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2013年9月28日 (土)

神経系が進化し、免疫系が進化する。

神経系も免疫系も細胞間のネットワークにより統合されています。また、共通の伝達物質が使われていることからも、その進化は神経系と不可分であろうと思われます。

免疫系といえるだけのネットワークが、脊椎動物の出現と時を同じくしていることからも、神経系の進化が免疫系の進化を促しているように見えます。

同類に対する認識は海綿にその原型を見ることができますが、ホヤの群体では個体相互が融合して血管の連絡を持ち、他群間ではこれを拒絶します。ホヤの段階では、集団生活のために同類の個体が識別されています。

脊椎動物の直接的な祖先といわれる原索動物のホヤの幼生は、例えばユウレイボヤでは330~40個の細胞を有していますが、その内の運動神経にかかわる細胞は6個しかありません。
(参照リンク生命工学工業技術研究所岡村グループ)
残りのほとんどの細胞は、外部情報を感知するためか、内部情報を把握するため、またはそのネットワークのために存在することになります。

幼生はしばらく泳いだ後に岩などに付着して変態し、脊索が退化してしまいます。この生活環から考えれば、その運動能力と神経系の発達は生殖のため、集団生活の場所探しのために存在すると言えるでしょう。

そのように発達した神経系が、集団生活のための同類の認識を付帯しているか、または外部認識の機能を同類認識に転用していることになります。また、5億年前、脊椎動物において免疫系が構築されていく際にも、それ以前から存在していた神経系の分子が使われただろうと想像されます。

基本的に、神経系がまず進化して、これを転用、応用して免疫系が進化しているように思えます。(結果、免疫系の細胞ネットワーク以上に、神経系の細胞ネットワークは高度です。)また、免疫系の獲得によって、脊椎動物が少ない数の子供で種を維持できるようになったことから考えても、生殖という目的とも密接な関係にありそうです。
石野潤

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