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2015年3月14日 (土)

哺乳類集団の核は雌と子供の集団

哺乳類の原型は食虫目であり、性闘争本能を著しく発達させた存在である。従って成体になると性闘争本能が作動し、息子や娘は縄張りを放り出される。従って成体のオスメスは共に単体である。
そして同じくげっ歯類(ネズミ)の集団も、基本形は一頭のメスと子供のみであるようだ。これも性闘争本能によるものだが、この本能は同類が拡散する事で進化の多様化を促進する、拡散適応の原理に則ったものでもある。つまり、餌が取れるようになると集団を出て行くというのは生物界ではごく当たり前のことでもあるのだ。いわば親から離れる、巣離れ本能が存在し、それがオスメスともに集団を出て行くことの下敷きとなっている。
実際、魚類段階では、卵が孵るまでは親は卵を守っているが、卵が孵ると稚魚であるプランクトンたちは海流に任せてあちこちに散らばっていき、成体になると追従本能に基づき、何処かの集団に組み込まれる。

しかし哺乳類では草食動物程度に進化してくると、成体メスは集団に残留するようになる(集団を離れるのはオスのみになる。)
その結果集団は、メスたちと子ども達による集団が形成される。これは哺乳類は胎内保育と産後保育の長期化によって親和本能が発達した結果、集団に残留する引力(=親和力)が増大し、メス自身の性闘争本能と巣離れ本能を上回る為である。

だから草食動物において明確にかつ継承的に集団と呼べるのは、このメスと子供達の集団のみである。そしてそこでは、一見成体オスは単体で暮らしているように見える場合も多い。
しかし本当に完全な単体であれば、(或いは雌と子供だけの集団であれば)肉食類にすぐに襲われてしまうので、オスたちはこのメスと子供の集団の周辺に一定の距離を保って散在している場合が多い。つまりより広いレンジで見れば、それも含めて大きな群れを形成していると見ることが出来る。これが一般的な草食動物における内雌外雄の構造でありその結果、多くの場合オスが餌場を探し、肉食類に先に食われることになるという構造になっているい。
この構造の元では、オスたちは繁殖期のみメス集団に接近し、繁殖行動を取り、性闘争に勝った覇者だけが、メス集団の近くを徘徊し、他のオスをそのテリトリーから追い出す=周辺に追いやることになる。つまりその意味では、草食動物のようなある程度、発達した哺乳類でも明確に集団を形成しているといえるのはメスと子供だけなのである。
そしてこの基本的な構造が、哺乳類の圧倒的主流が母系集団であることの下敷きとなっている。

因みにオス達が明確に集団を形成するのは、オス同士の性闘争が強力に抑制されている、オオカミ系及び、親和機能を基点に本能を超える共認機能を獲得した、真猿類以降からである。

北村浩司

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