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2015年10月

2015年10月31日 (土)

ドイツ波動医学~気の流れ道「経絡」の解明!~細胞の核内まで達する終末微小管

気の流れ道であるとされる「経絡」

これを動物実験により確認した研究があったので紹介したいとおもいます。実験により不思議な微小管系が確認されていますが、その連結のしかたは、組織の毛細血管床における動脈/静脈の連結とおなじようなものなのだそうです。

古くからある鍼灸やツボなどは、こうした微小管系に働きかけを行っているのではないかと考えられます。

以下、バイブレーショナル・メディスン~いのちを癒す〈エネルギー医学〉の全体像(リチャード・ガーバー著・上野圭一監訳・真鍋太史郎訳)から引用します。

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朝鮮民主主義人民共和国のキム・ボンハン教授を筆頭とする研究グループによって1960年代におこなわれた、経絡の解剖学的性質にかんする一連の動物実験がある。

キムはウサギやその他の動物の経絡に関する実験をおこなっていた。かれはウサギの経穴に、放射性のP32(リンの放射性同位元素)を注入して、周囲の組織にとりこまれるようすを観察した。マイクロオートラジオグラフィーという技術をもちいた結果、かれは、P32が細い管状の構造(直径はおよそ0.5ないし1.5ミクロン)にそって積極的にとりこまれていくことを発見した。注入された放射物質は、経絡のみちすじとして旧来から説かれているコースにそって流れていた。

それにくらべて、経絡や経穴がし存在するとされる部位からすこしはなれた周囲の組織では、P32濃度は無視できるほどに低かった。
P32を付近の静脈にゆっくりと注入したばあいには、P32が経絡内で検出されることはなかった。このことから、経絡系は血管網から独立した系であるという可能性が示唆された。

フランスの研究者、ピエール・ド・ヴェルヌユールらによるその後の研究の結果、キム教授の発見が正しかったことが証明された。かれらの実験では放射性テクネシウム99mが患者の経穴に注入され、ガンマカメラをもちいて放射性同位元素のとりこみ状態が観察された。ド・ヴェルヌユール博士は、注入した放射性テクネシウム99mがわずか4分から6分のあいだに経路にそって30センチもはなれた場所まで分布することを発見した。

静脈やリンパ管内にゆっくり注入する対照実験も含めて、テクネシウム99mを皮膚のさまざまな部位に無作為に注入してみたところ、おなじ結果をえることはできなかった。このことは、やはり経絡が他の系から独立した経路であることを示しているらしいとおもわれた。

キム博士の調査によれば、ウサギのこうした微小管系は組織学的に「表在微小管系」と「深在微小管系」にわかれているらしい。

第一の深在系経絡は、「内管系」とよばれる。それらの微小管系は血管やリンパ管の内部を自由に浮遊しており、その入口と出口では血管を貫通していることがわかった。内管内部の液体はふつう、血液やリンパ液の流れとおなじ方向に流れている。しかし、特別なばあいには逆の方向に流れていることもありえる。それらの内管系内の液体が「輸送血管」の流れと逆方向に流れるばあいも含めて、内管の走行が血管壁を貫通して出たりはいったりするということは、微小管系の起源が血管やリンパ管とは異なっていることを示唆している(もしかすると血管より古い起源かもしれない)。

いいかえれば、経絡は胎児の発生初期において、動脈、静脈やリンパ管よりも先に形成されているかもしれないということである。経絡は、その後あたらしく形成される血液/リンパ循環ネットワークの生長と発達において、臓器の空間的位置決定のガイドとして機能しているのかもしれない。

血管が経絡のまわりに発達していったからこそ、結果的に経絡が血管を出たりはいったりしているかのようにみえているともかんがえられる。

深在系経絡の第二の微小管系は、その特徴から「内側外管系」とよばれている。これらの微小管は内臓の表面にそってはしり、血管系、リンパ系、神経系とは完全に独立したネットワークを形成している。そして、三つ目は、「外管系」とよばれ、血管やリンパ管の表面を走行しているものである。

微小管は皮膚の内部にも発見され、それらは「表在微小管系」とよばれており、これが古来より鍼灸師にもっともよく知られてきた経絡系であるらしい。四番目のシステムは「神経管系」であり、これは中枢神経系と、末梢神経系に分布している。

最終的には(表在系から深在系にいたるまでの)すべての微小管がつながり、それぞれの系の連絡性も保たれていることがわかった。さまざまな管系がそれぞれの終末微小管をつうじてむすばれている。その連結のしかたは、組織の毛細血管床における動脈/静脈の連結とおなじようなものである。

興味深いことに、キムらによると、終末微小管は細胞の核内にまで到達しているという。また経路からややはなれて存在する特殊な「微小体」が経絡にそって散在するということもあきらかにされた。表在微小管系にそって散在する微小体は、古典的な経穴や経絡の位置に対応し、経穴の下方に存在するものとされている。

─────────────引用終わり─────────────

特に印象的だったのが、
>経絡は胎児の発生初期において、動脈、静脈やリンパ管よりも先に形成されているかもしれないということである。経絡は、その後あたらしく形成される血液/リンパ循環ネットワークの生長と発達において、臓器の空間的位置決定のガイドとして機能しているのかもしれない。

という部分。このことは、生命の鋳型ではないかとされるエーテル体(リンク)とも関連がありそうです

ジョギング淀川

2015年10月28日 (水)

【仮説】扁桃体の「危機察知」「仲間認識」回路に、ミラーニューロンによる「同一視」回路が塗り重ねられ、「共感回路(共認原回路)」が形成されたのでは?

>危機察知、共同体環境での能力の発揮、認知できない情報のキャッチ、幻覚・幻聴現象に近い予知予言、巫病現象、意識と無意識の線、記憶の構造等々、多くの部分がこの「扁桃体」に由来すると考えられる。(269673

扁桃体の歴史は古く、魚類の段階で扁桃体に相当する領域が形成されている。269673で投稿されている通り、その機能は多々あるが、その中心機能は「危機察知→逃避行動の発令」と「仲間認識」にある。

危機に面した時、扁桃体(扁桃核)は過去の記憶との照合を行い、自らに危機を与えるものと判断が行われると、神経伝達物質の分泌によって、脳と身体を危機に備えるように指令する。
一方で、扁桃体は仲間認識や社会性の形成にも関わっており、魚類段階でも扁桃体に相当する領域が仲間を認識し、群れを形成する動因となっていることが解っている。
これらのことから、「危機察知」と「仲間認識」は一体であり、脊椎動物の進化過程で、「仲間認識」によってより高度な「危機察知→逃避」回路が形成されたと言うことが解る。

なお、この「危機察知」と「仲間認識」を行うのは、主要に右脳の扁桃体であることが解っている。
右脳・左脳の機能分化の中で、特に右脳は危機察知・危機対処と仲間認識の機能を分担して進化してきたことが解っており(268266)、扁桃体をその中心核として、右脳が危機察知・仲間認識脳として進化してきたと言える。
また、扁桃体は、危機察知・仲間認識を行う上で、快・不快、有益・有害などの情動判断を行っており、情動反応に基づいて多様な神経伝達物質を分泌、脳の興奮と抑制を制御する。

ところで「仲間認識」に深く関わる脳内機能としては、この扁桃体の他にものまねニューロンとも呼ばれる「ミラーニューロン」の存在が知られている。
このミラーニューロンは、現在のところサル~人類にのみ存在が確認されており、ものまねニューロン・ミラーニューロンの名称通り、相手の行動を自分の行動に置き換えることを可能にし、共感の原点ともなっている。

このミラーニューロンと扁桃体は、実は強い結びつきがあり、神経回路のリンクによって同時に活性化することが証明された。(2003年 UCLA マルコ・イアコボーニ)
相手との共感を可能にするには、相手と自分を重ね合わせた(同一視した)上で、情動反応を起こすことが必須となるが、扁桃体による情動反応とミラーニューロンによる相手への同化・同一視が、「共感」を生み出していると考えられる。

誰もが実感するように、相手との同一視による共感は、深い充足感を生み出すが、これを脳回路的分析すると「ミラーニューロンによる同一視が、扁桃体の同時活性化を起こす。扁桃体の活性化によって引き起こされる情動反応が快感物質(βエンドルフィン)や親和物質(オキシトシン)を分泌させ、深い充足感を生み出す」と整理することができる。

興味深いのは、このミラーニューロンによる共感回路が、魚類時代から形成された扁桃体による危機回路との結びつきで形成されている点である。
実現論で展開されているように、共感回路(共認原回路)は(原)猿時代に、縄張り闘争に敗れた弱オス達の(本能次元を超えた)極限的な不全感によって、適応欠乏が刺激される中で形成された。(実現論1_4_01実現論1_4_12)
このことから考えると、魚類段階で本能レベルの危機察知回路として形成された扁桃体に、同時に存在していた「仲間認識」機能を土台として、(本能不全を超える為に形成された)ミラーニューロンによる同一視回路が上塗りされることで、「共感回路(共認原回路)」が生み出されたと仮説立てが出来、具体的な脳回路構造として、本能・共認の塗重ね構造を見出すことが出来る。

西谷文宏

2015年10月25日 (日)

生物史から見る、外部環境の認識機能・危機察知の起源とは~棘皮動物編

原始生物の脳の獲得・進化過程と、外敵から身を守るうえでの危機察知機能について、棘皮動物の生態から紹介します。

リンク
進化-究極の動物とは?
制作:シースタジオ・ファンデーション ナショナル・ジオグラフィックTV(アメリカ・2001年) より以下抜粋。
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2.海底にすむ棘皮動物
(前略)
 海底にへばりついているように見えるヒトデも棘皮動物の仲間です。ヒトデには頭がありません。その身体は5本の腕が放射状に伸びた不思議な形をしています。そして下側の中央に口があります。すべての棘皮動物の体は、この形のバリエーションなのです。ヒトデの腕を丸めて一つにまとめると、同じ棘皮動物の仲間であるウニとよく似た形になります。五つの部分からなる球体、体の下にはヒトデと同じように口があります。今度はウニを横にして引き延ばしてみます。するとナマコの形になります。五つの部分からなる球体が、五つの部分で出来た筒の形になるのです。
 棘皮動物は、体の中の構造も独特です。その骨格は他の動物とは似ても似つかないものです。皮膚の下には何千もの小さな骨が網目状に並んでいます。その骨のすき間には細かな筋肉が沢山織り込まれています。これでヒトデはどの方向にも自由に腕を曲げることが出来るのです。また筋肉に含まれている特殊なタンパク質のお陰で、何時間でもどこでも同じ形に固定しておくことができます。
 脳を持たない代わりに、棘皮動物にはリング状の中枢神経が (ヒトデでは、星型の中心部分に) あり、そこから腕の部分に神経が通っています。腕の動きはこの中枢神経がコントロールしています。このような一見単純な構造の生き物がなぜ太古から生き残り、繁栄を続けることが出来たのでしょうか。5億年もの間、生き残りをかけて、その姿を変えてきました。今ある体は進化の賜物なのです。 棘皮動物は下等動物だから人間より劣っている。普通の人はそう考えます。でも彼らの生態を観察してみると、人間と同じように、実に上手く欲求を満たしていることが分かります。人間とはやり方が違うだけです。
(中略)
2.4 ヒトデの生態
 カリフォルニアの海岸で棘皮動物の生態を調査している生物学者がいます。ジョン・ピアス(カリフォルニア大学)は、40年以上棘皮動物の研究を続けてきました。この生き物の、太古に遡る起源、そして奇妙さに魅せられたのだと彼は言います。しかし長い間彼は棘皮動物は社会性を持たない単純な動物だと思っていました。
 ピアス「それが長い間の通説だったのです。アリストテレスの時代から人々はこれが動物であることすら分かっていませんでした。脳を持たない動物がどうやって社会性を持つと言うのでしょう。脳がなければトマトと同じで、社会性ある行動などとれる道理がありません」。
 ところが今から数十年前、ピアスは友人のオーバーが撮影したある映像を見て、棘皮動物の隠れた生態を知ることになったのです。ピアスにとっては衝撃的な映像でした。
 ピアス「初めて見たときは、唖然としました。自分の目が信じられなかったですよ。それまでの概念が一度に覆されました。互いの動きに反応し合うヒトデが写っていたんですから。追いかけっこもしていました。複雑な行動を取ることが判明したんです。映像を分析した結果、ヒトデがライオンやハイエナのように、相手より優位に立つために戦うことも発見しました。しかもまるでレスリングのように激しい戦い方をするのです」。
 戦いは相手の体の大きさを測ることから始まります。2匹が接近すると腕を上げて、お互いを観察するような行動をします。どちらが大きいか、どちらが優勢か判断しようとしているようです。相手より有利な体勢を取ろうと、ヒトデは腕を高く持ち上げます。そして最後には相手を抑えつけようとします。オーバーによると相手を抑え込んだ方が次の戦いまでの間、優位に立てるのだそうです。食べ物をかけた戦いでは普通は最初にたどり着いたものが勝者となるようです。
(中略)
5本の腕の先には感覚器官の役目をする特別な管足が沢山あります。水を味わったり、危険を察知にしたりするのに使われます。腕の先端には光を感じるポイントがあります。赤い点がそれです。私たちの目のように映像を結ぶことはできませんが、光の強弱を感知することが出来ます。棘皮動物の感覚器官は人間のそれに比べると非常に単純です。しかしヒトデが獰猛なハンターであることに変わりはありません。

―――――――――――――――――――――――――――――――
以上から、
・5億年前の脳が発達していない棘皮動物は、対象を認識し危機を察知していた。(この頃の扇形動物プラナリアが原始脳を持ったとされている)
・単細胞生物には無い、視覚に頼らない危機察知機能がある。
・捕食する、移動する等の単純な機能を実現するためのシンプルな体で構成されている。
と言えそうです。
 これとは別に、さらに古い6億年前の先カンブリア期(原生代)、刺胞動物のクラゲも外敵に棘(毒針)を向けて外的から身を守るように、危機反応が本能的(自動的)に行なわれています。
 この後の魚類への進化過程では、さらに脳が発達し、記憶、逃避行動や対象に向かう等の判断機能を獲得し、感覚機能が進化していったのだと思います。

山田徹

2015年10月22日 (木)

【大気の歴史】10~陸上植物により、大気中の酸素の急増

大気中の酸素濃度が上がり、それによりオゾン層が形成されたことで紫外線が遮断され、植物は陸上に生活の場を得る。 そのことで、水と無機栄養を吸い上げる根と、それを運ぶ丈夫な茎、そして光合成を担当する葉とを持つようになり、乾燥に耐えて子孫を残すための胞子というしくみを獲得する。また、より多く光を得るために高く茎(幹)を伸ばして、分解されにくい木質の構造をつくるようになったものが現れ、それら木生のシダ植物が森林をつくるようになる。 強く分解されにくい身体を持つようになったこれらの陸上植物は、枯れて倒れてもなかなか分解されず、地層に保存され、大量の石炭として地下に埋蔵されることになる。そしてシダ植物と、シダ植物から進化した裸子植物などの森林は4~3億年前には地球上の大陸に広がり、そして大規模な炭田をつくることになる。北米やヨーロッパ、中国などの炭田は、この時代の大森林が姿を変えたものと考えられている。 シダ植物などの大森林が形成されると、光合成のために二酸化炭素が消費され、酸素が大気に放出されることになる。植物が分解されるときにその酸素は消費されるはずだが、分解されずに石炭として地下に埋蔵されると、その分の酸素は大気に残る。こうして大気中の酸素が急速に増加した。 3億年前の石炭紀と呼ばれる時代には、地球の大気中の酸素は現在よりも多く、30%を越えていたと考えられている。 <先カンブリア紀以降の酸素濃度>    年代            PAL値   酸素濃度 6億年前   先カンブリア紀           1% 5.4億年前 カンブリア紀   0.1PAL   2% 4.2億年前 シルル紀     0.5PAL   10~14% 4億年前   デボン紀      3億年前   石炭紀      1.5PAL   30~35% 2.5億年前 二畳紀      0.7PAL   13~15% 1.9億年前 ジュラ紀              15~22% 1億年前   第三紀               22~26% ---------------------- ※参照 「地球の水と空気の歴史  萩谷 宏 」リンク 麻丘東出

2015年10月19日 (月)

【大気の歴史】9~大気中の酸素濃度が「パスツール・ポイント超え」→“生物の大爆発”へ

大気の組成である酸素、二酸化炭素、オゾンなどが、現在の濃度と比べて過去にどれだけ存在したかの濃度比を「PAL(Present Atmospheric Level)」という言葉を使って表わす。
例えば、「酸素濃度が0.001PALであった」ということは、その時期に、酸素濃度が現在の1000分の1であったことを表わしている。
そして、生物が酸素呼吸を行うことができる下限値は、現在の酸素レベルの1%、つまり0.01PAL程度とされ、この値を「パスツール・ポイント」と呼ぶ。

地球大気の酸素濃度が、このパスツール・ポイントになるのは約20~18億年前だが、これは、大気中に酸素が急増し、ミトコンドリアとして真核生物に入り込んだバクテリアが出現した時期にあたる。
また、パスツール・ポイントである0.01PALの値が、生物にとって、酸素を使う呼吸と酸素を使わない呼吸のどちらが有利になるかの境目と考えられている。
エネルギー獲得のため、酸素が存在する場合には好気的呼吸によってATP(リンク)を生成するが、酸素がない場合においても発酵(リンク)によりエネルギーを得られるように代謝(リンク)を切り替えることのできる「通性嫌気性菌(リンク)」は、このパスツール・ポイントの酸素分圧の付近で、硝酸呼吸と酸素呼吸の切り換えを行なう。また「絶対嫌気性菌(偏性嫌気性菌)」はこの酸素分圧以上で死滅する。

◆ ◆ ◆ 酸素濃度と生物の進化は深く関わっている。

◆20億~18億年前、酸素濃度は第1臨界点である0.01PALになる。
それにより、オゾン全量は0.16PALに達し「オゾン層(リンク)」が形成され、302nmの紫外線はオゾン層によって45%吸収され、紫外線が海水中に到達し難くなる。
そして、酸素濃度が上昇した環境に適応し、呼吸を行い大規模な光合成が可能なように、ミトコンドリア(リンク)、葉緑体(リンク)、中心対(リンク)等に相当する生物と共生した『真核生物(リンク)』が登場し、生物の爆発的な進化が始まる。

先カンブリア紀でも約12億年前になると、大気中の酸素はかなり増加し、「有性生殖(リンク)の原型」も始まったとされ、さらに約10億年前には『始原多細胞動物(リンク)』が出現する。

◆5億7000万年前頃に始まる古生代初期、酸素濃度は第2臨界点である0.1PALに到達する。
オゾン全量は0.6PALに達し、302 nmの紫外線は89 %がオゾン層で吸収される。
そして、先カリブリア紀に続く5.7億年前のカンブリア紀は、「生物の大爆発(リンク)」があった時代として有名で、海中に多様な生物が爆発的に出現し、また、三葉虫(リンク)など殻や骨格などの硬組織をもつ生物や、無脊椎動物(リンク)が繁栄し始め、陸地には、菌類と藻類(シアノバクテリア)からなる共生生物である「地衣類」が見られるようになる。

しかし、アフリカ、リビアからゼニゴケに類似した苔類の胞子化石が、そしてムカデ様の生物がつけたらしい生痕化石がアメリカ東部の陸域で堆積した地層から報告されているが、陸上においても紫外線をさえぎるオゾン層が形成されるのに十分な酸素濃度が達成されるまでは、(大型)生物の陸上進出は不可能であった。

◆4.5億年前のシルル紀、酸素濃度が0.5PAL程度になる。
陸上においても紫外線を遮断するオゾン層が形成され、本格的な生物の上陸が始まり、昆虫類が登場し、4億年前頃には「初期の両生類」が登場する。

◆約3億6700万年前の石炭紀、酸素、オゾンともにほぼ現在の濃度になる。
多様な陸上生物や裸子植物が繁栄するようになり、「爬虫類」が登場する。

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※参照
「生命と地球の歴史」 丸山茂徳、磯崎行雄 著
「光環境と生物の進化」日本光生物学協会編、共立出版、2000年刊

麻丘東出

2015年10月16日 (金)

【大気の歴史】8~還元的世界から酸化的世界へ ⇒「酸素呼吸型生物」の登場

38億年前に初期生命が出現した頃の海や大気の地球環境は、強い還元状態におかれており(※酸化還元反応リンク)、原始生命は、このような還元的環境で適応できる「嫌気性生物(リンク)」であった。
それゆえ、27億年前の酸素発生型光合成生物(シアノバクテリア)により酸素が増大してゆくと、原始生物は生存危機に晒される環境に置かれることになる。

光合成により生じる酸素と生体が結びつく「酸化」反応は、生体の高分子有機物を酸化分解することで、生体物質を傷つけることになる。
それゆえ、シアノバクテリアが廃棄する酸素は生命体にとって有害で、原始生物で還元的物質で出来ている絶対嫌気性生物は、酸素が存在すると生存できない。そして、酸素を発生するとはいえ、もともとシアノバクテリアの祖先は嫌気性生物として出発しており、自らつくりだした遊離酸素の量がどんどん増えてくると、他の原核細胞と同様に、シアノバクテリア自身の細胞さえも、酸素毒性に対する対抗策を用意せねばならない。さもないと、遊離酸素(O2)が還元されてできる毒性の強い活性酸素(O2^-、H2O2など)によって、たちまち生存の危機に陥ることになる。

そのため、酸化的環境への変化に適応すべく、生命は酸素毒を解毒するのに特殊な酵素をつくりだす。危険な酸素はヘモグロビン(リンク)という酸素を運ぶ分子に結合して体内に安全輸送され、それぞれの細胞では酸素の処理はミトコンドリア(リンク)という特殊な技能をもつ細胞内小器官にまかせている。
そうした酵素をもっていない微生物はシアノバクテリアの酸素汚染によって駆逐されて絶滅に追いやられたり、還元的な物質が地下から供給されている地域、あるいは地下深部の酸素のない世界へ追いやられてしまった。
このように、現存する酸素呼吸生物の細胞中には、酸素毒性を中和する酵素が含まれている。これは、酸素呼吸で生きている生物も、還元的物質でできている自らの体を守るために、酸素解毒装置を内蔵していないと生きていけないことを示しており、原核生物が進化していく道筋のどこかで、このような自己防衛能力が獲得されたと考えられる。

一方で、高分子有機物を酸化分解する酸化反応は、高いエネルギーを発生する。そこで、光合成の廃棄物であった酸素が、海水や大気中に徐々に増加し、さらには過剰になってくると、受け身の防御のみではなく、高い活動エネルギーを得られる酸素を積極的に有効利用しようとする生物が登場する。
 光合成:H2O+CO2 → CH2O+O2 ⇔ 呼 吸:CH2O+O2 → H2O+CO2

つまり、生物史上最大ともいうべき生存危機の外圧に直面し、危機の防御能力にとどまらず、生存域拡大を可能とする新たなエネルギー源の獲得までも満たす機能をもった『酸素呼吸型生物』の出現である。

そしてこの呼吸機能は、これまで地球生命が獲得したなかで最も能率的なエネルギー活用機構であり、これにより、代謝系が発酵から酸素呼吸系に大きく進化することになる。
そして遂に、20~18億年前に、太陽からの光エネルギーを利用する光合成で栄養を自らつくる「酸素発生型光合成生物(→葉緑体)」と、それにより発生する酸素を利用して高い活動エネルギーにする「酸素呼吸型生物(→ミトコンドリア)」と合体し共生する『真核生物』が登場する。

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※参照
「生命と地球の歴史」 丸山茂徳、磯崎行雄 著
「光環境と生物の進化」日本光生物学協会編、共立出版、2000年刊

麻丘東出

2015年10月13日 (火)

【大気の歴史】7~「酸素発生型光合成生物(シアノバクテリア)」の登場 → 海中での酸素の増加

現在の地球の大気中には、約21%の酸素(O2)が含まれている。
しかし、初期大気には、水素に還元されて水(H2O)として含まれていても、遊離酸素O2としてはほとんど含まれていなかった。それがどうして大気中に含まれるようになったのか?

およそ20億年前までの海の地層の中には、海底に沈殿した鉄鉱物と石英とが繰り返して縞状の地層をつくっている「縞状鉄鉱層」が頻繁に含まれている。
この縞状鉄鉱層ができるためには、酸素の少ない状態で海中にとけ込んでいた鉄の二価のイオン(Fe^2+)が、酸素にふれて水に溶けにくい三価のイオン(Fe^3+)に変化し、水酸化鉄(酸化鉄)になって海底に沈殿することが、海中で周期的に起きることが必要になる。
地層の中に縞状鉄鉱層があるということは、当時の海洋が酸素に乏しい状態であり、かつ、何らかの要因で海洋の中に周期的に酸素が供給されて鉄鉱物を沈殿させていたことを示している。

その酸素の供給源は、オゾン層のなかった当時、太陽から降り注いでいた紫外線が水蒸気(H2O)を分解して水素と酸素に変えていたことが考えられる。確かに、当時の大気中の酸素分圧は紫外線による水の光分解によって決まっていた。しかしながら、その濃度は現在の5.0×10^9乗分の1以下とも考えられており、その僅かに生成された大気の酸素が海中に取り込まれ、縞状鉄鉱層を形成する可能性は低く、かつ、それでは鉄鉱物と石英が繰り返して縞状の地層をつくる説明とするには難しい。
それよりも、38億年前に海が形成され、35億年前に生物が誕生(原核単細胞生物)したあとに登場した「光合成生物(リンク)」が重要な役割を果たしていたと考えられている。

◆ ◆
始原生命は、海中の有機化合物(糖質、脂質、タンパク質)を栄養源に繁殖してゆくが、海中の有機化合物が減少するという生存の危機に直面すると、硫化水素(H2S)や亜硝酸(HNO2)などの簡単な化合物を酸化してエネルギーを得るという『化学合成生物(リンク)』が登場する。
ここに、海中に存在する栄養源を直接摂取する「従属栄養生物(リンク)」から、自ら栄養のエネルギーをつくり出す「独立栄養生物(リンク)」への大進化を起こす。

しかし、硫化水素(H2S)や亜硝酸(HNO2)などの化学物質も限界があり、生存の危機に直面する生物のなかから、太陽からほぼ無尽蔵に降り注ぐ光エネルギーを使い、自ら栄養のエネルギーをつくり出す『光合成生物』が登場する。
ただし、初期の生物は、独立栄養生物で嫌気性菌(リンク)であったため、光合成する微生物も酸素発生を行うものではなかった(リンク)。

ところが、海中に取り込まれ充満する二酸化炭素と水から有機物を合成し酸素を廃棄して自分の体を作る『酸素発生型光合成』を始めるという、生物史上最大の劇的な進化を遂げ、地球の自然環境を全く違う世界に大転換させる生物が登場する。
とりわけ、「シアノバクテリア(藍藻)リンク」は有名で、シアノバクテリア類の死骸と泥粒などによって作られる層状の構造をもつ「ストロマトライト化石(リンク)」から、27億年前にはシアノバクテリアが大繁殖したと推定されている。

25~20億年前に北米やオーストラリア、アフリカ、中国などで大量の縞状鉄鉱層が形成されたのは、酸素を発生させるシアノバクテリアの活動が盛んになると酸化鉄、逆に活動が衰える冬場には砂、という“鉄→砂→鉄→砂→・・・”の繰り返しによると考えられている。

◆ ◆
ところが、縞状鉄鉱層は、19億年前よりも新しい時代にはほとんど出現しなくなる。
これは大気に酸素が含まれるようになり、鉄が二価のイオンとしてとけ込むことが難しくなったことを示しており、地球の大気に少しずつ酸素が増えてきたと考えられる。

また、20億年前以降の陸上の河川底に堆積した岩石(堆積岩)に、大気中の酸素によって「鉄成分が酸化され赤色を呈する砂岩(旧赤色砂岩)」が見つかっている。この岩石は20億年前より古い地層からは産出していなく、このことから、20億年前以降には鉄を酸化させるほどの酸素が大気に存在したと考えられる。

上記の2つの証拠、「縞状鉄鉱層の形成年代」と「大陸部赤色砂岩の出現年代」から判断すると、30億年前頃に登場し27億年前に大繁殖したシアノバクテリア(藍藻)により放出された酸素は、少なくとも20億年前までは大気中に蓄積は起こらず、海中の鉄や硫黄の酸化に使われていたと考えられる。
そして、光合成活動は鉄の沈殿の有無にかかわらず、豊富な二酸化炭素を使って進行した結果、20億年前頃に海水中の溶存酸素が増え、海水と平衡状態にあった大気中の酸素分圧が増えたと推定されている。

そして大気の酸素分圧が上昇するほど海中の酸素濃度が上昇したことにより、それまでの生命を育んできた海洋の性格が「還元的な環境から酸化的な環境」へと大きく変化し、それが生物の進化に大転換を引き起こしてゆく。

麻丘東出

2015年10月10日 (土)

性染色体の不思議1~Y染色体遺伝子の退化による性染色体の進化~

彗星【日経サイエンス2004年01月号】より『Y染色体遺伝子の退化による性染色体の進化』の記事よりご紹介します。  性染色体は不思議な構造をもっています。Y染色体は、変異が蓄積されやすい構造を持っている為に、組み換えをしない分、退化が生じます。しかも変異は、生命にとって有害でありながら、淘汰されない範囲=個体の命に係らないように蓄積されてゆく構造を持っています。これは絶妙です。  また、退化が生じても組み替えが起こらないので、一方のX染色体に正常な遺伝子がれば、淘汰されず、Y遺伝子に変異が蓄積してゆくことになります。  さらに、Y染色体には性決定遺伝子がありますが、これらは組み換えしないので退化すると思われていますが、実際は、特定領域に重複するように相補的に塩基配列がある(回文調「たけやぶやけた」のようなものになっているとのこと。 wiki(リンク))ために擬似的な組み換えが起こっているようです。  他方のX染色体は、組み換えするため、退化すれば、すぐ、淘汰されるという構造を持ち、生命の維持に優位な構造を持ち、いかに安定した子孫を残すことができるか?という構造をもっているようです。  このX染色体とY染色体の役割は、雌(XX)【安定と淘汰】と雄(XY)【変異と蓄積】を端的に示すものであり、しかし、その構造はかなり複雑なものであり、何万年もの間に生物が培ってきたものと思われます。同類他者を生み出す構造とは、X染色体は同類=安定と淘汰を作る構造に特化し、Y染色体は他者=変異と蓄積を作り出す構造に特化することで両者が融合して種の保存が形成されているのだと感じました。 -----------------------転載  哺乳類ではX染色体を2本もつ個体は雌、XとYを1本ずつもつ個体は雄となる。XとYの性染色体はもともとは普通の染色体(常染色体)だったが、対になる染色体(相同染色体)の一方に雄を決定する遺伝子が生じたことがきっかけとなって、性染色体への分化が始まった。  一対の相同染色体は、互いのDNAを部分的に交換する「相同組み換え」を起こすが、雄を決める遺伝子が複数ある場合、それらを含む領域内では淘汰によって組み換えが抑制される。  雄決定遺伝子群が対になる2本の染色体に分散したのでは、性の決定がうまくいかなくなるからだ。  一方で、精子ができる減数分裂の過程では、性染色体も常染色体と同じようにペアを形成(対合)して、分裂する2コの細胞に1本ずつ入るようにする必要がある。このペア形成には相同性の高いDNA領域が必要で、ここでは組み換えが頻繁に起きる。この領域を「偽常染色体領域1(PAR1:pseudo-autosomaIregion1)」という。性染色体は相同組み換えが不可避な領域PAR1と、相同組み換えが不可能な領域からなる。  性染色体のPAR1は、哺乳類の進化とともに段階的に縮小してきた。今日のヒトでは、PAR1は性染色体の末端に位置するに過ぎない。PAR1が段階的に短くなったことは、XとY染色体間の相同領域でのDNA配列を比較するとよくわかる。  DNA配列の違いの程度(p値)は、それらが組み換えを起こさなくなり、独立に進化した期間の長さに比例する。PAR1内でのpの値は、他の常染色体の集団内変異量(遺伝子レベルでの個体差、ヒトでは1塩基座位あたり0.1%)と一致する。  しかし、この値はPAR1の境界を越えると突然10%に上昇し、それがX染色体の短腕の1/4近くにわたって観察される。  さらに、この10%領域の端に位置するアメロジェ二ン遺伝子のある場所までくると、p値は20%に上がる(図を参照.アメロジェ二ンは歯のエナメル質形成にかかわるタンパク質)。  つまり、X染色体を端から見ていくと、p値は段階的に0.1%→10%→20%と上昇する。これは、PAR1の境界が不連続的に移動したためだ。PAR1が現在の位置になったのは、組み換えの抑制によってp=10%の領域ができ始めた時だ。  霊長類では、まったく同じ塩基配列だった2つのDNAが、組み換えが起きなくなったために独自に進化して、p値が1%になるのに片道500万年かかる。したがってP=10%は5000万年前の出来事に対応する。これは真猿類の共通祖先の段階だ。 それ以前のPAR1はp=20%の領域までも包含していた。その起源は有胎盤哺乳類の共通祖先の段階(約1億年前)にさかのぼることになる。 -----------------------2に続く

2015年10月 7日 (水)

脳進化の原動力は、原始哺乳類の嗅覚進化にある

>(大脳辺縁系-情動の脳)  情動の脳の原点は、においを認識する嗅葉と呼ばれる部分だ。  原始哺乳類の登場とともに情動を支配する脳に大きな変化が起こった。 (リンク脳の進化の歴史  ~脳幹・大脳辺縁系・大脳新皮質の発達と役割~) 生物進化の過程を「集団(群れ)が原点」という視点で追求しています が、その中で、匂い(嗅覚)の果たす役割に着目しています。 両生類以降に嗅覚は主嗅覚系の他に鋤鼻嗅覚系(フェロモン系)の機能を獲 得し、さらに原始哺乳類以降に嗅覚機能を主として大脳辺縁系を飛躍的に 進化させています。 この嗅覚進化は、単に夜行性や土中生活という環境適応から生じたもので はなく、母子関係や同類認識、雌雄認識のために必要不可欠だったものと 思われますが、何が決定的な要因なのかを追求していますが、まずは嗅覚 と脳の関係についてのレポートを紹介します。 脳の進化の原動力とは?- 米・テキサス大 リンク gomori.com/2011/05/brain.html ------------------------------------------------------------ 哺乳類の身体の大きさに対する脳容積の比率は、爬虫類の10倍もあるとい う。どうして哺乳類は、これほど大きな脳を進化させる必要があったの か。その原動力となったのは何だったのか。『Science』5月20日号に掲載 された論文によると、それはどうも嗅覚の進化と関係があるらしい。 1986年、ジュラ紀から白亜紀にかけての化石が出土することで有名な、中 国雲南省禄豊層で見つかった初期哺乳類MorganucodonとHadrocodiumの化石 を研究していた米・テキサス大学の古生物学者Timothy Rowe氏は、その頭 蓋骨の中に納まっていたであろう脳の形を調べたいと考えた。しかし、当 時はその貴重な化石を壊す以外に、その中身である脳の形を調べる方法が なかったため、あきらめてしまったという。それから20年、Rowe氏はよう やく、化石を壊さずに脳の形を調べることができる良い方法に出会えたの だ。それは、X線によるコンピュータ断層撮影、いわゆるX線CTスキャンと いう方法だ。 これによって得られた頭蓋骨内空間の形状や脳組織の痕跡から、脳表面の 詳細な立体画像を得ることができたRowe氏は、さらにその画像を、哺乳類 のルーツと考えられるキノドン類や、6500万年から1億9千万年前まで生息 していた他の初期哺乳類の化石、現生哺乳類270種の脳からのCT[スキャン 画像と比較し、時代と共に哺乳類の脳の形がどのように変化していったの かを調べた。それらの画像はすべてこちらから見ることができる。 その結果、2億5千万年ほど前に生息していたキノドン類と1億9千万年前頃 生息していたMorganucodonの間で、脳容積は1.5倍ほど大きくなっており、 さらにMorganucodonに遅れること約1千万年後に現れた、現生哺乳類に最も 近縁なHadrocodiumではさらに1.5倍大きくなっていた。そして、その中で 特に巨大化していた脳の領域というのは、嗅球や嗅覚皮質といった、嗅覚 の情報処理に関わる場所だったのだ。この巨大化はさらに継続し、現生哺 乳類の直接の祖先が現れた6500万年前頃には、嗅球へ嗅覚刺激を送る入り 口である嗅覚神経の領域が10倍以上拡大したことが、鼻の骨の大きさによ りわかった。 ではどうして嗅覚に関連する脳の領域が拡大したのだろう? 実は、今回の研究では、嗅覚に関連する領域以外に、体毛からの触覚刺激 を処理する領域、知覚と運動機能の統合に関連する領域なども拡大してい た。これらのことから、恐らく、当時食物連鎖の最上位に君臨していた恐 竜たちから逃れるため、夜行性の生活を余儀なくされた哺乳類の祖先は、 暗闇で役に立たない視覚の代わりに、嗅覚や触覚、あるいはすばやい運動 能力などを発達させる必要があったからではないかとRowe氏は述べてい る。脳は、最初から「考えるための道具」として進化したのではなかった ようだ。 -------------------------------------------------------------

ET

2015年10月 4日 (日)

哺乳類進化への過程(泌乳の視点から)②~プレ哺乳類の放散~

現在に繋がる哺乳類の祖先は、
単弓類→獣弓類→キノドン類→哺乳類刑類→哺乳類と繋がる。

放散する流れを3億2千年前のペンシルバニア期から1億年前の白亜紀までを押さえてみると、いろいろの機能を獲得しながら、食性の特殊化と運動の発達によって歯と骨格が発達していっている。

「泌乳の開始ならびに初期進化に関する新仮説」リンク より
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【プレ哺乳類の放散】

単弓類の現生哺乳類への連続的進化は,下のように区分される。

1.最初の有羊膜類の放散は、竜弓類から単弓類を分離させた。

2.ペンシルパニア紀後期とそれに続くペルム紀に、単弓類は多様な基礎グループへと放散し,そして獣弓類を出現させた。

3.ペルム紀後期に初期獣弓類の放散がおこった。

4.ペルム紀の終わりに大絶滅が起こり,わずかに生き残った獣弓類からCynodont(キノドン類)が出現した。

5.三畳紀までにCynodont(キノドン類)は,歯,頭蓋骨,骨格の形態において哺乳類様の特徴を含むようになり,三畳紀後期およびジュラ紀にMammaliafonn (哺乳形類)が出現した。Mammaliaformは機能的な歯骨-鱗状骨顎関節をもつ。

6.ジュラ紀後期か白亜紀までに真性の哺乳類が出現した。

・初期有羊膜類の放散時期(約3億1000万年前,ペンシルバニア紀)は,広大な沼地,巨大なスギナを含む川辺の森,巨大なヒカゲノカズラ,広がったシダ植物に覆われていた。
 初期有羊膜類の化石は北アメリカとヨーロッパで見つかっているが,その当時そこは赤道近くであった。
 有羊膜類は水分への生存依存性が小さく,顎の構造から昆虫や無脊椎動物のような小さな獲物を摂食していたと考えられる。

・基礎単弓類は、多くの肉食および草食動物へと放散し,200~300kgの体重を持つものが陸生の生態系の優先種であった。
 基礎単弓類のエダフォザウルス類とスフェナコドン類は,背中に巨大な帆をもっていた。
 帆は吸熱また放熱器として機能した。
 それらは,姿勢,運動,代謝また成長において原始的特徴を保っており,羊皮紙様の殻をもった卵を産んだ。
 基礎単弓類の大半はペルム紀末に絶滅した。

・獣弓類は,ペルム紀後期の初めに出現し,肉食性また草食性であった。
 それらは初期のものでさえ頭骨が強固で,食性の特殊化と運動の発達によって歯と骨格が発達した。
 そして,それらは系統進化が進むにつれて顕著になっていった。
 超大陸パンゲアはベルム紀に北方向から赤道に移動し,地上を暑く乾燥したものにし,砂漠は広がったため,いくつかの初期獣弓類はベルム紀後期に絶滅したが,草食性のジキノドン類と、肉食性のゴルゴノプス類やテロケセファラス類は生き残った。

 哺乳類に近いキノドン類はペルム紀後期の終わりに出現した。
ペルム紀末の大絶滅によって,海生,陸生の生物の70%が絶滅した。その中で,代表的な3グループの獣弓類が生き残った。テロケセファラス類はペルム紀には生き残ったが,三畳紀に絶滅した。ジキノドン類とキノドン類は生き残り優勢種となった。これら進化した3種の獣弓類は内温性,高いエネルギー消費といった哺乳類様の多くの特徴を備えていた。ジキノドン類とキノドン類のよく血管の発達した線維層板骨の存在は,効率的な骨成長とリモデリングを示唆している。またこれら3グループで見られる骨性の二次口蓋の発達は,頭蓋骨を強固にし、食物摂取と同時の呼吸を可能にした。さらに,これらの3つのすべての分類群は,高い食物摂取量を維持するために歯、顎、頭蓋骨そして骨格の形態的大変化を引き起こした。

キノドン類の下顎の歯骨は筋突起として背側に広がり,これにより強力な咀嚼筋である咬筋を発達させた。歯骨は、後歯骨と置き換わって後方へと広がり,後歯骨は縮小した。そして歯骨は頭蓋骨である鱗状骨と接触するようになり,この接触は機能的な顎関節を発達させた。

モルガヌコドン類やシノコドン類といった初期哺乳形類では,顎関節の移行型を示し,2つの顎関節(関節骨一方形骨関節,歯骨一鱗状骨関節を保有していた。ハルドコディウム類とその後の哺乳類系では,新たに顎関節から独立した関節骨ー方形骨関節は,ツチ骨とキヌタ骨として中耳に取り込まれた。哺乳類の中耳は,初期キノドン類の顎関節から誘導されたものである。

西村真治

2015年10月 1日 (木)

自然免疫の働き②~それはミトコンドリアを中心に細胞ひとつひとつが強くなること

西原克成氏『からだと精神、五臓六腑とこころ』の つづきです。 リンク ------------------------------------------------------- 脳神経と筋肉は共役して同時に発生します。筋肉のない生物には神経はありません。神経なくして筋肉はない。筋肉なくして神経はありません。 脳には大脳辺縁系の内蔵脳(知覚と運動)と大脳皮質の体壁脳(知覚と運動)があり、それぞれ内蔵平滑筋肉と体壁横紋筋と共役し、外界と身体との窓口となっています。 従来の脳の研究は脳だけを切り離し研究したために殆ど成果が上がらずに無駄骨を折っていたのです。 内蔵のうごめきや体の中でも最も原初の単細胞動物の形を保っている白血球の動きの中に心が宿り、横紋筋肉の動きの中に計算や考え・精神・思考が生まれます。 心とは生きる意欲のことですから、生命欲で、ヒトでは仏教で言う五欲のことです。 これは財・名・色・食・睡で代表されます。生命欲ですから原生動物にもバクテリアや植物細胞にも心はありますが、体壁筋肉細胞や神経細胞・骨芽細胞等、高度に機能分化した細胞にはもはや心はありません。 もとより横紋筋のない単細胞動物や植物には心はあっても考え(思考)はありません。 細胞内生命のミトコンドリアは、太古の好気性菌(原核生物)が真核生物に寄生したものですから、生命欲すなわち心を持つと考えられます。 神経細胞内生命のミトコンドリアの生きる意欲に支えられて、エネルギー代謝と共役して脊椎動物の生命活力の全てがあり、その一部として進化も起こっていて、臓器の相関性の全ても究極ではミトコンドリアの働きによって支えられているのです。 人間の作り出す邦(国)や都市を考えてください。様々な機関があり、組織があり、上水道・下水道があり通信網があり、流通があり、商業、工業施設・学校があり、おびただしい人々が平然と生活しています。一人一人の人がそれぞれ独立して生活しながら邦全体の活動を支えているのです。 60兆個の多細胞から成る哺乳動物の細胞内に存在する3千粒のミトコンドリアの一つ一つがちょうど一人一人の働きをしてそれぞれの特殊細胞内で特徴的なサイトカインを分泌して全体を統御しているのです。 赤血球は哺乳動物のみが核とミトコンドリアを排除してもぬけの殻のゴーストとなっていますが、白血球がミトコンドリアを抱えて体中を巡り、赤血球の入り込めないリンパ液はもとより、リンパ系の脳骨髄液までも通って体中の通信網の如く、そのミトコンドリアが邦の連絡公務員の如く全身を統御しています。 このミトコンドリアは、16~18億年前に真核生物に寄生した細菌と同じ原核生物です。 従って、無害の腸内細菌が白血球に抱えられて体中の動脈血内を巡り、細菌を細胞内に播種(はしゅ)すると、様々な器官や組織に細胞内感染症を発症します。 これにより細胞内の酸素や栄養が変調し、細胞内呼吸の解糖とTCAサイクルが障害されたのが、いわゆる免疫病です。 「自己・非自己の免疫学」というのはダーウィンの進化論(ダーウィニズム=ダーウィン主義)と同様に大人の御伽噺(おとぎばなし)です。 自己免疫疾患などという自己矛盾した疾患は存在しません。もしこんなものが存在したら、脊椎動物5憶年の進化は存在することなく、この宗族は亡んでいます。 生き方の誤りで、哺乳動物の掟をヒト故に知らぬ間に侵して体中の細胞が黴菌(ばいきん)だらけになって、細胞内のミトコンドリアの働きが荒廃しているだけです。 この黴菌だらけになった細胞を元気な白血球が破壊しようとしているのです。 この黴菌を見逃して大騒ぎしているのが、御伽噺の世界の酔いしれている阿呆学者達です。 この哺乳動物の決まりを破るのが、口呼吸と体(皮膚)を冷やすこと、冷飲料の腸の過冷却、骨休め不足(重力作用)と太陽光線不足(うらなり)です。 このことに目覚めれば、豊かな日本で至福の生涯を終えることができます。それには、むさぼりの心を捨てて、「我唯知足(われただたるをしる)」の心得が必要です。 -------------------------------------------------------- 引用おわり

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