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2015年5月 4日 (月)

脳の性差は、人類の外圧適応の結果である

『感覚の性差(男と女の違い)(74582)』のような、出産・子育てを中心としたものから、もう少し抽象的な男らしさ女らしさまで、明らかに性差は存在する。そして、これには感覚だけでなく肉体的なもの、知性の質、精神的ものまで含まれる。その現在的な解釈問題として、

>成人男女を対象とした大規模なメンタルテスト調査が10年ごとに米国で行われてきたが,その結果,これらの“常識”は正しいことが解ってきている。しかし、確かめられた性差が先天的なものか,後天的なものかが本題となる。(74250

のような提起がある。これをまとめると、肉体的性差は明白なので否定しようが無いが、感覚や知性の質や精神的な部分は明確な根拠がないので、後天的と考えることも可能ではないか?ということだと思う。ここには、男女同権という近代思想が、この差を認めたくないと意識させている側面が強い。それに対し、この差は先天的だと考える一派の論理は、

>脳科学の研究者の中にも「人間の知性の性差は生まれつきのもの」とする意見があるそうだ。それを裏付ける,とする動物実験もある。たとえばラットを使って迷路実験をすると,きまってオスのほうが成績がよいのだ。「ほら,見たことか。動物実験でも確かめられるように,男が生まれつき空間認識に優れていることは間違いない」とされてきたのだが,ラットの迷路実験成績を信用してよいのかどうか,実は疑わしい。(74250

というものだが、ご指摘のとおり、ラットから人までは進化上の距離は大きく、種としての適応方法も異なる。それを、同列に扱い根拠付けるというのは、余りに粗雑な理論だと思う。もう少し進化に即して、感覚や知性の質や精神的なものの発生源である脳の性差について考えてみたい。

まず、生物は外圧適応態であり、その種の受ける外圧に適応して進化してきた。上記のラットの生態と近似しているのは、単棲の初期哺乳類である原モグラだ。その外圧は。

① 生存圧力

・ (気候などの)自然圧力
・ (異種間の) 外敵圧力

② (同種間の) 性闘争圧力

であり、これらに適応して進化して来た。その適応の具体的機能を担うのが、外圧適応を実現した本能回路(≒脳回路)とそれにより駆動・制御される体である。これらはDNAによる進化である。

この段階での、始原哺乳類も性差はある。また、性差に基づくオスメスの行動の差は本能回路の差によって決まるから、その差は脳回路の構造にあるとも言える。ただし、その行動が示すように、メスであっても外敵闘争は担うし、オススメスにより激しさは異なるが、性闘争もあるため、脳回路のオスメスの共通性はかなりある。

その後の哺乳類は、追従本能を開花させることで集団を形成したため、②の性闘争の圧力は小さくなっている。

それに対して、真猿は

>はじめ原猿の段階では、極限的な性闘争=縄張り闘争圧力(それは、同類を対象とする同類圧力であると同時に、自然や外敵を対象とする生存圧力でもある)の中で期待・応望回路を発達させたが、真猿以降は生存が集団によって保障される事によって生存圧力<同類圧力となり、性闘争や期待・応望(相互解脱)や同類闘争(縄張り闘争)などの同類圧力を主圧力として、更に共認機能を発達させていった。

>もちろん、大前提として、サルにも本能を刺激する生存圧力(自然圧力や外敵圧力)が働いているが、それら生存圧力より同類圧力の方が遥かに大きく、要するにサルは、同類圧力→同類課題を第一義課題として共認機能を進化させたのである。この共認機能こそ、サルの知能を著しく進化させたその本体であることは、言うまでもない。(実現論1_4_10

のように、共認集団を形成することによって、自然外圧はほぼ克服され、

① 生存圧力< ②(同種間の) 同類圧力

になった、この段階では、大きくは、オスは集団として同類闘争を担い、メスは同類闘争を担わない代わりに、性や親和をオス(ここでは首雄に)に与える存在となった。このように、本能部分(自然外圧に適応した部分)以外の共認回路部分では、哺乳類一般のような外圧のオスメス共通性はほとんどなくなっている。

また、共認回路は本能では対応できなかったが故に、実現した最先端機能であるため、オスメスの行動差は、ほとんどこれに規定される。よって、脳の共認回路という主要部分はオスメスの性差が厳然と存在することになる。

人類は、この真猿の脳回路(主要には共認回路を)でも生存できなかったため、共認回路の先端に観念回路を形成し適応してきた。もともとの共認回路はオスメスで異なる外圧に適応してきたので、人類にもその差は受け継がれている。

ようするに、脳の性差は、人類の外圧適応の結果なのだ。

本田真吾

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