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2015年1月

2015年1月31日 (土)

雌雄分化は遺伝子の協働の賜物

性決定遺伝子の働きのみによって、オスメス分化が成されているかのような誤解が一部に存在する向きがあるが、雌雄分化が促進された哺乳類や鳥類では、躯体のオスメス分化(差別化)は少なくとも三段階存在する。
①共通の性腺から、精巣・卵巣各々を作る指令を行なう遺伝子が発動する段階。
②雄性、雌性のホルモン分泌によって体細胞の機能が変化し、雌雄の体細胞が差別化される段階。
③脳の神経細胞の差別化が促進される段階。

例えば①を司る遺伝子群が発動する事で②を司る遺伝子群が発動し(封印が解除され)②の遺伝子群が発動する事で③を司る遺伝子群が発動される、という風にそれぞれの遺伝子群は連鎖して発動されている。
逆に、鳥類の(ニワトリ)事例に見られるように①で一旦精巣づくりが指令されたとしても②の段階で何らかの理由によって、雄性ホルモンの分泌量が多くなると、①の段階にフィードバックされ、卵巣作りの指令が出しなおされるなど、それらは単純なフローではなく、相互連関関係にある。

またそれだけではなく②の細部でも例えば甲状腺刺激ホルモン(蛋白)が分泌されることで、甲状腺ホルモンが分泌され、声変わりを促進するホルモンが分泌されるという風に、それぞれを司る遺伝子群が存在し、それらは連鎖して発動される。この連鎖は通常数十の蛋白質の連鎖、すなわちそれらを作り出す遺伝子群の連鎖によって行われている。

ちなみに進化の過程ごとに新たな遺伝子群を塗り重ねる事で、オスメス決定の仕組みを高度化させてきたと考えられることから、①の段階も同様に、いくつかの遺伝子群が連鎖的に発動される事で、必要な蛋白質群が作られていると思われる。つまり決して単一の遺伝子の働きで性が決定されているわけではない。勿論③段階目も同様であろう。

要するに遺伝子群が多様に相互連関する事で、雌雄の差別化は生み出されている。まさに遺伝子の協働体がオスメスを作り上げているのだ。
(参照「遺伝子の共同体」59、「蛋白質は多様に連鎖反応する」2747

北村浩司

2015年1月28日 (水)

免疫の進化史を読み解くために不可欠な構造論的視点

免疫機能の高度化の歴史について、基礎的な事実が明らかになると同時に、全体を論理的に理解するためには構造論的な視点が不可欠であることに改めて気づかされました。

1.「免疫は個体の自己認識機能」というドグマから解き放し、「生命体=膜の認識機能は同類認識を原点に進化してきた」という視点から再考する。

一般的には、(先天的に攻撃対象が決まっている)自然免疫から(後天的、学習的に攻撃対象を決定する)獲得免疫へ免疫系は進化したというふうに蓋然的には理解されている。しかし、獲得免疫が進化すると同時に進化していくNK細胞やMHCは先天的要素が強く、免疫細胞を単体として理解したのでは、理解しきれないどころか免疫の本質を見誤るように思われてきました。おそらく、免疫を個体の自己認識機能に限定的に考える学会の傾向が、弊害になっているのではないか。免疫進化の原点は膜の持つ同類認識機能にあり、との視点から免疫進化を種進化、群進化の中に位置づけて見直す必要があるのではないでしょうか。5384

また「自己同一性とは対象同一性」との認識も、免疫の高度化を理解する上では重要な切り口になると考えます。94248

2.免疫進化を「外圧適応態」そして、「分化と統合」という視点から再考する

既に113729 でも指摘されているが、各段階でどのような外圧(逆境)が免疫進化を促したのか、を抑えていくことが重要になる。

そのベースになるのが動物系統の進化は摂食機能の高度化を基本としているという点であろう。そこでなんでも食べてしまう長い消化器官、俊敏な手足といった体細胞の分化が進み、同時に神経系による統合を図っていった。しかし、神経細胞は分裂増殖しないという性質、つまり統合機関でありながら、その部分部分は高度に専門分化されてるという性質を持っており、これはウィルスに弱いという弱点構造を生み出してしまいます。そこで、体中のいたるところにより高機能な安全装置としての免疫が必要になったのだと考えられます。41424

神経系統はヒエラルキー構造を持った指揮系統に近いのですが、指揮系統は権力へと堕落しやすいために、そのような汚染を防ぐべく、全員参加or下からのチェックシステム(例えば社内ネットのような)が必要であり、それが生命体においては体中にくまなく広がる免疫系である、という組織論的なアナロジーも成立するかもしれません。

まずは、体腔動物段階までの摂食機能の中核をなす消化器系の進化と、そこで働いている腸内共生と免疫の関係(10438)は解明すべき、ポイントのひとつになると考えられます。

続いて脊索動物以降では捕食=運動機能を高めた神経系統と免疫機能の関係を、さらに解明していく必要があると考えます。

進化史上の最後の難問は、両生類における免疫寛容の獲得、そして哺乳類におけるMHCの多様化ではないかと考えられます。この免疫系の最新2大進化については、1点目、2点目の認識を総合的に活用することで、初めて整理することができるように思われます。

そしてこれらの免疫の進化史を総合的に捕らえることができるようになれば、現代の免疫不全、アレルギーetcの現代病が免疫という自然の摂理に対してどのような位相にあるかは自ずと理解され、私たちはこれからどのように病気や老化と付き合っていくべきか、ということも理解されるものと考えます。

山澤貴志

2015年1月25日 (日)

マウス繁殖の秘密~手軽な受精と丈夫な膜~

げっ歯類の卵細胞膜の抵抗は強い(≒膜が丈夫)。中でもマウスやラットは、中心体が卵子由来なので、卵子に対して精子頭部のみの注入(≒軽微な接触)で子が産まれるという。

>卵細胞膜の硬さは種によって異なる。げっ歯類などでは卵細胞膜の抵抗性は強いので、ピエゾ装置を使用して顕微授精を行なう。
マウスやラットでは中心体が卵子から生じるので精子頭部のみの顕微授精のみで産子が得られているが、他の動物種では尾部に中心体形成部位があるので、頭部のみの注入で正常な受精は得られていない。
※ピエゾ装置とは電気パルス発生装置のこと。

~北里大学 顕微授精技術に関する論述より
リンク

受精のしやすさは、「卵子に対しては、精子頭部のみの注入でOK(受精成功)!」という手軽さにあり、受精卵の安定度の高さは、丈夫な卵細胞膜に守られている、ということに起因するのではないか。それらが両輪でマウスの多産戦略を支える。

他の哺乳類のように精子に中心体がある場合は、精子の頭部ではなく尾部にあるため、精子全体が卵子に入り込む必要があるが、卵子に中心体があるマウスでは精子は頭部のみで十分受精の役割を果たす。

ラットの繁殖力の秘密は、

①卵子に中心体がある→精子の頭部接触のみで受精する
②受精卵は丈夫な膜に守られ、確実に着床を果たす

この当りにあるのではないか。

阿部佳容子

2015年1月22日 (木)

免疫機能の進化を紐解くインデックス(3)

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凡例 ◎:答え投稿 ★:秀作 ●:佳作 ☆:免疫機能関連投稿 
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41166 免疫の進化は5段階、それは分化と統合(柔軟性)の歴史 

├●【1.多細胞化と共生化の進化段階】
├●【2.神経細胞(ホルモン細胞)が機能分化していく段階】
├●【3.脊椎動物の段階】
├●【4.恒温動物の段階】
││ 体内の恒温システムが実現されると、
││ 一気に寄生者や侵入者が増大した。
││ 本来は常駐しない微生物が細胞内や核内に
││ 隠れ住むようになる。
││ これを認識するための免疫物質の種類も更に増え、
││ 多様性が一段と要求されることになる
││ (認識力の向上が求められる)。 
││ *魚類と哺乳類とでは、抗体多様性の仕組みは
││  遺伝子組み換えの方法が異なる。
││  哺乳類は、はるかに多くの遺伝子組み換えを実現している。 
││
│├★166118 オスメス分化の塗り重ね構造
│├☆162815 哺乳類の恒温性獲得に伴う呼吸器官の発達
│├★38482 機能進化は遺伝子の変化に直結していない。
│└●20211 闘争系の本能回路と神経伝達物質、その1(根源本能)
│ 
└●【5.人類の段階】
 │ 哺乳類でも人類において、大脳という中枢神経が特化していく。
 │ 免疫系も神経系も極論すれば、
 │ 同じホルモン様物質を伝達・刺激物質として使っている。
 │ 免疫系統と神経系統の統合が行われなければ、
 │ 本能系の統合が出来なくなった。
 │ 免疫システムは統合機能を大脳へと委譲していく段階を迎える。
 │ 共認機能観念機能によって免疫系が強化されるようになる。
 │ 
 ├★83042 共認治癒力①
 │└★83081 共認治癒力② 
 ├●16632 免疫系と神経系の関係、その1
 └☆5481 免疫系に見られる認識、階層と構造について、その2
  └☆5394 根源的認識の理解、免疫系に見る…その2
   └☆5529 要素の多様性と集団としての秩序

小圷敏文

2015年1月19日 (月)

免疫機能の進化を紐解くインデックス(2)

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凡例 ◎:答え投稿 ★:秀作 ●:佳作 ☆:免疫機能関連投稿 
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41166 免疫の進化は5段階、それは分化と統合(柔軟性)の歴史 

├◆【1.多細胞化と共生化の進化段階】
├◆【2.神経細胞(ホルモン細胞)が機能分化していく段階】
││ T細胞などのリンパ球の獲得免疫の登場。
││ 無脊椎動物あたりから、おそらく第二の免疫系が発達。
││ ホルモン系の機能分化が進み、神経系が発達し始めた。
││
│├●163617 無性生殖を残す生物における生殖細胞と体細胞
│├●125403 なぜ哺乳類は大量絶滅期を生き延びれたのか      ?
│├☆117335 『特異性免疫』でなく『高速増殖免疫』では
│├●92053 カンブリアの大爆発は
││     分化の蓄積と統合機能の獲得によるもの
│├☆83042 共認治癒力①
│├☆42108 免疫系、神経系の分子の共通点
│└☆16632 免疫系と神経系の関係、その1

├◆【3.脊椎動物の段階】
││ 獲得免疫系の2種類の免疫反応システム
││(B細胞による液性免疫と、T細胞による細胞性免疫)
││ の基本システムが出来上がった。
││ 
│├★166118 オスメス分化の塗り重ね構造
││└☆166570 ■外圧情報はどのようにして遺伝するのか?1
││      ~HY抗原と臓器移植時の拒絶反応~
│├●162773 多細胞生物の進化過程と細胞の機能分化②
││└☆164036 【図解】多細胞生物の機能分化
││ └☆166928 多細胞生物の体細胞機能分化
│├☆162705 シグナル伝達系の進化
│├☆90080 なぜ二つの免疫系があるのか、その2 
│├☆41387 神経系が進化し、免疫系が進化する。
│└☆16632 免疫系と神経系の関係、その1
│ └☆41951 ウィルスと脳細胞の関係について
│  └☆42099 中枢神経系と免疫系の関係
│   └☆msg:☆42108 免疫系、神経系の分子の共通点

├◆【4.恒温動物の段階】
└◆【5.人類の段階】

小圷敏文

2015年1月16日 (金)

免疫機能の進化を紐解くインデックス(1)

免疫機能の進化を考えていくに当り、「免疫機能の不思議」カテゴリーの「答え板」の「免疫の進化は5段階、それは分化と統合(柔軟性)の歴史」で提起されている5段階を参考に、関連投稿のインデックスをまとめてみました。

1.多細胞化と共生化の進化段階
2.神経細胞(ホルモン細胞)が機能分化していく段階
3.脊椎動物の段階
4.恒温動物の段階
5.人類の段階

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◆1.多細胞化と共生化の進化段階

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凡例 ◎:答え投稿 ★:秀作 ●:佳作 ☆:免疫機能関連投稿 
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41166 免疫の進化は5段階、それは分化と統合(柔軟性)の歴史 

├◆【1.多細胞化と共生化の進化段階】
││ 自然免疫(第一の免疫系)の代表であるマクロファージ。
││ 微生物を食べる細胞(おそらくは原始真正細菌)を取り込んで、
││ 微生物や異物から防衛する共生戦略の成立。
││ 極めて単純な応答関係の免疫反応(非特異性免疫)。
││ 
│├★166118 オスメス分化の塗り重ね構造
││├●masg:161317 生物史から学ぶ『安定』と『硬直』の違い
││└☆166570 ■外圧情報はどのようにして遺伝するのか?1
││      ~HY抗原と臓器移植時の拒絶反応~
│├☆164036 【図解】多細胞生物の機能分化
││└●166928 多細胞生物の体細胞機能分化
│├☆162705 シグナル伝達系の進化
│├●162176 多細胞生物:体細胞の分化について
││└☆162695 多細胞生物の生命線 『細胞接着』
│├☆158053 原核生物→真核生物→多細胞生物の進化過程
││     に見る細胞の役割分化・機能分化②
│├★126235 全球凍結が多細胞化、大型化をもたらした
││└★126239 “氷の世界”という絶望的な環境の中で
││ │     細胞間シグナル=多細胞生物の萌芽が育まれた
││ └☆154963 単細胞→群体→多細胞?
│└●89743 「飢餓物質」⇒「合体」⇒「休眠態」の適応法則

├◆【2.神経細胞(ホルモン細胞)が機能分化していく段階】
├◆【3.脊椎動物の段階】
├◆【4.恒温動物の段階】
└◆【5.人類の段階】

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*「細胞性粘菌」は、飢餓状態に置かれると集合して群体を作り、免疫細胞様の細胞(S細胞)が群体内に混ぜ込まれた異物や細菌を貪食し、蓄積するらしい。このあたりが、自然免疫系の発生を紐解く参考になりそう?
167750

小圷敏文

2015年1月13日 (火)

なぜ、女性は男性よりもの免疫力が高いのか?

 例えば昔から「女の子より男の子を育てる方が大変」と言われているように、女児より男児の方が感染に弱いです。出生直後の男女比は、女児100人に対して男児105人と多いのも、感染症による男児の死亡率が女児よりも高いためであり(数年後にはほぼ同数になる)、この事実から見ても女の免疫力が高いであろうことは推測がつきます。

 また、臓器移植をすると女性の方が早く拒絶反応を起こすとも言われています。これは、臓器という異物に対して、リンパ球のT細胞が敏感に反応するからです。同様に、微生物が体内に入ってきた時にも、女性の方がすばやく排除できます。抗体をつくる能力(リンパ球のB細胞)も女性の方が高いようです。これもまた、女性が男性よりも、免疫細胞であるT細胞・B細胞が活発に働いているためです。
 そして、これらの免疫反応の男女差については、ホルモンと関係があることも分かってきています。(女性ホルモンのエストロゲンはマクロファージという免疫細胞に作用して、その働きを活発にすること、男性ホルモンのアンドロゲンは、免疫反応を抑える作用があり、同時にT細胞を育てる胸腺という免疫臓器は思春期以降、だんだん縮小していくことが分かってきています。)

 さらに、X染色体には、免疫機能に関係するDNAがたくさんあるということが分かってきていますが、これもまたメスの方がX染色体が2つあるために、オスよりも2倍の適応可能性がある(母親由来と父親由来の両方の免疫系DNAが発現可能)ことになり、事実、前述のように女性の方が免疫力が発達しています。

 では何故、女性が男性よりもの免疫力が発達しているのか。

 オスメス分化という進化の過程で獲得した役割特性は「変異と保存」(変異と保存の分化、これがオスメス分化の原基となる。166118参照)です。これを念頭において免疫機能を眺めてみると、女性が男性よりもの免疫力が発達している理由がよく分かります。
 女性の免疫機能が低下するのは妊娠中だけで(父親由来の遺伝情報を持つ胎児を、異物とみなさないようにするため)、それ以外は、女は徹底して遺伝情報の保存(安定)に努めるよう、免疫機能も外敵からの防御に徹して作動しています。

 一方、先の事例のように男性は感染に弱いのですが、これを「感染」と見るのは、現代特有の偏見に他なりません。
 「変異」の可能性という視点で捉えれば、オスの免疫機能は、細菌・ウイルスへの抗性を高めることで進化を試みているとも言えるし、また他の生物の有用な機能を体内に共生させることで進化の可能性を探り続けているとも言えるわけです。
(「種の保存」を目的とした役割を前提に考えれば、その過程での感染→死亡も重要な機能の一つです。)

 免疫機能の性差も、変異と保存に貫かれているように思います。

山崎許子

2015年1月10日 (土)

哺乳類への機能進化の流れ

一般的に哺乳類は、胎生(カモノハシの卵生は例外)、授乳、恒温性、体毛等で特徴づけられる。それらの機能が進化史上どのあたりから獲得されたかを見てゆく。

■胎生
・エオマイア(白亜紀前期、1億2500万年前)が、知られる限り最古の有胎盤類とされる。
・キモレステス(白亜紀後期、7000万年前)の化石で初めて「胎盤」が確認されている。

■授乳
・ディキノドン(ペルム紀後期)の仲間が、汗腺を発達させ、栄養分のある汗を流し、子供になめさせた最初の動物(授乳の起源)といわれる。

■恒温性
・エダフォサウルス(石炭紀~ペルム紀 )には、背中に大きな帆があり、体温調節のためのものと考えられている。
・ペルム紀中期~後期には内温性を獲得した種もあったとの説があるが、はっきりした事は判っていない。
・トリナクソドン(三畳紀前期)の仲間は、体温を調節する方法を発達させたと考えられている。体が毛で覆われていた可能性もある。横隔膜を獲得していたとも言われる。
・アデロバシレウス(三畳紀後期、最古の哺乳類? )の段階では内温性を獲得していたと考えられている。

■体毛
・エステンメノスクス(ペルム紀中期)では体の表面にはウロコがなく、現代の哺乳類と同じように皮膚の分泌腺をもっていた。
・エオマイア(白亜紀前期、1億2500万年前)で毛の痕跡が見られる。骨格からの推定ではおそらく体毛はペルム紀後期か三畳紀前期の非哺乳類祖先の段階で出現したという。


各々の始まりと推定される年代順に整理してみると概ね次のようになる。
・体温調節機能(石炭紀~ペルム紀)
・内温性(ペルム紀中期~後期? 三畳紀後期には獲得)
・体毛(ペルム紀後期か三畳紀前期)
・授乳(ペルム紀後期)
・横隔膜(三畳紀前期)
・胎生(白亜紀前期)

おそらく、恒温性(体温調節、内温性、体毛等)や横隔膜(エネルギー効率)等の仕事機能の進化⇒授乳~胎生等の生殖機能の進化の流れか?(継続)

※これらの化石は進化系統樹(166559)でみると一直線に繋がっているわけではなく、盤竜類とキノドン類以外の獣弓類は絶滅していることに注意。

※参考リンク
●エダフォサウルス(体温調節、石炭紀~ペルム紀 、3~4m )
リンク
●エステンメノスクス(皮膚の分泌腺、ペルム紀中期 、3m )
リンク
●ティタノフォネウス(ペルム紀後期、3m)
リンク
●ディキノドン(授乳の起源、ペルム紀後期、120cm )
リンク
●ディイクトドン(土中生活、ペルム紀後期 、50~60cm)
リンク
リンク
●キステケファルス(土中生活、ペルム紀後期、33cm ) 
リンク
●トリナクソドン(体温調節、横隔膜、三畳紀前期、50cm )
リンク
●アデロバシレウス(最古の哺乳類?三畳紀後期、10~14cm )
リンク
●エオマイア(最古の有胎盤類、白亜紀前期、1.25億年前、10cm )
リンク
リンク
●キモレステス(胎盤、白亜紀後期、7000万年前、15cm)
リンク

雪竹恭一

2015年1月 7日 (水)

■外圧情報はどのようにして遺伝するのか?~HY抗原と臓器移植時の拒絶反応~

>オスのみに存在する抗原タンパク質(HY抗原)の存在(166118

■HY抗原【エイチワイこうげん】(Histocompatibility Y antigen)(リンク
Y染色体のSRY遺伝子(sex determing region Y)上に存在する遺伝子により作られるタンパク質で、生殖腺原基を精巣として分化させる作用を持つ。男性から女性に臓器を移植する際には女性には存在しないこの抗原の存在により拒絶反応が起る場合がある。

■HLA【エイチエルエー】(リンク)(リンク
HLAとは、Human Leukocyte Antigen(ヒト白血球型)の頭文字をとったもので、1954年に発見された。
現在では白血球だけの血液型ではなく、赤血球以外の体中の細胞に存在する「型」であることがわかっている。
体の免疫反応の主役を果たしているため、骨髄や臓器の移植の成否に大きく影響する。

組織の細胞表面には同種でも固体ごとに異なった抗原が存在し、他の固体の細胞を移植するとその抗原に対する免疫反応が生じて拒絶反応が起きる。このような抗原を組織適合抗原と言う。その中で特に重要なものは染色体上の一部に存在する遺伝子群により発現するものを主要組織適合抗原系(major histocompatibility complex)MHC という。それをヒトの場合、HLA(human leukocyto antigen)という。また、ABO型抗原もMHCの一つである。その他にも副組織適合抗原というものが存在し、MHCほど早くないがMHCがあっても拒絶が起こる場合がある。例として、Y染色体上に存在するH-Y 抗原(男性の臓器を女性に移植した場合に起こる拒絶反応に関与)がある。
------引用終り

細胞膜表面には、多くの抗原があるようです。その中でも、移植時に問題の起こる抗原を組織適合抗原といい、その中でも染色体上の一部に存在する遺伝子群により発現する抗原をMHCという。人の場合、それをHLAといい、それ以外にHY抗原があるらしい。

このような拒絶反応を起こす抗原が細胞膜の表面にあり(男女共通)、そもそも抗原とは外来由来の毒であり、その中でも、HY抗原を発するSRY遺伝子(159807 159510 108462)がY染色体上にしかないということは、何らかの外来情報【外圧】をオスに特有に伝えることを示しているという仮説を立てることができる。

HY抗原とは、毒であり、女性にないので、移植時に拒絶反応を起こす。このHY抗原はオスに性分化するときに、SRY遺伝子から放出されるもので、なぜ、毒である抗原たんぱく質を放出するのか?調査が必要である。

特に外来の抗原情報をどのようにして精巣から精母細胞、精細胞、精子へと受け継がれるか?は血液と免疫機能が鍵を握っているように思われる。

体内に抗原が進入した場合、抗原抗体反応より抗体を生成して抗原を排除する後天性免疫があるが、血液中で、そのような作用が起こることからも、血中の抗体や抗原から何らかの情報を精母細胞が受け継いで、SRY遺伝子に代表される性決定遺伝子に転写するのだろうと思われます。

このメカニズムは、調査が必要で、仮説でありますが、このHY抗原タンパク質になんらかの情報が乗っかっているか、精子の中心体がそのような作用を誘発する役目を担うものと推測されます。

中心体やそのメカニズムをもう少し調べる必要がありですね。

近藤文人

近藤文人

2015年1月 4日 (日)

オスメス分化の塗り重ね構造

「生物史から学ぶ自然の摂理⑤ オスとメスに分化したのは、何で?」で議論された内容と気づき。

多細胞動物の生殖系の進化のステップは、3段階。

 Ⅰ 保存と仕事の分化(殖・産分化)
 Ⅱ 精卵分化
 Ⅲ 雌雄躯体分化


Ⅰ 保存と仕事の分化(殖・産分化)
・真核倍数体生物は、保存(減数分裂システム:生殖細胞)と仕事(単純分裂システム:体細胞)へと機能を分化。これが多細胞化の起点。
・種の保存上、最も負担の大きい生殖を専門に分離することによって、体細胞系列を高度に機能分化させていくことも可能となった。
・特に動物の場合・・・動物は動いて栄養を摂るしかない⇒摂取機能の高度化⇒種間圧力上昇⇒摂取機能の高度化⇒種間圧力上昇・・・という循環的な外圧上昇構造にあり、これが、保存と仕事の分化の軸線上で、多細胞動物の進化を促進してゆくことになる。


Ⅱ 精卵分化
・精子と卵子に配偶子が分かれたのは、運動と栄養の役割分担により、受精過程(出会い)と発生過程(エネルギーを要する)の両方に適応的な形態への分化。
(※精子と卵子に配偶子が分化したのはなんで?リンク

・さらに、受精卵の中心体が精子由来であること、その中心体は変異活性度が高いこと、またオスのみに存在する抗原タンパク質(HY抗原)の存在等を考え合わせると、精子が外圧変化に対応した何らかの変異情報を媒介している可能性が高い。(なお、中心体が独自の遺伝情報を持っているか否かは不明であるが、近年の研究ではその可能性が示唆されている)
・このように考えると、精卵分化の本質は、精子:変異配偶子と卵子:保存配偶子への分化であることが見えてくる。変異と保存の分化、これがオスメス分化の原基となる。
・これは、変異+不変の組み合わせによる、生物的に安定な生殖システムとも言える。
(※生物史から学ぶ『安定』と『硬直』の違い161317


Ⅲ 雌雄躯体分化
・動物の場合、精卵分化から、雌雄の躯体が固定的に分かれるようになるまで、かなり長い歴史がある。脊椎動物の系統でも魚類の段階まで、雌雄同体と雌雄異体が併存。
(※脊椎動物以前の生物はオス・メス固定度が低い164195

・雌雄の躯体が分化していく背景には、摂取機能の高度化⇒種間圧力上昇・・・という循環的な外圧上昇構造が前提にある。
・体細胞系列の高度化の要請と同時に、各々の配偶子、生殖巣、生殖器etcを緻密につくりあげるためには、精子をつくる躯体(オス)と卵子をつくる躯体(メス)を分化させたほうが合理的。
・また、動物ゆえの種間圧力⇒摂取能力高度化・・・に対応するため、幼体保護と防衛力上昇の要請が加わる。これは必然的に(保存性に特化した卵子を持つ)メスの生殖負担の増大、そして、それとバランスするようにオスの闘争負担が増大させる方向へつながる。これは脊椎動物の進化史とも符合する。
・これらにより、動物の雌雄の躯体は分化していったと考えられる。

★オスとは何か? メスとは何か?
・変異性の上に、闘争能力(役割)が塗り重ねられた存在=オス
・保存性の上に、生殖能力(役割)が塗り重ねられた存在=メス

生物数十億年の歴史のなかで、外圧に適応していくために、役割分担と調和が塗り重ねられてきた、それがオスとメスの分化。オスという役割(存在)、メスという役割(存在)があわさってはじめて、外圧に適応的たり得たし、種をつなぐこともできたのである。

岩井裕介

2015年1月 1日 (木)

人類のみが有する固有の器官~可能性収束の結晶物~

人類には他のどの生物にも存在しない、固有の器官が存在する。
以下がそれに該当する器官である。

 赤唇縁(外に露出した赤い唇)、外鼻(鼻の出っ張り)、おとがい
 乳房、垂直の骨盤、内側に傾いた大腿骨、土踏まず

人類の体は、多細胞生物の進化過程で獲得してきた器官の進化集合体に他ならないが、上記の器官は、生物が進化の過程で獲得してきた器官に加えて新たに獲得する必要があった器官と言える。

これらの器官は、大きく「表情を伝える為の器官(赤唇縁、外鼻、おとがい)」「性的アピールの為の器官(赤唇縁、乳房)」「2足歩行の為の器官(垂直の骨盤、内側に傾いた大腿骨、土踏まず)」の3つに分けられる。

”垂直の骨盤”は内臓の荷重を受け止め、真っ直ぐ体を起こすことを可能にした。これによって、遠くまで周りを見渡し、敵の存在をいち早く察知することが可能になった。”内側に傾いた大腿骨”は、直立姿勢と言う重力に逆らった姿勢のバランスを取ることを可能にし、”土踏まず”は足にかかる荷重を吸収、分散し、歩行を助ける。
これら「2足歩行の為の器官」は、極限状況の中で最弱の存在である人類が生き残る為に形成された器官であり、そう言う意味で本能機能強化の為の器官と言えるだろう。

「表情を伝える為の器官」は、共認機能を強化する為の器官である。
>本能上の武器を失った人類は、残された共認機能を唯一の武器として、自然圧力・外敵圧力に対応し、そうすることによって、共認機能(≒知能)を更に著しく発達させた。 (実現論1_6_01
獲得された顎、鼻、唇によってさらに複雑な表情を伝えることができ、課題・役割・評価共認を一層強化することが可能になった。さらには多様な表情を伝えることで、共認充足も強化され、極限状態の不全感を和らげることが可能となった。

「性的アピールの為の器官」は、文字通り性収束・性充足を高める為の器官である。
>人類のメスはサル以上に極度に依存収束を強め、首雄収束⇒応望収束回路を発達させていった。しかも人類のメスは(首雄でも防ぎ切れない)飢えや怯えに晒され、サル以来はじめて自らの不全感を直撃されたメスは専ら解脱収束を強め、強力な解脱収束⇒性機能収束回路(エンドルフィンとドーパミンの快感回路)を形成していった。だから、人類の女は徹頭徹尾、応望存在であり、自らの役割欠損を専ら性機能に収束させてゆく性的存在である。(実現論1_7_01
人類の女の性機能収束が、文字通り肉体改造を可能にし、更なる性充足・共認充足の可能性を開いたのである。

人類のみが有する固有の器官は、まさに極限状況の中での人類の可能性収束がもたらした、可能性収束の結晶物であると言うことができる。

参考:Newton 2005年11月号

西谷文宏

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