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2013年1月10日 (木)

免疫系と神経系の関係

脳の話で盛り上がってきましたね。神経系の進化という適応戦略(機能)の本質を明らかにするのは、とても面白いですが大変ですね。脳のことがまだまだ分かってない部分が多いですから…。でも、ほんのちょっとこの会議室から離れていた間に、本当に参考になるデータや疑問点の発掘など、かなり挙げられてきましたね。

ロムさせていただきながら、まず妙に引っかかったのが免疫系と神経系の関係。石野さんが紹介された利根川進も最近では脳の方の研究にシフトしているようですが、この免疫系と神経系はいったいどんな関係があるのか。どのような戦略上(機能上)の共通点と相違点を持っているのか、そんな疑問です。対比することで、脳の本質が鮮明になってくるのではないかと思います。この問題意識を持って、考えていこうと思っています。先ずは、思いつくままに。

>人間の手の組織(水掻きがアポトーシスでなくなっていく)や、骨髄で大量につくられた免疫細胞が、胸腺で選別されごく一部だけが血中に出ていく、といったような事例を思い出しました。<(16613)

先ず、免疫系も神経系も、情報伝達系としては、サイトカインや神経伝達物質などのホルモン様物質を使っていて極めて近似しています。ただし、神経系はニューロン内は電気的信号を使っています。また、非常に似た構造(鍵と鍵穴)をミクロな部分(神経系ならシナプス)で持っています。さらに、免疫系も神経系も遺伝子によって全てが決定されているわけではありません。つまり、個体レベルで遺伝しない部分を多く持ち、個体発生から成長するにつれ、免疫系も神経系も発達していきますし、それゆえに個体変異は大きくなっていきます。

それに対して大きな違いとして、免疫系には脳のような中枢部分がないという点が先ず上げられるのではないかと思います。 胸腺は蘆原さんのおっしゃるように教育機関だと思いますし、免疫系の維持に重要な働きをもっていることは事実でしょう。が、免疫の記憶や統合を行っているわけではありません。(もっとも、胸腺の重要性は最近見直されてきて、またこれも研究途上ということらしいですが)。

中枢部分というと神経系では脳ということでしょうから、神経系は統合機能を獲得したが、免疫系は統合機能を持たないということでしょうか。

また、働きはどうでしょうか。外圧適応態という視点で捕らえると、免疫系は外部環境からの防衛に大きな役割を持ち、神経系は外部環境への適応(働きかけ)に大きな役割があるように思います。(神経系の内部の統合は、おそらくそのためにあるのではないでしょうか)

吉国幹雄

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