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2015年7月21日 (火)

男女の性差(2) ~ユニセックスから訣別~

続き(2)です。

日経ネット「ユニセックスからの訣別(安藤茂彌氏)」リンクより引用します。

以下引用です。

 女性は出産後数日して、自分の赤ちゃんの匂いを嗅ぎ分け、遠くにいても泣き声を聞ける能力を身に着ける。母親の脳内回路は子育て回路一色になり、子供の一挙手一投足に気を配るようになる。これはオキシトシンの作用である。また、子育ての過程で生じるドーパミンの作用によって、母としての幸福感を満喫し、出産前のように物事をネガティブに考える回路がオフになってしまう。ただ、夫とのセックスをすることの優先順位ははるか下に行ってしまう。

 子育てを終わり、閉経期に入ってくると女性の脳はまた変わる。この時期は子供が巣立つ時期であり、子育てに必要なホルモンが見る見る減少し体の変調を訴える時期である。この時期を通り過ぎて次に向かうのは、自分自身のことである。すなわち、自分以外の人(子供、夫、親族)に尽くそうとする気持ちは薄れ、自分の望むことを実現しようとするようになる。以前には人間関係を良く保とうとした気配りは薄れ、「大切なのは自分」といった心理が大きく支配するようになる。これが女の一生だという。

 この著書を読んで、「女性の人生はいかにホルモンに作用された人生であるか」に驚かされた。女性に較べれば、男の人生ははるかに単純である。性欲の高揚・減衰はあるものの、それ以外は一直線の人生である。ところが女性の人生は、人生のそれぞれのステージで大きく変遷する。ものの考え方、感じ方、行動様式はステージごとに異なる。

日本では今年から公的年金の半分は、離婚後の妻に支給されるようになった。熟年離婚はこれからさらに増えるだろうが、離婚を持ち出すのは圧倒的に女性のほうが多い。日本では申し立ての8割は女性から出されるが、米国でも65%と高水準である。子供が巣立つ頃になると、女性は自分が必要でなくなったことの失意に襲われ、自分の人生を取り戻そうと離婚を決意する。これも更年期のホルモン減少のなせる業なのである。

 この本は、核家族化の問題についても触れている。仕事に忙しくて十分な時間を子育てに割けなかった母に育った女子は、不安感を抱え、ストレスに弱く、病弱な子供に育つ可能性が高いという。この形質は、祖母、母、娘と三代に渡って女性だけで引き継がれるという。自分が母親から十分に親の愛情を受けられなかったことを、また娘にするという。

 人間の肉体は長い時間を経て徐々に進化してきた。太古の時代に人間は核家族ではなかった。家族は近い親族と一緒に住み、子育てで母親の代わりをする「仮親」が周りにたくさんいた。こうした「仮親」が忙しい実母に代わって、子供の面倒を見た。その結果、ストレスに弱い女の子が出てくる確率は低かったが、近年の核家族化で新たな問題がでてきたとしている。

 女性はこの30年間に、仕事でキャリアを積み、男性から経済的自立を果たせるようになった。また、医学の発達で子供を持つ時期をコントロールできるようになった。日本でも、85年に男女雇用機会均等法が成立し、女性の社会進出は一般的になった。その後、小泉首相時代のいくつかの改革を経て、日本はこれからアメリカ型の格差社会に入ろうとしている。賃金は減り、既婚女性が働かなくては家計を支えられない世の中になってきた。

 米国では70年代には「ユニセックス」という言葉が流行し、男女間に性差がないことを強調した。それ以降、性差を発言することは「政治的なタブー」とされてきた。しかし、この10年間の医療機器の発達で脳を生態観察できるようになり、男性の脳と女性の脳は大きく異なっていることが明らかになってきた。米国ではまだ「政治的なタブー」は生きているが、これから性差を認める研究が多く出てくると見られる。

 最近、精神障害を訴える10代後半から30歳代の未婚女性が増えている。これは男女平等制度と女体が持つ本来の機能との板ばさみになって起こっているように思う。平等化は女性に機会を与えると同時に、苦痛も与えてしまった。これからの制度改革は性差を前提として行わないと、今後長きに渡って禍根を残すことになりかねない。ユニセックスから訣別する時が来たようだ。

以上引用終わり。

復讐の叫び

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