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2014年4月18日 (金)

草原での進化(有蹄類の進化)

>この森林後退の逆境により、草原に出て、草原での生存に適した形態(硬いイネ化植物に適応した歯、早く走る足、大型化等)へと進化していく。

 森林と比べると、草原で暮らすには2つの逆境が待っています。
 一つは、硬く消化しにくいイネ科植物を餌にしなければならないことと。もう一つは敵から身を隠す手段を失ったことです。

●草食のための進化
 草は、それ自体が体を支える支持器官としての役割も担っているため、細胞はセルロースという頑丈な壁で守られています。ところが体内の酵素ではセルロースを壊すことはできません。そこで、セルロースを分解する「腸内細菌」を利用し植物から栄養を採ります。
 その為、ウマの場合はなんと「盲腸」を1.2mにも及ぶ巨大なものに進化させています。また、ウシの場合は、「複胃」を作り出しています。
 この違いは、腸内細菌によって栄養素を取り出す器官が、栄養分を最も効率よく吸収する小腸の、手前にあるか後ろにあるかの差です。
 胃は小腸の前にあるため、とりだした栄養分の多くを小腸で吸収することが可能です。現在、偶蹄類(ウシなど)は奇蹄類(ウマなど)よりも科、種ともに多数で勢力では優勢です。その大きな要因は、走る能力よりも、偶蹄類、特に反芻類が編み出した優れた消化システムにあると言えるかもしれません。


●脚の進化
 森林と草原の大きな違いの一つは、身を隠す場所が少ないことです。従って草原では、「敵を見かけたら走って逃げる」ことも重要な生存戦略の一つとなります。
 しかし、捕食者も身を潜めながら近づき走って捕まえるため、両者が走力を向上させる方向に進化していくことになります。

 ここで歩行の仕方を分類すると、現在のほ乳類は3種類に分かれます。

・蹠行性
 ヒトやクマのように、かかとを地面に付けながらぺたぺたと歩く。早さに劣るが安定性に優れる。
・趾行性
 イヌやネコのように、肉球で体を支えて歩く。それなりのスピードを出せ、静かに忍び寄ったり、急旋回が可能。
・蹄行性
 ウマやウシのように、指先だけで体を支える。最もスピードが出るが、足は走る以外の用途を持てない。

 有蹄類は、文字通り蹄行性です。逃げやすいとはいえ、人でいえば常に爪先立ちをしているような状態です。そこで指先で脚を支えるために、爪は頑丈になり、蹄を形成するようになりました。
 有蹄類は先祖の指の数はいずれも5本でしたが、進化の過程で指の数を減らしています。少ない数の指で体を支えるために、主軸となる指の骨は丈夫になっていき、体重を支えない骨は細くなっていき、やがて痕跡となって姿を消してしまいました。

 有蹄類の脚の進化は、逃げる必要の他にも、食性が草食であることから、広範囲の餌場の必要⇒移動に耐えうる堅牢な足が必要ということもあったかもしれません。


参考サイト:リンクリンク

山崎許子

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