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2012年11月23日 (金)

有性生殖の意味

青山さん、吉国さん、レスありがとうございます。

ちょっと乱暴な言い方であったようですが、有性生殖の意味が「遺伝子組み替え」≒「多様性の獲得」と仮定して、この点を掘り下げるのには異論はありません。それによって「遺伝子組み替え」以外のオス、メス分化の意味があるのか、ないのか?あるとしたらどの段階からか?この辺の答えらしきものも見えてくるかもしれません。

>現在の一般的な有性生殖の機構成立のためには、遺伝子組み替えと減数分裂とそして、「死の機構」が組み合わされて出来上がったと思われます。減数分裂と絡むところでは二倍体の問題が大きいとは思いますが、やはり「性」の「生」戦略を考える時は、「死」の戦略を考えざるを得ないだろうというのが私の考えです。<
面白そうですね。

減数分裂によってできる一倍体のハプロイド細胞と受精卵から個体を形成するディプロイド細胞の違いに着目している方がいます。
どうせネタばれするので先に言いますと手元に団まりな氏の本がありまして、氏も同様のお考えを持っているようです。

>真核細胞の増殖法の1つである「有性生殖」は、“接合(受精)”と“減数分裂”という2つの過程からなっています。接合は2個のハプロイド細胞がその細胞膜や細胞質だけでなく、核までも融合させてディプロイド細胞になること。減数分裂は相同染色体の“対合”と2度の“有糸分裂”を通じて、1個のディプロイド細胞から4個のハプロイド細胞が生じることです。<
(団まりな氏リンクより)

氏はディプロイド細胞の特徴として細胞間の連絡構造があることによって食べることに関する分業ができると言っています。この、「栄養的細胞分化」が細胞の役割分担を可能にし、複雑な多細胞生物の体の構築を可能にしているということです。もちろんハプロイド細胞から造られる多細胞生物(苔や海苔)もいますがこれらはこの連絡構造を持たないため複雑な機能分化はなく、集まっているだけに近い状態だそうです。

また氏は、ディプロイド細胞は有糸分裂の回数に制限があるのではないかと考えているようです。つまり、「死」の機能を持ったことを意味します。

上記の2点からディプロイド細胞による多細胞生物の受精卵からの発生過程におけるアポトーシスを思い出さずにはいられません。

今までは1倍体から2倍体への変異と言えば遺伝子の安定に寄与するのだと思っていましたが、細胞の役割分担の機能を獲得するための重要な変異である様です。

そして、見方を変えると細胞の役割分担の機能を複雑にするためには「死」の機能が必要になったとも言えるのではないでしょうか。そして同時に種としての存在を維持しながら「死」を超えるためには、一度減数分裂によるハプロイド細胞への回帰も必要になる。この仮定に多様性の獲得機能も取り入れるとは感嘆するしかありません。

有性生殖の意味には多様性の獲得と同時に複雑性の獲得(高度化と言っても良いかもしれない)があるのではないでしょうか。

鈴木達也

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