« 真核単細胞の接合にも、”性システム”の原型が | トップページ | 性決定の要因 »

2014年11月14日 (金)

メスが原型で、オスが後天型という点について

>また、生物学的には元々生物は全てメスであり、後天的にオスが作られたという学説が最近、発表されています。

確かに、哺乳類を見ると、二倍体である染色体群の中で、性決定に係わる性染色体の組み合わせは、メスがXX(性染色体はXが二つ)、オスがXY(X染色体とY染色体)です。

哺乳類は、胚発生の過程で、最初、生殖器官の原型(原メス型)が作られ、その後に、Y染色体が働き(Y染色体にあるオス決定遺伝子が発現し)、生殖器官をオス型に作り変えます。

胚発生過程で、生殖器官の原型が、将来のメス型に近いので、「元々生物は全てメスであり」というような表現がされます。

しかし、鳥類と爬虫類(の一部)では、性染色体の組み合わせが逆になります。

性決定染色体の組み合わせは、メスがZW(Z染色体とW染色体)、オスがZZ(Z染色体が二つ)です。

哺乳類からの類推では、W染色体にメスを決定する性決定遺伝子があり、オスが原型でメスが後天型という事になります。

しかし、事は簡単ではなく、Z染色体上にオスかメスを決定する性決定遺伝子が存在する。(或は、W染色体にZ染色体のオス発現遺伝子を抑制する遺伝子が存在する。)

また、爬虫類のワニでは、性染色体としての明確な区別がなく、外圧条件でオスメス決定が行なわれます。受精卵から胚が発生する温度帯により、生まれるワニはオスになったり、メスになったりします。

つまり、胚の発生過程で、最初はメスであり、その後オスへ分化するとは、一概には言えないと思います。

オスメス分化は、種が変異体を作り出すシステムとして生み出したものです。その意味で、「オスとメスをどう作るかのシステムが、いく通りもある」という理解が必要なのではないでしょうか。

(確かに、安定性、次世代を生む生殖負担の重いメスの方に、進化過程の継続性が強く残っていると言う意味では、メスが原型という表現は可能ですか。)

村田貞雄 

« 真核単細胞の接合にも、”性システム”の原型が | トップページ | 性決定の要因 »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: メスが原型で、オスが後天型という点について:

« 真核単細胞の接合にも、”性システム”の原型が | トップページ | 性決定の要因 »

Ranking

  • にほんブログ村 科学ブログ 生物学・生物科学へ お勧めサイトランキングへ
2020年8月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31          

カウンター

最近のトラックバック

無料ブログはココログ