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2013年12月27日 (金)

ピュア化の方向は生物の認識機能を縮退混濁させている

>生命体は、ピュア物質の環境で進化してきたのではなく、複雑な成分環境の中で進化し、複雑な成分として外界を内部に取り込んできた。<(119279

この「ピュア化」は生物進化を考える上でかなり深刻な問題を孕んでいるかもしれない。現在はアトピーやアレルギーさらに狂牛病など、原因のよく分からない疾病が増大している。死亡率トップのガンもなかなか撲滅できない。

これらのおかしな現象は、医療の問題というよりも、一言で言えば人類の免疫系がまっとうに機能していないということだろう。
これはウィルスの変異スピードが速く、人類のグロブリンの変異適応能力の限界を超えているから、ではない。実際に現在問題になっている疾患は免疫系の一部が異常に暴走している場合が多い。

その原因追求がこのるいネットでなされているが、直接的には多量の「人工物質」の摂取であり、それに対抗する神経系と免疫系が統合不全を起こしているから、というのはおそらく間違いないだろう。
ただ、「なぜ人工(化学)物質が体内のシステムを錯乱させるのか」の答えの位相に、この「ピュア化」の問題があるように思う。

生物が進化させてきた免疫系には、体内に侵入してきた異物質を食べて抗原提示する「自然免疫」と、特異病原体を高速処理する「獲得免疫」とがある。最近では愚鈍と言われた「自然免疫」の特定物質に対する認識力と、さらに獲得免疫への活性化力が発見されて「自然免疫力」回復というと「自然免疫」が中心になりがちだが、本来は両者が真っ当に連動した適応システムの回復だろう。
免疫系の2段階を見ても、免疫の本質は複雑な成分環境から特定物質を対象化する=絞り込むこと=認識すること、がその生命線となっているといっていいだろう。

考えてみれば認識とは、様々な事象から、同一化と差異化を通してパターン化し、それらを統合することにある。しかし入り口段階でコヒーレント(位相が同一)な状態しかなければ、それでは認識機能そのものが「役に立たない」と縮退していくか、各認識の統合機能が混濁していくしかないというのは容易に想像できる。

身近な例で「好きなものだけ食べる」と体を壊すとか、いつも薬品でうがいをして口内を無菌状態にしておくと、辞めた途端に風邪を引くとか、種々の花粉が放たれている大自然の中では花粉症がでにくいとか・・・
考えれば、全てこれらは「ピュア化」によって肝心の免疫系の認識機能が不全状態になったことの事例ではないか。
話を広げれば、旧観念無用とはピュアな固定観念が真っ当な認識機能を妨げているのもそうだ。

我々は、科学の力でありとあらゆる場面でピュア化を目指してきたが、しかし、このことは人類の進化を促すものではなく、実は人類の自然治癒力を衰退させてきただけではないかという恐れがある。

吉国幹雄

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