方。
「眼」は、眼球というレンズや光彩という絞り、それを映し出すスクリーンである網膜、そしてそれを具体的なイメージとして脳内で映像化させるための高度な神経組織と脳、これらすべての機能がそろって初めてシステムとして成立する。
それゆえ、急激に高度化したのは事実としても、カンブリア紀に眼の機能が“突如として登場”したのではなく、カンブリア紀以前の機能と繋がった連続した進化の捉え方。(進化積層態)

もうひとつは、大型化や急激な“変異”を可能とした基盤として、「雌雄分化の3段階の進化の塗り重ね構造」。
1】7.3億年前:体細胞と生殖細胞が分化した「殖産分化」
→万能細胞による子孫を残す分裂から、生殖細胞のみが子孫を残す分裂を行う。
2】5.7億年前:精子と卵子が分化した「精卵分化」 (※エディアカラ紀に重なる)
→生殖細胞が、栄養を溜めた卵子と運動能力の高い精子に分化。
3】5.1億年前:雌雄が別躯体に分化した「躯体分化」 (※カンブリア紀に重なる)
→雌雄同体のなかから、精子をもたないメスが登場し、雌雄同体とメスの2種類。さらに、雌雄同体のかなから、卵子を捨てたオスが登場し、雌雄同体とメスとオスの3種類の個体が登場。

この「雌雄分化」への3段階の進化の塗り重ね構造が、「カンブリア大爆発」を可能にした実現基盤としての捉え方。

Q.あと、カンブリア大爆発を引き起こした環境変動(外圧)は?
これには、
1)344919>カンブリア爆発の要因~「陸地面積の増大」説>
2)343093>カンブリア爆発の引き金は、地磁気の衰弱にともなう放射線の増大か?>
それ以外にも、
3)酸素濃度の急激な増加(→生物の大きなエネルギー利用)
4)地表から溶け出したリン酸カルシウムの増加(→生物の骨格の発達)
5)地軸の変動や太陽活動の変動で、地球に降り注ぐ太陽光の増加
6)太平洋プルーム活性化(5.4億年前)による気温上昇による大気中の成分変化で、海水への太陽光の増加
など諸説があるが、どれも推測の域を脱しておらず、はっきりしていない。

 

 

 

 

麻丘東出

2019年5月16日 (木)

ガス田のプロパンガスを代謝して生きる微生物の存在。ガス田は地下生物生命圏か?

石油や天然ガスは、石炭と同様に遠い過去の生物の化石の資源であり、すぐ枯渇すると言われていましたが、実際は採掘され続けています。
化石というのは仮設で、実はどうやって出来たのか不明です。

一方で、地下には大規模な生物生命圏が存在する可能性があり、石油や天然ガスは現在進行形の地下生物生命圏あるいはその産物ではないかとも考えられます。

プロパンガスを代謝(呼吸や食事)して生きる微生物の研究が進んでいますので引用します。

「東工大ニュース」
リンク
より引用

●ガス田の天然ガスを微生物が食べていた
未知の大規模微生物生命圏の存在示唆

●要点
•
プロパンガス分子の中心の炭素と末端の炭素の安定同位体比を別々に計測
•
観察と微生物培養実験で安定同位体比の異常を検証
•
大気へのプロパン放出量の推定など地球環境の影響評価にも適用可能性

●概要
東京工業大学 理学院
地球惑星科学系のアレキシー・ジルベルト(Alexis Gilbert)助教(東京工業大学
地球生命研究所、以下ELSI、アフィリエイトサイエンティスト)、上野雄一郎教授(ELSI 主任研究者)、物質理工学院 応用化学系の吉田尚弘教授(ELSI
主任研究者)らの研究チームは、天然ガス田で微生物にプロパンが代謝されていたことを発見した。
プロパン
(C3H8)は3つの炭素が直線上に並んだ分子だ。ELSIでは、この3つのうち、中心の炭素と末端の炭素の安定同位体比[用語1]をそれぞれ別々に計測する新たな手法を開発し、北米とオーストラリアのガス田から産出されたプロパンガスを分析した。
このうち、いくつかの場所で産出されたプロパンでは、分子末端の炭素の同位体比はあまり変動がないのに対して、分子中心の炭素の同位体比が大きく変動することが判明した。この特徴は、プロパンガスが熱分解によって作られる際の傾向とは一致しない。一方、無酸素環境下でプロパンを分解する特殊な微生物を培養し、残ったプロパンの同位体分子計測を行ったところ、このガス田の傾向と一致することがわかった。これは、いくつかのガス田では、嫌気的な微生物が地下でプロパンを消費しており、その規模は、従来想定されていたよりも大きいことが予想される。
本研究成果は、2019年3月18日付の「米国科学アカデミー紀要(PNAS)」オンライン版に掲載された。

●背景
プロパンなど天然ガスの形成過程や、それが保存されている過程を理解することは、地球上の限りある資源の分布を理解する上で大変重要である。近年、天然ガス田には、プロパン等の天然ガスを代謝する微生物が生息していることが明らかになってきている。地下での微生物活動で、どの程度、天然ガスが消費されるのか、どのような条件で天然ガスが消費されずに保存されるのかということは、まだよくわかっていない。
一方、これら天然ガスの形成過程は、地層中に埋没した有機物(過去の生物の遺骸)が熱により分解することで生じる熱分解起源ガス、無機的な反応で生じる非生物起源ガスの2種類に大別されていた。この起源が異なる2種類のガスを区別するために、プロパンなどの炭化水素ガスは従来、炭素および水素の安定同位体比を用いて計測が行われてきた。しかしこの方法では、この2種類を大まかに区別できるが、微生物などが天然ガスを消費した場合の同位体比の変化については明確に区別できず、新たな計測手法が求められていた。

●研究成果
研究チームは今回、分子内同位体分布計測という新たな計測手法を開発した。プロパン
(C3H8)は3つの炭素が直線上に並んだ分子であるが、このうち中心炭素と末端炭素の安定同位体比(13C/12C)を別々に計測することが可能になった。この新手法を用いて、北米大陸(五大湖周辺)とオーストラリアのガス田から産出するプロパンガスを分析したところ、いくつかのガス田のプロパンでは、末端の炭素の同位体比はあまり変動がないのに対して、中心の炭素の同位体比は大きな変動を示すことが判明した。天然ガスの起源として想定されている熱分解過程を考えると、プロパン分子の末端の炭素が大きな同位体変動をすると予想されるが、実際は中心の炭素の変動が大きいという異常な同位体分布を呈していた。
そこでプロパンを代謝する特殊な微生物を酸素のない嫌気条件で培養し、残ったプロパンの分子内同位体計測を行ったところ、いくつかのガス田で見られた異常な傾向、すなわち中心の炭素の同位体比が変動するという特徴を持つことがわかった。これらの観察と実験の結果を総合すると、ガス田の地下に広がる無酸素環境で特定の条件が整った場所では、プロパンを代謝する微生物が活発に活動していることが推測できる。場所によっては、ガス田から産出されるプロパンの半分以上が微生物に食べられていることがわかった。

●今後の展開
今回の発見で、予想以上にガス田の地下では微生物が活動していることが明らかになった。今後、開発した新たな計測法を用いて研究を進めることで、地下での微生物活動がどの程度まで広範に及んでいるかがわかる可能性がある。
また、天然ガスは温室効果ガスの一種であり、大気への放出量を予測する際にもこの新手法が活用できそうだ。また、分子内同位体分布計測法では、非生物的にされた天然ガスを検出することも可能だ。無機的に形成される有機物がどこにどのように分布しているのかについても、全く新しいコンセプトで調べることができる。これは無生物から生物を構成する有機物が創られるという、生命起源の研究にも波及効果があると考えられる。

 

 

 

 

田村正道

«頭形成と左右対称性

Ranking

  • にほんブログ村 科学ブログ 生物学・生物科学へ お勧めサイトランキングへ
2019年7月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      

カウンター

最近のトラックバック

無料ブログはココログ