« 嗅覚とフェロモン(2)哺乳類の性と縄張り | トップページ | 嗅覚はやはり特別です »

2013年4月 1日 (月)

嗅覚はやはり特別です

フェロモンといえば、ホルモン進化というテーマでこの会議室でも追求してきているので、同じレベルでおくが深いかもしれません。が、私は臭覚から性行動・性回路の方に議論を少しずつ展開してみたいと思います。

石野さんや、村田さんが紹介されている嗅覚二つの処理系統があるようですが、匂いについてはいずれも視床を通らないのではないでしょうか。つまり、匂いを除くすべての感覚(もちろん外部)情報は、まず視床(適切な皮質領域と結ぶステーションのようなもの:すべての感覚情報は皮質に伝達される:)に向かうのに対して、匂いは直接的に大脳辺縁系や視床下部への直行ルートだと思います。脳の情動中枢(一種の欠乏中枢)に直行するため、匂いによって感情的な記憶がよみがえりやすいのでしょう。

なぜ、嗅覚は視床で色づけ(修飾)されないのか、という問題は既に話題にされたように、哺乳類にとって嗅覚が外識の生命線であり、これを発達させていったのが終脳(嗅脳)→大脳です。また、生命体にとって嗅覚は極めて根源的な感覚器です。それゆえに、嗅覚という外識がそのまま土台になっているからだと思われます。

また、匂い(→ホルモン信号)が食と性に直結するというのは当たり前のように思います。特にサルの場合の性行動は臭覚系が最大の発信源になっているようです。オスザルは発情期のメスザルの発するフェロモン(匂い)に反応する形で性情動が起こると言われています。あるいは性情動が起こっても、メスが発情しなければセックスに至らない。

ただし、サルの場合は他の哺乳類と違い、学習しないとセックスできないとも言われています。未体験のオス・メスをいっしょにするとメスの発情にあわせてオスも興奮するが、右往左往するだけで、どうしていいかわからない…。性的衝動や性行為中は他の哺乳類と同じく、サル・人類においても大脳辺縁系(視床下部)が活性化しているのが見られるのですが、このことは上位の大脳皮質や新皮質の制御と修飾を受けていることを示します。

次回から、オスメスの性回路・性行動についてもう少し詳しく触れたいと思います。
 

吉国幹雄

« 嗅覚とフェロモン(2)哺乳類の性と縄張り | トップページ | 嗅覚はやはり特別です »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 嗅覚はやはり特別です:

« 嗅覚とフェロモン(2)哺乳類の性と縄張り | トップページ | 嗅覚はやはり特別です »

Ranking

  • にほんブログ村 科学ブログ 生物学・生物科学へ お勧めサイトランキングへ
2020年8月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31          

カウンター

最近のトラックバック

無料ブログはココログ