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2014年3月10日 (月)

哺乳類最大の危機「ペルム期大絶滅」

>生物の恒温化は、寒冷化という逆境からの進化ともいえるでしょう。 <(126138

 寒冷化という逆境に適応し獲得した恒温性によって、その生息域を拡大した単弓類(哺乳類の祖先)だが、2.5億年前(ペルム期末)、火山活動に由来するメタンと酸素の反応によって大気中の酸素濃度が低下すると、酸素消費量の多いこの恒温動物は史上最大の危機にさらされることになる。(※1)

種の96%が絶滅した(126044)最大の絶滅を経て、酸素消費量の少ない爬虫類が繁栄したが、それでも哺乳類の祖先はごく僅かの種が辛うじて生き残った。

2.25億年前に生息していた原始哺乳類、アデロバシレウス(リンク)は、体長10~14cm、体重が20~30gで、ペルム期末に生息していた単弓類である体長1.2mのディキノドン(リンク)と比べると1/10まで小型化していることが分かる。

これは、小型化によって酸素消費量(代謝量)を低下させ(※2)、低酸素及び食料の恒常的な不足という逆境に適応していったためと考えられる。単弓類の段階で、すでに横隔膜を獲得し呼吸効率を改善していたものの、酸素濃度の低下には不十分だったようだ。

さらに、単弓類は卵胎生であったのに対して、哺乳類は胎内保育をより長期化する胎生へと進化していくが、生殖システムの進化も、わずかな酸素を確実に胎児に届けるためだったのではないか。

注)
※1…
現在の恒温動物の標準代謝量(=体内で使うエネルギーの量=呼吸による酸素量)は変温動物の5~30倍であり、それだけ多くの酸素を必要とする。

※2…
体重あたりの代謝量を一定とすると、体長が1/10になれば体重は1/1000となり、代謝量も1/1000まで低下する。

鈴木隆史

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