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2014年2月 5日 (水)

哺乳類の進化(恒温→授乳→胎生)

哺乳類の祖先は、約3億年前に両生類が登場した少し後に爬虫類との共通祖先が生まれ、間もなく恐竜や現爬虫類の系統と枝分かれした(「哺乳類型爬虫類」と呼ばれる)。彼らが初めに獲得したのは、水中に比べ気温変動の大きい地上で常時生活するための汗腺を含む恒温機能と考えられる。この汗腺から後に乳腺が発生する(彼らに近い現在のカモノハシは、卵生でかつ体毛下の乳腺からにじみ出た乳を舐めさせて子育てする)。

(エステンメノスクス:哺乳類型爬虫類の一種で皮膚の化石から汗腺が見つかっているリンク

(ディキノドン:栄養のある汗を舐めさせて育てた最初の動物と言われているリンク

そして約2億5千万年前、地球上の生物の95%が死滅した、P/T境界(ペルム紀-Perumianと三畳紀-Triassicの境界)と呼ばれる大絶滅が起こった。これは、南極への巨大隕石の衝突若しくは激しい火山活動により地球全体が温暖化し、加えて著しい低酸素状態となったことが原因とされる。この外圧に対応して起こった進化が、母体を通じて胎児に効率的に酸素を供給できる、卵生から胎生への移行である。また、横隔膜の発生+肋骨の下半分がなくなることで、呼吸効率を高めると同時に、横たわった授乳姿勢が取れるように変化した。このようにして、生物の9割絶滅という大逆境に直面したことで進化を果たしたのが、現在の胎生哺乳類である。

しかし、逆境はそれで終わらなかった。同じく大絶滅を乗り越えて恐竜類が登場したため、地上では相変わらず哺乳類は弱者であり、しかも胎生化により生殖負担の増大という弱点も抱えることになった。そのため、より強者の遺伝子を残すために、従来は成長過程で起こる淘汰過程を成体後に引き伸ばす形で、哺乳類は、オス同士がメスの獲得を巡って激しく争う性闘争本能を激化させていった。

田中素

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