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2013年5月25日 (土)

オスは悲しき弱体生物?⑧<そして…オスの存在意義Ⅱ>

これでもかという感じですが、

Natureの日本語訳(サマリー)には、こんな報告も…

>野生化したニワトリの雌は順位の低い雄の精液を排出する

おいおい(^^;)

>父親になるかどうかは、雄どうしの精液の競争によって決まることが多い。雄はまた、特殊な行動や体の構造を使って、雌がどの精液を授精に用いるかを操作できる。

>しかし、こうした雄による操作から独立して、雌が好みの雄に利益になるように精液の利用を偏らせることができることは、まだ明らかにされていない。雌雄の繁殖上の利益が異なる場合や、雌が交尾を強制された場合には、雌は雄ごとに精液に対して違った反応をすると予想される。

>今回、野生化したニワトリの雌では大部分の交尾が強制されること、また雌が一貫して好みの雄の表現型を選び、貯留する精液を偏らせることを報告する。

>雌は順位の高い雄との交尾を好むが、順位の低い雄に交尾を強制されたとき、雌はその授精の見込みを、順位の高い雄の行動を操作して低下させる。もしこれが失敗すると、雌は雄による操作がいっさいない状態で、雄の順位によって精液を区別して排出し、順位の高い雄の精液を選択的に保持する。

順位が低かったら、必死で××してもメスが精子をうけつけてくれない。悲しき弱オスの精子はむなしくどこへ泳いで行くのか…


オスが強い・えらそうだというのは、実は見かけだけだったということが分かっていただけましたでしょうか。しかし、このオスの在り方には、進化適応上の重要な意味があると思われます(じゃないと報われない^^;)。

>オスは進化適応態として、常に外圧を捉え「進化の先端を担う」ことに特化してきたのだと思います。(msg:26201 村上さん)

同感。

オスの役目は、遺伝子の多様性のインキュベーターとしての機能(msg:28878、msg:28903)+危険な時or病気でメスの代わりに死ぬこと(内雌外雄本能、遺伝病で死ぬことにより遺伝病因子を集団内に一定以上上昇させない)+オス同士の競争でメスに選択されたもののみ子孫を残せるということにより環境変化への適応スピードを上げること。ざくっと言うと、生を賭けた実験で新たな適応可能性を拓いていく、そんな風に捉えられます(メスはどっしりと安定して現状の適応状態を守る?)。

一つ一つの個体を採り上げたら確かに悲しい存在かも知れませんが、生物集団において立派に意味があるじゃぁありませんか(^_^)。

<シリーズ終わり>

蘆原健吾

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