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2014年12月20日 (土)

接合型から異型配偶子へ進化した?

多細胞化した生物の有性生殖は、そのかなり初期の段階から既に精子、卵子に分化している。アオミドロや海苔の類など僅かな種だけが同型配偶子接合を行うのみだ。従って、配偶子の分化の原基は既に単細胞の段階から存在していたと考えられる。

その一つに、単細胞が接合を行う際に、無条件に相手を選ぶのではなく、特定のタイプの個体同志の組み合わせとなる「接合型」がある。

<出芽酵母>
>一倍体にはa細胞とα細胞という2種類の性(接合型と呼ぶ)が存在する。a細胞どうし、α細胞どうしは接合しない。a細胞とα細胞はそれぞれaファクターとαファクターという特有の性ホルモン(フェロモン)を分泌しており、お互いが十分に近接して相手のフェロモン細胞膜上の受容体で感知すると、通常の増殖を停止し接合をはじめる。互いの方向に向かい細胞が伸長し、互いの細胞膜、続いて核が融合し、二倍体の細胞となる。
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<ゾウリムシ>
大きくE型とO型と呼ばれるタイプに二分され、その中に各々4つのサブタイプがある(ex.E1型、O2型など)。その掛け合わせで計4×416の接合型グループがある(例えば、E1型はO1型としか接合しない)。そもそもゾウリムシの“種”そのものが異なるという議論があったが、近年、雑種が生まれるケースも確認されている。

比較的原始的な多細胞生物(カイメン・サンゴ・ニハイチュウなど)では、通常は無性生殖を行い、生息域の個体数が増えるなどニッチの拡大・移動が必要な場合に精子と卵子を形成し有性生殖を行う場合が多い。単細胞生物の有性生殖の契機もこれに類似している。

このような同一の単細胞生物の種の中での大きな類型(接合型)の違う細胞が、多細胞生物になった段階で躯体内部(雌雄同体の生物では同一躯体内)に取り込まれ、精子・卵子に分化し、次第に雌雄の躯体の分化に進化していった可能性が考えられるのではないだろうか。

田中素

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