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2014年8月10日 (日)

背骨(脊椎)のできるまで

脊椎動物の進化を考える上で、魚類の汽水域適応が脊椎(背骨)をつくるターニングポイントとなったことは確かですが、その前段階はどのようなものであったかを調べてみました。

まずは、「ピカイア」と呼ばれる現在の「ナメクジウオ」と同じような生物において脊椎の原型となる運動神経中枢としての脊索(せきさく)がつくられます。

ついで、海底に棲んでいた「アランダスピス」において、リン酸カルシウムを体内(ただし頭の皮甲と呼ばれる部分)に貯蔵し始めます。リン酸もカルシウムも生命維持に不可欠なミネラルのひとつです。カルシウムは海水中に安定的に存在しますが、植物性プランクトンを摂取することで得られるリン酸は、年中平均的に手に入るものではありません。(季節による変動性が激しい)そこで、まず「アランダスピス」はリン酸とカルシウムを結合させて体内に貯蔵し、安定的に供給する仕組みを作り出しました。(リン酸カルシウムは血液に溶かして使うことが容易な生物の恒常性維持には便利な構造を持っています。)

そしてオウムガイに押されてカルシウム濃度の低い汽水域に進出(脱出)していく過程で、このリン酸カルシウム貯蔵庫としての骨が、カルシウム不足にも対応する可能性を開いていきました。こうして脊椎を持った最初の魚「ケイロレピス」が登場します。頭だけではなく体の中軸である背骨部分にリン酸カルシウムを蓄積させていったのは、浅瀬の汽水域は海底に比べて浮力が小さく、重力の影響が大きいことや、俊敏に逃げるための運動神経を強化させるためでしょうか。(がっちりした骨がなくては運動系の筋肉も発達させることができませんので)

このように、ミネラル貯蔵庫としての骨という側面と、運動神経中枢としての骨という側面が塗り重ねられながら脊椎動物の基本形が作られていったのではないでしょうか?

参考:人体 失敗の進化史 遠藤秀紀
   生命:40億年はるかな旅2
   カルシウムの話  リンク 

山澤貴志

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