« 生殖細胞の全能性 | トップページ | 分裂と生殖の秘密3:2倍体→減数分裂システム »

2014年10月21日 (火)

初期魚類における「表皮」の進化

約5~4億年前の初期魚類がおかれた環境に注目しながら「表皮」について詳しく見ていきます。


■強固な殻で覆われた初期の魚類の環境
初期魚類にとっての最大の外敵はオウムガイなどの凶暴な肉食生物であった。強固な殻で覆って身を守っていた初期の魚類はぎこちなく動くことしかできなかった。

■魚類に求められた機能
凶暴生物から逃れる為に魚類は海から「淡水に近い汽水域」へ逃避した。その環境の変化の中で以下のような機能が求められた。

①逃避機能の向上
②水質の変化に適応する
③外敵から身を守る

この3点を克服する為、表皮がどのように適応したのかを見ていく。


■①の克服 ―殻を小さく分割する―
体全体を覆っていた「鎧」のような固い殻では自由に動くことができないために、小さく分割し体をくねらせることを可能にした。やがて表面が滑らかで軽量な「うろこ」へと形状を変化させた。

■②の克服 ―防水、保水機能―
海水から淡水への変化で最も大きな影響なのが「塩分濃度」である。淡水に行った場合、「浸透圧の上昇」によって体内に水が入って膨張してしまう。そこで、表皮に「フィルター」を作り出すことで水の浸入を防いだ。具体的には「うろこ」と「粘膜」によった。まず体全体を「粘膜」で覆い、その内側をさらに「うろこ」でガードした。

■③の克服 ―密実で強固な表皮―
外敵から身を守るためには「固い殻」を継承した「うろこ」が有効に働く。
外敵は目に見える大きな生物だけではなくて微生物にも言えることで、これに対しては同様に「うろこ」と粘性の高いムチンなどの「粘液」によって体表面をコーティングして身を守った。


以上のような3つの観点から考察すると「動きやすく」、「外部と遮断する」機能が求められ、「硬い殻」は次第に「うろこ」へと変化し、その表面を「粘液」で覆った方向へと収束したと考えられる。

外敵から身を守る機能が魚類の進化を促していることがよく分かる。


参考資料
・ねっとで水族館(リンク  「3:鱗(ウロコ) それは体を守る鎧か?」
・インターネット自然史博物館(リンク 「(1)表皮の進化」
・ディスカス ブルーウォーター (リンク 「魚の不思議>魚類の表皮の構造」
・Wikipedia 「粘液」「ムチン」

橋本宏 

« 生殖細胞の全能性 | トップページ | 分裂と生殖の秘密3:2倍体→減数分裂システム »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 初期魚類における「表皮」の進化:

« 生殖細胞の全能性 | トップページ | 分裂と生殖の秘密3:2倍体→減数分裂システム »

Ranking

  • にほんブログ村 科学ブログ 生物学・生物科学へ お勧めサイトランキングへ
2020年8月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31          

カウンター

最近のトラックバック

無料ブログはココログ