« 有蹄動物の進化の歴史 | トップページ | 海に還った哺乳類(1) »

2014年4月 3日 (木)

クジラ目への進化の第一歩は、生存闘争の敗退から始まった。

クジラ目の祖先に関する分析は分類学と分子生物学で違い、両者は対立構造にある。
頭骨の特徴など形態的な分析(分類学)からは6000万年前頃の「メソニックス類」(無肉歯目・偶蹄類の共通祖先)が祖先ではないかと言われており、DNA分析(分子生物学)からは偶蹄類の共通祖先から分岐してきたのではなく、偶蹄目の一部から分かれてきたと考えられている。

この2説の事実の決着はつける必要があると思うが、まずは分類学的見地に立ち、「メソニックス類」からクジラ目への進化過程を考えてみたい。
メソニックス類は6000万年前ごろユーラシア大陸に生息していたが、そこには無肉歯目(メソニックス類)の他に現代でも肉食獣として繁栄している「食肉類」(ネコやイヌ、クマなどのグループ)、現代では絶滅して存在しない太古の肉食獣である「肉歯類」が存在しており、熾烈な生存闘争(エサ争い)を繰り広げていた。
メソニックス類はこの生存闘争の中で、他の食肉類・肉歯類に追いやられ、エサを求めて陸上から河口の汽水域に移り住んで行く。

この頃インド亜大陸はユーラシア大陸から離れており、ユーラシア大陸とインド亜大陸の間には、広く浅く、そして暖かくて豊かなテチス海が広がっていた。
メソニックス類は、食肉類・肉歯類に追いやられた結果、エサを求めてこのテチス海の汽水域へと移住して行く。そして進化の中で水性適応→海生適応していき、現在のクジラ目へと繋がっていく。

(分子生物学的見地=メソニックス始原説が正しいとすれば)エサを巡る生存闘争からの敗退→汽水域への適応進化が、クジラ目誕生の第一歩だったと考えられる。

« 有蹄動物の進化の歴史 | トップページ | 海に還った哺乳類(1) »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: クジラ目への進化の第一歩は、生存闘争の敗退から始まった。:

« 有蹄動物の進化の歴史 | トップページ | 海に還った哺乳類(1) »

Ranking

  • にほんブログ村 科学ブログ 生物学・生物科学へ お勧めサイトランキングへ
2020年8月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31          

カウンター

最近のトラックバック

無料ブログはココログ