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2014年10月27日 (月)

分裂と生殖の秘密4:細胞の役割分化と多細胞体制

■(真核→2倍体→有性生殖)さらに、多細胞生物が登場したのは、なんで?

約10億年前に始原多細胞生物登場。~約6億年前エディカラ動物群~約5.5億年前バージェス動物群の登場によって、生物の原型はほぼ出揃った。なぜ、このように急速に多様な多細胞生物へ進化したのか?

●生殖細胞と体細胞の役割分化
○原核生物はひとつの細胞で全ての機能を担う、単一の万能細胞である。真核単細胞生物も基本的に同じであるが、細胞内器官における生殖とその他機能への分化が見られる(ex.ゾウリムシの小核と大核)。

○単細胞と多細胞の中間形態といわれる細胞群体において、生殖細胞と(1種類の)体細胞への機能分化が見られる(ex.ボルボックス)。

○2倍体の真核細胞生物は、減数分裂システムを有性生殖オンリーの生殖細胞へ、無性生殖システムをその他機能の体細胞へと特化させてゆく。

◆生殖細胞→減数分裂システム(有性生殖):最も負担の大きい生殖過程(配偶子形成→受精)のみに特化。DNA変異を組み込みながら種を次世代へ継承。
(配偶子の合体した受精卵は、個体を形成するあらゆる細胞を生み出す全能性を有する)

◆体細胞→単純分裂システム:各器官を形成し、各々の仕事を行うことに特化。体細胞は一代でリセット、個体の寿命=死の登場。
(体細胞は、どの仕事の細胞へ分化するかいったん決まると、それを変えることはほとんどなく、特定の機能を果たし、やがて死滅する)


★生殖細胞(保存)と体細胞(仕事)の役割分化が、系統的にも発生的にも多細胞体制の原点となっている。

★生殖細胞と体細胞の役割分化→有性生殖により、個体の死をもって種を保存する戦略が鮮明となる。



●細胞間シグナル等の情報伝達、統合機能の進化
○生体膜を通した細胞間シグナル(局所ホルモン、情報伝達物質、ホルモン等)等、細胞間コミュニケーションの進化により、細胞の共同体=多細胞体制を実現。

○RNA読み取り機能の専門分化により、さらに体細胞の役割分化と高度化を促進→外圧(自然外圧、種間圧力等)に適応すべく、様々な器官を形成していった。

(カンブリア紀には種の大爆発といわれるほど、実に多様な多細胞生物が登場。中枢神経系の原型を持つ脊索動物も登場。ここでの体細胞の役割分化はDNA変異とは別。実際カンブリア紀には、新しい遺伝子は登場していないといわれる)

(体細胞の役割高度化(≒限定化)をより進めていったのが動物。植物は、細胞の万能性や無性生殖システムを温存している)


★「分化」(生殖細胞と体細胞の分化、体細胞の役割分化)と「統合」(シグナル伝達、統合系)のシステム進化により、多細胞生物は登場し、生物多様性と進化が促進されてゆくことになる。


※ボルボックスの不思議 リンク 
157918 生殖細胞と体細胞の起源(ゾウリムシの事例から)
157872 生殖細胞の全能性
38482 機能進化は遺伝子の変化に直結していない。

岩井裕介

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