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2014年10月 9日 (木)

膜タンパク質と浸透圧調節

淡水魚の浸透圧調節のしくみは前述のとおり(155998)ですが、ちなみに海水魚の場合は、淡水魚とは異なる仕組みで浸透圧を調節しています。海水魚の場合、周囲の浸透圧のほうが約3倍高いため、そのままでは、体内の水がエラなどからどんどん逃げだして「しぼんで」しまいます(塩分などの電解質はどんどん流れこもうとする)。

だから海水魚は、どんどん海水を飲んで、腸の壁などから吸収します。また、とりすぎた電解質は、エラに発達した塩類細胞から排出します。尿は少ししか出しません。

このように、魚は主にエラ・腸・腎臓などの器官を使って体内のイオン濃度、浸透圧を調節しています。

ところで、この仕組みをミクロな視点で見ると、「膜タンパク質」が重要な役割を果たしていることがわかります。

体の細胞は脂質からできた二重膜に包まれています。それだけでは、イオンはこの膜を通り抜けることはできないのですが、細胞膜には、特定のイオンだけを透過させることができる膜タンパク質が存在します。これにより、過剰なイオンを排泄したり、不足しているイオンを能動的に吸収したりすることができます。
→膜タンパク質について、詳しくはコチラ 『膜タンパクの様々な働き』(Biological Journal)リンク 

魚のエラ・腸・腎臓などの器官にも、こうしたイオンを輸送する膜タンパク質が何種類もあり、これらの働きのおかげで、魚は環境との浸透圧差に対応して生きられるとも言えます。

岩井裕介

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