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2013年6月18日 (火)

多様性と適応放散

>多様化がそのまま構造転換を引き起こすようでは、そもそも基底構造が成立していない(種の存立基盤がない)わけで、それでは協働性を持った同類にならないわけです。だから、万が一そのような因子が発現されれば排除されるだろうし、それを生み出さないような(集団を突き抜けない範囲での)多様性の確保ということになります。その一つの維持システムが「性システム」なわけです。多様な同類他者を生み出すシステムであると同時に、変異可能性を蓄積するシステムであり、同一性を保持するシステムです。

このくだり、とても納得しました。

あくまで、種としての同一性を保ちながら、免疫学的な多様性をいかにつくっていくのか、そういう適応戦略の最先端の形が、性システムだと思われます。

それで、あらためて、進化の大爆発(適応放散)を見ると、生命の根幹のシステム(主に生理機能。代謝・呼吸、エネルギー転換機能など)は、突然変異でちょっとでも変わってしまうと、遺伝子群の協働にほころびが生じるわけで、適応にとってマイナスに作用することがほとんど(死ぬか、かたわで不適応になるかどちらか)。基本的な生理機能以外の形態や行動戦略(たとえば捕食戦略を採るとか)の多様化で、あらたなニッチに進出し、その新しい場で他の生物群との共生・競合関係におさまる。こうして、あらたな機能が種に定着していったと思われます。

その多様化に貢献したのが、基本的生理機能を損なわず、多様化や先鋭化をもたらす「性システム」だった、というわけですね。

むしろ、外圧が強烈にかかるときは、多様化というより「淘汰」のベクトルが強く働きます。劇的な環境変化は、あらゆる生物にとって強烈なインパクトになり、それらの生物がそれまで占めていたニッチをどう守り抜くか、その為に最先端の適応機能をいかに研ぎ澄ませていくか、そんな戦略を模索するのが主要であるような気がします(そんな時に、危ない賭けみたいな実験をやたらと繰り返すようなマネはしないような気がする。むしろ、種内の多様性を保っておいて、来るべき激変に備えておくといったイメージか?)。

外圧の強まりが進化を促すと言うより、むしろ外圧が(相対的に)ゆるむことが進化の爆発の促し(たとえばカンブリア紀のような)、その爆発に伴うニッチの飽和と適応機能の先鋭化というプロセスを経て、一旦分岐した生物種が淘汰され、安定状態になるものと考えられるのですが、いかがでしょうか。

生命の歴史上、大量絶滅が六度あったと言われています。生命は激変が起こるまではひたすら多様化し、環境の激変で生物の多くはごっそり死滅する。しかし、多様化した生物群の一部は、その関係性(多様な協働の形態)を維持・発展しつつ新たな環境に生物群として適応機能を先鋭化していき、その壁を超えた機能を身につけ、相対的に外圧が下がった状況で一気に、新たな環境(ニッチ)へ適応放散(一部枝分かれして別種に…)していく、というのが、私の進化のイメージです。
 

蘆原健吾

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