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2014年1月

2014年1月30日 (木)

背骨の獲得

シルル紀以前の海では、外敵から身を守るために、甲羅や貝といったもので覆われた生物が存在しました。
しかし、それらは、外敵から身を守るための機能にしか過ぎませんでした。

シルル紀後期になると、オウム貝などに追いやられた魚類の先祖たちが、地殻変動、気候の変化で誕生した河川に逃げ込む。
 河川(淡水)に適応するためには、海水の中に含まれているミネラル(塩化ナトリウム、マグネシウム、リン、硫黄、亜鉛、さらには鉄)の獲得をしなければならない状態に陥ります。特にカルシウムは、生命の活動に欠かせないものになっていて、神経の働きや心臓や筋肉が動くために無くてはならないもの。
しかし、淡水は海水に比べ、ミネラルの量は1/10~1/100であるため、獲得できるときに蓄積する必要があります。
そこでミネラルの獲得のために、体に蓄積する機能として骨が生まれました。骨は絶えずつくりかえされ、体のミネラルをコントロールしています。
それは骨の成分が、海のミネラルの成分と同じ構成になっていることから考えても、外敵から身を守る、筋肉をコントロールするほかにミネラルの蓄積が大きな役割を果たしていると考えられます。

>淡水域に最初に進出した魚類(プテラスピス)は、塩分濃度の違いを克服するため、堅い甲羅と鱗を進化させ、皮膚から水が浸入するのを防ぐことに成功した。
しかし、皮膚から入る水は甲羅・鱗で防げるが、エラで呼吸するために大量の水が体内に浸入してしまう。
体内に浸入する水を排出する為に獲得した(進化適応させた)機能が腎臓機能。この腎臓機能を獲得することで、体に入った余分な水を血液から排出することが可能になった。125999(西谷さん)

初期の淡水生物は、甲羅、硬い鱗などで覆われたものでありました。
その後、腎臓機能の発達で浸透圧に適応を獲得することで、甲羅や硬い鱗などが不要になり、ミネラルの蓄積を体内で行うことができるようになった。

そして、河川や、気候の変動による氷河が溶けて出して生まれた潮の流れに逆らうための機能として、背骨を持つことにより強い筋肉を発達させ、背骨のない生物ではできなかった複雑な動きをすることができたと考えられます。

以上より、背骨を獲得することにより、自然外圧に適応したと考えられ、3億9千万年前初めての脊椎動物魚類が誕生しました。

佐藤亮 

2014年1月26日 (日)

浸透圧との闘い→鱗・腎臓機能の獲得

>魚類の先祖たちはこの頭足類から逃れるように、汽水域(≒河口)に追いやられ、浸透圧との闘い、水位の変動への対応などの外圧に晒される中で、外骨格や空気袋(=肺や浮き袋の前身)を獲得し、再び海にもどる者、新たに淡水に適応する者へと適応拡散していきました。

外敵から逃避して海水域から淡水域に逃れた魚類は、塩分濃度の違いと言う壁に直面する。塩分濃度が変わると、細胞への浸透圧が変化するため、生命活動のもとである細胞そのものを破壊してしまう。

迫り来る外敵→逃げ場は細胞を破壊する淡水域。
魚類はこの逆境の中で、鱗と腎臓機能を獲得し、淡水域に適応した。
(シルル期後期 約4億1千万年前)

淡水域に最初に進出した魚類(プテラスピス)は、塩分濃度の違いを克服するため、堅い甲羅と鱗を進化させ、皮膚から水が浸入するのを防ぐことに成功した。
しかし、皮膚から入る水は甲羅・鱗で防げるが、エラで呼吸するために大量の水が体内に浸入してしまう。
体内に浸入する水を排出する為に獲得した(進化適応させた)機能が腎臓機能。この腎臓機能を獲得することで、体に入った余分な水を血液から排出することが可能になった。

最古の魚類が誕生してから4億7千500万年。
逆境の中で鱗と腎臓機能を獲得し、魚類は進化適応して行った。

この腎臓機能はその後両生類→爬虫類→哺乳類と進化していく中で
より機能を進化させていくが、根本的には魚類の進化課程で獲得した「ろ過ポンプ機能」に根ざしている。もちろん、我々人類の腎臓機能もその例外ではない。

西谷文宏

2014年1月23日 (木)

逆境下で生物は進化した。

生物の進化は決して直線的ではない。連続的に下等生物から高等生物に予定調和的に進化したわけでは、決して無い。

事実は、自然環境の激変から多くの種が絶滅し、その際に新環境に適応する機能を奇跡的に生み出した(DNAを変異させ新機能を飛躍的に特化させた)新種が、もしくは従来生物が棲んでいなかったニッチに奇跡的に適応した新種が、その後辛うじて生き延び、多様に適応放散したということである。その過程では99%は、この一か八かの賭けに失敗し絶滅している。つまり、好き好んで、より良い環境を求めて新天地を切り開いたという俗にイメージされている進化観とは全く逆なのだ。

この環境変化をもたらすのは一つは地球環境それ自体の激変である。一見安定的に見える地球環境だが、マントルの活動の変化や隕石の落下などにより、高熱化、氷結、酸素濃度の著しい変化等、生物史上度々災難を生命にもたらしている。もう一つは旧制覇種の異常繁殖による環境の激変である。

これらの環境の変化によりカンブリア紀(5.8億年前)以降だけでも『過半の種が絶滅⇒新環境に適応した種の登場』が少なくとも5~6回ある。
①カンブリア紀以前の地球氷結⇒クラゲ、海草様の生き物⇒多様な種の登場(7~5億年前)
②藻類の繁殖による水中酸素濃度の上昇(オゾン層の形成)→大量絶滅⇒高酸素(活性酸素?)適応の魚類・陸上植物登場(4.5億年前)
③甲殻魚類の制覇(or乾燥期による水中の酸素不足)→海中生物の大絶滅と両生類の登場(3.7億年前)
④火山活動の活発化?低酸素環境→84%の種が絶滅⇒低酸素適応の爬虫類(2.5億年前)の適応
⑤寒冷化?⇒哺乳類、始祖鳥登場(2.1億年前)
⑥隕石落下→寒冷化⇒恐竜の絶滅と哺乳類の適応放散(6500万年前)

北村浩司

2014年1月20日 (月)

頭足類との闘いに敗れ汽水域に追いやられたのが脊椎動物の祖先

 約5億年前、オウムガイなどの頭足類と初期脊椎動物である無顎魚類の関係は、一方的に脊椎動物が捕食される関係だったと言われています。その後、魚類の先祖たちはこの頭足類から逃れるように、汽水域(≒河口)に追いやられ、浸透圧との闘い、水位の変動への対応などの外圧に晒される中で、外骨格や空気袋(=肺や浮き袋の前身)を獲得し、再び海にもどる者、新たに淡水に適応する者へと適応拡散していきました。

 この汽水域からも追い出された種が両生類に進化し、さらにこの水際空間で大型化した両性類から逃れて、乾燥した陸地生活に適応していったのが爬虫類です。

 もともと生命の源を育んだ‘母なる海’を好き好んで捨てる生物などは想定しにくいのですが、特に陸上生活はからだを支えるだけでも水中よりも負担が増大します。やはり、生存闘争に敗れてより過酷な環境に追いやられることで、適応拡散していったというのが真実でしょう。そして、その中で奇跡的に適応できた種が、新たな制覇種として、進化のページを切り開いてきたことを、上記の脊椎動物の歴史は明確に示しています。
土山惣一郎 

2014年1月17日 (金)

改めて免疫を考える意味

現代に生きる普通の人が免疫を考える意味を改めて整理してみたいと思う。

まず、考える動機は素朴で漠然とした違和感にある。

それは例えば、ちょっとした風邪でも大量の薬や抗生物質を出す現代医療のあり方への疑問や、そいった薬が引き起こす苛烈な副作用への恐れ、病状悪化と投薬増強のいたちごっこが醸し出す閉塞感などから生じてくる。
あるいは、原因の分からないアレルギー症状の急増や、これまで見たこともないような凶悪ウイルスの発生、ちょっとしたことで骨折してしまったり、ケガの直りが異様に遅い子供たちに対する危惧も影響しているかもしれない。
神経質とも思える“清潔さ”や“健康”に対する執着心も、その根っこにはこういった違和感が少なからず影響しているのだろう。

だから、改めて考えてみる必要性が生じてきているのだと思う。「健康ってそもそもどういうこと?」とか、「病気が治るというとき、その具体的なメカニズムは?」といったテーマについて。それも、専門家の意見を鵜呑みにはしないかたちで。

るいネット仲間の免疫チーム(自称)では、こういったテーマについて模索を続けている。

『そもそも健康とはどういうことか?』

健康とは、生命体が外圧環境と一定の調和状態を保っていることだ。だから、上のような違和感をもとにすれば、以下のような疑問が生じてくる。

ウイルスや寄生虫といったものは、硬直化した“潔癖観念”を原点にする限り“汚らしく健康を害する原因となるもの(=悪者)”なのだが、本当にそうなのだろうか?ウイルスや寄生虫は遥か昔から存在している。彼らの存在を含めた外圧環境と調和している状態こそが本来の健康状態なのではないだろうか?

ここからは「生命体と外圧の調和関係においてウイルスや寄生虫はどのような役割を果たしてきたのか?」という追究課題が導き出されてくる。

また別の観点からは、「現在アレルギー疾患が増えてきているようだが、それは何故か?生命体と外圧環境が保ってきたバランスのどこが狂ったのか?」という追究課題や、「健康状態とは生命体と外圧環境の中でエネルギー(活力)のやりとりが安定的に行なわれている事を前提にする。そもそも生命体におけるエネルギー吸収や発散の仕組みは具体的にはどうなっているのか?」といった追求課題も導き出されてくる。

こういった課題に地道に取り組み、得られた事実を少しずつ積み上げる事で、『健康』というものに対する本質的な捉えなおし(=パラダイム転換)が起こるはずだ。



『病気が治るというとき、その具体的なメカニズムは?』

病気が治るというのは、一度バランスを崩した生命体と外圧環境の調和状態がなんらかのシステムによって回復するということだ(これが免疫システム)。これについてはるいネット上でもかなりの蓄積があるが、チームが今後取り組もうとしているのは以下のような課題だ。

「免疫システムの“主戦場”は消化器官にあるらしい。そこで働く『腸管免疫』とは具体的にはどのようなシステムなのか?」
「免疫システムの統合的制御にはどうやら神経組織の働きが関与しているらしい(113729)。これらは具体的にはどのように関連しているのか?」

特に後者の課題につき一定の見取り図が描けたならば、昔から言われてきた「病は気から」という考え方に科学的な裏付けを与えることが出来る。

大きな理想だが、皆で取り組んでいきたい。

三宅秀和

2014年1月14日 (火)

ウィルスの潜伏期間はなぜ?

>何故直ぐに発病する人がいたり、死ぬまで発病しないかもしれないのか、体内にウィルスが居ても増殖のスイッチが入るか否か、何が原因でスイッチが入るのか教えてください。 <

短期間の潜伏は、水面下で免疫系が闘っている期間。生体に重要な影響を与えそうになると、ウィルスをやっつけるために脳に刺激を送り発熱させたり体内の全システムを駆使して戦うことになります。これが発病。

ところがウィルスの中には数十年あるいは一生にわたって潜伏するものがいる。それは、そのウィルスが生体と協同的であるため免疫寛容になっているからです。特に、ウィルスは元来遺伝子断片であると考えられ、免疫寛容になりやすいといえます。(逆に悪さをしても免疫系の発動が遅れやすいということ)。

その共同的な環境が何らかの要因で激変して発病するわけですが、その要因はストレスなどによる内部のシステムの不調(不全)か、外部の人工物質などのかく乱物質によって場が乱れたため、ウィルスが安息地を離れて移動する必要から活性化したためだと思います。

*ウィルス自体も住み着いた細胞を飛び出して生存できる可能性は一万分の一ほどと言われていますから、命がけの脱出ということになります。もちろんそれを上回るすごい勢いで増殖していくわけですが・・・

natural shoot

2014年1月11日 (土)

アレルギーは免疫機能が正常に働いていることの現われ?

>「アレルギーの原因はアレルゲンだけなのか」92485

 これから分かるのは外圧状況によって、T細胞の働き方が違うということだと思いました。

 昔はウィルスや細菌類に感染する確率と、ダニやハウスダスト、花粉などのアレルゲンが体の中に入る確率がほぼ同程度であり、そのため、より命を危険にさらす(外圧の強い)ウィルスや細菌類に反応して攻撃するTh1細胞が活発になっていて、Th2細胞はそれほど反応していなかった。そのためアレルギーを引き起こすことはなかった。
 逆に、今は清潔な空間化が進み、ウィルスや細菌類に感染する確率が減り、ダニやハウスダスト、花粉などのアレルゲンの方が、より外圧として強くなったために、それらに反応して体を守ろうとするTh2細胞が過敏に反応し、アレルギーを引き起こしているのではないでしょうか。

 とすると、免疫機能自体は低下しているというよりも、Th1細胞優位型からTh2細胞優位型になっただけなのではないでしょうか。であれば、免疫機能自体は正常に働いているのでは?と思います。

 しかし、Th2細胞が頑張っている一方で、Th1細胞がサボっているということは否めず、もし突然、強い外圧(ウィルス等)がやってくると、それまでサボっていた為にTh1細胞はすぐに攻撃することができなくなります。そして病気にもなりやすくなるし、中々回復することができなくなり、薬に頼ることになってしまう。そうして、またTh1細胞は働かなくてよくなってしまう。
 この悪循環の繰り返しにより、免疫機能が低下するというのはあると思います。

ひらりん 

2014年1月 8日 (水)

進化史は次代への羅針盤となる

最初はとっつきにくいと思われがちの進化史ですが、実は知れば知るほど面白いのも、進化史です。

また、本当は自分たちの事を全くわかってないことに気付きます。
特にオスメス分化や、生物の多様性の持っている意味を知れば、いかに現在の好き嫌いなどの価値観念に基づいた間違った判断が横行しているかにも気付け、それが次代の羅針盤ともなります。

>進化を知ることは実現基盤を知るという事。(122041)
という事ですね。

田宮昌明

2014年1月 5日 (日)

免疫機能に有用性を判断する力はあるか

>T細胞は他者を認識して排除の指令を出しているわけではない。つまり、T細胞の認識は同類が違うものに変わったことを認識して排除の指令をだすわけです。<(5394

特定の異物質の反応性が高いといわれるT細胞だけでなく、貪欲な食細胞であるマクロファージの認識も、ある意味では極めて鷹揚な免疫反応を示します。仲間・同類かを認識すればよいのであって、自分に有益なものを取り込む力を持っているわけではありません。

それは、細胞膜・核膜などの膜システムが特定の物質のみを通過できるといいながら、実は多様な物質やDNAの切れ端を取り込んできました。、現在人口物質化学物質まで取り込んで問題になっていることからも類推されます。

実際に単細胞生物から陸上にあがるまでゲノムサイズを生物はどんどん大きくしてきました。生物の進化の特徴として、協同組織を破壊しない限りなんでも取り入れるだけ取り入れてきたといえます。そして、やがて陸上に上がった生物のなかに、溜め込んだいろいろなジャンク物質を多様に有効利用して体を小型化する方向で進化を遂げてきたのが現在の高等生物です。

その意味では、免疫系そのものに有益判断はないものの、進化適応機能という視点で捉えたら、将来の適応可能性を増すために「敵以外は受け入れる」というシステム自体に力を持たせているという見方もできるのではないかと思います。
natural shoot

2014年1月 2日 (木)

子どもの半数が、アレルギー症状有り?!(東京都調査より)

04年度、東京都保健福祉局『アレルギー性疾患に関する3歳児全都調査』によれば、3歳までにアレルギー症状が有ったとの回答が51.5%で、99年度調査より10p近く増えたそうだ。

リンク 

【以下引用】

●何らかのアレルギー性疾患の罹患状況

                症状あり     診断あり
               (99年) 04年    (99年) 04年
----------------------------------------------------------------
何らかのアレルギー      (41.9%) 51.5%  (36.8%) 36.7%



●各アレルギー性疾患の罹患状況の推移

                症状あり     診断あり
               (99年) 04年    (99年) 04年
----------------------------------------------------------------
ぜん息・ぜん鳴        ( 9.5%) 19.4%  ( 7.9%) 10.5%
食物アレルギー        ( 9.4%) 15.6%  ( 7.1%) 8.5%
アトピー性皮膚炎       (18.0%) 20.5%  (16.6%) 15.3%
アレルギー性鼻炎(花粉症含)  ( 7.5%) 14.6%  ( 6.1%) 9.2%
アレルギー性結膜炎(花粉症含) ( 5.1%) 6.9%  ( 4.6%) 4.5%
じんましん          (15.0%) 17.1%  (11.9%) 8.7%
その他のアレルギー性疾患   ( 3.7%) 3.8%  ( 3.0%) 2.2%

岩井裕介

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