« 前段のサル社会はどうなのか? | トップページ | サルたちの配偶関係(=性規範) »

2013年2月 6日 (水)

報酬系と罰系

ちょうど今読んでいる本に脳の話が出ていておもしろかったので、ちょっと紹介します。

**************************************

脳の中には報酬系の部位と罰系の部位があります。報酬系の部位を刺激すると快感、罰系の部位を刺激すると不快感の感覚が生じます。

この報酬系も罰系もいずれも古い脳とよばれるところに存在していて、独自には思考、記憶、命令といった機能は持っていません。本人の意思とは関係なく刺激によって快や不快を感じます。

この脳内システムは、哺乳類や爬虫類、両生類や魚類などにも備わっているであろうと考えられる、生命維持のための基本的な構造です。

ふつうは、生物にとって有益なものはおいしく(快)、有害なものはまずく(不快)と感じますが、そういう脳の機能が、個体の維持や種の維持に大きな役割を果たしてきたと考えられます。

人間が他の動物と違うのは、報酬系と罰系という二つのシステムが人間精神をつかさどる大脳につながっていることです。つまり、大脳での情報処理が報酬や罰の脳内システムに影響を与え得るということなのです。

だから、人間はまずいと感じる薬や食べものも「体のためにいい」などの理由をつけて、進んで摂取することができるのです。

参考文献:「自己治癒力を高める」、川村則行著、講談社ブルーバックス(1998)

**************************************

以上のことより、進化の過程においてほとんどの動物が報酬系と罰系という脳の機能を獲得したが、これは本能的な機能であるのに対して、人間は大脳での情報処理(つまり実現論でいうところの観念)によって本能的な機能を制御することができるようになったといえるのではないでしょうか。

端野芳 

« 前段のサル社会はどうなのか? | トップページ | サルたちの配偶関係(=性規範) »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 報酬系と罰系:

« 前段のサル社会はどうなのか? | トップページ | サルたちの配偶関係(=性規範) »

Ranking

  • にほんブログ村 科学ブログ 生物学・生物科学へ お勧めサイトランキングへ
2020年8月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31          

カウンター

最近のトラックバック

無料ブログはココログ