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2012年11月26日 (月)

危機逃避の本能からでしょうか

>彼らはこうやって、個体数増加→抗争および集団移動→大量死→旺盛な繁殖力で挽回、というサイクルを繰り返しているのです。<

>こうして、過密状況になると群を分かちて旅に出るレミングも、ごく一部が次の世代を残してきた。このことが、繰り返されるうちに、レミングの本能の中に、過密状態になれば新天地を求めてがむしゃらに集団移動するという行動が残っていったのでしょう。<

集団自殺(集団の死の戦略)というよりも、それは集団の危機逃避本能に根ざした逃避行動の一つということですか。結果的に死ぬ場合が多くある、と。戦略的には新しいニッチを目指しての大移動ですから、可能性を目指しての(死を決しての)隙間戦略ということでしょうかね。そうであれば、死そのものが機能的に(遺伝子に)組み込まれた戦略(「死の戦略」)とは少し違うかもしれませんね。しかし、生態系や種という高い階層から捉えると、必ずいくつかの集団が「死」ぬ(…あいまいで、しかし必然的な死の選択とは、生への淘汰を意味するのでしょうが…)ことで個体数の制限を行っているわけですから、大きく捉えれば、死を組み込んだ種のレベルの戦略であるといえないこともありませんね。「必ず死ぬ」という機構が遺伝子に組み込まれたアポトーシスとは少し違うかもしれませんが。(直観的には、いつかは死ぬ、誰かは死ぬ、という、分裂寿命ではなく分化寿命を持った脳細胞・心筋細胞と通じるように思いますが…。この点は後日触れたいと思います。)

ただ、レミングの集団自殺は、ある意味では、モグラの性淘汰と通じるところがありますね。淘汰適応態として性闘争本能を強化して、結果的に「死」を組み込んだ適応戦略であるモグラの戦略に似ています。いや、モグラの性闘争本能を根元回路にして、追従本能を解除強化した集団危機逃避本能が相乗収束しているのかもしれませんね。
*生命体の持つ自己組織化であるとか、創発的秩序形成というのも大きくは、集団危機逃避本能の持つ機能として捉えられると私は思っています。 

「哺乳類は性闘争=縄張り闘争の本能を著しく強化していった。実際、性闘争を強化した種の方が適応力が高くなるので、性闘争の弱い種は次第に駆逐されてゆく。かくして哺乳類は、性闘争を極端に激化させた動物と成っていった。モグラの場合、性闘争に敗け縄張りを獲得できなかった個体(=大半の個体)は、エサを確保できずに死んでゆく。」(『実現論』前史ハ)

「そこで、彼らの最強本能たる性闘争=縄張り闘争の本能が問題化する。この本能は、激しい個間闘争によって敗退した大多数の成体が行き場を失って外敵に喰われ、あるいは餓死することを前提にしている。簡単に言えば、大多数が死んでくれることによって調和が保たれる本能である。」(『実現論』前史ニ)


モグラは追従本能(集団本能)を封鎖して、性闘争という激しい個間闘争を本能化させたわけですが、それはあいまいで必然的な個体の死という「死の第二の戦略」と呼べるでしょうか。「細胞から個体への死」というところへ死の戦略を拡大したという見方もできます。そして、レミングはさらに集団の死という「死の第三戦略」といったところでしょうか。いったい、人類の滅亡の危機は(あまり考えたくはないのですが)「死の第三戦略」に繋がるものでしょうか…。

>人類の祖先も、上に挙げた今の齧歯類に似た生物でした。もしかしたら、過密状態になると新天地を求める本能が、人間にもあるのかもしれませんね。<

死の戦略は生の戦略の表裏。新しい新天地(本源の地)を目指すべく、社会を転換していきたいものです。

吉国幹雄

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