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2015年8月14日 (金)

逆境、どうする?

生物進化史上、人類に繋がる系譜には、大きな特徴が見られる。

一般的には高等動物の中でも最も進化した生物が人類とされているが、逆に言えば、それは最も多くの逆境に曝されて来た事を示している。

もちろん、様々な逆境に直面する度に、新たな変異を発現し、無数の失敗体験の中から適応的な変異を見つけ、その可能性に収束する事で進化を積み重ねてきたという意味においては、現在まで実に多くの成功体験を積み重ねてきた生物であるとも言える。

そして、この多くの成功体験の中でも特に注目すべき点が、雄雌の役割分化を促進する事で実現されてきた、という点だ。

この雄雌の明確な役割分化は、特に魚類から地上進出へと向かい始める頃から顕著に表れる。

特に動物の場合、魚類以降の進化はその殆どが種間闘争圧力の上昇によるものとなるが、適応放散の過程において種間闘争に敗北した種ほど、新天地に追いやられ、新機能獲得の必要性に迫られる事になる。

この過程こそが、雄・雌それぞれの役割を明確化し、固定度を高める必要性の上昇に直結する契機となっている。

新たな機能の獲得とは、これまでに獲得した機能の組み換えの必要性、つまり変異の促進が求められる事になるが、同時に種の存続の為にはより安定的に子孫を残す仕組みをも整えなければならない。この安定と変異の両機能を同時期に高度化する為には、それぞれの役割を専門分化させ、相互の役割を特化させるしかない。

魚類や両生類の原生種には、実に多様な生殖様式が存在し、雌雄の固定度も曖昧なものが多いが、これらは適応放散において安定的な縄張りに棲み分けが行われていった結果としてのものであり、例えば水中から地上に追いやられるような劇的な外圧変化にまでは至らずに落ち着いた事で、むしろ変異を抑制する方向に進化しているものすら存在するくらいだ。

つまり、度重なる逆境に直面する度に、雄・雌それぞれが相互の存在・役割に全面的に委ねる事によって、自らの担える領域を最大限に活かしていく事を可能にし、その連携の中で新たな機能の実現と適応が塗り重ねられてきた先に、哺乳類や人類の進化が在るという事。

言い換えれば、雌雄の役割分化(差異化)の促進は、人類への進化の過程において、常に最先端の適応可能性であったという事だ。従って、今後の人類社会においても、外圧が高まる程に男女の明確な役割分化が推し進められるほど、相互に鮮明な期待を生み出し、どんな逆境でも乗り越えていける気運を生み出していけるのだろう。

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