« 快と不快 | トップページ | 免疫系と神経系の関係 »

2013年1月 7日 (月)

医療の問題に関する諸相

>以上のことから判断する限り、予防接種はホメオパシー療法のような自然治癒力を前提とした療法とはちょっと違うように思います。健康な体にわざわざ予防のためといって病原体を注入するのですから。本来、人間がその病原体に対して自然に対抗するはずの機会を摘み取っているのですから、かえって自然治癒力を弱めているように思われます。(16407)

近代医療に対して自然治癒というような対比での議論が進んでいるようですが、いくつかの微妙な問題を孕んでいるように思います。

例えば、ホメオパシーがレメディーにより刺激をうけた自然治癒力によるという意味ではワクチンと同じだと思われます。基本的に免疫機能を生かした治療なのか、病原菌を殺傷する治療なのかという問題です。これを象徴化して言えば、抗生物質かワクチンかというような対比における問題群です。

また、ホメオパシーの治療例では砒素、硝酸銀など結構あぶなそうなものも使っています。例えばアトピー性皮膚炎の治療例では、必須脂肪酸、ビタミンA、亜鉛、ビタミンC、ハーブなどが上がっていました。つい最近の人工ビタミンCの摂取が果たして有効なのか?という議論が思い出されるところです。これはワクチンの合成にも関わるところです。第二点目を象徴化すると、漢方薬(生薬)か合成薬品かというような領域の問題です。

さらに、ワクチンの合成が必要なのは大量の対象に投与可能な必要から生じているともいえます。予防接種とはその最も大きい需要を構成しています。以前紹介した、野口晴哉が「大病する体は風邪をまめにひかない。」というように、風邪を引くことで、少しづつ免疫機能が育っていきます。インフルエンザに予防接種が必要なのか?でも、ポリオには必要なのかもしれない、という価値判断にかかわる問題です。

進化の過程で積み重ねられた免疫機能は、それこそ天文学的な試行錯誤の上に蓄積されています。近代医学や薬品の開発などその足元にも及ばないだろうという点は事実でしょう。癌やエイズもそのような免疫機能によってしか、またはそれを生かす治療や薬剤によってしか果たせないのかもしれません。丸山ワクチンもそのような予感を支持します。

しかし、問題をインフルエンザの予防接種に絞るならば、3点目の価値判断の問題が最も大きいように思われます。現代の家庭は、不快なるものを徹底的に排除してきました。抗菌や除菌ブームが象徴かもしれません。そして、母親自身の病気の苦しみの排除、病気にかかった子供の看病の排除といったものが、公的には実施されなくなったインフルエンザの予防接種を存続させているのではないでしょうか。

石野潤

« 快と不快 | トップページ | 免疫系と神経系の関係 »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 医療の問題に関する諸相:

« 快と不快 | トップページ | 免疫系と神経系の関係 »

Ranking

  • にほんブログ村 科学ブログ 生物学・生物科学へ お勧めサイトランキングへ
2020年12月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    

カウンター

最近のトラックバック

無料ブログはココログ