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2014年3月 1日 (土)

リン酸カルシウム貯蔵棚のような骨格という前適応⇒魚類

我々の骨は、カルシウム(Ca)だけではなく、リン(P)やマグネシウム(Mg)、フッ素(F),亜鉛(Zn)などのいろいろなミネラルにタンパク質がくっついて硬い骨を形作っている。
そして、カルシウムとリンが血中に不足した場合、骨からカルシウムとリンを溶出して生体中のカルシウムとリンの代謝のバランスを維持している。即ち、骨は破壊と再生を常に繰り返している組織である。

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>およそ五億年前に生まれたであろうリン酸カルシウムの貯蔵棚のような骨格は、魚の子孫が陸上で身体を支えるに至って、こんどは重量に対して身体の形を保つ重要な支持体に化けたはずだ。(「人体 失敗の進化史」遠藤秀紀/光文社新書)
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興味深い視点である。

太古の生物にとって、海は生命のゆりかごであった。
生物の組成が海洋のそれと類似することがその所以である。
ところで、その海洋の組成が季節ごとに変容するなら、生命活動を安定化するための先端機能獲得へと向かうのも道理として成立する。

というのも、普通、リン酸は植物プランクトンに蓄積され、消費者たる動物は、それを食べてリン酸を得る。だが、植物プランクトンは年中平均的に生産されているわけではないので、短期的なリン酸欠乏(=逆境)に備えて骨という形で大量に蓄え、不足する時期に小出しにするサイクルを魚類の初期段階で獲得したのではないか? というのが遠藤氏の推論である。

魚は、逆境に備えた骨を起点に筋肉を張ることで桁違いの運動性を獲得したであろうし、住み慣れた海を脱出して重力を支えるほどの骨格へと進化して陸上脊椎動物へと至ることになることからすると、ミネラル貯蔵庫としての「骨」の獲得は、【前適応の状態】 といえる。

*前適応(ぜんてきおう preadaptation)とは、生物の進化において、ある環境に適応して器官や行動といった形質を発達させるにあたり、それまで他の働きに用いられていた形質が転用されたとき、この転用された元の形質を呼ぶ。(リンク

小圷敏文

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コメント

最初の
「色々なミネラルにタンパク質がくっついて硬い骨ができている」
は明らかな誤りです。
そもそも骨の形状を決めているのは、コラーゲンをはじめとするタンパク質であり、カルシウム等のミネラルは、コラーゲンの枠に沈着することで骨が成り立っているのです。
勉強不足ですね。

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