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2014年3月22日 (土)

樹上生活への適応

 原始哺乳類(=原モグラ)は小さいながら鉤爪を持っていたらしいのですが、この鉤爪を利用して土を掘ったり、木に駈け登ったりしたのが、その後のモグラ(=土中生活)やサル(=樹上生活)への進化に繋がっています。

 例えば、モグラの多くは指と指の間に水かきのような膜を持っていますが、これは土を掘って土中生活に適応するために手に入れた機能です。

 サルは地上に降りないで樹上を移動できるように枝を握れる親指の対向性や指先の優れた感覚を獲得したと考えられます。ちなみに、モノを握れるような指の形状は原モグラの四肢にはありませんから、樹上に逃避した後に、前足も後足も同時にモノを握れるように進化したと考えるべきでしょう。また、霊長目では爪も鉤爪を失って平爪に進化していますが、モノを握りやすくするためや指先の触覚を発達させるためだったのでしょう。

 地上を経由せずに木々の間を飛び移れるように進化した哺乳類には他にモモンガなどがいますが、後のコウモリなども含めて、これらは枝から枝を滑空するための機能に先端収束した事例です。

 地上をネズミ目が制覇したという意味は、木に登るだけなら可能なネズミ類も多々存在する訳で、霊長目の祖先たちはどんどん細い枝先に追いやられたということです。おそらく、木を降りることなく生きていかざるを得ないという圧力は予想以上に大きかったと思われます。この推論を裏付けるように、樹上だけを生活域にする方向で進化した哺乳類は何種類もいて、原猿もそのひとつだったと推測されます。

土山惣一郎

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