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2014年12月23日 (火)

四肢で立ち上がる為には

現在の爬虫類は地面を這う形で行動する。爬虫類だけではない。昆虫も含めて殆どの動物は地に這う形で行動している。その意味では地上から立ち上がった動物は、哺乳類(と鳥類等恐竜の子孫)のみである。

四肢で立ち上がるためには、かなり困難ないくつかの条件が必要になってくる。一つは体高が高くなると、そこに血を送る事が(地面に這う=体高が低い状態に比べて)はるかに困難になる。つまり心臓が生み出す血圧が相当高くないと実現しない。同時にその血圧に耐えられる、丈夫な血管と皮膚が必要になる。

第二に地に這う=腹や尻尾も体を支えている状態に比べて、四肢で立つということは肢にかかる重力が遥かに増大する。
それに対して立ち上がることのメリットは、体高が高くなる事で、敵を察知しやすくなる。肢が長くなる事で移動スピードが上がる事である。

では哺乳類はいかにしてそのような能力を獲得するに至ったのだろうか?
恐らく心臓の機能の上昇は土中時代に始まる。土中は通常地上に比べて酸素不足の環境である。この少量の酸素を有効に利用する為に、心肺機能を発達させたのであろう。かつ恒温性の獲得の為には体中に酸素と栄養分を常時大量に送る必要があり、そのことも心肺機能を高める方向で進化させた要因となっている。
また哺乳類の骨格上の特色は、骨が固くかつ肋骨が胸部にしか存在しないない事である。それに対して両生類の骨は軟骨に近く、重い身体を充分に支えられる硬度にかける。また爬虫類は、肋骨が首から尻尾の部分にまで存在し、体を守るためには丈夫であるが、体の大きさに比べて骨の量が多く、従って身体が重い。哺乳類が立ち上がる事が出来たのはこの四肢に掛かる荷重の低さにその要因がある。

しかしこれは逆に言えば、最も重要な心臓と脳を除いて骨格による体躯の防衛を犠牲にしたということでもある。
これは、恐らく弱者であった哺乳類が、防衛を犠牲にしてでも、素早く逃げる事に可能性収束した結果ではないだろうか?

(因みに鳥類や恐竜も一定の心肺機能を有しており、かつ身体を軽くする為に、骨の中を空洞にしていた様である。その結果防衛機能はやや弱く、かつ哺乳類ほどには心肺機能を発達させていない為、動きは哺乳類に対してやや鈍い。その中途半端さが空を飛ぶ鳥を除いて、立ち上がるは虫類が生き残れなかった、もう一つの理由ではないだろうか?)

北村浩司

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