生物と物質の違いは、生物かどうかではなく、生物として活動できる「条件」にあるのではないか?

地下で3億年!生き、条件が揃えば蘇生!する微生物。
代謝を行わない微生物も存在する。

最近の地下微生物の発見から考えると、生物と物質の違いは、生物かどうかではなく、生物として活動できる「条件」にあるのではないか?

「BIGLOBEニュース」
リンク
より引用

「死をもあざむく?地球の内側で見つかった微生物の不死へのアプローチ」

 地球の深部炭素に関する国際的なサイエンスネットワーク団体、ディープ・カーボン・オブザバトリー(Deep
Carbon
Observatory:DCO)が驚きの事実を発表した。

 地球の地下で生きる微生物の質量は150~230億炭素トンで、全人類を合わせた炭素質量のじつに245~385倍あるというのだ。
 地下の奥深くで生命が存在できるはずがないと考えられていたのが、そう遠くない昔のことであるのを考えれば、まったく驚きである。
 だが、その発表を詳しく見てみると、さらに驚愕の事実が述べられていた。
 地下生命の年齢である。

●科学者の培養実験。細菌は蘇生する。
 1920年代末、チャールズ・リプマンという科学者が、岩の中に細菌が、しかも生きたまま存在するのではと疑い始めた。
 彼は、密封した瓶の中に入れられた乾燥した土に潜んでいた細菌が、40年後に蘇生した事実について考察していた。もし、細菌が40年間も生きられるのだとすれば、はたしてどこかに限界はあるのだろうか?
と。
 沼から採取した岩のような石炭は、その実験にぴったりに思われた。彼は石炭を砕き、そのカスから何かが成長するかどうか観察してみた。そして、思ったとおりだった。
 石炭の粉末を滅菌水に混ぜて2、3週間放置しておくと、細菌のようなものが現れ始めたのだ。粉末を細菌が大好きな「ペプトン」たっぷりの溶液に入れた場合は、たったの5時間であった。

 興味深いことに、この蘇生には、液体に数日間浸かるという水分補給期間が必須であることも判明した。石炭の粉末が湿っていたとしても、そのままペトリ皿のエサ入り寒天培地に入れても、何も育たなかった。

 むろん、リプマンはサンプルが汚染されないよう細心の注意を払って実験を行なった。徹底的な洗浄・殺菌作業には、数時間あるいは数日におよぶ洗浄、浸漬、加熱、加圧が含まれる。
 だが、これで判明したのは、160度でサンプルを数時間熱したとしても、石炭の内側にいる細菌を殺せないということだった。
 それどころか、かえって細菌に力を与えるのだ。加熱時間が長くなるほどに(なんと最大50時間行われた)、その成長は促されたのである。


●過酷な環境に耐えるためのアンヒドロビオシス
 リプマンは、石炭から手に入れた細菌が、人間の腸内細菌のそれと同じ意味で生きているとは信じなかった。
 むしろ、石炭を形成する過程で、カラカラに乾燥し、仮死状態になっていたと信じた。
 「石炭の中の微生物は実際に生存者である。石炭はもともとは泥炭のような性質で、おそらくは微生物がきわめて豊富だったろう。だが、そこから石炭が形成されたときに、その中に囚われの身となったのだ。」

 「私の意見では、石炭の塊のそこかしこに、一時的な胞子か、それに類する耐久性を備えた休止状態の細菌が散らばっており、時と環境の試練を生き延び、その生命としての特徴や栄養型に変化する力、あるいは状況が繁栄するにふさわしいものになったときに増殖する力を維持したのだろう。」(Journal
of
Bacteriology)

 こうした干からびた状態を現在では「アンヒドロビオシス(anhydrobiosis)」という。これはクリプトビオシス
の一つで、凄まじい生命力で知られるクマムシのような動物が、極度の乾燥状態や、宇宙の真空や放射線の集中砲火に打ち勝つため活動を停止する無代謝状態のことだ。


●3億歳の微生物
 リプマンが使った石炭は、ウェールズとペンシルベニアで採取されたもので、中には540メートルの地下から採掘されたものもあった。
 ペンシルベニアの石炭は、ペンシルベニア紀という地質学上の時代の名称の由来ともなっている。そして、それは少なくとも3億年も前の時代のものだ。
 リプマンの実験が行われたのは1931年のことだ。おそらく同僚は彼がおかしくなってしまったと考えたことだろう。
 しかし2019年の我々の目から見れば、リプマンが別におかしくもなんともなかった線の方が濃厚だ。

 世界最高齢の個体は、節くれだったブリストル・コーン・パインやクローンで形成されたアスペンの森林ではなく、地下の岩の中に囚われたちっぽけな微生物なのかもしれない。それが、成長もせず、子孫も残さず、ただ死神をごまかしているだけに過ぎないのだとしても。


●地下細菌の寿命の長さを示唆する最近の研究
 ここ10年で、堆積物や岩、あるいは地中深くの隙間や亀裂の中で生きているこうした細菌が、予想外に長生きであることを示す研究は増えている。
 たとえば、2000年代初頭、帯水層や堆積物の微生物が呼吸をする速度は、地上にいる微生物のそれよりもずっと遅いことが明らかにされた。
 そのバイオマス回転率(細胞の分子が置き換わるためにかかる時間)を計測すると、数百から数千年の長さであった。

~中略~

●地下の囚人になる代償としての不死
このあたりで話をまとめよう。地球の地殻には、不活発な古代の細菌がうじゃうじゃいる。それは省エネモードにあるが、ギアはいつでも入れられる状態にある。
 永遠に思える時間を暗闇の中に閉じ込められ、静寂の中、かろうじて食べ、かろうじて呼吸し、かろうじて動く。それでも死んでいない、生きているのだ。
 もしチャールズ・リプマンが正しかったのなら、恐竜が登場するより5000万年も前に生まれた地球内部の細菌細胞は、明日にでも再び分裂を再開するかもしれない。なんと驚愕の事実であろうか。

 だが、こうした魔法のような力を発現させるために、細菌は地下牢獄に囚われていなければならない。その代償として、事実上の不死が与えられているのである。

 

 

 

田村正道

2019年12月15日 (日)

フェイクニュース→四肢を持たない新種の哺乳類が発見される

フェイクニュースでした!

「Science Cafe 41」より抜粋 リンク

白亜紀に絶滅したはずの真三錐歯類が

2019年3月22日付けの学術誌「Terrestrial
Ecology Progress Series」で、オックスフォード・ブルックス大学の Julian Bayliss
教授率いる研究チームが、四肢を持たない非常に奇妙な新種の哺乳類を報告した。細長い体つきで体毛のないこの哺乳類には、「リコ山で見つかったヘビのような三錐歯類(*1)」という意味の
Ophiotriconodon licoensis という学名が与えられた。

「目を疑いました」と語るのは、Bayliss
教授の研究室の大学院生でこの哺乳類の第一発見者である Poisson d'avril
氏。「斜面にある穴からネズミの顔のようなものが覗いていたので、ゆっくり近付いたんですがこちらの様子に気付いたのかすぐに引っ込んでしまったんですね。撮影するため、1時間近く穴の様子をうかがっていたらソロソロと這い出してきて、その珍妙な姿に思わず大声を上げてしまいまったんです。もちろんまたすぐに穴に戻ってしまい、今度は3時間以上待たされました(笑)。」

研究チームはこの個体をヘビ用のトラップを使って捕獲し、麻酔やレントゲンを用いて傷つけない範囲で詳細に解剖学的検討を行った。ケンブリッジ大学動物学講座古脊椎動物グループの
Jenny Clack 教授が特に注目したのは臼歯の構造である。その形状は、白亜紀後期に絶滅したとされる真三錐歯類に酷似していた。その他頭骨や頚椎の形状から、
Clack
教授は真三錐歯類の生き残りであると結論づけた。残念ながら捕獲された個体はオスで、彼らがカモノハシのように卵を産むのか、カンガルーのように未熟な子を産むのか、それとも我々ヒトのようにある程度大きくなった子を産むのかは現時点ではわかっていない。

体毛をもたない地中棲の哺乳類

今回みつかった哺乳類は体毛をほとんど持ち合わせていない(*3)。無毛で地中棲の哺乳類といえばハダカデバネズミである。ソマリ半島を中心としたアフリカ東部に分布するネズミの一種で地中にアリのような巣をつくり集団で生活を営む。さらに面白いことに、アリと同様生殖カーストがあり巣には一匹の女王ネズミがいる。

特記すべきは体温調節の仕組である。ハダカデバネズミは典型的な哺乳類とは異なり体温は周辺の温度に追随する(外温性)。しかし外部環境に左右されない明瞭な体温と活動のリズムが存在するとの主張もある。また周囲の温度が摂氏28度を超えると「酸素消費量と外温との関係」が外温性の様式から恒温性の様式に変わるとの報告もある。環境温度が低いとき、ハダカデバネズミは行動を通じて体温を調節する。すなわち体温の低い個体は互いに密着したり、太陽によって温められた地表近くへと移動を行う。逆に体温が高くなると巣の深いところへと引っ込むのだ。こうした体温調節の仕組みや行動が体毛の退化につながっていったのではないかと考えられる。

発見された哺乳類の生態はまだわからないことばかりだが、こうしたハダカデバネズミに似た生理や生態をもっている可能性は考えられるだろう。

 

 

 

 

匿名希望

酸素濃度の低い土中でも呼吸できるモグラ

生物史を振り返る上で酸素濃度が重大な鍵を握ります。現哺乳類の祖先である原モグラは地中に潜ることでカンブリア大爆発を生き延びましたが、地中でどのように酸素を摂取していたのでしょうか。
実はモグラは筋肉を用いて呼吸していました。

以下、引用リンク

土の中での呼吸の秘密
呼吸により二酸化炭素を出して酸素を取り入れることが重要なのは人間と同じく哺乳類であるハリモグラにとっても同じこと。だが地下に掘り進めていって自分の出した二酸化炭素ばかりで酸素が足りなくなったりしないのだろうか?

ハリモグラは筋肉質の隔膜と肋骨の間の筋肉を用いて呼吸する。これらの筋肉の動きは土や葉っぱに少し埋もれた状態でも呼吸するのに十分な力を持っている。掘り進める際にはハリモグラの体の周りの土壌が緩くなるように掘る。こうすれば呼吸のための胸の上下運動が土により妨げられないのだ。より地中深くへと潜る際には、ハリモグラは移動と呼吸のために壁と天井を持った空間を造り上げる。

だが、呼吸のために動けるスペースはあっても、穴を掘って行くことで酸素が足りなくはならないだろうか?クーパーによれば、「ほとんどの人々が思うよりも」土壌は酸素や二酸化炭素などのガスを通しやすく、濡れた土壌に掘り進まない限りは新鮮な空気を呼吸できるという。ハリモグラは埋まってしまったときには体の前半を動かしてガスを土壌から流しだす行動をとる。これは分厚い土壌に埋もれたときや、強く掘り進め酸素を多く必要とする際などにより顕著だという。

またハリモグラは多くの穴を掘る動物と同じく非常に低い体温と低い新陳代謝率を持っているため、同じ大きさの他の哺乳類と比べて必要とする酸素も少なく、排出する二酸化炭素も少ないのだ。また、ハリモグラの血は酸素の取り込みと運搬機能が高い。低酸素環境では大抵の哺乳類はエネルギー消費を抑えるが、ハリモグラはエネルギー消費はそのままに呼吸量を多くする。

このような特性により、ハリモグラは地面の中でも酸欠することなく活動できるというわけだ。住んでいる地域も限定されていることから、ハリネズミよりも知名度が低いハリモグラだが、卵を産む哺乳類であること、土の中での呼吸の秘密など、興味深い生き物だ。これを機会にもっとハリモグラについて調べてみても面白いかもしれない。

 

 

 

 

匿名希望

2019年12月14日 (土)

母乳と睾丸、驚きの進化のしくみ――カモノハシに学ぶ、哺乳類のからだの不思議

Book Bangより転載です
リンク

母乳と睾丸、驚きの進化のしくみ――カモノハシに学ぶ、哺乳類のからだの不思議

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わたしたちヒトが紛れもなく哺乳類であることは、「母乳」によって育つことからもわかる。もっとも人間のようにふくらんだ乳房をもつ哺乳類は、ほかにはいない。そのため、ふくらんだ乳房は、母乳じたいのためというより、なんらかのシグナル(女性が男性を引き付けるなど)として進化してきたと考えられる。

おなじ哺乳類として興味深いのは、この母乳がなんと汗を起源としていることだ。このことは哺乳類の古い仲間であるカモノハシの生態からもうかがえる。カモノハシは哺乳類なのに卵を産むのだが、卵から孵った赤ちゃんは、体毛の生えぎわからにじみ出る汗のような母乳を吸うのである。つまり、母乳を出す乳腺は、じつは肥大した汗腺だったのだ。

いったいなぜ、汗が乳に変わったのだろう? その驚くべきしくみを教えてくれるのが、リアム・ドリュー著『わたしは哺乳類です:母乳から知能まで、進化の鍵はなにか』(インターシフト刊)である。以下、本書の気になるトピックをご紹介しよう。


■抗菌も潤いも欠かせないから

汗が乳に変わった理由として、大きく2つの説が有力とされている。ひとつは「抗菌」説、もうひとつは「潤い」説である。

「抗菌」説は、哺乳類の祖先がカモノハシのように卵を産んでいた当時、その卵を病原菌から守るための抗菌液から進化したというもの。実際、ヒトの母乳にも、抗菌成分が含まれている。

「潤い」説は、卵の水分が失われないようにする保湿液から進化したとする。哺乳類の祖先の卵は、鳥の卵のような硬い殻ではなく、カメやヘビの卵のような透水性のある柔らかな殻だったらしい。

さて、これら2つの説は重ねることができる。つまり、抗菌と保湿を汗が兼ねていたという見解だ。やがて進化とともに、孵った赤ちゃんがこの汗をなめるようになる。というのも、赤ちゃんの体がより小型になったので、汗が生命維持にも欠かせないようになったからだ。汗の栄養価が高まり、しだいに今日の「母乳」のような食糧となっていく。

ところで、この汗だが、全身のほとんどの皮膚から出る無臭の汗(エクリン腺の汗)なのか、それとも脇の下の汗のような臭いを伴う汗(アポクリン腺の汗)なのか? ミルクを愛好している読者をがっかりさせたくはないのだが、どうやらアポクリン腺から出る汗が起源らしい。

とはいえ、母乳という栄養のあるエネルギー源は、哺乳類に生存上の大きなメリットをもたらした。たとえば、子どもは生まれてすぐエサを取るという危険を避け、より早く成長し、性的にも成熟した大人になることができる。母親は脂肪というかたちで、将来、母乳となるエネルギー源を蓄えておくこともできる。こうして、爬虫類などには真似のできない、広範なエリアで棲息できるようになったのだ。恐竜絶滅後の哺乳類の爆発的な発展も、祖先たちが母乳に頼れたおかげとする説もあるほどだ。


■オスの精巣が体外に脱出したわけ

さて、メスの話をしたので、オスの興味深い話も取り上げよう。ヒトの男性でも陰嚢のなかに収められている「精巣(睾丸)」の件だ。陰嚢というぶらぶらと揺れるケースは、大切な精巣を守るには余りにも脆弱ではないか? 思わずなにかにぶつけて悲鳴を上げた男性は数知れないだろう。

通説では、「精子は熱に弱いので、体温の高い体内では機能が低下してしまうから」(冷却仮説)とされていた。ところが、この説にはさまざまな問題がある。まず、精巣が体温の高い体内にある哺乳類は少なくない。ゾウやサイなどもそうだし、例によってカモノハシもそうだ。カモノハシなどは、精巣を腎臓のそばにとどめている。つまり、精巣が低めの温度でよく機能するというのは、体外脱出のあとにそう進化したのかも知れないのだ。

その証拠に、精巣ではたらくタンパク質の遺伝子を調べた研究では、ふたつのタイプが発見された。ひとつは体のなかの高い温度で最適にはたらき、もうひとつは低い温度に特化してはたらくように修正が施されていた。このことは精巣がもともと高い温度で機能していたのに、より低い温度(体外)に適応するように余儀なくされたことを示している。

となると、なぜ、わざわざリスクの多い体外へと精巣は飛び出したのか? 本書はさまざまな説を紹介しているが、面白いのは「ギャロッピング(全力疾走)仮説」だ。この説によると、哺乳類が腹圧を急激に高める動き(たとえば、メスをめぐるオス同士の激しい戦い)をするようになったため、体外へ脱出したという。事実、精巣が体内でとどまっている動物たちは、飛んだり跳ねたり激しい動きはしないタイプだ。

戦闘などの激しい動きは避けられないので、まだしも体外のほうが安全ということか・・・・思うに、どちらにしても、哺乳類のオスとは切ない生きものではある。
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(転載おわり)

 

 

 

 

孫市

恒温動物考察

 

恒温動物といえば哺乳類だが、鳥類も恒温動物である。哺乳類と進化系統の異なる鳥類は、いつどのように恒温機能を獲得したのだろう?生物の恒温機能獲得の必然を探っていく為の状況整理。

◆鳥類は恐竜が進化した姿

最近の研究により鳥類の祖先が恐竜(獣脚類)であり、鳥類は恐竜の現生系統である事が明らかになっている。

特に1990年代半ば以降、俗に言う「羽毛恐竜」の化石が発見されたことが、それを裏付けている。羽毛は鳥類の体温維持に大きな役割を果たしており、当然ながら羽毛を持った恐竜も体温維持能力は高いと考えられる。

もちろん羽毛を有するから恒温動物であると断定はできないが(後述も参照)、少なくとも恐竜の一部は恒温動物であった可能性が高い。

◆恐竜は恒温動物だったのか?

一方、恐竜の中でも特に巨大なものはその性質上、体温は自然に維持される事になる。むしろ体温を適切に保つためには、余分な体温を放出する事のほうが、より重要な課題になると考えられている。


また「哺乳類・鳥類は恒温動物で、爬虫類等それ以外の動物は変温動物」という従来の見方も妥当ではない。保温に適した羽毛や毛皮を持つ哺乳類・鳥類にも体温変動が激しい種が存在する事が現在では確認されている。

それ以外の動物にも体温が一定の種が存在する事が確認された。鳥類のカッコウ類や哺乳類のナマケモノ類などは体温維持能力が低い。一方で爬虫類のウミガメ類は体温維持能力が高い事が確認されている。

◆中温動物


現在では、体温調節能力を基準として、生物を恒温動物と変温動物に分類することは、大きな意味は無いとされる。恐竜については温度調節機能は少なくとも一部に於いては確実に有していたとみられ、爬虫類と鳥類の中間程度のものではないかとのことから、新たに中温動物という分類も提唱されている。

◆大型恐竜の体温は38度

2015年に、約7100万年~8000万年前に生息していた母親恐竜の体内温度を測定する研究が行われた。

研究チームは、アルゼンチンとモンゴル・ゴビ砂漠で発掘された2種類の恐竜の化石化した卵19個を対象に、その卵殻の化学組成を調べた。うち1種は、首の長い大型の竜脚類「ティタノサウルス」で、陸生動物の中で最大級の部類に入る。

研究チームは、卵殻の主成分である炭酸カルシウムに含まれる希少な同位元素アイソトープの炭素13と酸素18の性質を分析した。これらの同位元素は、温度が低いほど、より密に凝集する傾向がある。

イーグル氏の共同研究者、アラドナ・トリパティ(Aradhna
Tripati)氏は「この技法により、母親恐竜の産卵時の体内温度を知ることができる」と説明。研究の結果、ティタノサウルスの母親恐竜の体温は約38度だったことが分かった。健康な人間の体温は37度だ。

 

 

 

匿名希望

羽毛恐竜から鳥への進化

 

恐竜研究という分野はこの10年ほどでかなり、そして大幅に進歩しているようです。その進歩した恐竜研究のなかでも、以前の研究と全く違うのが、羽毛恐竜の存在。

そもそも羽毛恐竜とはどんなものなのか?羽毛恐竜から鳥への進化、鳥類の境目、始祖鳥との違いをまとめています。リンク

■羽毛恐竜とは?
羽毛恐竜とは、化石により羽毛の痕跡が認められる恐竜のこと。はっきりと視認できるもののほか、成分分析、そして骨格などの研究から、現在では少なくとも一部の恐竜が、羽毛もしくは羽毛の原形となる体毛をはやしていたことが確実視されています。

羽毛恐竜とは鳥類の羽毛と同質の毛を持っていたとされる恐竜で、最初の羽毛恐竜は二足歩行であり、後ろ脚だけで走るなどの活動ができた獣脚類の一種です。また、現在のダチョウと同じく羽毛を持っていても飛ぶ事はできませんでした。

現在では獣脚類こそが鳥類の祖先であるという事は疑問の余地がないと言われており、鳥類の起源に関しては終止符が打たれる事になりました。

■ティラノサウルスにも羽毛があった!?
鳥類の祖先は恐竜の3大グループの中の獣脚類ですが、当然の事ながら獣脚類の中でも特定のグループだけが鳥類の祖先になっていると考えられていました。それが羽毛を持った獣脚類である、いわゆる羽毛恐竜です。また、以前はトカゲのような皮膚だったと考えられていたティラノサウルスなどの有名な獣脚類も羽毛を持っていた可能性が指摘されています。

飛ぶ機能がない獣脚類がなぜ羽毛を持っていたのかという点に関しては、羽毛の持つ高い保温能力が役に立っていたからではないかと推測されており、元々保温の為であった羽毛が進化と共に徐々に現在の鳥類のような形に進化し、飛行に使用されるようになったのではないかと言われています。

最近では羽毛恐竜の事を「もふもふ恐竜」と呼ぶ事もあり、以前はあまり知られていなかった羽毛恐竜の人気が徐々に高まりつつあるようです。

■羽毛恐竜の化石
恐竜に羽毛が生えていた可能性については、1861年の始祖鳥の化石発見以降、長い間議論の的でした。始祖鳥は翼を持ちますが、肉食恐竜のような鋭いかぎ爪、骨のあるしっぽなど、爬虫類の要素もあったことから、羽毛恐竜について存在を期待されていました。

そして1996年、ついに恐竜の骨格を持ち、羽毛をもつ羽毛恐竜の化石が中国・遼寧省の下部白亜系熱河層群の化石密集層から見つかったのです。細密な火山灰に包まれたことで、奇跡的に良好な保存状態で発見され、羽毛の表皮構造もよく見ることができます。

シノサウロプテリクスというこの恐竜は、中国表記では中華竜鳥とされています。羽毛といっても、この羽根は、ダウンのような綿毛か、それよりも原始的な皮膚表面のケラチン質が伸長したチューブ状のものであるといわれます。羽毛は最初、飛ぶためではなく体温維持に有効だったものと推測されてます。

変温動物の爬虫類は温度により活動が制限されますが、羽毛をもつことによって昼夜問わず活動でき、そのために爬虫類よりも幅をきかせることができたと考えられています。

■羽毛恐竜の色などの特徴
化石内の羽毛部分にはメラニン色素が残っており、それを解析し、羽毛がどのような色であったかが検証されています。現代の鳥類のメラニン色素と羽の色の関係をデータ化し、恐竜の羽はどのように見えていたかを推定しています。

最初に見つかったシノサウロプテリクスは、頚部後ろから背中や尾にかけて、赤褐色ないしは橙色に近い色彩の羽毛を持っていたとされています。腹側は白、尾は茶と白の縞模様であったことが判明しています。また、アンキオルニスは、全体は暗い灰色で、顔には赤褐色の斑点、そして翼の一部は白い帯状の筋が入っていることも判明。このように、体の部位によって色が異なった模様をしていることがわかっています。

この方法で、90%以上の確率で色がわかるようになったそうですが、実際に色がわかっている恐竜は、10種類程度だとか。大事な化石を切り取り電子顕微鏡を覗き、色の組織を見つけ・・・という、途方もない細かい作業を繰り返して色の判別をおこなっています。始祖鳥も一部が黒かったということはわかっているそうですが、この障壁のために、それ以上の研究が進んでないそうです。そして現在までに色がわかっているのは、ジュラ紀~白亜紀の羽毛のある恐竜のみ。

※ジュラ紀:約1億9960万年前にはじまり、約1億4550万年前~白亜紀:約1億4,500万年前から6,600万年前

それ以前では、羽毛恐竜の化石が見つかっていないため、手がかりがないのだそうです。

■羽毛恐竜は色覚が発達?
羽毛恐竜から鳥への進化というのは非常に興味深いことです。
アンキオルニスのように頭頂部が赤い恐竜がいることなど、羽毛恐竜の色の研究が進むにつれ、羽毛恐竜の生態に新しい考察が加わってきました。それは、羽毛恐竜の脳も鳥のように進化しているのではないか、という点だそう。

爬虫類は嗅覚が優れているそうですが、鳥類は色とりどりの羽を持つ現在の鳥類からわかるように、視覚が優れているのだそう。色覚が重要なコミュニケーションをもっていることがわかります。羽毛恐竜も色でコミュニケーションしていたのだとしたら、現代の鳥に近いことが想像できるとして話題になっています。

■羽毛恐竜と鳥類の境目
次に、羽毛恐竜と鳥類の境目はどこにあるのか?1861年に発見された始祖鳥とは日本における呼び方で、アーケオプテリクス(太古の翼)という名がついています。

このアーケオプテリクスは鳥の祖先とされていましたが、近年、アーケオプテリクス前後に存在した羽毛恐竜が数多く発見されていることから、翼状のものがあるだけではこのアーケオプテリクスが境という見方も薄くなってきたようです。恐竜と鳥の境は現在も議論されているところです。
ただ、現代の鳥の視点からみると、鳥の定義は、「翼状の構造が見られること」か、翼を支える「大胸筋が付着できるような竜骨突起が見られること」かの2つの立場があるそうです。

 

 

 

 
匿名希望

2019年12月13日 (金)

体と頭はどのように繋がっているか?~自律神経と魚類時代の適応進化の過程~

 

現代人に多い、体がだるい、夜に眠れない、朝起きられないetc.の自律神経失調症の症状は、原因も治療法も不明で、「リラックスする」「ストレスをなくす」「朝日を浴びる」といった断片的な対症療法が伝承されているばかりです。

●自律神経とは?
体と脳は、意識的に動かせる運動神経系統と、「発汗」「血行」「心拍」「胃の運動」「免疫」「緊張状態」「反射」など意識的に動かせない自律神経の系統で繋がっています。

自律神経は、「緊張」「闘争」「逃走」を交感神経系が担い、逆に「弛緩」「消化」「睡眠」を副交感神経(迷走神経)系が、相互補填して担うという2重構造をしているので、もし、交感神経系が「闘争」の信号を出して、副交感神経系が「弛緩」の信号を出したり、逆に、どちらの信号も出さなかったりすると、体は混濁状態になってしまう訳です。
さらに、副交感神経(迷走神経)系統は、脳からの信号もありますが、数多くの神経が「腸」と繋がっており、脳からではなく、逆に「腸」からの信号が脳に送られる割合も多い事が分かっています。

なぜこのような複雑な神経系なのでしょうか? 機械の設計でいうなら、誤作動の多いシステムではないでしょうか?

その理由は、これら神経ができた、魚類の時代の適応進化にあります。
現在の魚類を見ると、初期の神経はナメクジウオなどの脊索動物類以降に、自律神経は硬骨魚類以降に見られます。

●魚類時代の適応進化の過程
脊椎動物の祖先は、遠い昔に管型の動物から、魚型の動物へ(そこから四足型の動物へ)と進化しました。

5億年前の、カンブリア大爆発と呼ばれる多種多様な形状の動物が出現した時期に、魚型の動物の化石(ピカイア)が見つかっています。
この段階は、まだ目や脳が無く、体の先端の口と触覚部分から、体の背中側に神経が伸びているので脊索動物と呼ばれています。

カンブリア大爆発の多様な生物の出現は、「眼」を持つ種が出現したため、すべての種が捕食と防御機能を高めるべく「眼」と「運動機能」「殻」を獲得していった過程です。それらを調整する「脳」も出現しました。
節足動物の系統や、オウムガイの系統が「目」「運動」「殻」を進化させて弱肉強食の覇者になって繁栄していったのに対し、魚の系統は、まず体を伸ばして神経を通すことで、弱者として「逃げる」という運動機能を特化したものと思われます。
これが神経の出現で、この段階ではニューロンではなくグリア細胞が神経を形成しています。

魚の系統は、その後、レンズ型の優れた眼を形成し、運動機能を洗練させて覇者となっていきますが、その中でも汽水域に追いやられた弱者の系統が、「硬骨魚類」として、俊敏な運動機能をさらに高め、サメなどの軟骨魚類を凌駕して繁栄していきます。

自律神経の複雑な系統は、瞬間的に、何より優先して、闘争・逃走モードに体を切り替える(他の働きを抑える)ためのもので、逃げ回りつつ、汽水域での泥に埋もれないよう跳ね回った挙句にようやく獲得したシステムだったのではないでしょうか?
たいへんだったと思います

この働きは、なんと、現在の私たちにも引き継がれ、現在形で作動しています。
危機を察知した瞬間に体が緊張状態になって心拍があがるのはこのためです。


●なぜ自律神経失調になるのか?
問題は、「脳」にあるものと思われます。
脳は、新しい感覚器官である視覚を基に体全体を制御(調整)する働きがありますが、私たちの脳は、更に前頭葉を発達させて「観念機能」を獲得しました。

観念機能は、本能ではキャッチできない未知の対象をキャッチしていく事が可能です。
したがって、本能ではキャッチできないような危機も察知する事ができる、一方で、固定観念によって「これは危機ではない」と決めつけてしまうと、体がキャッチした危機さえ頭で捨象する事が可能になってしまうのです。
こうなると、自律神経の働きは無茶苦茶になる!

しかし、自律神経失調の原因が、脳(固定観念)と特定できるなら、有効な対策も明確になっていく事と思われます。

 

 

 

田村正道

大量絶滅を生き延びた最大の哺乳類でも、体重はたったの450グラムだった

 

【大量絶滅後の100万年を示す貴重な化石を発見】
~哺乳類は急激に大型化、植物の多様になったタイミングと一致~

恐竜の時代を終わらせた大量絶滅の直後、生命はどのように復活したのか。その概略が、米コロラド州で見つかった数百もの化石から明らかになり、10月24日付けの学術誌「サイエンス」に論文が発表された。

発掘された化石は、保存状態の良い少なくとも16種の哺乳類のほか、カメ、ワニ、植物など。大量絶滅から100万年後までに生息していたと見られる。

6600万年前、小惑星が地球に衝突し、地球上の生命は大打撃を受けた。衝突の余波で、ほとんどの恐竜をはじめ、全生物種のおよそ4分の3が絶滅したとされる。ただし、大量絶滅のすぐ後の時期については化石がほとんど見つかっておらず、多くの古生物学者がフラストレーションを抱えていた。

だが今回、新たな化石の大鉱脈が発見され、生命復活の過程が解き明かされつつある。論文には、大量絶滅から30万年で驚異的な成長を遂げた哺乳類に関して、新たな仮説が述べられている。

◆新たな化石の大鉱脈とは
北米西部の風が吹きすさぶ平野では、地面にあらわになった化石を掘り出すというのが通常だった。だが化石は、球状コンクリーションと呼ばれる岩(古代の骨などが核となって形成された岩、ノジュールとも)からも見つかる。

研究チームはこの球状コンクリーションに注目した。そこは、米コロラドスプリングスのすぐ東、デンバー盆地の岩盤が露出しているコラールブラフスと呼ばれる一帯で、以前の発掘調査では何も見つけられなかった場所だった。

ところが、いったん丸い岩に注意を払い始めると、すぐにそれが新たな鉱脈であることに気付いた。

「岩を割ると、哺乳類の頭骨が私にほほ笑みを返していたのです」と、論文の筆頭著者である米デンバー自然科学博物館の古生物学者タイラー・ライソン氏は振り返る。「そして、辺りを見回すと、同じような岩が無造作に散らばっている光景が目に入りました。哺乳類の頭骨が、数分で4、5個も見つかったのです」

研究室に戻って明白になった事実の1つは、大量絶滅後の100万年で、哺乳類が目覚ましい大型化を遂げたということだ。

大量絶滅を生き延びた最大の哺乳類でも、体重はたったの450グラムだった。だが、わずか10万年後、その子孫の最大の種は約6キロもあり、現代のアライグマと同程度にまでなった。その20万年後には、「最大の哺乳類の体重はさらに3倍に増え、約20キロにもなったのです」とライソン氏は話す。これはアメリカビーバーの体重とほぼ同じであり、大量絶滅前のどの哺乳類よりも、はるかに重くなったという。

この大型化は、哺乳類がもはや恐竜と競争する必要も隠れる必要もなくなったことを考えると、一応の筋が通る。だが、コラールブラフスで一緒に見つかった植物の化石から、はるかに豊かな物語が明らかになった。

◆植物からわかる豊かな物語
大量絶滅で、全植物種の半分が死滅した。生き延びた小型哺乳類は、おそらく雑食性で、昆虫を常食していたと考えられる。大量絶滅後、最初に再出現した植物は多くのシダ類だったが、それほど栄養はなかったからだ。

次に現れたのは、ヤシ科の木だった。しかし、哺乳類が大型化できた要因は、おそらくクルミ科の木が多様化したことにあるだろう。大量絶滅の30万年後に起きた哺乳類の体重増加は、クルミの花粉の化石が出現する時期と一致する。

デンバー盆地で見つかったこの時代の最大の哺乳類は、現代の有蹄哺乳類の遠縁の仲間Carsioptychusだった。

「その小臼歯はとても大きくて平らで、奇妙なヒダがたくさんあります。このため、クルミの木の実など、硬い物を食べていたのかもしれない、というのが定説です」とライソン氏は話す。

約40万年後、さらなる急成長が起こり、体重は45キロを超え、プロングホーンほどのさらに大型の哺乳類が誕生した。この時の急成長は、多くの草食動物が求める葉やタンパク質豊富な種子のさやを持つ、マメ科の初期種の化石の登場と重なる。

「すべてが、きれいに並んでいることに驚きました」と同氏は話す。

また、コラールブラフスで見つかった葉の化石を分析したところ、大量絶滅後の100万年間に顕著な温暖期が3回あったことがわかった。そのうちの少なくとも2回は、哺乳類の大型化をもたらす植生の大幅な変化に関わっていると見られる。

「大量絶滅から30万年ほど後に、哺乳類が大型化したという説は、新しいものではありません」と米コロラド大学自然史博物館の古生物学者ジェイリン・エバリ氏は話す。なお、同氏は今回の研究には関わっていない。「しかし、重要なのは、その理由です。今回の研究で明らかになった、体の大きさ、植物相の多様性、温暖化の相関関係により、理由の解明が進むでしょう」

「主な教訓は、地球のシステムの1つの要素だけを見ていても、絶滅や回復に関して理解することはできないという点です」と米フロリダ大学の地質年代学者コートニー・スプレイン氏は付け加える。

◆鳥を見つけたい
米サンディエゴ州立大学の古生物学者デビッド・アーチボルド氏は、今回の発見を真の偉業と呼び、著者の結論が核心を突いていると確信しているという。だが、同氏はこう警告する。「確かに驚くべき成果ですが、今回の結果は限られた地域から得られたものです。地球全体の話と考えたい誘惑に駆られるかもしれませんが、それは時期尚早です」

世界中の化石発掘現場で球状コンクリーションへの関心が高まっており、論文の仮説が強化されるかもしれない、とライソン氏は言う。(中略)

一方、同氏の研究チームは、特定された新種の一部(2種の哺乳類を含む)を分類学的に記載したり、まだ割ってもいない数百もの球状コンクリーションの中から化石を探したりするのに忙しくなるという。

「なんとしても鳥を見つけたいのです。この時期は、鳥にとっても重要な時期だったからです」とライソン氏は語る。

(引用元:ナショナル
ジオグラフィックweb)

 

 

 

志葉楽

人類の祖先はなぜ海から陸に進出したのか?という謎について通説を覆す新たな研究結果が発表される

 

約4億年前、人類の先祖の魚類が海から陸上に進出する際にはヒレを四肢のように発達させる必要がありましたが、この進化を促した決定的な原因は2018年現在でもつかめていないところ。「洪水」や「日照り」が起こって魚類が陸に押し出され、水に戻ろうとしてヒレを足のように発達させたのではないか?ということや、水中の障害物に有利だったので発達させたのではないか?ということが考えられていますが、新たに、洪水や日照りではなく「潮の満ち引き」を原因とした可能性が研究で示されました。

以下(リンク)より

人間の祖先と考えられている魚類は「肉鰭綱」(にくきこう)またの名を「肉鰭類」(にくきるい)といいます。肉鰭綱には、シーラカンスやハイギョ類などが含まれており、この魚類は四本のヒレが足のように肉厚なのが特徴です。肉鰭綱は4億年前に海から陸上に進出後、四本のヒレが足のように変化し、後に四肢動物になり、そこから人類を含めて多様な生物に分岐したと考えられています。

これまでの通説は、肉鰭綱が陸上に進出した原因は、洪水か日照りと見られていました。つまり、肉鰭綱が洪水により水たまりに入り、そこから移動するためにヒレが足のようになり陸上に対応したというものです。一方で、今回発表された仮説は肉鰭綱の進出原因を潮の満ち引き、「潮汐」としています。潮汐により海面が低くなり、肉鰭綱が陸上に座礁した後に、水の中に戻るためにヒレが足のように進化、そこから「陸にいる方が海に戻るより利点が多い」ということで陸に適応する形でさらに進化したという考えです。

この仮説は、2018年の2月15日(木)に「Ocean
Sciences
Meeting(海洋科学集会)」でイギリスのバンゴア大学所属の海洋科学者マティアス・グリーン氏らの研究チームが発表しました。仮説は古代の地球のシミュレーションが行われた結果、「肉鰭綱の化石が見つかった場所と強い潮の満ち引きがあったポイントが同じだった」ということを根拠に立てられたものです。今回の仮説を発表したグリーン氏は、「通説は水たまりに魚が入り、そこからヒレが足になったというものです。しかし、水たまりが生まれ、魚がその中に入り、そして水たまりが乾くかが謎でした」とコメントし、通説の疑問点が今回の仮説だと発生しないことを主張。

 過去にも、今回のように「魚の陸上進出が潮の満ち引きによって促された」という仮説が発表されたことはありました。20世紀の時点で、シカゴ大学の古生物学者アルフレッド・レーマー氏は「潮の満ち引きが初期の四足歩行の動物への進化に拍車をかけた可能性がある」という内容を発表。その後、2014年にオックスフォード大学の天文物理学者、スティーブン・バルブス氏が、この仮説を進展させる別の説を発表しました。バルブス氏によると、4億年前、月と地球の距離は10パーセントほど近かったとのこと。これより、当時は太陽・月・地球が一直線上になって発生する大潮が現在の地球よりも強かったといいます。2週間ごとに強力な大潮が発生していたため、その度に魚が海岸線の特定のポイントで座礁していたとバルブス氏は示しました。

グリーン氏は「座礁した生き物は、進化が促されたでしょう。座礁した水の潮だまりの中では、魚たちが食べられたり、そこから水の中に逃れようと移動しようとしました。この状態では、水に戻るために四本足のような大きなヒレを持つ方が有利となります」とコメント。

しかし、数億年間の間に地球の地形に変化あり、上記の理論を現代で立証するには証拠を集めるのが難題でした。4億年前の地球の陸地は、北のローラシア大陸と南のゴンドワナ大陸と呼ばれる2つの超大陸から構成されていました。これらと現在の陸地を比べると、地層のプレートと共に移動して位置が変わり、海水の浸食により海岸線の形が変化していました。

この問題を解消するために、今回、グリーン氏ら研究チームは、4億年前の超大陸のモデルを作成し、潮汐が引き起こす海岸線の変化のシミュレートしました。すると、超大陸が離れたことによりくさび形の海と海底の地形が生まれることがわかりました。

シミュレーションでは変化する海岸線の各所を記録していき、これにより研究チームは魚が座礁しやすいポイントを明らかにしました。このポイントは、魚たちが発見された化石のポイントと一致するので理論の整合性を示したことになります。例えば、今日の東ヨーロッパとカナダ、そしてアイルランドにある大きな化石層と大きくくぼんだ地域は、古代に座礁が起きていたポイントがぴったりと一致するとのこと。このことについてグリーン氏は「これにはこらえ切れない嬉しさがあります」とコメント。

 加えて、シミュレーションでは、今まで判明していなかった大量の化石が出土するであろう新しいポイントが示されました。しかし、シミュレーションのモデリングをリードしたスウェーデンのウプサラ大学の海洋学者ハンナ・バーン氏によると「これらの場所は、政治的に不安定な場所なので発掘することは困難でしょう」とのことです。

 

 

 

 
柏木悠斗

光合成と呼吸の密接な関係~酸素呼吸は光合成より先に誕生した?

一般的にには、太古の大気の主成分は二酸化炭素と窒素だったが、やがて,二酸化炭素を使って酸素を生み出す光合成が生まれ,大気に酸素が増えて,
酸素呼吸をする生物が生まれた。と考えられているが、ところが最近の研究で、その順序が逆なのではないかという可能性が出てきたようです。

「細胞が行なうリサイクルとその進化」リンクより転載。
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■呼吸の逆回転は光合成?
 酸素を吸って二酸化炭素を吐き出す呼吸と、二酸化炭素を吸収して酸素を出す光合成。この2つは出入りする物質が逆である。そこでそれぞれの反応を詳しく見ると、じつはそれもよく似ているのだ。呼吸は解糖系+クエン酸回路+電子伝達系という3つのシステムが連動している。細かいことは省略するが、取り入れた酸素で糖を燃やしエネルギーを取り出す働きである。一方、光合成は明反応と暗反応の2つのシステムが連動している。そして、呼吸のクエン酸回路を逆に回すと光合成の暗反応とそっくりで、呼吸の電子伝達系と光合成の明反応は、膜に埋まったタンパク質が電子を授受するという点が同じだ。つまりとてもよく似ていて、しかも光合成のほうがやや複雑である。光合成が一足飛びにできたはずはない。これらのシステムはいつどうやってできたのかを見ていこう。

■発酵から始まるエネルギー獲得システムの進化
 生物が最初にもったエネルギー生産システムは発酵だ。これは外部の有機化合物を少しずつ簡単な分子にしながらエネルギーを取り出す方法で、これはまさに解糖系である。これに物質をサイクルさせるクエン酸回路と細胞の内外の環境の違いを利用した代謝、電子伝達系が加わって酸素呼吸が生まれたと思われる。じつは酸素呼吸の電子伝達系に色素が加わると、光合成の明反応になり、それに、酸素呼吸のクエン酸回路を逆回転した代謝(=光合成の暗反応)が組み合わさると、簡単な光合成が誕生することになる。もっとも酸素呼吸系から直接、光合成系が生まれたわけではないのだが、比べるとまるで、そうやって進化してきたかのように見えるほど似ているのが面
白い。

 酸素呼吸が光合成より古いという根拠は、分子の進化を比べると、酸素呼吸の電子伝達系の酵素が非常に古く、その酵素が進化して光合成のタンパク質の一部になったのではないかと考えられるからである。また、光合成を行なうバクテリアの古いタイプのものが酸素存在下でも生育できることも、その説を支持する根拠の一つだ。

■光合成の起源を探る
 光合成は二酸化炭素と水を取り入れ、酸素を発生するものだけだと思いがちだが、じつは、最初に光合成を行なったバクテリアでは、利用したのは水ではなかった。水より前に硫化水素と有機物を使うものが生じたと考えられている。二酸化炭素と光を使って糖を作るのは同じだが、利用する物質が違うと廃棄物は変わる。水を使うシアノバクテリアになって初めて酸素を発生したのだ。

 太陽の光を電子の流れに換える重要な役割をするタンパク質である光合成反応中心タンパク質で調べると、1型と2型があり、最初はこのどちらか一方だけを使っていたのだが、シアノバクテリアになって1型と2型の両方を用いるようになった。2つの型が連動すると水を利用できるエネルギーを生み出すことができ、酸素を廃棄物として出す光合成が生まれたのだ。

■細胞の間でDNAを取り込む進化
 20億年間という長いバクテリアの時代に、生きものは細胞内で、生きものの基本の一つ、エネルギー代謝の仕組みを進化させ、生きものの相互関係を作り、そして環境をも作ってきたことがわかる。細胞の中の進化である。

 酸素を生み出す光合成システムは、それぞれ1型と2型をもつ細胞の間での遺伝子の水平移動でできたと考えられている。その当時、バクテリアでは種を超えて遺伝子を取り込み、他の生物の能力を獲得するという進化が行なわれていたのだ。バクテリアが細胞内に核をもたず、DNAがき出しで入っているからこそ、こんなことが可能なのだろう。

■細胞の中のヒント
 光合成と呼吸と言えば、光合成によって、地球の大気に酸素が蓄積し、それを用いて効率のよいエネルギー生産である呼吸が生まれたという関係ばかりが取り上げられてきた。けれども光合成と呼吸は、お互いの廃棄物を使って、また相手に必要なものを作るというリサイクル。ここでは、呼吸のほうが少し先に生じたという新しい説を紹介したが、これは呼吸が完成してから光合成が生まれたということではない。もちろん光合成によって生まれた酸素は、呼吸系の確立に大きく貢献したに違いない。つまり、これらは相互に関連しながら進化してきたのだ。

 

 

 

 

 斎藤幸雄
 

酸素濃度と生物の巨大化の関係

以下は酸素濃度と生物の巨大化との関係を解説したブログ。生物が巨大化したのは酸素濃度が高いとエネルギーを十分に供給できるという説や巨大化してもエサが豊富にあったからという説などがあるようです。

以下「酸素濃度と生物の巨大化の関係について解説」より引用
リンク

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■酸素濃度と生物の巨大化の関係

過去に存在した昆虫が巨大化できた理由は、しばしばその時代の酸素濃度の高さと結び付けられます。これはなぜなのかというと、現在空気の組成は、窒素が78%、酸素が21%となっており、これだけでその99%を占め、残りの約1%のほとんどがアルゴンで、二酸化炭素などはごくごくわずかなものです。

しかし、このメガネウラが存在していた時代は、その空気中の酸素の濃度が35%にまで上がり、これまでの時代の中でピークに達していたことが分かっています。しかも、実はその酸素濃度は、以前はずっと濃かったものが段々と減ったわけではなく、メガネウラがいた時代だけが高くて、その前後の時代では15%程度であったこともわかっています。

つまり、その酸素濃度が高かった時期がピンポイントで巨大化した昆虫がいた時期と重なるために、酸素濃度による巨大化説が浮上したのです。そういうことなら、これを結び付けて考えたくなるのもわかりますよね。

そして、その理由としてまず挙げられたのは、酸素が豊富に存在したがために、巨大化してもエネルギーを十分に供給することができたのだというもの。私たち人間も含め、すべての生物は酸素なしには生きられませんが、それが多ければ多いほど、巨大化には適していたというのです。

しかしながら、これとは全く真逆の説も浮上しています。それが、小さな体のまま酸素を大量に摂取しすぎると、その毒性の影響を強く受けてしまうために、相対的にそれを減らすために巨大化したのだというものです。

なんのことだ?と思われる方もいるかもしれませんが、実は酸素は濃度が濃すぎると、逆に生物にとっては害になることが知られています。もしも人間が酸素濃度が高い場所に放り込まれたら、1日も経たずに命を落としてしまうほどです。

そして、トンボのような生物は特に幼虫の時はその摂取量を調節するのが苦手であるとされています。そのため、その影響が少なくて済むように巨大化したのだということです。しかしながら、このどちらが正しいのか、そして、どちらも正しくないのかということはいまだによくわかっていません。

また、この時代は酸素濃度だけではなく、そもそも「空気」の量が多かったために、巨大化しても飛びやすかったのだという説もあります。当たり前ですが、空を飛ぶ生物は空気抵抗を利用して飛んでいるので、空気が濃い方が粘性があって飛びやすいのです。例えば、鳥は真空中を飛ぶことはできない、というとわかりやすいでしょうか?

このように様々な説が提唱されているものの、実際のところはどうだったのかというところはいまだによくわかっていません。

■酸素濃度だけが巨大化の理由ではない

しかしながら、もし酸素濃度がその巨大化に関係していたとしても、おそらくそれだけが巨大化の理由でもありません。やはり1番の理由は、それだけ巨大化しても、生きていけるほどのエサが豊富にあったからであるといえるでしょう。

先ほど説明したメガネウラはがいた時代には、陸上に既にトカゲのような生き物はいましたが、まだ鳥のような生き物はいませんでした。プテラノドンのような翼竜が登場したのはもっと後のことで、鳥は小型の肉食恐竜が進化したものなので、もっともっと後です。

そのため、この時代空を支配していたのは、まさにメガネウラのような昆虫でした。つまり、敵がいなかったので、空を飛んでいても何かの標的になることが無かったのです。このメガネウラは、ゆったりと飛んでいたと考えらえています。

しかも、実はこの時代はすべての昆虫が巨大化していたわけではなく、メガネウラのようなトンボに似た生物の仲間の中には、今のトンボくらいのものもいたのです。なので、酸素濃度は100%生物の巨大化を引き起こすものではありません。

そして、このメガネウラがいつ絶滅したのかというのは詳しくはわかっていないものの、結局はその巨大化は環境の変化に対応するには適していなかったといえるでしょう。

セミの中には、絶滅を避けるためにきっかり17年おきに集団で地上に出てきて、子孫を残す17年ゼミと呼ばれるものがいますが、このように、生物が生き残るということはただ大きくて強いだけではだめなのです。エサが無くなれば真っ先に死んでしまうのも、その巨大な生物ですからね。

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西本圭

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