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2014年10月24日 (金)

分裂と生殖の秘密3:2倍体→減数分裂システム

■真核単細胞生物登場後(あまり時間をおかずに)、2倍体→減数分裂メカニズム(有性生殖の原型)が登場したのは、なんで?

・2倍体:個体がゲノムを二組持つ生きもの。有性生殖をする動物の多くは、両親から配偶子を通してそれぞれ1セットのゲノム受け取り、計2セットのゲノムを持つ(ヒトは2n=46)。(植物には様々な倍数体が存在する)

・減数分裂:配偶子(ヒトでは精子や卵子)をつくる際の特殊な細胞分裂のこと。通常の細胞は体細胞分裂で増え、2倍体の細胞から2つの2倍体の娘細胞が生じる。減数分裂では2倍体の細胞から4つの1倍体細胞が生じる(ヒトのメスの減数分裂では卵子になるのはこの4つのうちの1つだけ、オスの場合4つとも精子になる)。配偶子は半数体であるが、受精後の細胞のDNAは2倍体を維持する。


○真核細胞生物は、核膜の形成、有糸分裂の確立、細胞内小器官の形成等により、DNAの保存性、複製、分裂精度の安定性を高めた。

○しかし、それだけでは変異可能性は小さくなる。

○変異可能性に賭ける必要のある際(栄養枯渇、環境悪化時)、同種の細胞が合体・接合→変異体を生み出す。おそらくこれが2倍体の起源(ex.クラミドモナス)

○2倍体の2つの細胞が、各々1/2ずつDNAを出し合い、小変異体をつくり出すのが、減数分裂システム。

○初期真核単細胞生物は、一般の体細胞分裂(=無性生殖)と減数分裂によるDNA組み換え(=有性生殖)の両方の過程をもっている。(ex.ゾウリムシ)


★つまり、真核細胞→2倍体→減数分裂は、「安定」と「変異可能性」を内包・両立するシステムとして確立された。原核生物登場後、ここまで約20億年かかっている。このシステムに、多細胞体制、雌雄分化が塗り重ねられ、生物多様性と進化が促進されてゆくことになる。


※二倍体の登場 リンク 
※有性生殖のあゆみ リンク 
※有性生殖と遺伝子の多様性 リンク 
※ゾウリムシの不思議 リンク 

68060 雄雌の存在について① 進化過程での性と雄雌の登場
106703 なぜ生物は二倍体になり、一倍体に戻るのか
106496 1倍体にもどる? 接合による2倍体の必要性とは何だったのか

岩井裕介

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