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2012年11月 5日 (月)

生きるための医学、適応するための科学

丸山ワクチン、名前は聞いたことがありますが、詳細は知りませんでした。

リンク

によると、

>日本医科大学名誉教授だった故丸山千里博士が開発した注射薬で、ガンの特効薬と言われています。これは結核患者にがん患者が少ないことに着目したもので、ヒト結核菌から抽出した物質が主成分です。体の免疫力を高めてがん細胞全般の増殖を抑制する働きがあるとされます。1976年11月に製造承認を申請しましたが、未だに認可が受けられるず、現在も有償治験薬に指定されるに止まっています。利用患者は約13,000人だそうです(読売新聞3月26日版記事を編集)。<

でも、それだけの利用者がいて、製造承認がとれないのはなんかヘン。・・・・・・
引き続き引用します。

>さて、なぜ政治問題なのかです。丸山ワクチンが開発から25年近く経っても承認が得られないのは、異常です。承認を与えるのは厚生省の中央薬事審議会の仕事ですが、通常は7~8年以内に有効・無効の判断を下しています。丸山ワクチンの場合は臨床データは充分すぎるほど揃っており、問題はその効能の判断です。つまりガンの進行を遅らせることができたかどうかは、個体差が大きくて測れないのです。したがって審議会は有効性を認めないとして1981年に承認を見送った経緯があります。しかし、現実はもう少しドロドロした話があるようです。

 欧米の医薬品会社の意見では、日本で認可された医薬品で有効性の怪しいものは非常に多いそうです。その証拠に欧米でもシェアを延ばしている日本製医薬品はせいぜい30品種程度だそうで、代替性のない医薬品は数品種だと酷評されています。その理由は応用薬にしか目が向かず基本薬に手を出さない日本の製薬会社のお家事情があります。基本薬の開発には莫大な開発費が掛かりますが、実用化の目処ができると競合他社が応用薬、代替薬を大量生産してくるため、開発費の回収ができないのです。その結果、お互いを出し抜きながら応用薬の開発に励むことになります。
 日本の製薬業界が応用薬の開発に励むのは日本の薬価制度にも問題があります。応用薬でも新規に承認を受ければ新薬扱いとなるため、あまり効能が変わらなくても恒に応用薬を作り続ければ高い利益が確保できる仕組みになっています。これは卸会社までニギリ込む製薬業界特有の現象ですが、そんな応用薬を新薬に承認する審議会にも問題があります。既存のものと効能に違いが無いものは新薬として認めないことになれば、基本薬の開発にも身が入るようになるでしょう。製薬会社が臨床データを誤魔化すのは周知のことです。

 話を丸山ワクチンに戻しますが、これは「あまりにも単純な医薬品であるので、応用薬も代替薬も製造することが難しい」のです。しかし一旦審議会の承認が出ればシェアを延ばすことは確実なので、大手製薬にとっては拙いのです。したがって有効性を否定する大論争を起こして闇に葬る戦略に出たと思われます。少なくとも科学的な立証ができなければ、論争は水掛け論になる。臨床データを偶然の結果にしてしまうことも可能です。丸山ワクチンの製造元ゼリア新薬工業は孤軍奮闘を続けていますが、決定的な証拠は引き出せません。審議会としても一度は承認延期とした経緯があって、学会論争に決着が出るまで承認しないようです。
 まさに大手製薬会社のエゴが丸山ワクチンの普及を妨げているのです。少なくとも同ワクチンによる副作用は報告されていません。今でも1万人以上の患者が支持し続けている以上は、医薬品として承認するべきなのです。現在の妥協点は同ワクチンの有償治験薬としての治験期間を無期限とすることでした。治験薬でなくなれば現在の患者に不安が拡がるので、永久治験薬にしたという訳です。

 そこで有償治験薬ですが、患者が自発的に治験者となることを望み費用を患者が全額負担するということです。丸山ワクチンは価格が高く、保険が利かず、近所の薬局では入手できません。関西に住むガン患者の家族が新幹線で東京まで買い付けに来ることもあったそうです。その原因が大手製薬会社のエゴと中央薬事審議会の優柔不断さにあるのは明白であるのにです。現在のところ、丸山ワクチンを十倍に濃縮したアンサー20は、白血球減少抑制剤として承認を受け、現在は子宮頸ガンへの効能指定拡大を目指しています。これは明確な治験データが出ることと、市場規模が小さいことが幸いして妨害されなかったようです。
 ゼリア新薬工業には頑張って欲しいものです。海外で有効性が実証されれば国内でも認証される余地が大きいのですが、資金的に無理なのでしょう。<

気になるのは、

>したがって有効性を否定する大論争を起こして闇に葬る戦略に出たと思われます。少なくとも科学的な立証ができなければ、論争は水掛け論になる。<

というくだりです。
明らかに有効なのに、「科学的な立証」という言葉の前に、効果があるのに手も足もでないなんて、なんかヘン。
その「科学的」は実証主義に基づいた近代科学の科学的なんでしょうね。

それにしても、いくらなんでもその道の専門家である医師が丸山ワクチンを効かないと思っているのはなぜなんだろう?

もうひとつ、丸山ワクチンの参考サイトを紹介します。

リンク

この中の「丸山ワクチンが効かないと言われる訳」から引用すると・・・。
 
>それでも、出てきた結果は、化学療法剤単独よりも、丸山ワクチンを併用したほうが、あきらかに成績が上でした。しかし抗悪性腫瘍剤調査会は、試験方法に疑問があるとして、好成績を示したデータを認めませんでした。
 調査会が認めたデータだけからは、化学療法剤単独の場合の540日後の生存率が0%に対して、丸山ワクチン併用の場合の2年6カ月後の生存率は3%弱となりました。このことが正式に発表される前の1980年12月6日に、一部の大新聞が「丸山ワクチン有効率3%以下」と大々的に報道し、丸山ワクチンがいかに効かないものであるかを強調しました。これは悪意ある情報リークの結果であり、抗がん剤単独の場合0%であったという事実は隠されていました。それどころか、抗がん剤と丸山ワクチンの併用であったにもかかわらず、「(丸山ワクチンの)単独投与のデータ」という大見出し付きだったのです。
 丸山ワクチンを一度も使ったことのない医師が、「丸山ワクチンは効きませんよ」と自信を持って語るのには、こういった背景があるのです。 <

これ読んでて思うのは「専門家にしか分からない」というのは嘘なんじゃないかっていうことです。というか、専門家のタコツボ現象を許す為の言い訳にしか聞こえない。

人を生かすための医学であってほしいし、適応していくための科学であって欲しいです。

長谷川文 

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