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2014年9月 9日 (火)

哺乳類の摂理について【2】

 哺乳類の場合、成長したオスが生まれ育った群れを出て行くケースが大半であるのは150757のとおりですが、なぜそうなるのか?。

 前項でも少し触れたように、哺乳類の集団形成は『単体型』→『単雄複雌型』→『複雄複雌型』という進化の流れになっています。

 群れを形成した哺乳類では、メス同士の性闘争は封鎖されているので、メスが出自集団を出て行く習性は形成されにくいと考えられます。しかし、オス同士の性闘争はどの群れにも残存し、この敗者は、基本的には勝者の縄張りから追い出されます。この本能を前提にしつつ、行動半径の広さも相まって、発情前に一旦出自集団を出て行く若オスの習性が形成されたのが『単雄複雌型』だと考えると納得がいきます。この集団形態は言うまでもなく母系制です。

 その後、より大型の集団を形成していく戦略を採ったのが、若オスも縄張りから出て行かなくなった『複雄複雌型』ですが、発情期に性闘争に敗れたオスは、『複雄複雌型』の集団でも例えばアザラシやゾウのように縄張り=出自集団を出て行くケースが一般的なのも忘れてはならいない点で、この集団形態もムスメ残留の母系制になります。

 その中で、例外的に父系制を採っているのがリカオンとチンパンジーですが、初期の『集団型』の1類型としてこの集団形態が登場したならいざ知らず、いずれも大型集団を形成できるところまで進化した種(=後発組)です。そして、共に移動生活を送っていることとも関連して、リカオンの場合は自分たちより強いライオンやハイエナなどに対峙する外圧を常時受けてながら狩りを行っている・・・、チンパンジーの場合は力の拮抗した同種他集団とのいつ果てるとも知れない縄張り闘争に遭遇する機会が多い・・・というような特徴があります。これらの状況に対応するために、群れの戦闘力を高く保てるムスコ残留という様式を選択したと考えると、他の哺乳類にほとんど例を見ない特殊な父系制集団の成立原因もほぼ理解できます。

 以上、前稿と本稿の考察からは、哺乳類の摂理は、オス同士の性闘争の激しさと母系制による集団形成にあると言っても支障はないと思います。

土山惣一郎

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