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2014年12月 8日 (月)

爬虫類はなぜ卵に殻を作ったのか?

爬虫類に進化して、なぜ卵の殻は固くなったのか?
両生類から爬虫類への外圧の変化と、殻という最も外側を覆うものとしての機能面から、形成の理由を検討する。

□両生類からの外圧変化
・水中から地上へ
爬虫類に進化して最も変化したのが、「水中→陸上」である。陸上に上ったことで、当然産卵場所も変化し、「水中→土の中」へ変化した。
ここで、外圧として考えられるのが、特に「乾燥化・衝撃(重力)」である。これらから派生する問題も含め、4つの視点から卵に求められる機能を見てみる。


□卵の殻の機能面からの検討
・耐衝撃性
「衝撃」の外圧は、外敵から「身を守ること」、自重から「卵の形状を維持すること」である。構造的に合理的な形態、強度が求められる。

・乾燥から守る
水分がない状態であるので、「乾燥化」から守る必要がある。卵内の水分が蒸発しな
いよう、密実であることが求められる。

・ふ化期間の延長
原因か結果かは未明だが、両生類と爬虫類のふ化期間の違いに着目してみる。例えば、ニホンアマガエル(両生類)のふ化期間は2~3週間、ウミガメ(爬虫類)は2ヶ月でふ化する。爬虫類の方が両生類よりもふ化期間が長い→卵である期間が長い。
つまり、卵に「経年劣化に耐えうる強度」が求められる。

・腐敗から守る
ふ化期間の延長に加え、気温の変動が激しい地上は腐敗しやすい環境にあるといえる。そのため、卵を「腐敗から守るコーティング」が必要であると考えられる。


よって、これから考えられる「卵に求められる機能」は「強度(衝撃・経年劣化)・密実であること・耐腐敗性」である。


□卵の構造と殻の形成
・卵の構造
殻に覆われた卵は、内側から、胚盤・卵黄・卵黄膜・卵白・卵殻膜に覆われ、その表面に卵殻が形成されている。

卵殻以外は両性類までの卵の構造とほぼ同様であると考えられる。
胚盤・卵黄が人間で言う卵子であり、胚盤がやがて幼体となる。それを覆う卵白は胚に水分を補給したり、保護する役割を持つ。さらにそれらを卵殻膜が卵全体を包括している。
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両生類までの段階で、卵は膜に覆われ、「保護」の機能はある程度備えていると考えられる。しかしながら、地上へと上った爬虫類には各外圧状況が非常に高まった。
特に「強度」という側面から考えると、両生類のままの卵では明らかに不十分であり、それが最も大きな要因となり「殻」を形成し保護する必要があったのであろう。

橋本宏

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