生物と物質の違いは、生物かどうかではなく、生物として活動できる「条件」にあるのではないか?

地下で3億年!生き、条件が揃えば蘇生!する微生物。
代謝を行わない微生物も存在する。

最近の地下微生物の発見から考えると、生物と物質の違いは、生物かどうかではなく、生物として活動できる「条件」にあるのではないか?

「BIGLOBEニュース」
リンク
より引用

「死をもあざむく?地球の内側で見つかった微生物の不死へのアプローチ」

 地球の深部炭素に関する国際的なサイエンスネットワーク団体、ディープ・カーボン・オブザバトリー(Deep
Carbon
Observatory:DCO)が驚きの事実を発表した。

 地球の地下で生きる微生物の質量は150~230億炭素トンで、全人類を合わせた炭素質量のじつに245~385倍あるというのだ。
 地下の奥深くで生命が存在できるはずがないと考えられていたのが、そう遠くない昔のことであるのを考えれば、まったく驚きである。
 だが、その発表を詳しく見てみると、さらに驚愕の事実が述べられていた。
 地下生命の年齢である。

●科学者の培養実験。細菌は蘇生する。
 1920年代末、チャールズ・リプマンという科学者が、岩の中に細菌が、しかも生きたまま存在するのではと疑い始めた。
 彼は、密封した瓶の中に入れられた乾燥した土に潜んでいた細菌が、40年後に蘇生した事実について考察していた。もし、細菌が40年間も生きられるのだとすれば、はたしてどこかに限界はあるのだろうか?
と。
 沼から採取した岩のような石炭は、その実験にぴったりに思われた。彼は石炭を砕き、そのカスから何かが成長するかどうか観察してみた。そして、思ったとおりだった。
 石炭の粉末を滅菌水に混ぜて2、3週間放置しておくと、細菌のようなものが現れ始めたのだ。粉末を細菌が大好きな「ペプトン」たっぷりの溶液に入れた場合は、たったの5時間であった。

 興味深いことに、この蘇生には、液体に数日間浸かるという水分補給期間が必須であることも判明した。石炭の粉末が湿っていたとしても、そのままペトリ皿のエサ入り寒天培地に入れても、何も育たなかった。

 むろん、リプマンはサンプルが汚染されないよう細心の注意を払って実験を行なった。徹底的な洗浄・殺菌作業には、数時間あるいは数日におよぶ洗浄、浸漬、加熱、加圧が含まれる。
 だが、これで判明したのは、160度でサンプルを数時間熱したとしても、石炭の内側にいる細菌を殺せないということだった。
 それどころか、かえって細菌に力を与えるのだ。加熱時間が長くなるほどに(なんと最大50時間行われた)、その成長は促されたのである。


●過酷な環境に耐えるためのアンヒドロビオシス
 リプマンは、石炭から手に入れた細菌が、人間の腸内細菌のそれと同じ意味で生きているとは信じなかった。
 むしろ、石炭を形成する過程で、カラカラに乾燥し、仮死状態になっていたと信じた。
 「石炭の中の微生物は実際に生存者である。石炭はもともとは泥炭のような性質で、おそらくは微生物がきわめて豊富だったろう。だが、そこから石炭が形成されたときに、その中に囚われの身となったのだ。」

 「私の意見では、石炭の塊のそこかしこに、一時的な胞子か、それに類する耐久性を備えた休止状態の細菌が散らばっており、時と環境の試練を生き延び、その生命としての特徴や栄養型に変化する力、あるいは状況が繁栄するにふさわしいものになったときに増殖する力を維持したのだろう。」(Journal
of
Bacteriology)

 こうした干からびた状態を現在では「アンヒドロビオシス(anhydrobiosis)」という。これはクリプトビオシス
の一つで、凄まじい生命力で知られるクマムシのような動物が、極度の乾燥状態や、宇宙の真空や放射線の集中砲火に打ち勝つため活動を停止する無代謝状態のことだ。


●3億歳の微生物
 リプマンが使った石炭は、ウェールズとペンシルベニアで採取されたもので、中には540メートルの地下から採掘されたものもあった。
 ペンシルベニアの石炭は、ペンシルベニア紀という地質学上の時代の名称の由来ともなっている。そして、それは少なくとも3億年も前の時代のものだ。
 リプマンの実験が行われたのは1931年のことだ。おそらく同僚は彼がおかしくなってしまったと考えたことだろう。
 しかし2019年の我々の目から見れば、リプマンが別におかしくもなんともなかった線の方が濃厚だ。

 世界最高齢の個体は、節くれだったブリストル・コーン・パインやクローンで形成されたアスペンの森林ではなく、地下の岩の中に囚われたちっぽけな微生物なのかもしれない。それが、成長もせず、子孫も残さず、ただ死神をごまかしているだけに過ぎないのだとしても。


●地下細菌の寿命の長さを示唆する最近の研究
 ここ10年で、堆積物や岩、あるいは地中深くの隙間や亀裂の中で生きているこうした細菌が、予想外に長生きであることを示す研究は増えている。
 たとえば、2000年代初頭、帯水層や堆積物の微生物が呼吸をする速度は、地上にいる微生物のそれよりもずっと遅いことが明らかにされた。
 そのバイオマス回転率(細胞の分子が置き換わるためにかかる時間)を計測すると、数百から数千年の長さであった。

~中略~

●地下の囚人になる代償としての不死
このあたりで話をまとめよう。地球の地殻には、不活発な古代の細菌がうじゃうじゃいる。それは省エネモードにあるが、ギアはいつでも入れられる状態にある。
 永遠に思える時間を暗闇の中に閉じ込められ、静寂の中、かろうじて食べ、かろうじて呼吸し、かろうじて動く。それでも死んでいない、生きているのだ。
 もしチャールズ・リプマンが正しかったのなら、恐竜が登場するより5000万年も前に生まれた地球内部の細菌細胞は、明日にでも再び分裂を再開するかもしれない。なんと驚愕の事実であろうか。

 だが、こうした魔法のような力を発現させるために、細菌は地下牢獄に囚われていなければならない。その代償として、事実上の不死が与えられているのである。

 

 

 

田村正道

2020年10月27日 (火)

生物が「オスとメスとに分かれた」究極の理由



多様性を求めたからこそ人間は絶滅から逃れたリンク

生物学者・五箇公一氏による『これからの時代を生き抜くための生物学入門』より一部抜粋・再構成してお届けする。

■原初の生物は「性別がなかった」
地球の歴史を振り返ってみると、生物の原初は無性生殖の方が優勢だったと考えられます。しかし、地球環境の変化が起こるたびに、適応できなかった無性生殖生物は滅び、一方で手間のかかる有性生殖生物の中から適応できる個体が生き残る、という淘汰が繰り返されてきた。

もともと性ができた究極要因は、遺伝子を交換=シャッフルして、多様性を高めることだったのです。
生物が編み出した戦略が、個体同士でお互いに持っている遺伝子を交換して新しい遺伝子セットを生み出すという「有性生殖」だったのです。

■生物の誕生はまさに「奇跡の連続」
今から45億5000万年前、誕生して間もない地球に火星と同じ大きさの星が衝突するという一大事変が起こりました。この衝突によって地球の一部がえぐり取られて、宇宙空間で固まって地球の周りを回る衛星ができました。月の誕生です。ぶつかった衝撃で灼熱のマグマの塊となった地球と月は徐々に冷やされていき、地球上では水蒸気が雨となって降り注ぎ、今から43億年前の間に海が誕生しました。その間も地球には無数の隕石が落下を続け、生命の原材料となるアミノ酸などの有機物が隕石とともに海中に持ち込まれたと考えられています。

当時、月は今よりずっと地球の近くを周回していて、その引力によって、海は激しく波打ちました。この波動の中で、海中に溶け込んでいる分子同士が結合して、遺伝子=DNAの基となる「核酸」といわれる物質が生成されました。そして高い波によって常に波打ち際に漂い続ける無数の「泡」の中で、この核酸という物質が取り込まれて濃縮し、核酸同士が鎖状につながり、DNAが偶然に合成されました。このDNAこそが自身のコピーを作る能力を持つ物質であり、生命の「核」となったのです。

最初の生命は膜の中でDNAのコピーを作るだけの単純なユニットでしたが、やがてDNAの情報からタンパク質が合成されるシステムが完成し、タンパク質から細胞というDNAの入れ物が作られ、単細胞生物が誕生しました。このとき細胞同士の増殖競争が始まりました。よりたくさんのコピーを残したものが勝ち、という「生物の基本原理」の登場です。正確にはDNAが誕生したときからDNA同士の増殖競争は始まっていました。ですが、単細胞生物が誕生したことにより遺伝子同士の競争が、生物同士の競争に置き換わったわけです。

■「男と女の体」に違いが生まれた理由
生物が複雑化・高度化するにつれ、成長に時間がかかるようになります。配偶子が接合して細胞分裂を始めて個体に成長するまでの過程を胚発育といいますが、この胚発育には栄養素が必要となります。栄養を外界から吸収したのでは、環境に左右されて途中で成長が失敗するリスクが高くなります。そこで胚が個体になるまでの栄養を蓄えた配偶子として卵が進化します。

一方、卵は栄養を蓄えた分、個体は大きくなり、生産量を稼ぐことが難しくなります。つまり1回に生産できる数に限りが生じます。数が減れば配偶子同士が出会う確率は低くなってしまいます。そこで限られた卵子に対して、サイズを小さくすることで、大量に生産可能な配偶子が進化します。これが精子の進化です。さらにこの小さな配偶子には、大きくて動きにくい卵子との遭遇確率を上げるための運動性も備わるようになりました。

こうして配偶子に卵と精子という二型が生まれ、それぞれを生産するのに特化した個体としてメスとオスが生まれました。生物が進化して複雑になるにつれ、メスとオスの間の形態的・機能的な差異はどんどん大きくなっていきました。これを性的二型といいます。

高等動物では、機能的な制約で、メスとオスの分化がどんどん進みました。人間でいえば、女性が子どもを生む。男性が狩猟をする。そのようにそれぞれの役割が特殊化すればするほど、女性と男性の体格差は大きくなっていったのです。

 


 
匿名希望

代々木忠(AV監督、映画監督、映画プロデューサー)の追求~夏の疲れに~


リンク

 このブログも夏休みをいただいていたが、今年は本当に暑かった。まもなく9月になろうとしているけれど、ここに来て、夏の疲れがドッと出ている人も多いのではないだろうか。


 疲れといえば、「累積疲労」という病名があるのを最近知った。ひょっとしたら当てはまる人もいるかもしれないので、読売新聞(2015年8月9日付と16日付)に掲載された記事の一部を紹介しよう。


 〈厚生労働省の調査によると、働く人の7割以上がふだんの仕事で疲れているという。疲労は、痛み、発熱と並んで、体から発せられる重大な警告。体の限界に近付いているサインだが、見逃されることが少なくない〉


 〈「人間は意外とタフなので、疲れが続いても、すぐに倒れたり、病気にはならない。疲労は時間がたてば消える、と誤解している人が多い。借金に例えると、何年かにわたってたまった疲労は、蓄積した借金となって、“自己破産”することになる。体の健全経営のため、疲労は早めに解消して、ためないようにしなければなりません」。「累積疲労」という言葉を生み出した東京都渋谷区の「エビス心療内科」院長、堀史朗さんはこう説明する〉


 〈疲労がたまってくると、血管の9割を占める毛細血管と、リンパ管がつまりやすくなる。また、体の細胞を修復する成長ホルモンの分泌が減って、死んだままの細胞がたまっていく。こうして、体のだるさを感じるようになる。さらに、胃腸が弱り、栄養素が消化・吸収できなくなる。特に、ビタミンや微量の重要な栄養素が吸収できず、消化や運動などの生命活動の中心でもある酵素の活性も落ちる。ますます、毛細血管がつまりやすくなる。こうした中で、脳の毛細血管がしだいにつまっていくと、理性をつかさどる大脳の前頭前野の働きがゆっくりと衰え、神経回路網もだんだん荒廃していく〉


 〈「つまった末梢(まっしょう)の細い血管が体内、特に脳に増えていくのが、累積疲労の要因だったのです」と堀さん。治療は、患者の毛細血管をひろげたり、修復したりして、末梢循環を改善することを重視している〉


 どうだろうか。疲れというと生きるうえでのつきものというか、ほどよい疲れは人生の充足感にすらつながっていそうに思えるが、タカをくくって放っておくとシャレにならないというわけである。


 ちなみに、ちょっとしたことでイライラしたり、怒りがうまく抑えられないというのも、「累積疲労」の初期症状。進行すれば、うつやパニック障害といった心の病も引き起こすし、ひいては過労死に至ることもあるという。


 僕自身ふり返ってみても、うつになる前は休む間もなく仕事に追われて、睡眠不足が続いていたから、体は累積債務で自己破産に至ったんだなぁと思う。


 平日、仕事などで寝不足が溜まっている人は、週末なるべく長い時間寝ることを堀先生はすすめている。睡眠とはたんに体を休めるだけではなく、細胞を修復し、疲れをとる成長ホルモンが分泌される大切な時間でもあるからだ。


 先の「累積疲労」へのメカニズムを読むと、血流とリンパの流れが滞ることが事の起こりのようだ。ちなみに僕が10年通っている股関節矯正の先生も、血流とリンパの流れが健康の根幹だという。


 もちろん睡眠がいちばん重要だと思うけれど、夏の疲れを感じている人には、残暑が和らいできたら、なるべく自然に接してほしいと思う。システマティックな社会からひととき解放されて、自然のリズムに自分を合わせれば、おのずと気分も安らいでくる。気分が安らげば、気血の流れもよくなる。


 そして、深い呼吸をぜひ試みていただきたい。ふだん頭を使っていると、気が上がってしまって呼吸が浅くなったり、ときには止めていることさえあるが、深い呼吸は毛細血管を広げて、より多くの酸素を取り込む。呼吸を続けると体が温まってきて、指先までポカポカしてくるのが実感できるはずである。それは詰まった末梢の血管にまで血が巡りはじめた証でもある。末梢循環が改善されれば、脳の働きも活性化され、溜まった疲労も解消されるに違いない。



(2015年8月28日掲載)



 ここ何カ月か、僕は尿路結石を患っていた。このままだと癒着する恐れがあるということで、先月、尿道から内視鏡を入れ、石を取り除く手術を受けた。


 手術した日の夜は痛みに悩まされた。加えて、オチンチンには管が入っており、脚には血栓予防のポンプがついていて、腕には点滴の針が刺さったままだ。おまけに誤嚥を防ぐため、ベッドの背は半分起き上がっている。結局、僕は一睡もできなかった。


 そして次の日の夜も、寝るには寝たものの、熟睡というには程遠い状態で退院の朝を迎えた。退院手続きを済ませ、帰宅すると女房が僕を見てこう言った。「あら、元気そうじゃない!」。病院を出るとき、じつは僕も体が軽いと感じていたのだ。


 こんなに寝不足なのになぜだろう。半年間の自粛中、休んでいるというのに、体のダルさは日ごと増していった。そのダルさが消えている。入院の前と後とでは、今のほうが体調がいい。


 5年前、この「夏の疲れに」という話をアップしたとき、読んでくれた方から「半日断食もいいですよ」というコメントをいただいた。今回の入院では、手術の前から食べていないので、計4回食事を抜いたことになる。その断食効果が表われたのだろうか。


 もうひとつは、寝られないし、痛いしで、入院中、僕は呼吸に逃げるしかなかった。6つ吸って8つ吐く丹田呼吸を一昼夜続けた。人生でこれだけ丹田呼吸をやったのは初めてじゃないかというくらいに。


 効果があったのは、断食か? はたまた呼吸法か? おそらく両方とも効いたに違いない。

 


木戸康平 ( 23 大阪府 会社員 )

哺乳類の進化~乳誕生の秘密



生物にとって最も重要なのは、子孫を確実に残し種を存続させること。恐竜の絶滅後、哺乳類が繁栄できたのは、「乳(母乳)」という子育てシステムの獲得にあった。そして、その実現には、恐竜が絶滅するはるか昔から続く、進化の塗り重ねがあった。

以下、「生命大躍進 こうして母の愛が生まれた」リンクより抜粋。(一部、引用者により修正)
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■乳誕生の秘密
…母乳はどうやって生まれたのでしょうか?

汗のように吹き出すハリモグラの母乳は、卵がかえる前から湧き出しています。赤ちゃんの栄養とは別の役割があるようです。ハリモグラの母乳を分析すると、興味深い2つの物質が見つかりました。

「αラクトアルブミン」
これは母乳ならではの甘い栄養分を作るたんぱく質です。

「リゾチーム」
これは殺菌力を持つたんぱく質です。ハリモグラはリゾチームを含む液体で卵を濡らし、雑菌の繁殖を防いでいると考えられます。

驚くのは全く働きの異なる2つのたんぱく質ですが、構造はよく似ています。

オフテダル博士は、母乳の起源は殺菌物質のリゾチームを含んだ汗のような液体で、それが変化して母乳のもとαラクトアルブミンを含む栄養豊富な液体に変わったと考えています。

■汗が母乳に進化した?
約3億年前、獣弓類と呼ばれる哺乳類の祖先(※引用者にて原文の「哺乳類」を修正)こそ生物界の王者でした。

しかし、王者といえども子育ては容易ではありません。当時の祖先たちは薄く柔らかい膜に覆われた卵を産んでいました。卵に雑菌が入り込むと中の赤ちゃんが死んでしまいます。

そこで母親たちは、殺菌物質リゾチームを含む汗のような液体で卵を濡らし、雑菌の繁殖を防いでいました。私たちの祖先の子を守ろうとする営みの第一歩です。

そんな祖先たちの体内で、思いがけない変化が起こり始めました。DNAでは、長い時間の中で時折変化が起こります。ある時、偶然その変化がリゾチームを作る遺伝子の一部に起こりました。その結果、遺伝子から作られるたんぱく質の形もわずかに変わりました。

こうして生まれたのが、αラクトアルブミンです。偶然起きたこの出来事で、卵の殺菌が目的だった母親の汗に甘い栄養分が含まれるようになったのです。これを卵からかえった赤ちゃんが舐めたことで子育てに革命が起きました。子供が甘い汗を頼りに育つようになり、母乳の誕生という大躍進が起きたのです。

母乳によって母と子はより分かちがたく結びつき、それが母の愛情へと繋がっていったのです。

■母の愛を試練が襲う
約2億5000万年前、母乳による子育てへと踏み出した祖先たちは大繁栄し様々な姿、形のものへと種類を増やしていました。しかし、噴火活動が100万年も続き、地球上の生物種の96%が絶滅したと考えられています。

私たち哺乳類の祖先はどうなったのでしょうか?

■祖先の子育て大革命
2011年、中国で大絶滅を生き延びた私たちの祖先の貴重な化石ジュラマイアが発見されました。体長はわずか10cm。

しかし、ジュラマイアは卵を産むのではなくお腹の中で赤ちゃんを育てる体の作りになっていました。赤ちゃんをお腹で育てるための胎盤を持っていたのです。

■おなかで子を育てる
胎盤は、赤ちゃんのへその緒の先にある特別な臓器です。これによって、赤ちゃんは母親の子宮に密着し、栄養や酸素を母親から受け取れるように。

もともと私たちの祖先は受精卵を殻で覆い外へ産み落としていました。それが卵です。ところが、あるとき不思議な変化が起きはじめました。受精卵の中にある赤ちゃんの尿を溜める袋が発達し母親の体の一部に密着したのです。これが胎盤となり子供は母親の胎内に留まって育つように。卵を産み落としていた我が子をお腹に身ごもるという新しい子育ての始まりでした。

この大躍進は、体の小さな祖先が生き延びる上で重要な意味を持っていたと言います。

■わが子を守る母の苦闘
大噴火による大量絶滅の後、地球は恐竜たちが支配する世界へと変貌を遂げていました。
 
恐竜時代の始まりには、まだ卵を産んでいた私たちの祖先は、敵に襲われると親は逃げられても卵は置き去りにしなければならないこともあったでしょう。

そこへ現れたのが胎盤を持つ私たちの祖先ジュラマイアです。ジュラマイアは昆虫などを餌に森で暮らしていました。胎盤の登場によって子供が無事に育つ確率は卵の時代に比べて飛躍的に高まりました。
なぜ私たちの祖先は突如、胎盤を手に入れることができたのでしょうか?

■突如出現!胎盤のナゾ
実は最近、ある遺伝子が重要な役割を果たしていたことが分かってきました。それはPEG10遺伝子。PEG10遺伝子は、1億6000万年以上前に突如現れ、その後の哺乳類に受け継がれたことが分かりました。

PEG10遺伝子は、様々な病気を引き起こすレトロウイルスとよく似ていることが分かりました。レトロウイルスが祖先のDNAに入り込み、胎盤を生み出すPEG10遺伝子になったと考えられるのです。

実は胎盤には、ウイルスから貰ったとも考えられる不思議な能力が備わっています。それは、母親の免疫を抑えるという能力です。
 
親子であっても時に血液型すら違う別人です。そんな赤ちゃんが体内にいれば、母親の免疫によって異物とみなされ攻撃されるはずです。それを胎盤が母親の免疫を抑えることで防いでいるのです。

 レトロウイルスも相手に感染するために免疫からの攻撃を抑える能力を持っています。この力がレトロウイルスをDNAに取り込んだ祖先にも伝わり、我が子を身ごもるという大躍進を可能にしたのです。

 その後の進化で胎盤の能力は強化され、子を身ごもる期間は長くなっていきました。赤ちゃんは安全な母親の胎内でより大きく成長してから生まれてくるように。

 


斎藤幸雄 HP ( 56 愛知 建築設計 )

2020年8月20日 (木)

生命の起源は「炭素」をみつめると見えてくる(2/2)



yahooニュース リンク より、以下転載 続き
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■進化の在り方が変わる
――近年、地球にそっくりな惑星がいくつも発見されていますが、人間が住める惑星はみつかっていますか。

【ヘイゼン】いわゆるハビタブルゾーン(生存可能圏)のなかに複数の惑星が発見されています。ハビタブルゾーンにある惑星は、太陽熱放射によって温度を維持し、液体の存在が確認できます。

それらの惑星は、地球から20~30光年ほど離れた場所にあり、現在は渡航できませんが、新しい推進システムを開発すれば、大きな宇宙船に多くの人びとを載せて、数世代にかけての移住が可能になるでしょう。まるでSFの世界ですね。

――米国の生物学者であるリン・マーギュリスは、ヒトのもつDNAに、周りと協力し助け合うことがプログラムされていると唱えていますね。

【ヘイゼン】彼女は、生命体が共生関係を形成することで、生き延び、進化していることに気づきました。人間は「人類、動物、昆虫、植物」と生物をカテゴリーに分類しようとしますが、実際、木は「木」それだけで成り立っているのではありません。土や空気、水を必要とします。つまり、どの生命体をとっても、エコシステム全体から分離して生きることはできません。

彼女の発想は私に深く影響を与えました。私の研究は、地球圏がいかにして共生進化をしてきたかを検証することです。鉱物は生命の起源につながっていますが、生命は新しい鉱物の起源につながる。生物学と地理学は切り離せない関係にあるのです。一つの面しかみないでいると、全容の理解はできません。彼女はこの発想を明確にしました。

――単細胞生物は25億年も安定して生存していたにもかかわらず、多細胞生物になり、動物や人間へと進化しました。仮に、人間が進化の最終形であった場合、身体的な進化をし終えたために、身体の外に目を向けて、技術の発展に手をつけたのでしょうか。

【ヘイゼン】それは非常に注目すべき点です。(適者生存を唱えた)ダーウィンの進化論よりも、はるかに進化を加速させる方法は、遺伝子をデザインすることです。すでに癌治療において遺伝子治療が行なわれていますが、人はより長く生存できるように「進化の方法」を変えています。

これは、惑星の「進化の方法」を変える手段でもあるのです。本質的にみると、この事実は、自然進化よりも、インテリジェント・デザイン(「知性ある何か」によって生命や宇宙が設計されたという説)が支配的になった証であり、見えざる神ではなく、人間の手によって生命がデザインされているのです。
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生命の起源は「炭素」をみつめると見えてくる(1/2)



yahooニュース リンク より、以下転載
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生命の起源は「炭素」をみつめると見えてくる

―――2007年、鉱物学者のロバート・ヘイゼン氏のもとに、一本の電話が入った。相手は、科学の研究や教育に助成するニューヨークのスローン財団。研究助成先を探しており、「生命の誕生を研究してほしい」という。

それに対してヘイゼン氏は「生物学以外の物理や化学、地政学を総合しながら地球上の炭素を調べないかぎり、生命誕生の謎に迫るのは無理でしょう」と答えた。つまり、「炭素」は、生命や地球誕生の根源になっているというのだ。各専門家たちと分野を超えて、生命の新発見に挑み続けるヘイゼン氏にインタビューした(取材・構成
大野和基:国際ジャーナリスト)。

※本稿は月刊誌『Voice』2020年7月号、ロバートヘイゼン氏の「炭素が奏でる宇宙交響曲」より一部抜粋・編集したものです。

■世界の99.9%は炭素でできている
――(大野)今年四月に上梓された“Symphony
in
C”(邦訳『交響曲第6番「炭素物語」―地球と生命の進化を導く元素』化学同人刊)には、鉱物学とはかけ離れた「交響曲」という言葉が入っている、非常に興味深いタイトルですね。

【ヘイゼン】炭素について何かを執筆するとき、テキスト風に性質を紹介することはできます。しかし、それだと面白みがなく、もともと炭素に関心がない人は興味を抱きません。

そこで、炭素という物質にストーリー性をもたせようと試みました。私は長年プロの演奏家として交響楽団でトランペットを演奏していたのですが、炭素はまさに「交響曲」を掌る原子だと気づいたのです。

周期表にあるすべての元素のなかで、炭素は土、火、水、空気にとって必須の元素ですが、交響曲の構成を使うことで、それぞれのセクションで異なる面をみることができます。

第二楽章は「air(空気)」、つまりアリオーソ(抒情的な曲)で、ゆっくりとした楽章です。第三楽章は「fire(火)」で、スケルツォ(急速で快活な曲)になり、コン・フォーコ(情熱をもって)です。最終楽章は、生命の起源に必須の「水」です。

――生命は炭素から誕生したと考えられていますね。

【ヘイゼン】はい。もし生命を理解したければ、炭素を理解しなければなりません。それは、炭素が生命の起源、進化、分布、宇宙での生命の中核をなしているためです。酸素、鉄、ケイ素をはじめとしたその他の元素はあまりにも特異で適用範囲が狭いのに対し、炭素はすべてに適応します。

この部屋を見渡すと、炭素を含んでいないものを指摘するほうがはるかに簡単でしょう。99.9%のものは、炭素を含んでいます。このように、炭素はわれわれの生活の基本的な元素なのです。

――生命起源の研究はどれほど進んでいるのですか。

【ヘイゼン】緩やかではありますが、進捗しています。生命起源の研究に人生を捧げる研究者は世界中に何百人もおり、今年八月にもエクアドルで国際会議が開かれる予定です。とはいっても、まだ謎は多い。

現在、私にとってもっとも深い問いは、「惑星は自動的に生命をつくるのか」というものです。すなわち、惑星は火山をつくるように生命をつくるのか。あるいは、地球生物は数少ない生命体として稀有な現象によって生み出されたものなのか、という問題です。

現時点では、生命は地球以外のあらゆるところで生まれていると予想しています。そのため、生命は必然的に生じるものであり、研究によってその必然的な化学プロセスを発見することができると思うのです。

――生命は進化と絶滅を繰り返します。絶滅するものとそうではない生き物の差はありますか。

【ヘイゼン】微生物が一度ある環境で生存する方法をみつけると、20億年は生き延びるでしょう。安定感のある生物の存在を除去するには、太陽が蒸発してなくなるとか、地球に隕石がぶつかるといった激変が起きないかぎり難しい。

かりに人類が「微生物を抹消したい」と望み、地球上にあるすべての核兵器を使っても、微生物は生き続けます。それほど地球圏の一部として根深く定着しているのです。

――人類は遠い将来、絶滅するのでしょうか。

【ヘイゼン】多細胞の種はどの種も絶滅に直面してきました。1億年前に存在して現在も変化していない多細胞の種の名前を挙げることはできません。「絶滅」というと、「そこで終わり」と考えますが、同じ遺伝子やたんぱく質が、有機体の一部となって生存し続ける方法もあり得ます。

たとえば、(猿人の)アウストラロピテクスは絶滅しましたが、ある意味でわれわれは、99%同じ遺伝子をもっています。つまり、存続はしているのです。ほとんどの古代の有機体は、遺伝子が組み換わったかたちではありますが、時間の経過とともに伝播されてきたのです。

もし人類が1億年生き延びたとしたら、彼らにとってわれわれは非常に奇妙に映るでしょう。おそらく、あと千年もすれば遺伝子組み換え技術のツールで、何でも修復できるようになっています。

癌もなくなっているし、コロナウイルスもなくなっているでしょうね。そして、遺伝子操作によって、良かれ悪しかれ多くのことをコントロールできるようになる。その結果、未来の人類はわれわれと同じ人類ではなくなっていると思います。

続く

2020年6月24日 (水)

性が変動する生物

有性生物の中で、性が変動する生物は、魚類、爬虫類に見られる。
占いフォーラム (fanex)リンクより引用。
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●有性生殖の分類
有性生殖は大きく接合型と受精型に分類されます。接合型では生殖を行う両者の個体の「生殖細胞」は区別が付きませんが、受精型では、大型で動きの小さな生殖細胞(卵子)と小型で運動量のある生殖細胞(精子)とが結合して、新個体が生まれます。

この時、卵子を供給する個体をメス(♀)、精子を供給する個体をオス(♂)と言いますが、このオスとメスのあり方にも様々なタイプがあります。

ほ乳類などでは、オスとメスは生まれた時から決まっていてそれが変化することはひじょうに稀ですが、魚類などには成長や必要に応じて性が変わる物はよくあります。これを「性転換」と言っています。

またアオミドロなどの場合、いつでも精子でも卵子でも供給することができ、生殖を行う相手との関係でそのどちらかを提供するようになっています。基本的にはオス役のアオミドロがメス役のアオミドロに接合管を挿入して、雄性細胞を送り込み雌性細胞に結合させます。これは接合型の有性生殖から一歩進化した状態と考えることもできます。高等生物でもミミズなどは元々「雌雄同体」で、精子と卵子のどちらも提供することができ、ある意味では性が固定されている生物よりも多様な子孫の作り方が可能です。

●性が変動する生物
性が変動する生物には、生まれた時にはメスで後にオスに転換するもの(雌性先熟)、逆にオスで生まれてメスに転換するもの(雄性先熟)、また生殖の必要性により転換するもの、栄養状態によって転換するものなどがあります。

クマノミは雄性先熟で、生まれた時がオスで成長するとメスに変わります。逆にキンギョハナダイは雌性先熟で生まれた時はメスで成長するとオスになります。
ホンソメワケベラは、群の中に1頭だけオスがいて、他はメスになっていて、いわゆる「ハーレム」を作っていますが、その1頭だけのオスが死ぬと、群の中のメスのどれかがオスに変化して精子を供給するようになります。キンギョハナダイもハーレムは作りませんが、近くにオスがいない環境にいるメスはオスに転換する傾向があります。

カミナリベラではオスに生まれた個体はずっとオスですが、メスに生まれた個体は、近くにオスがいない場合自分がオスになることがあります。しかしこの「メスあがりのオス」は生まれながらのオスよりも小さくて弱く、そのオスが率いるハーレムに生まれながらのオスがやってくると、勢力争いに負けて追い出されてしまいます。カミナリベラの場合、この小型のオスというのは、大きなオスのいる所では生きていけないのでメスとして生殖活動を行うことにより自分の子孫を残せるようにしているが、大きなオスのいない所では自分がオスになってまわりのメスに大量に精子をばらまいた方がたくさん子孫を残せるということで、こういう転換の仕方をするのだと言われています。ただしこのオスに転換するのは一種の博打でもあるわけです。

カキなどは生殖時期が終了するといちど中性になり、その後の栄養状態が良いとメスになり、悪いとオスになります。

●性の決定の仕組み
性転換を行わない生物では、性の決定は環境により決まるものと、遺伝子で決まるものとがあります。は虫類の中には、卵が孵化する時のまわりの温度によってオスとメスが決定するものがあります。また子供の頃の栄養状態が良いとメスになり、悪いとオスになるものもあります。

ほ乳類や鳥類では性染色体により性が決定します。ほ乳類の場合はメスがXX、オスがXYであって、Y染色体の存在がオスの身体を作り上げます。これに対して鳥類の場合はメスがZWで、オスがZZになっていて、ほ乳類とは逆にW染色体の存在がメスの身体を作り上げます。

●変則的?な生殖法
この手の話をすると毎度おなじみプラナリアですが、プラナリアの一部には夏には無性生殖を行い、冬には有性生殖を行うものがあります。またイシサンゴは有性生殖と無性生殖のどちらもすることができて、分裂によって自分のコピーをすぐ近くに作ることもできれば、受精によって自由に動き回る幼生(プラヌラ)を作り、この幼生が海の中を動き回ってどこかの岩に定着してそこで成長する場合もあります。

また世代によって生殖の仕方が異なる生物も多く知られています。クラゲの類は有性生殖によってプラヌラ型の幼生を作り、これは成長するとポリプという形の成体になります。ところがこのポリプは無性生殖で増えます。そして水温などの条件が成立するとストロビラという、たくさんくびれた形の生殖体に変化し、このくびれのひとつひとつが分離して、エフィラという幼生になります。このエフィラが成長するとクラゲ型の成体になるのです。

同様の現象はシダ植物、コケ植物などでもみることができます。

 

2020年4月30日 (木)

「コウモリ」はなぜ「ウイルスの貯水池」なのか

新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染症(COVID-19、以下、新型コロナ感染症)が世界中で猛威をふるっているが、このウイルスはSARS(SARSr-CoV、重症急性呼吸器症候群)と同じ人獣共通感染症(Zoonosis)だ。こうしたウイルスの自然宿主(最初にウイルスにかかった生物)はコウモリとされているが、なぜコウモリ起源のウイルスがこんなに多いのだろうか。

コウモリが感染させるウイルス
 人獣共通感染症はヒトの感染症の60%以上を占める。世界で毎年約10億人が病気になり、数百万人が死ぬ病気だ。人獣共通感染症では、野生生物を自然宿主にしていた病原体(ウイルス)が、家畜などの脊椎動物や昆虫などの無脊椎動物を経由し、あるいは直接にヒトへ感染して広がっていく。

 ウシから天然痘や結核、ブタやアヒルからインフルエンザ、ヒツジやヤギから炭疽症、ネズミ(齧歯類)からペスト、主にイヌ(ネコやコウモリなども)から狂犬病といった人獣共通感染症があるが、サル免疫不全ウイルス(SIV)が変異してヒトに感染してヒト免疫不全ウイルス(HIV-1、HIV-2)になったようにヒトと野生生物の接触によって感染が広がることも多い(※1)。

 自然宿主にはコウモリが多く、コウモリの次は霊長類、齧歯類の順になるようだ。また、世界で新たな人獣共通感染症が発生するリスクの高い地域としては、コウモリはアジアの一部と中南米で多く、霊長類は中米、アフリカ、東南アジアに集中し、齧歯類は北米、南米、中央アフリカの一部と予測されている(※2)。

 コロナウイルスも人獣共通感染症で、最初に発見されたのが1965年という新しいウイルスだ(※3)。このウイルスが注目されたのはSARSが流行した時で、SARSの自然宿主は当初、ジャコウネコと考えられていた。

 その後、同じウイルスがコウモリ(キクガシラコウモリの一種、Rhinolophus
sinicus)で発見され、現在ではコウモリのSARSウイルスが共通祖先としてヒトとジャコウネコに感染したとされている(※4)。ちなみに、いわゆる南京虫、トコジラミ(Cimex
lectularius)もコウモリからヒトに寄生先を変えた生物だ(※5)。

 SARSウイルスやMARS(MARS-CoV)ウイルス(コウモリ→ヒトコブラクダ→ヒト)などのコロナウイルスの研究が進んだ結果、コウモリはコロナウイルスなどヒトに対して新たに出現するウイルスの「貯水池(Reservoir)」と考えられるようになった(※6)。

 SARSウイルスと遺伝子が96%同じ新型コロナのウイルスも同じようにコウモリが自然宿主と考えられているが(※7)、なぜコウモリはウイルスを貯め、主要な感染源になっているのだろうか。

コウモリはウイルスの貯水池
 コウモリという生物の特徴は、その種類の多さだ。哺乳類の種類の約20%がコウモリとされ、その種類は900種を超えるが、環境破壊のせいで絶滅危惧種も多い。分布域も広く、哺乳類ではヒトとネズミなどの齧歯類、クジラ類と同様、地球上の広い範囲に棲息している。

 また、哺乳類の進化の中では比較的プリミティブな生物で、多くの哺乳類が持つ遺伝的特質の原型を持っている。つまり、コウモリの古い形質の遺伝子で保存されてきたウイルスは、変異すると他の哺乳類へ感染する能力を持ちやすいことになる。

 種類によってはかなりの長距離を飛翔するのもコウモリの特徴だ。つまり、ウイルスを広い範囲に感染させる能力を持っている。広範囲に多種多様なコウモリが分布し、広大な空間を移動するわけだ。

 また、多くの種類のコウモリは冬眠することが知られている。ウイルスもコウモリとともに越冬し、長い期間、生きながらえることができる。また、コウモリ自体の寿命も長く、30年以上も生きる種もいる。こうした意味でもコウモリはウイルスの貯水池になるのだろう。

 ヒトのトコジラミがコウモリ由来だったように、コウモリは哺乳類の血液を吸うダニやシラミなどを媒介しやすい。こうした寄生虫からウイルスが感染することも多い。

 さらにコウモリは、あまり清潔ではない湿った洞窟や木の洞などに集団で棲息する種が多い。そもそもコウモリの個体数は多く、こうした集団が密集することでウイルス感染のパンデミックを起こしやすい。また、容易に捕まえることができるので食用にする地域もある。

 コウモリの認知やセンシング、コミュニケーション手段はエコーロケーション(反響定位)だ。口から発する超音波が跳ね返ってくることで、飛行したり位置を認知したりする。その際に飛び散る唾液などを介してウイルスが感染しやすくなる。

 以上をまとめると、コウモリはウイルスが好みやすい環境に棲息して大集団を形成し、広く分布して長距離を移動し、哺乳類の多くに共通する遺伝的な特徴を持ち、ウイルス感染によるパンデミックや他の哺乳類にウイルスを感染させやすい特徴を持っているということになる。

 こうした生物は他にもいる。我々ヒトだ。集団が密集して暮らし、長距離を移動し、口から唾を飛ばしながらコミュニケーションする。コウモリからヒトへ、ヒトから他の生物へ、ウイルスの連鎖が広がっているのかもしれない。

 一方、コウモリの生息域は自然破壊で狭められ、劣悪な環境で暮らさざるを得なくなっている。また、地球温暖化で分布も変化し、これまでヒトとあまり接触しなかった種類のコウモリが身近に現れるようになってきた。

 コウモリという貯水池のウイルスが変異しやすく、ヒトに感染しやすい状況になっているというわけだ。新型コロナウイルスもコウモリからヒトに感染するようになったが、これからも新たなウイルスが出現し、人類の脅威になるかもしれない。

引用元:リンク

 

 

昆虫の進化戦略(昆虫が多様に進化し、繁栄しているのはなぜか

昆虫は現在の地球上で、繁栄を極めており、500万種以上の種類があると言われている。ちなみに現在のほ乳類は約4000種である。
何故昆虫はこれほどまでに繁栄し得たのか。

まず昆虫が小さな体を獲得した点があげられる。昆虫が小型となったのは、陸上の昆虫が脊椎動物系と異なり、呼吸器官として気門を用いていることに由来する。
脊椎動物はエラや肺で吸収した酸素を血管によって全身の細胞にいきわたらせるという方式であるのに対し、気門は体に分布する10対くらいの気門から、空気を取り入れ、気管と呼ばれる太いパイプから、より細いパイプで必要箇所に送り届ける方式である。この方式は比較的単純なつくりであるという点で優位性を持つが、逆に長い距離の運搬が困難である。つまり空気を送り届けられる範囲でしか大きくなれないという物理的限界を持つ。だから酸素濃度が上昇した時期は「ムカシトンボ」など、比較的大型の昆虫も存在したが、現在は哺乳類と比べると著しく小型である。

更に昆虫は小型化することで、同一環境内で互いに小さなニッチを分け合う事を可能にした。例えば植物食の昆虫の場合、一つの植物を数多くのニッチに分け合うことができる。例えば葉を食べる、茎に穴を開ける、葉の裏側に回り込む、花のつぼみやさやをかじる、樹皮の内側に潜む、幹の中心部まで穴を掘る、地下の根に棲みつく等々。一つの植物だけでも多様な利用形態を生み出し、多様化することができる。そういった理由から昆虫は進化するほど小型化するという傾向がある。

昆虫が豊かな多様性を獲得したもう一つの理由は、「飛べる」ことである。最初に空を飛んだ生物は昆虫である。最初に翅を持った昆虫は1億5000万年の間、飛翔できる唯一の動物として捕食者から逃れ、多様な場所へと拡散できるという大きな強みを持っていた。その後や鳥類やコウモリが現れた後も、昆虫は空から締め出されることはなく、むしろそれが「淘汰圧」として働くことで、多様な適応を果たしていった。

しかしそれらも含めて昆虫の多様性を可能にした最も大きな理由がある。変異スピードの速さである。その象徴ともいえるのが、昆虫の成長の仕組みである。蝶、ハチ、ハエ、蚊、アリ、カブトムシ、ノミにいたるまで、現在の昆虫の85%は完全変態する(卵→幼虫→蛹→成虫)。不完全変態(蛹を経ないもの、バッタ、トンボ、セミなど)も含めれば、ほぼすべての昆虫が変態を行う。幼虫の期間と成虫の期間を比較すると、体つきも、食べ物も、種によっては生息域も全く異なる。
この完全変態が登場したのは史上最大の絶滅といわれるベルム期末(2億5000万年前)である。ベルム期末には、海生生物のうち最大96%、全ての生物種で見ても90%から95%が絶滅したといわれる。原因は火山爆発やプランクトンの激増に伴う海洋無酸素化など諸説あるが、いずれにせよ、環境の超激変期であったことは間違いない。この激変に対して、古い有翅昆虫の多くは滅び、完全変態の機能を獲得した昆虫類が生き残った。

では、完全変態を行う蛹の時期に昆虫は何をしているのか?蛹の中を観察すると、変態期の蛹はドロドロのスープ状になっている。生存上最低必要な呼吸や一部の神経系を除き、幼虫時代に用いられていた細胞は自死(アトポーシス)し、分解される。それに代えて、成虫時代に必要な器官のもととなる(外骨格や翅や足や内臓など)幹細胞が休眠状態から作動し、成虫の身体を作り上げるのである。つまり昆虫は幹細胞からもう一度生まれ変わるのである。ドロドロに溶けた細胞はその際の栄養として使われる。昆虫の幼虫はほとんど動かずひたすら食べ、栄養を蓄積する。逆に成虫は全く食べないか、ほとんど食べない。幼虫時代にひたすら栄養を蓄積し、この変態期にほとんどの栄養を使うのである。
その分逆に成虫は摂食するという制約から逃れ、交尾(生殖)と拡散に専念する。言葉を変えれば成虫は変異に専念しているともいえるのだ。更に未解明だが、環境の激変期であることから、蛹期に作動する幹細胞はこの2度目の誕生期に、遺伝子の発現のさせ方を変える=変異している可能性もある。

昆虫は気門や神経系(分散神経系)など比較的単純な構造で形成されている。これ自体が変異のしやすさを生み出していることに加えて、この「生まれ変わる」という生態がさらに変異を促進させたと考えらえる。
つまり昆虫の繁栄の究極の理由は、変異のしやすさと、それを促進する機能にあると考えられるのだ。
(参考「昆虫は最強の生物である」スコット・リチャード・ショー)

 

北村浩司

2020年4月17日 (金)

生物は遺伝子増幅により細胞レベルで外圧への耐性を高め、進化していく

サルは遺伝子の偶発的なバグで人間に進化したわけではありません。無方向の変異によって進化が成立しないことは知られていますが、では外圧適による進化のシステムはどのような構造をしているのでしょうか。

実は生物の細胞は外圧を受けることにより、その耐性を高めるための遺伝子増幅を作動させて遺伝情報を変化させています。単細胞生物はこの変化をもろに次の世代に受け継ぐことができます。多細胞生物においても、身体の細胞の持つ遺伝情報をもとに生殖細胞がつくられることで進化を続けてきたようです。
このことは、現在の耐性菌などについて考察するうえでも重要な視点になりそうです。

ー遺伝子の数を増やすための遺伝子増幅組換え機構ー
遺伝子の増幅とは、ある特定の遺伝子の数が増える現象で、その遺伝子産物が多量に必要な時に観察される環境適応反応の一つです。例えば害虫に対して徐々に殺虫剤が効かなくなる、あるいは癌細胞に対して制癌剤の効果が徐々に低下するのは、それらの細胞内で薬剤(この場合には殺虫剤と制癌剤)に対する耐性遺伝子が増幅して、薬剤の効果が打ち消され、細胞が耐性になってしまったためです。またリボソームRNA遺伝子など、通常の生育に多量の産物が必要な遺伝子も増幅によりその数が増えています。

また遺伝子の増幅はその産物量を増やすだけでなく、余分なコピーを染色体上に持たせることで、新しい遺伝子を創り出す原動力ともなってきました。つまり生物が単純な構造からより複雑な構造へと進化過程で、様々な新しい遺伝子登場してきましたが、その多くが遺伝子増幅により増えたコピーが変化して創られたと考えられています(重複遺伝子)

重複遺伝子とは、1つの遺伝子がコピーされて2つの遺伝子になることを遺伝子の重複といい、重複してできた遺伝子を重複遺伝子と呼ぶ。遺伝子の重複は頻繁に起きていて、例えばヒトの全遺伝子の70%以上が重複遺伝子だ。重複によりまったく同じ機能を持った2つの重複遺伝子ができるため、片方の重複遺伝子の機能が消失したり低下したりしても生命活動には支障をきたさない。

通常、遺伝子の機能を壊すような突然変異が生じると病気になってしまうが、重複遺伝子は低リスクで突然変異を貯めることができるというわけだ。また、突然変異は希に新しい機能を持った遺伝子を生み出するが、突然変異を貯めておくことができる重複遺伝子ではその確率が高くなる。

このように遺伝子重複は、遺伝的多様性(遺伝的変異)を高め、新しい機能を作り出すなど、生物の進化に重要な役割を果たしていると考えられており、ショウジョウバエ属の生息分布と重複遺伝子の数に関する研究から「重複遺伝子をゲノム中にどの程度持つのか」という種の遺伝的構造が、多様な生息環境への適応能力と関係していることが分かっています。

参照1:リンク
参照2:リンク

2020年4月10日 (金)

生物は、岩石と水の場で生まれたのかもしれない。

生命は何処で生まれたのか?
有機物のない岩石と水の場、そこで宇宙線エネルギーの中で生まれたのかもしれない。

リンク
より引用

●「常識覆す成果」海底地下の岩から微生物 東大グループが発見


南太平洋の海底を掘削した岩石の中に、微生物が生息していることを東京大学の研究グループが発見しました。この岩石の中では、これまで生物は生息できないと考えられていて、研究グループは常識を覆す成果だとしています。

バクテリアなどの微生物は、地下から見つかるケースが増えてきていますが、有機物を豊富に含む堆積物の中や熱水噴出孔など、エネルギーを得ることができる場所にかぎられ、玄武岩と呼ばれる地下に広く存在する一般的な岩石の中には、生物は生息できないと考えられてきました。

こうした中、東京大学の鈴木庸平准教授の研究グループは、南太平洋のおよそ5000メートルの海底から、さらに100メートル余り地下の玄武岩を微生物が混入しないように掘削し、生物がいないか調べました。

その結果、玄武岩の筋状の模様の部分に、1マイクロ程度の小さなバクテリアなどが多数生息していることを発見しました。筋状の部分は玄武岩の一部が長い年月で粘土質に変化した部分だということで、見つかったバクテリアの詳しい種類や、どのようにエネルギーを得ているのかなどについて解析を進めています。

 
鈴木准教授は「誰も調べてこなかったので、もしかしたらと思ったが生物がいて驚いた。普通の岩石の中に生物が広く存在している可能性を示していて、これまでの常識を覆す成果だ」と話しています。

 

田村正道

«人間の顔は腸の延長

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