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2014年5月 9日 (金)

哺乳類の冬眠

哺乳類は体温を高く保つことにより持続して活発に動ける。その反面、爬虫類や両生類に比べ、多くのエネルギーを必要とします。

環境温度の低下、食糧の減少など、高体温を維持するのが困難になることがあり、特に小型の種では、エネルギー収支がマイナスになるものもあるそうです。従って、積極的に体温を下げて休眠する戦略は合理的であると思われます。

冬眠する種は有袋類、齧歯類、コウモリ、クマなど多岐にわたりますが、原始的な哺乳類にとっては一般的な生態だったのではないかという可能性が示唆されています(おそらく、肺魚の乾眠を進化させたのではないでしょうか)。

【エネルギー】
ほとんどの冬眠動物は、冬眠前に体重の30~40%にあたる脂肪を体内に蓄積します。冬眠中はこの脂肪を使って、代謝活性のためのエネルギー源とし、飲まず食わずの生活を続けるものが多く存在します。

冬眠中、体温は外気温に応じて下がり、それと同時に呼吸数・心拍数も減り、エネルギーの消費量が節約されます。

また、冬眠であっても2~15日おきに目を覚まして体温を上げ、排泄をしてまた眠るといったことを繰り返します(冬眠期間中であってもかなりのエネルギーを消費しているようです)。

※クマの場合(小型哺乳類の冬眠より若干の進化させているようです。)
活動期の37℃~39℃に対し、冬眠期でも31℃~35℃くらいはあり、ずっと寝続けており、基礎代謝量は確実に下げているようです。しかし、排尿はしないが腎臓は働いており、そこでつくられた尿は再び膀胱壁から吸収され、アミノ酸再構築に利用されています。また何ヶ月も動かなくても、骨の代謝はきちんと行われているので、骨がもろくなることもないと言われています。

【生存率】
冬眠中の死亡率は予想外に低くなっているようです。
エゾシマリスの場合には、春から秋の活動期間中には、およそ50%の個体が捕食されるなどして死亡するのに対して、冬眠期間中は5%以下と低く、冬眠が対捕食者対策として有効なことを示しています。

そして、冬眠する動物は、通常年1回、春に繁殖期を迎えますが、冬眠によって春までの生存率が高くことにより、子孫を残すチャンスも大きくなります。


つまり、哺乳類における冬眠とは、生存率を高め子孫を残すという生き残り戦略の一つの仕組みであり、ペルム紀(石炭紀後期)に原哺乳類が誕生して以降、度重なる寒冷期を生き延びてきた証だと思われます。

村田頼哉

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