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2013年1月 4日 (金)

快と不快

快感情報や嫌悪情報は大脳皮質や海馬と密接な関わりについて、詳しくみていきます。

記憶装置である海馬の隣に「扁桃体」という小さな球体があります。大脳辺縁系の下部に位置していて、好き・嫌い、快・不快といった感情をつかさどる器官といわれていますが、実はもうひとつ別な働きがあり、それが快感中枢や嫌悪中枢に密接に関係しているのです。

扁桃体は大脳皮質と快感中枢・嫌悪中枢の中継点にあって、快感中枢や嫌悪中枢で感じとった快感情報や嫌悪情報を大脳皮質に送りこむ際に、調整・整理を担っています。

先ほどの漢方薬の例でいくと、「体によい」という大脳皮質からの情報と、快感中枢・嫌悪中枢で感じる「まずい」という感覚が扁桃体でミックスされます。そして、大脳皮質が「これは体によいのだ」と言ったときに、扁桃体では今後この情報が来たら快感中枢が働くのだぞというようにルールを作り、快感中枢・嫌悪中枢に命ずる働きをするのです。

つまり、感覚体験を学習するうえで、結局どういう処理をするのかを決定し、再び同様の体験をしたときに無意識で情報処理ができる役割を持っているのが扁桃体なのです。

海馬や扁桃体は人間以外にもあります。ただ、大脳の質や量の多さは人間特有です。これが、快感中枢や嫌悪中枢の感覚の多様性を人間に与えています。

また、快感感覚と嫌悪感覚には個人差があり、経験学習(神経細胞に刻まれた記憶や体験、生活環境、コンプレックス、時代背景など)と遺伝(性格、気質など)がその個人差を生み出す要因となっています。

参考文献:「自己治癒力を高める」、川村則行著、講談社ブルーバックス(1998)

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大脳皮質と扁桃体(大脳辺縁系)と快感中枢・嫌悪中枢(脳幹)には上下関係があるようですね。そして、その上下関係は古い脳(下)→新しい脳(上)という流れでもあります。新しい高度な機能を獲得していく過程で、古い機能を制御していくようになったのでしょう。

端野芳

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