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2013年1月13日 (日)

動く理由は沢山あるが、絶対的な必要性は生殖に有る(本文)

神経細胞はよりシャープに動く為としましたが、では、シャープな行動とは、どんな行動かが、次に問題になりますね。

捕食動物を考えて見ます。捕食の相手が、動かない藻類よりは、動く大腸菌の方がよりシャープな行動を要求するでしょう。前回、紹介しました線虫は大腸菌を餌としています。一旦捕食動物が、神経細胞を分化させると、被捕食動物の方も、神経細胞を分化しないと逃げれませんから、こちらも神経細胞の段階に入っていく。
捕食本能と危機回避本能と呼べるものが、神経回路の上に成立する。

一方、神経細胞を分化させた『八目うなぎ』です。この八目うなぎの行動に注目すると、大変面白いパターンがあります。幼生から成体になるまでは、頭だけを海水中に出し、胴体は砂の中で、じっと動かずに、ひたすら海水を飲み込み、海水中のプランクトンを集めて、成長していきます。これは、『食の相』です。この捕食様式は、神経細胞をもたない動物にも共通します。
そして、成体にまで成長した八目うなぎが、砂からでて動き出します。この動く方法は、口を使って岩に吸い付き吸い付き、移動して行きます。移動して何をするかというと、オス、メスが産卵に適した岩の窪みを見つけ、卵子、精子を放出して、生殖が行われます。『性の相』と云えます。この、海底を動く段階では、口は移動器官ですので、餌はもう食べません。胃腸も既にずたずたになって、生殖器が最大化します。

つまり、八目うなぎの行動(その為の神経細胞)は、生殖のためにこそ用意される。当然、同類のメス(オス)を知覚する機能もその一部ではないかと思いますが。
生殖本能と呼べるものが、神経回路の上に成立する。

神経細胞、細胞ネットワークを高度化したのは、生殖行動の高度化、生殖本能の固定化がその理由ではないかと仮説を立てて見たいと思います。

なお、生まれた川に回帰してくる、サケを見ても、稚魚の段階は、川の流れに沿って、海流の流れに沿って、回遊し成長していくが、生殖段階を迎えると、延々と故郷の川を目指して(海流に逆らい、川の流れをさかのぼって)、回帰してきます。この行動を保証できるのが、神経ネットワーク・サケの脳ではないかという視点です。

村田貞雄 

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