« 原モグラからの進化仮説(取り戻された本能) | トップページ | 男の評価~事実としての序列 »

2013年7月15日 (月)

哺乳類はなぜ昼行性に移行したのか(エネルギー問題)

なぜ、哺乳類は、活性化エネルギー(=消費エネルギー)を増大させる必要があったのか。

まず、哺乳類は(鳥類も)、前回(35813)述べたように、爬虫類に塗り重ねた新機能である「恒温性」などの新システムを稼動させ維持することで外圧適応しました。そのためには、今まで以上に活性化エネルギーを増大させる必要度が高まったということでしょう。そのエネルギー源の確保と、同時に各器官を周期的に休ませる(休眠)させる必要が生じた。…人間の機関に関連して言えば、現在の我々の器官の中で、よく食べる大食い器官は「脳」です。「脳」は体内の機能を統合するシステムの中核ですので、最大のエネルギー消費器官となっています。そしてよく眠ります。(もちろん、睡眠は休めるためだけではありませんが)

ところが、エネルギー補給といっても、日光エネルギーを直接的に体内へ固定化できるのは光合成を行う緑色植物だけです。従って、哺乳類も鳥類も植物や他の動物を「食べる」ことで、エネルギーを補給しなければなりません。エネルギー量を増やすには、たくさんの動植物(できれば栄養価が高い=エネルギー効率のよいもの)を獲って食べないといけないことになります。

例えば、夜行性である(現在の)モグラは大変大食いで、ミミズ、トカゲ、ヒル、地中性の昆虫や幼虫などを1日に自分の体重くらいの量を食べるそうです。そして、12時間絶食すると死んでしまうそうです。夜行性―モグラについて調べてみますと、彼らは1日に10hくらい(1回あたりのの睡眠時間は約1h)ですから、起きている間はしょっちゅう食べているのでしょう。ところで、このモグラ、太陽の下では死んでしまいますよね。ただ、これは日光の照射を受けたから死ぬのではなく、体温上昇によって死んでしまうようです。地中は温度変化が少ないので、恒温システムが完全ではないということでしょう。それでも、これほどの食量と睡眠が必要なわけです。

これが、昼行性となるとさらに生命体は恒温性を維持するための負荷が大きくなりますので、食料問題はさらに深刻になります。だから、活性化エネルギーの増大のために昼行性移行したのなら、その原因として大きくは、【リスクを超えるほどの豊富な食料がある】か、【危険な賭けを起さずにおられないほどの要因が他にあった】、と考えられます。

詳細に見ると、以下の3点でしょうか。

1.地上のおいしい植物を自由に手に入れるための草食動物の昼行性進化と、それをえさにする肉食動物の昼行性進化。
2.「哺乳」と「育児」いう新システムが、新たに更なる活性化エネルギーを要請し、それを確保するという危機状況。
3.夜間の自然圧力or種間闘争圧力の激化に対する昼行性行動への逃避。

吉国幹雄

« 原モグラからの進化仮説(取り戻された本能) | トップページ | 男の評価~事実としての序列 »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 哺乳類はなぜ昼行性に移行したのか(エネルギー問題):

« 原モグラからの進化仮説(取り戻された本能) | トップページ | 男の評価~事実としての序列 »

Ranking

  • にほんブログ村 科学ブログ 生物学・生物科学へ お勧めサイトランキングへ
2020年8月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31          

カウンター

最近のトラックバック

無料ブログはココログ