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2014年10月

2014年10月30日 (木)

魚類の性(雌雄同体)

・魚類で性染色体(性決定遺伝子)が確認されている種はわずかであり、性決定は遺伝子によるとは限らない。性的には未分化の種が多いとされている。
(性転換する魚類では性決定遺伝子は確認されていない)
(マス類は遺伝的に性決定されるが、人工的に性ホルモンで雄化させることができ、養殖に利用されている)

・性染色体以外の性決定される要素には温度、pH 、幼魚期の環境条件などがあり、北大西洋にすむトウゴロウイワシ科では、繁殖期前半の水温が低いときに産まれた卵は雌に、繁殖期後半に水温が高くなってから産まれた卵は雄に性分化する傾向がある。

・魚類の生殖様式、性様式は多様で、純粋な卵生魚から完全な胎生魚、普通の雌雄異体から、幼時雌雄同体、雌性先熟雌雄同体、雄性先熟雌雄同体、同時的雌雄同体、雌性発生を行なう天然のクローン魚、自家受精を行う雌雄同体のクローン魚等がある。

雌雄同体は大きく以下のタイプ分類できる。

1.異時的雌雄同体(隣接的雌雄同体)
性転換をすることにより、一生の間に両方の性で繁殖できる雌雄同体。

・雄性先熟:雄として成熟し、のちに雌に性転換する
コチ科、クロダイ・キチヌ(タイ科)、スズメダイ科クマノミ亜科、ドジョウ科などの9科。

・雌性先熟:雌として成熟し、のちに雄に性転換する
べラ科、ブダイ科、キンチャクダイ科、タウナギ科などの約20科。
生まれながらの雄(一次雄)と雌から性転換した雄(二次雄)が存在する種(キュウセン、ホンベラ、シラスキバハゼなど)と一次雄が存在しない種がある。

・双方向性転換:雌雄いずれの方向にも性転換できる
ダルマハゼ、オキナワベニハゼ(ハゼ科)、ホンソメワケベラ(べラ科)、アカハラヤッコ(キンチャクダイ科)など。

2.同時的雌雄同体
両性生殖腺をもち、雌雄いずれの性でも生殖可能である。
深海性のヒメ目、浅海性のハタ科ヒメコダイ亜科などは性役割を交代しながら産卵行動を行う。
フロリダ半島・西インド諸島にすむリヴィルス・マルモラトス(カダヤシ目アプロケイルス科)は「自家受精」できる同時的雌雄同体。


※参考:リンク
※雌雄同体とは、一般に雄の生殖器官と雌の生殖器官を1個体に持っているものを言う。
→ウィキペディア「雌雄同体」リンク 
→MSNエンカルタ「雌雄同体」リンク

※オスメス分化の番外編(雌雄同体)リンク 

岩井裕介

2014年10月27日 (月)

分裂と生殖の秘密4:細胞の役割分化と多細胞体制

■(真核→2倍体→有性生殖)さらに、多細胞生物が登場したのは、なんで?

約10億年前に始原多細胞生物登場。~約6億年前エディカラ動物群~約5.5億年前バージェス動物群の登場によって、生物の原型はほぼ出揃った。なぜ、このように急速に多様な多細胞生物へ進化したのか?

●生殖細胞と体細胞の役割分化
○原核生物はひとつの細胞で全ての機能を担う、単一の万能細胞である。真核単細胞生物も基本的に同じであるが、細胞内器官における生殖とその他機能への分化が見られる(ex.ゾウリムシの小核と大核)。

○単細胞と多細胞の中間形態といわれる細胞群体において、生殖細胞と(1種類の)体細胞への機能分化が見られる(ex.ボルボックス)。

○2倍体の真核細胞生物は、減数分裂システムを有性生殖オンリーの生殖細胞へ、無性生殖システムをその他機能の体細胞へと特化させてゆく。

◆生殖細胞→減数分裂システム(有性生殖):最も負担の大きい生殖過程(配偶子形成→受精)のみに特化。DNA変異を組み込みながら種を次世代へ継承。
(配偶子の合体した受精卵は、個体を形成するあらゆる細胞を生み出す全能性を有する)

◆体細胞→単純分裂システム:各器官を形成し、各々の仕事を行うことに特化。体細胞は一代でリセット、個体の寿命=死の登場。
(体細胞は、どの仕事の細胞へ分化するかいったん決まると、それを変えることはほとんどなく、特定の機能を果たし、やがて死滅する)


★生殖細胞(保存)と体細胞(仕事)の役割分化が、系統的にも発生的にも多細胞体制の原点となっている。

★生殖細胞と体細胞の役割分化→有性生殖により、個体の死をもって種を保存する戦略が鮮明となる。



●細胞間シグナル等の情報伝達、統合機能の進化
○生体膜を通した細胞間シグナル(局所ホルモン、情報伝達物質、ホルモン等)等、細胞間コミュニケーションの進化により、細胞の共同体=多細胞体制を実現。

○RNA読み取り機能の専門分化により、さらに体細胞の役割分化と高度化を促進→外圧(自然外圧、種間圧力等)に適応すべく、様々な器官を形成していった。

(カンブリア紀には種の大爆発といわれるほど、実に多様な多細胞生物が登場。中枢神経系の原型を持つ脊索動物も登場。ここでの体細胞の役割分化はDNA変異とは別。実際カンブリア紀には、新しい遺伝子は登場していないといわれる)

(体細胞の役割高度化(≒限定化)をより進めていったのが動物。植物は、細胞の万能性や無性生殖システムを温存している)


★「分化」(生殖細胞と体細胞の分化、体細胞の役割分化)と「統合」(シグナル伝達、統合系)のシステム進化により、多細胞生物は登場し、生物多様性と進化が促進されてゆくことになる。


※ボルボックスの不思議 リンク 
157918 生殖細胞と体細胞の起源(ゾウリムシの事例から)
157872 生殖細胞の全能性
38482 機能進化は遺伝子の変化に直結していない。

岩井裕介

2014年10月24日 (金)

分裂と生殖の秘密3:2倍体→減数分裂システム

■真核単細胞生物登場後(あまり時間をおかずに)、2倍体→減数分裂メカニズム(有性生殖の原型)が登場したのは、なんで?

・2倍体:個体がゲノムを二組持つ生きもの。有性生殖をする動物の多くは、両親から配偶子を通してそれぞれ1セットのゲノム受け取り、計2セットのゲノムを持つ(ヒトは2n=46)。(植物には様々な倍数体が存在する)

・減数分裂:配偶子(ヒトでは精子や卵子)をつくる際の特殊な細胞分裂のこと。通常の細胞は体細胞分裂で増え、2倍体の細胞から2つの2倍体の娘細胞が生じる。減数分裂では2倍体の細胞から4つの1倍体細胞が生じる(ヒトのメスの減数分裂では卵子になるのはこの4つのうちの1つだけ、オスの場合4つとも精子になる)。配偶子は半数体であるが、受精後の細胞のDNAは2倍体を維持する。


○真核細胞生物は、核膜の形成、有糸分裂の確立、細胞内小器官の形成等により、DNAの保存性、複製、分裂精度の安定性を高めた。

○しかし、それだけでは変異可能性は小さくなる。

○変異可能性に賭ける必要のある際(栄養枯渇、環境悪化時)、同種の細胞が合体・接合→変異体を生み出す。おそらくこれが2倍体の起源(ex.クラミドモナス)

○2倍体の2つの細胞が、各々1/2ずつDNAを出し合い、小変異体をつくり出すのが、減数分裂システム。

○初期真核単細胞生物は、一般の体細胞分裂(=無性生殖)と減数分裂によるDNA組み換え(=有性生殖)の両方の過程をもっている。(ex.ゾウリムシ)


★つまり、真核細胞→2倍体→減数分裂は、「安定」と「変異可能性」を内包・両立するシステムとして確立された。原核生物登場後、ここまで約20億年かかっている。このシステムに、多細胞体制、雌雄分化が塗り重ねられ、生物多様性と進化が促進されてゆくことになる。


※二倍体の登場 リンク 
※有性生殖のあゆみ リンク 
※有性生殖と遺伝子の多様性 リンク 
※ゾウリムシの不思議 リンク 

68060 雄雌の存在について① 進化過程での性と雄雌の登場
106703 なぜ生物は二倍体になり、一倍体に戻るのか
106496 1倍体にもどる? 接合による2倍体の必要性とは何だったのか

岩井裕介

2014年10月21日 (火)

初期魚類における「表皮」の進化

約5~4億年前の初期魚類がおかれた環境に注目しながら「表皮」について詳しく見ていきます。


■強固な殻で覆われた初期の魚類の環境
初期魚類にとっての最大の外敵はオウムガイなどの凶暴な肉食生物であった。強固な殻で覆って身を守っていた初期の魚類はぎこちなく動くことしかできなかった。

■魚類に求められた機能
凶暴生物から逃れる為に魚類は海から「淡水に近い汽水域」へ逃避した。その環境の変化の中で以下のような機能が求められた。

①逃避機能の向上
②水質の変化に適応する
③外敵から身を守る

この3点を克服する為、表皮がどのように適応したのかを見ていく。


■①の克服 ―殻を小さく分割する―
体全体を覆っていた「鎧」のような固い殻では自由に動くことができないために、小さく分割し体をくねらせることを可能にした。やがて表面が滑らかで軽量な「うろこ」へと形状を変化させた。

■②の克服 ―防水、保水機能―
海水から淡水への変化で最も大きな影響なのが「塩分濃度」である。淡水に行った場合、「浸透圧の上昇」によって体内に水が入って膨張してしまう。そこで、表皮に「フィルター」を作り出すことで水の浸入を防いだ。具体的には「うろこ」と「粘膜」によった。まず体全体を「粘膜」で覆い、その内側をさらに「うろこ」でガードした。

■③の克服 ―密実で強固な表皮―
外敵から身を守るためには「固い殻」を継承した「うろこ」が有効に働く。
外敵は目に見える大きな生物だけではなくて微生物にも言えることで、これに対しては同様に「うろこ」と粘性の高いムチンなどの「粘液」によって体表面をコーティングして身を守った。


以上のような3つの観点から考察すると「動きやすく」、「外部と遮断する」機能が求められ、「硬い殻」は次第に「うろこ」へと変化し、その表面を「粘液」で覆った方向へと収束したと考えられる。

外敵から身を守る機能が魚類の進化を促していることがよく分かる。


参考資料
・ねっとで水族館(リンク  「3:鱗(ウロコ) それは体を守る鎧か?」
・インターネット自然史博物館(リンク 「(1)表皮の進化」
・ディスカス ブルーウォーター (リンク 「魚の不思議>魚類の表皮の構造」
・Wikipedia 「粘液」「ムチン」

橋本宏 

2014年10月18日 (土)

生殖細胞の全能性

有性生殖の生物個体は一個の受精卵から生まれる。そこからあらゆる体細胞が分化し、生命維持を支える器官を形成する。体細胞は一代限りだが、その源となる生殖細胞は次世代へ遺伝情報を受け継ぎ「種の保存」を実現している。

この生殖細胞の「全能性」はどのような仕組みで成立しているのか?
興味深い記事があったので紹介します。

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『生殖細胞の起源と特性:全能性の謎に迫る』
斎藤通紀氏の研究紹介記事 理研ニュース2005年11月より
リンク 

多細胞生物の細胞は、生殖細胞と体細胞に分けられる。生殖細胞とは、卵や精子、あるいは、それらをつくり出す源となる細胞である。生殖細胞以外の、体をつくるあらゆる細胞が、体細胞である。体細胞は、どの種類の細胞へ分化するかその運命がいったん決まってしまうと、それを変えることはほとんどなく、与えられた特定の機能を果たし、やがて死滅する。あらゆる種類の細胞に分化して、次の世代をつくる全能性を持つのは、卵と精子が融合した受精卵だけである。生殖細胞はどのようにしてこの全能性をその発生過程で獲得するのか。
<略>


●哺乳類の生殖細胞の起源
生殖細胞がなくても個体は生存できる。しかし、遺伝情報を祖先から受け継ぎ、子孫へ伝えることができるのは生殖細胞だけだ。「なぜ生殖細胞には次の世代をつくる全能性があるのか。その生殖細胞はどのようなメカニズムでつくられるのか。生殖細胞には、ゲノムの全能力を引き出す秘密が隠されています。それを知りたいのです」と斎藤チームリーダーは研究テーマを説明する。

生殖細胞のつくられ方は、例えばカエルやショウジョウバエと、哺乳類では異なる。カエルなどの卵の中には、生殖細胞を生み出すための「生殖顆粒」と呼ばれる構造があらかじめ含まれている。卵は受精すると細胞分裂を繰り返し、さまざまな種類の体細胞へと分化していくが、生殖顆粒を含む細胞だけは生殖細胞へと分化していく。生殖顆粒には体細胞への分化に必要な遺伝子の発現を抑える働きがあり、それを含む細胞は受精卵が持つ全能性を潜在的に保ったまま生殖細胞へと分化していくのだ。

一方、マウスやヒトなど哺乳類の卵には生殖顆粒は存在しない。マウスの場合、受精後3.5日に胚盤胞という状態になる。胚盤胞の外側の細胞(栄養外胚葉)は胎盤など胎児の成長を支える組織となり、内側の細胞(内部細胞塊)が胎児の体となる。この内部細胞塊の一つ一つの細胞はいずれも、あらゆる種類の細胞に分化できる多分化能を持っている。内部細胞塊の細胞群は体細胞へと分化を始めるが、やがて一部の細胞が体細胞化への道を外れ、生殖細胞へ分化する。では、体細胞と生殖細胞の運命の分かれ道は、どのようにして決まるのか。
<略>

その重要なポイントは、体細胞で発現している遺伝子群の特異的な抑制である。体細胞の性質を決める「ホックス遺伝子群」が、始原生殖細胞では完全に抑制されているのだ。
<略>


●遺伝子発現を制御するマーク
体細胞も生殖細胞も、すべての遺伝情報であるゲノムを持っている。では、なぜ生殖細胞だけがさまざまな細胞へ分化し、次の世代をつくる全能性を獲得できるのか。体細胞と生殖細胞では何が違うのか。その大きな違いは、ゲノム上に付けられている遺伝子発現をコントロールする“マーク”の付き方だと考えられる。

ゲノムに付くマークには、大きく分けて2種類が知られている。一つは、DNAにある塩基の一種であるシトシンにメチル基が付く「DNAのメチル化」。もう一つは、DNAが巻き付くヒストンというタンパク質がメチル化やアセチル化される「ヒストン修飾」である。DNAのメチル化では、遺伝子発現のスイッチとなる領域(プロモーターなど)がメチル化されることで、スイッチが入りにくくなる。ヒストン修飾は、ヒストンのどの部分がメチル化・アセチル化されるかなどによって、スイッチの入りやすさ、遺伝子発現の抑制の度合いに違いが表れる。ある種の刺激があるとすぐに遺伝子が発現するマークもある。
<略>


●マークを再編集して全能性を獲得
斎藤チームリーダーらは、生殖細胞の中でゲノム上のマークがどのように変化するのかを詳しく調べている。受精のための特殊な細胞である卵子や精子には、それぞれに必要なマークが付いている。

しかし受精後、そのマークが取られていき、3.5日目の胚盤胞期でゲノム全体のDNAメチル化の相対量は最低の状態になる。ただしゲノムインプリンティングのマークだけは胚盤胞でも消えない。その後、体細胞へと分化していくにつれてマークが増えていく。体細胞に分化した細胞では、ゲノムインプリンティングのマークは生涯にわたり消えない。
「体細胞では、分化していく過程で、例えば神経細胞の中で筋肉細胞の遺伝子が働かないように、不要な遺伝子には発現を強く抑制するマークがたくさん付いていきます。だから体細胞はさまざまな細胞には分化できないのです」

しかしBlimp1が発現し生殖細胞の形成がほぼ完了する8.0日目以降、生殖細胞では抑制性のマークが再び消えていくことを、研修生の関由行さんが発見した。「生殖細胞の中でだけ、ゲノム上に付いた通常は安定であるはずの抑制性のマークがきれいに消され、ゲノムは初期化されて“新品”の状態になるのです。その後、初期胚や内部細胞塊に特徴的なマークが付くことが分かりました」。

このようなゲノム上のマークの初期化と再編集によって、生殖細胞は全能性を獲得すると考えられる。
<略>

------------------------------------------

匿名希望

2014年10月15日 (水)

生殖細胞の特殊性 -始原生殖細胞から精子形成までー

生殖細胞は、胎児期にまったく別のところから生じる。

受精すると、短期間で細胞分化がおこり、様々な器官が発生していく。

その際に3つの胚葉(外胚葉、中胚葉、内胚葉)ができ、それぞれの胚葉からはいろいろな器官が分化し、
体細胞を作り出していく。

しかし、その3つの胚葉の分化以前に、将来、胚体外中胚葉に分化する領域から
哺乳類の始原生殖細胞は生じてくる。
つまり、生殖に関する細胞はどの胚にも属さないところで発生、分化していく。

生殖腺が作られていくところとは別のところで分化していくため、
始原生殖細胞は移動して、将来、生殖腺になる場所まで移動しなければならない。

生殖腺となる場所は、ヒトで10mm前後の胚において、腎臓と背側腸間膜との間に生じる(生殖隆起)。

発生する体細胞系列の細胞間をすり抜けながら、
独自に発生した始原生殖細胞はアメーバ運動によって生殖隆起まで移動していく。(この移動間も細胞分裂が起こり、増数している。)

生殖隆起まで達すると生殖細胞が取り込まれ、生殖細胞を含む索状の構造(一次性索)を形成する。
この後、雄雌分化がおこり、精細胞、卵細胞へと変化していくが今回は精細胞に着目する。


生殖腺にたどり着いた原始生殖細胞は、ある時期まで分裂を繰り返して増数し、そこで休眠し、
思春期になると、これらは活発に分裂を始めて精子を生産するようになる。

思春期に達すると、休眠していた精原細胞は体細胞分裂を繰り返し増数する。
精原細胞が成長すると一時精母細胞(2n)となり、減数分裂し、
二次精母細胞(n)を形成。
二次精母細胞がもう一度体細胞分裂し、
精細胞(n)を形成、精細胞は変形し精子となる。


このように、生殖細胞と体細胞は発生段階から大きくことなっており、他の体細胞に比べ、
かなり初期の段階からその形成が始まっており、精子形成までの細胞分裂も特殊である。

青苗

2014年10月12日 (日)

一般の体細胞と造精細胞との違い

造精細胞というのは将来精子になる細胞。造精細胞は「精原細胞→第一次精母細胞→第二次精母細胞→精細胞→精子」というプロセスを経て精子になってゆく。

精巣の中で、始原生殖細胞(受精後すぐに体細胞と分化した生殖細胞のもと)は精原細胞になる。精原細胞は生殖適齢期になると、絶えず分裂して、精原細胞のストックを作るとともに、次の段階へ移行する幹細胞となって行く。

次の段階へ移行できる精原細胞は、さらに分裂して第一次精母細胞になる。はじめは核も細胞質も小さいが、時間をかけて成熟し、核が大きくなる。成長した精母細胞は、減数分裂Ⅰによって、2個の第二次精母細胞となり、つづいておこる減数分裂Ⅱによって4個の精細胞になる。精細胞は減数分裂の結果、一般の体細胞よりも核も細胞質も小さくなる。

造精細胞にピタリと寄り添ってセルトリ細胞があり、精細胞はセルトリ細胞の細胞質内に頭を突っ込んで変態を始める。そして、精細胞は細胞質を失い、先体、ミトコンドリアの詰まった中節、尾を備えた精子となる。

セルトリ細胞というのは、造精細胞が精子になるのを助ける細胞。中胚葉由来の細胞で、精細管の壁から立ち上がるように間隔を置いて配列されている。核に切れ込みがあり、細胞の区画がはっきりしない。造精細胞へ栄養補給を行ったり、細菌等の外敵から造精細胞を守ったり、体細胞が造精細胞を異物と認識して攻撃するのを防いだりする役割を担っている。

次の段階へ移行する運命にある精原細胞は、分裂しても細胞質が完全には分離せず、細胞間橋によりつながっており、このつながりは以後、精細胞になるまで保たれる。そのため多数の細胞が同調的に分裂して、一つながりの精細胞となり、一つながりの細胞質がセルトリ細胞に吸収されて精子が作られる。

以上リンクを参考


造精細胞が一般の体細胞と違う点を整理すると、以下のようになる。
①受精後すぐに体細胞の系列と分化するが、生殖腺(精巣)に収まると、生殖適齢期になるまでは休眠している。(殆ど分裂しない。)
②生殖適齢期に達すると活発に分裂するが、減数分裂によって、二倍体細胞から一倍体細胞に変わる。(核も細胞質も小さくなる。)
③精原細胞は、分裂しても細胞質が繋がっており、同調的に分裂する。
④最後に精子になる時は、セルトリ細胞の作用によって変態する。(細胞質を失う。)

雪竹恭一

2014年10月 9日 (木)

膜タンパク質と浸透圧調節

淡水魚の浸透圧調節のしくみは前述のとおり(155998)ですが、ちなみに海水魚の場合は、淡水魚とは異なる仕組みで浸透圧を調節しています。海水魚の場合、周囲の浸透圧のほうが約3倍高いため、そのままでは、体内の水がエラなどからどんどん逃げだして「しぼんで」しまいます(塩分などの電解質はどんどん流れこもうとする)。

だから海水魚は、どんどん海水を飲んで、腸の壁などから吸収します。また、とりすぎた電解質は、エラに発達した塩類細胞から排出します。尿は少ししか出しません。

このように、魚は主にエラ・腸・腎臓などの器官を使って体内のイオン濃度、浸透圧を調節しています。

ところで、この仕組みをミクロな視点で見ると、「膜タンパク質」が重要な役割を果たしていることがわかります。

体の細胞は脂質からできた二重膜に包まれています。それだけでは、イオンはこの膜を通り抜けることはできないのですが、細胞膜には、特定のイオンだけを透過させることができる膜タンパク質が存在します。これにより、過剰なイオンを排泄したり、不足しているイオンを能動的に吸収したりすることができます。
→膜タンパク質について、詳しくはコチラ 『膜タンパクの様々な働き』(Biological Journal)リンク 

魚のエラ・腸・腎臓などの器官にも、こうしたイオンを輸送する膜タンパク質が何種類もあり、これらの働きのおかげで、魚は環境との浸透圧差に対応して生きられるとも言えます。

岩井裕介

2014年10月 6日 (月)

縄張り状況の違い

ライオンを含めた、哺乳類の生息域は地上。
それに対して、サルの生息域は樹上。

地上において、縄張りを追われた哺乳類は放浪。
その間に出会った同類に対しては、縄張り闘争本能を封鎖することなく立ち向かっていく。決着がつけば、敗者は再び放浪し、それを繰り返していくうちに「餓死」したり外敵に「捕食」されたりする。

それに対して、樹上では、縄張りを追われた原猿は放浪。
その間に出合った同類に対しては、縄張り闘争本能を封鎖することなく立ち向かっていく。決着がつけば、敗者は再び放浪し、それを繰り返すのだが、食糧が豊富な『樹上』では「餓死」しないし、外敵も極めて少ないので「捕食」されることも無い。

縄張り闘争には勝てないのに、死なずに生きている=本能の混濁。

混濁した本能は、『性闘争本能』ではないか。
性闘争本能が混濁した原猿は、縄張り闘争本能も混濁。
出合った同類に対して、闘いを挑むことが無くなる。

警戒心(危機逃避本能)すら混濁したのだろうか?

ゲン

2014年10月 3日 (金)

庇護本能ってなに?

庇護本能って性闘争の果てに獲得したメスとその子どもへ向かうものだとなんとなく思っていたけど、生物には自分の子供を認識する機能なんてないわけで、ヒグマなんかだと自分の子供であっても食べてしまう。

そうすると庇護本能っていったいなんなんだ?

とみー

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