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2013年2月 9日 (土)

サルたちの配偶関係(=性規範)

哺乳類の性闘争本能にてらせば、縄張り闘争に勝ち残ったオスのみが生殖の機会を得ることができることになります。その他大勢の普通のオスにその機会は一生ない(あったとしても敵オスの隙をついて)というのが自然な形だと思います。

しかし、社会的な集団を形成するに至ったサルや人類では状況が異なります。性をめぐっては敵同士であるオス達は、敵(外敵及び同類の他集団)と戦い縄張りを守る、という過程では仲間同士です。
このような状況を統合し集団を維持するために、強者のみに開かれていた生殖の可能性を、その他のオスたちにも開く、性の分配システム(性規範)が導入されてきた、という見方もできるのではないでしょうか。

集団を形成しているサルたちの配偶関係が様々なのも、圧倒的強者を中心にした集団統合では単雄複雌の性規範が認知され、強者が絶対的中心ではない場合の集団統合では雌雄ペアないし乱交の性規範が認知されるような関係があったのではないかと思います。

現在、乱交として知られているボノボやチンパンジーの集団も、何らかの理由で外敵の脅威が低下したり、同類同士の縄張り争いの少ない環境(たとえば隔絶した地域に生息していたなど)において、強者を中心にした結束が徐々に弱まり、性闘争本能に導かれたメスへのチョッカイだしが集団内で認知されてゆくような過程があったのではないかと考えられます。

モグラや原猿から真猿へ、そして現在のサル集団にいたる過程で、外圧状況の変化に応じてごく限られたオスから限定された複数のオスへ、さらに大多数のオスへと生殖の機会が広まっていった、という流れが原理的にはあると思います。

阿部和雄

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