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2013年7月21日 (日)

哺乳類の学習とは、適応のための集団性の獲得

>哺乳期の意味は、哺乳類が単なる『本能』行動だけでなく、哺乳という親への依存期を介して、環境適応の諸条件を学習する(神経ネットワークに刻み込む)段階、学習行動の獲得がその本質ではないかと考えます。(36167「哺乳類の哺乳期は『文化』の学習期である」村田さん)

ヒョウの子供は、2年ぐらいかけて親から狩の仕方を仕込まれるということですから、保育期間を学習期間と考えても良いと思います。しかし、哺乳類は淘汰過程が成体後に引き延ばされ、性闘争を極端に激化させた動物です。(実現論1_3_04)この原モグラの本能の上に、塗り重ねられているとすれば、環境への適応のための学習は、淘汰という側面をあわせ持っているはずです。

例えば、ブタは10頭以上の子供を産みますが、良い乳頭の確保を廻って子供同士が争います。そして、そのための歯を持って生まれてきます。確保した乳頭によって、発育に大きな差が生じるだけでなく、生まれたばかりで死んでいく子供もいます。ブタは哺乳期間に淘汰過程を持ち込んだわけです。

卵生であっても、ある種の魚は口の中に入れ、クモや甲殻類は卵塊を持ち歩き、鳥類だけではなくタコやトゲウオなども孵化するまで親がとどまり育てます。一般に食料が少なく環境の変動が大きいほど、卵の少産化と保護、大型化によって適応していく傾向にあるようです。

哺乳類は、弱者ゆえにこれを極限まで進めた形態であるとも言えます。その哺乳と保育期間を学習期間と想定すれば、それは、その学習内容と獲得内容が環境への適応の能力を規定するとともに、淘汰原理ともなっているはずです。

外界に対する対象認識を親と同じ様にする(価値付けて知覚する)、捕餌対象、捕食対象に対する感覚・知覚学習、危機逃避・逃避行動の対象に対する学習、群れでの追随行動での学習等々が、哺乳期から離乳期(自分で餌を獲得するのと、乳から栄養を補給する併用段階)にかけて行われている訳です。(36167同上)

拡散適応以降の哺乳類が、異常な性闘争を封印して、集団性を回復させた点から類推すれば、新たな適応機構と淘汰機構は集団原理の上に現れてくるのではないかと思います。学習が必要な捕食行動や危機逃避とは、見張りを立てたるなどの集団としての行動様式であり、適応と淘汰が集団に委ねられているがゆえの必要ではないでしょうか。

余談ながら、学習とは適応のための集団性の獲得であるとすれば、あらためて現在の密室家庭における教育の限界と問題性が浮かび上がってくるのですが。

石野潤

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