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2015年11月

2015年11月30日 (月)

森下敬一氏の唱えるガン説~①血液は骨髄ではなく腸で造られる(1)

ガンの食事療法で知られる森下敬一医師。学会では異端視されていますが、最近このるいネットでも取り上げられているように、一般の人たちから注目が集まっています。
森下氏の説を、分かりやすく説明している本から紹介します。
以下、「ガンは食事で治す」森下敬一・著より引用

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◆「骨髄造血説」のウソ
・・・現代医学と現代栄養学の誤りを指摘してきたのは、その誤りの上に立った治療や食事指導が行われている限り、ガンに苦しむ方々を救うことはできないからです。そこで、もう少し、現代医学の重大な誤りについてお話をしておきたいと思います。
それは、「血液は骨髄で造られる」という定説です。この誤りを正さないことには「ガンは食事で治せる」という私の話の信憑性が疑われてしまうでしょうから。

現代医学では、この定説を学校でも教えています。
しかし、私は、早い段階からこの説に疑問を持っていました。少しそのお話をしておこうと思います。
もっとも原始的な原生動物のアメーバやゾウリムシなどを除いて、すべての動物たちは血液の構成要素である血球を持っています。骨がないイカやタコにも血球は存在しますし、イソギンチャクやヒドラなどの腔腸動物、ミミズやゴカイなどの環形動物でさえ、血球(または血球様遊走細胞)を持っています。
血液(血球)が骨髄で造られるとするならば、これら骨のない動物の血液はいったいどこで造られているのでしょうか?

こんなことを考えていた私は、ある日、新宿御苑の池で食用ガエルの大きなオタマジャクシを見つけ、研究室に持ち帰り、早速、その血液を調べてみました。後日、カエルについても同様のことを行いました。すると、驚いたことに、オタマジャクシもカエルも、ほとんど違いは見られなかったのです。
ご存知のように、オタマジャクシには手足がなく、造血を行うはずの骨髄といえるものは、体全体でもごくわずかです。にもかかわらず、手足がしっかり形成されているカエルとほとんど血液の状態は変わりません。唯一、オタマジャクシの血液には、卵生時代の名残りである卵黄球という物質が見られるだけでした。オタマジャクシとカエルの血液が同じなら、同じ組織で、同じシステムによって血液が生み出されているはずです。
オタマジャクシのときは別のところで造血され、カエルになったら骨髄で・・・というのは、生命において最も大切な「造血」という作業が、その動物の個体において、ある時期からまったく別の場所(臓器組織)に引っ越すという考え方で、どう考えても不自然ではありませんか。

こうした実験結果によって、ますます「骨髄造血説」に疑いをもった私は、今度は人間の血液を調べ始めました。
当時、私がインターンとして住み込み勤務していた病院は、旧陸軍の病院で、第二次世界大戦で負傷され、帰還された傷痍軍人の方々が多くいらっしゃいました。その中には、不幸にして、両手両足を切断された方もおられました。両手両足がないということは、人体の全骨髄組織の90%以上を失っているということです。だとすれば、この方たちは造血が難しく、極度の貧血状態にあるはずです。
そこで私は、両手両足を失われた何人かの方にお願いしてご本人の許可をいただき、血液を調べさせていただきました。その結果は、貧血どころかまったくの正常値の範囲であり、赤血球にいたっては、一般の方たちよりも10%も多かったのです。
私はこうした事実を確認できたことで、いよいよ「骨髄造血説」は間違いであるという確信を抱くに至ったのです。

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~①(2)に続く~

コメットさん 

2015年11月27日 (金)

闘うコオロギは環境次第で強くなる。しかし、度を超してしまうと狂ってしまう。 ~人類も同様。

コオロギに関して興味ある研究実験がありましたので紹介します。
まずコオロギ研究実験の動機は「単純な脳しか持ってない昆虫は、遺伝的要素が大きく、生育環境には影響されないとの学説に対して、事実は違うのではないか?」との疑問の解明であった。実験結果は「コオロギは、外部の環境によって大きく変わる」であった。しかしこの実験はもっと注目すべき事項もあった。
それは
生物の基本的な外圧適応構造(人類も昆虫も)は同じであり、また単純な脳を持った昆虫の外圧に対する反応は極めてシンプルであるので、生物としての基本的な外圧適応方法が分かる事であった。
参考までに
実現論:イ.可能性への収束=統合リンク)に記載されている内容を紹介する。
>全ての生物は、全て外圧(外部世界)に対する適応態として存在している。
>もちろん人類も、単細胞の時代から今日まで外圧適応態として必要であった全てのDNA配列=諸機能or 諸本能は、今も現在形において(しかも最基底部から上部へと段階的に塗り重ねられて)その全てが作動しているのであって、単細胞や動物たちの摂理を人間とは無関係な摂理と見なす様な価値観は、人類の傲慢であり、かつ大きな誤りである。

ところで実験内容は、
コオロギの飼育環境を3つに分けて、環境によるコオロギの闘争能力の差異を観察する実験である。
A:「集団」で飼育するグループ、B:「単独(隔離)」で光を通さない「真っ暗」な環境で飼育するグループ、Cグループ:「単独(隔離)」で透明容器の「明るい」環境で飼育するグループに分け、飼育しその実験結果は、A「集団」<B「単独」かつ「真っ暗」<C「単独」かつ「明るい」となった。

特にCは、驚く事に『狂暴化して、敵が死ぬまで追い詰める。相手を殺すまで闘うというのは、野生のコオロギではあり得ない。本当に狂ってしまったのだ。』となった。そのメカニズムは、見ることの出来る物体に触れる事ができない不全感(本能で捉える事ができない現実に遭遇)で、脳内ホルモンの異常(生命の危機・不安・恐怖・怒りを抑える物質「セロトニン」が著しく減じる)が発生し、狂暴化したと考えられる。

ここで、A,B,Cの各グループは、まさに人類史の平和共存から戦争そして精神破壊の現在への歩みにあてはまる。
A「集団」は、人類の形質を殆ど形成した500万年間の洞窟生活社会(共同体社会)
B「単独」は、3000年前に発生した略奪闘争によって共同体社会が解体され個人中心社会
C「単独」かつ「現実とかけ離れた情報を受け取る」は、現代社会≒テレビ、コンピュータなどの影響で、存在と現実の乖離によって、宮崎勤の猟奇殺人から大量の他人の気持ちが理解できない人の増加→精神破壊が蔓延している。

次の実験「Cの状態の狂暴化したコオロギを集団の中に戻す」では、狂暴コオロギは、正常なコオロギに戻ったのです。
人類が正常に戻るには、人類の本源的な社会(共同体)の再生が急務な課題といえる。
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英考塾「闘うコオロギは環境次第で強くなる。しかし、度を超してしまうと…」リンクより
(前略)
戦闘様式は異なるといえども、中国・イギリスともに、コオロギの強さは「飼育」によって高められると考えられている。
この点に、ある科学者は疑問を感じた。
従来の学説では、昆虫のように単純な生物は、遺伝的な要素が大きく、生育環境にはあまり左右されないと考えられていたのである。
なぜなら、コオロギの脳は「微小脳」と名付けられるほどに小さく、学習能力が大きいとは考えられていなかったからだ。
ところが、中国の指南書にもあるように、コオロギの強さの7割もが生育環境にあると闘蟋の伝統は教えているのである。
それは本当だろうか? もし、そうならば昆虫への考え方を一新させなければならない。

金沢工業大学では、ある実験が行われた。
コオロギの飼育環境を3つに分けて、環境によるコオロギの変化を観察する実験である。
まず、「集団」で飼育するグループと、「単独(隔離)」で飼育するグループに分ける。
そして、「単独(隔離)」のコオロギは、光を通さない「真っ暗」な環境と、透明容器の「明るい」環境を用意した。
さて、結果は?
単独(隔離)、そして透明容器の明るい環境のコオロギが最も「狂暴化」した。
まさに狂暴、敵が死ぬまで追い詰める。相手を殺すまで闘うというのは、野生のコオロギではあり得ない。本当に狂ってしまったのだ。
オスどころか、メスまでをも攻撃してしまうようになった。
なぜ?
単独で飼育するというのは、闘蟋(コオロギの闘争)の基本である。伝統的に闘争心を高める手法として用いられてきた。
しかし、通常の飼育容器は遮光(素焼き)であり、透明ではない。
透明だとなぜ狂ってしまうのか?
狂ったコオロギの脳では、脳内ホルモンに異常が見られた。特に「セロトニン」が著しく減少した。
脳内セロトニンの不足は、人間の場合、精神活動に異常をきたす。不眠症、うつ病、更年期障害などなど。
透明な容器に入れられたコオロギは、ありえない現実に「混乱」してしまったものと考えられた。
「見えるのに触れない」。これは、コオロギがついぞ体験したことのない現実である。
コオロギの「微小脳」は単純である。モバイル機器のCPU(脳ミソ)が単純に作られ、サクサク動作するのと一緒である。
「見えるモノには触れるはず」である。遠くにあるモノではない。すぐそこにあるのに触れない。
脳内にプログラムされていた情報と、実際の現実が「あまりにもカケ離れていた」ために、コオロギの微小脳は「処理(理解)不能」に陥り、その結果、暴走してしまったものと考えられた。
一方、最も闘争心の小さかったコオロギは、集団飼育であった。
常に他のコオロギが存在する環境で育ったコオロギたちは、オス同士でも争うことはなかった。
さて、その穏やかな集団コオロギの中に、狂暴君を入れてみよう。
さすがに狂暴。手当り次第に暴れまくる。「オレに触るとケガするぜ」。
しかし、散々噛みつきまくって気が済んだのか、狂暴君はいつの間にやら、大人しくなっていた。
この実験結果をみれば、一目瞭然、明らかに外部の環境によってコオロギが大きく変化したことが判る。
中国の歴史が語るように、コオロギは飼育環境で激変したのである。攻撃を忘れたコオロギから、狂えるコオロギまで。
先天的(遺伝的)な影響が思ったより少ないという事実は、ある意味「救いのある話」である。
後から何とかなるのであれば、希望も持てる。
また、脳ミソというものが、現実とのギャップに思ったよりも弱いということも判った。

岸良造

2015年11月24日 (火)

「X染色体の未知なる遺伝子と男性機能への役割」

> 雌雄の役割分化は確かに存在し、これによって適応可能性が開かれたと考えられるが、「雄として」「雌として」の役割も雌雄の遺伝子の協働によって初めて実現されるのものであり、「雄は変異」「雌は安定」という二元論を超えた雌雄の協働性に目を向ける必要がある。(181378

染色体のレベルでも、X染色体とY染色体の協働により、「XX(メス)は安定」「XY(オス)は変異」という異なる特性が発現するようです。

 最近の研究での、「X染色体」に関して二つの新しい発見がありました。

1.X染色体は、遺伝子に変異が起きにくく安定してると考えられていたが、、変異が起きにくい遺伝子がある一方で、変異が比較的頻繁に起きている遺伝子もある。

2.X染色体には精子になる組織でのみ活性化する遺伝子が含まれていることが分かり、男性機能に対しても重要な役割がある。

この研究では、この発見によってX染色体遺伝子には、1つは「安定」、もう1つは「不安定で男性的な特徴へと影響を与える」という2つの側面があるのではないか、と考えられています。

 つまり、X染色体とY染色体それぞれが独自の役割を持つのではなく、「XX(メス)/XY(オス)」という組合せにより、「安定/変異(不安定)」という異なる働きがあらわれる、
 ・XX(メス)の場合:X染色体の「安定」の特性が現れる。
 ・XY(オス)の場合:X染色体の「変異」の特性が現れる。
ということではないかと思われます。

X染色体は、ペアにある相手(X染色体又はY染色体)によって、その振る舞いが異なり、それが「安定/変異」という相反する働きを生み出しているようです。これは染色体レベルでの協同性と言えるのではないでしょうか。

以下、科学ニュースの森「X(女性)染色体の未知なる遺伝子と男性機能への役割」リンクより転載します。
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背景:
ヒトは22組の染色体に加えて1組の性染色体を持つ。女性は性染色体としてXを2つ、男性はXとYを1つずつ持つため、Y染色体に男性機能をつかさどるための遺伝子が含まれていると考えられている。ではX染色体は男性への性決定への影響を全く持たないのだろうか。

要約:
出来る男の背後には出来る女がいると言われるが、精子の背後にはX染色体がいるようだ。ヒトはY染色体を持つことで男性へと成長するため、Y染色体が男性への性決定、男性としての成長や繁殖能力などに影響していると考えられていた。

しかしホワイトヘッド生医学研究所のDavid Page博士率いる研究チームによって、女性染色体と呼ばれるX染色体には精子になる組織でのみ活性化する遺伝子が含まれていることが分かり、男性機能に対しても重要な役割があることが明らかとなった。この発見によって、性染色体がどのように性決定へと影響するのかというこれまでの説を考え直さなければならず、またX染色体は予測されていたよりも進化への影響があることが示唆される。

哺乳類は通常2つ1組の性染色体を持っている。メスは2つのX染色体を持ち、オスはX・Y染色体を1つずつ持っている。しかし正常な生体機能にはX染色体は1つしか必要ではないため、メスの細胞内ではX染色体のうち1つが不活性にされる。

約50年前、遺伝学者である大野乾博士によって、この不活性化がX染色体の進化を遅くしていることが示され、X染色体内の遺伝子は殆どの哺乳類でとても似ているという説が提唱された。そこでPage博士らは、約8000万年前に枝分かれしたと考えられているヒトとマウスのX染色体の差を比較し、この説を確かめた。

ヒトやマウスの全ゲノムはもうすでに解読されているが、X染色体上には多くの重複した部分があり当時の技術では正確に解読することはできなかった。そのためX染色体のDNA塩基配列には隙間やミスが存在したため、まずはその隙間を埋めミスを正さなければならなかった。そこで彼らは、特別に開発した技術を使ってX染色体の塩基配列を正確にもとめ、マウスのそれと比較した。

Page博士らの発表によると、ヒトとマウスは約800の遺伝子のうちの多くを共有しているようだ。それらは以前から知られ教科書に載っている類のものであり、雌雄共に活性な安定した遺伝子であった。それらの遺伝子の変異は、血友病やデュシェンヌ型筋ジストロフィーなどのX染色体連鎖劣性疾患を引き起こすことで知られている。

しかし彼らは同時にヒトとマウスのX染色体上の違いも発見した。ヒトX染色体上には144のマウスX染色体上には197の共通しない遺伝子が含まれていた。それらヒト遺伝子のうち107は重複した部位に複数存在し、早く変異しているようであった。この事実から、これらの共通していない遺伝子はヒ トとマウスが枝分かれしたあとに出現したと考えられる。

ミシガン大学のJianzhi Zhang博士によると、ヒトとマウスのX染色体に、それほど多くの共有していない遺伝子があるというのは驚くべきことだという。このことは、X染色体上の遺伝子も変化し続けていることを示しているという。

このように遺伝子の変化があるということは、X染色体が進化へと影響を及ぼす可能性があることを示している。これまで実際に、マウスのX染色体遺伝子には種分化に影響を与えた可能性のあるものが特定されている。そのためPage博士は、X染色体上で新たに見つかった遺伝子群は、有力な候補なのではないかと考えているようだ。

また彼らは8人の男女の体組織内で、それらの遺伝子がどのような働きを持っているのかを解析した。すると、これまで発見されていた多くのX染色体遺伝子と異なり、新たに発見された遺伝子の多くは女性の組織内で発現することはなかった。その代わり、男性の睾丸内の特に精子となる組織内で発現されてい た。

これらの事実から、Page博士はX染色体遺伝子には2つの側面があるのではないかと考えているようだ。1つは安定してこれまで述べられたような挙動を示し、もう1つは不安定で男性的な特徴へと影響を与えるものだという。

この研究で解析されたX染色体上の重複した部位は、癌などの疾患に深いかかわりがあることが知られている。そのためPage博士は、他の研究者もこれらの遺伝子が生体機能にどれほど重要なのかを研究し、不妊や精巣腫瘍などのメカニズム解明へとつながることを期待しているという。

Zhang博士によると、これらの遺伝子の健康や種分化に対する影響を理解するには、まずはその機能を解明しなければならないという。しかし確実に言えることは、今後様々な研究者がX染色体の進化について注目するようになるだろうという。
 ======================================================以上

2015年11月21日 (土)

蜂と同じような社会(真社会性)をもつ哺乳動物「ハダカデバネズミ」 ~原始人類も真社会性集団か?

テレビで蜂と同じような社会(真社会性)をもつ哺乳動物「ハダカデバネズミ」が紹介されていた。
「ハダカデバネズミ」が、ガンにならない理由
リンク
で注目されていますが、それ以上に興味があるのは、哺乳類にも拘らず、地下トンネルに集団で住み、真社会性の集団を構築した事です。
デバネズミは、地下トンネルに住む為、体毛がなくハダカであり、出っ歯をより進化させ、女王を頂点として役割分担を決めた真社会性(≒集団が一つの生命体)である。例えば天敵のヘビがトンネルに侵入してくると、年寄りの兵隊ネズミが自らヘビの餌となってヘビの空腹を満足させ退散させる。この自己犠牲の行為は個人主義の観点からは解釈できないが、集団が一つの生命体であると考えれば納得できる事である。

又各個体の役割分担は生得的ではなく、コロニー内の環境に応じ変化する。コロニーから隔離・つがいにされたオスメス未分化成体は、自然にオス・メスに分化成体になる。

まさにデバネズミは、人類の極限時代(洞窟に隠れ住む)と同じような状況であったのです。人類も体毛が無くハダカであり、脳機能を発達させ、リーダは女(実現論の「原始人類集団のリーダーは、精霊信仰⇒祭祀を司る女であった リンク」)であった。そして人間の危機に直面した時の自己犠牲の強さにも注目すると、極限時代の人間集団は、生き残る為、本能も封印し真社会性の集団に可能性を見出したのかもしれない。

注)『真社会性(しんしゃかいせい)とは、動物の集団のうちで、社会性昆虫などに見られるものを指す言葉である。もともとはこれらの動物に対しても、普通に使われるような、社会的な集団を作る性質の意味で社会性と呼んだのであるが、行動生態学等の進歩の中で、その意味が見直され、新たな概念として提出されたものである。その重要な特徴は、集団の中に不妊の階級を持つことである。
又1981年、哺乳動物として初めてハダカデバネズミが真社会性であることが報告された。真社会性が観察された哺乳動物は、デバネズミ科のハダカデバネズミとダマラランドデバネズミの2種のみである。』
ウイキペヂアから
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ハダカデバネズミ研究ユニット
リンク
【デバの生態】
ハダカデバネズミ(naked mole rat, Heterocephalus glaber)は、
アフリカのエチオピア、ケニア、ソマリアなどのサバンナの地中で暮らすげっ歯類です。
地下のトンネルの中で、最大300頭もの大規模な群れを形成し生活します。
ひとつの群れの中では、1匹の女王ネズミと1-数匹の王ネズミのみが繁殖を行います。
他の非繁殖個体は、それぞれ兵隊ネズミ(soldier, 巣の防衛)や働きネズミ(worker, 穴掘り, 食料の調達, 仔の世話)として、協調的に集団生活を行います。このような社会性は真社会性と呼ばれ、ハチやアリなど昆虫においてよく見られる現象です。
哺乳類では、ハダカデバネズミとダマラランドデバネズミの2種のみにおいて、真社会性が観察されています。
自然下では、ハダカデバネズミは地下植物や植物の根茎を食べています。

【 デバ真社会性と脳神経可塑性】
<ハダカデバネズミの真社会性~成体脳の可塑性の観点から~>
ハダカデバネズミは、昆虫のアリやハチに類似した分業制のカースト社会を持つ(Queen, King:繁殖、Soldier: 巣の防衛、Worker: 巣の拡張、餌収集、子育て等)。その特徴は以下の通りである。
■多くの近縁の個体からなる1つのコロニーにおいて、繁殖を行うのは1匹のQueenと数匹のKingのみである。
■カースト決定は生まれつきではない。
■Queenは、何らかの方法で巣内の他の雌個体の女王化を抑制している。一旦女王から引き離された♀Workerは自動的に女王化する。つまり、ハダカデバネズミの女王化は、人為的に誘導可能である。Queenと下位の雌個体では、脳の一部の形態が異なるとの報告がある(Holmes et al., PNAS, 2006)が、女王化(=カースト変化)抑制機構及び抑制解除仮定は完全に不明である。
この女王化、即ち社会行動変化が起こる際には、
1.まず、何らかのTriggerにより、抑制が外れ、最初の成体脳神経系の変化が起こる
2. 次にその変化を元に、脳神経系・生殖系・内分泌系の変化が起こり、女王化が引き起こされる
と予想される。
<ハダカデバネズミの真社会性~性差の観点から~>
哺乳類の行動において、雌雄の個体は各々に特徴的な行動様式をもつ。性差の決定機構は、種間の多様性が非常に大きく、生物固有の社会システム・繁殖システムに大きな影響を受けながら進化を遂げたと考えられている。このような「行動の性差」は「脳の構造と機能における性差」と「生殖巣における性差」の緊密な相互作用によりもたらされると考えられる。実際、ヒトを含む哺乳類では、脳の多数の部位において構造的、あるいは生理学的な性差が確認されている。脳の構造と機能の性差のほとんどは、遺伝的性別とは独立に、脳の発生途上の特定の時期に生殖巣が分泌する性ホルモンによって決定される。実験的に新生仔期に生殖巣の除去や移植、あるいは性ホルモンの投与を行うと、脳の性転換が起こることが知られている。これらのことから、行動における性差を解明するためには、”脳”における性差に加えて、”内分泌”・”生殖巣”における性差を包括的に理解していく必要がある。
性差の観点から:デバの特徴
■繁殖個体の決定は生得的ではない。
若齢ネズミは非繁殖カーストに属しWorkerもしくはSoldier的行動をとるが、コロニー内の状況変化に応じ、一部の個体はQueen, Kingへと変化する。一方で、非繁殖カーストのまま生涯を終える個体も数多く存在する。
■非繁殖成体における体重・骨格には性差が見られない(Seney et al., PLoS ONE, 2009)。
■非繁殖成体における生殖巣の発達は未成熟である(Holmes et al., Front. Neuroendocrinol., 2009)
■コロニーから隔離・つがいにされた非繁殖成体(性未成熟成体)は、自動的に性成熟する。
(後略)

岸良造

2015年11月18日 (水)

生物進化の源泉にある、古細菌の普遍構造に感謝

福島原発事故による土壌汚染に対して、現段階で唯一効果を発揮したとされる、微生物の力を利用した複合発酵法。これは土壌細菌の複合体による、エネルギー転換の力を応用した化学反応によるものだ。現代科学では、常温核融合や元素転換といった科学的発想は“有り得ないこと”とされており、前述の除染効果についても未だ学者達は批判の目を向け続けているようだ。

では、実際に柳田ファームの汚水処理、工場排水の重金属処理、そして福島における除染実験などで実測値として物質転換が起こっている機序とはどのようなものなのか?

先日、高嶋博士他の複合発酵実践者達の集まる場に立会う機会を頂き、直接話しを聞いた中で、いくつかの気付きがあった。微生物の複合体は、地球に降り注ぐ宇宙線をキャッチしてエネルギー源とし、無機物の分解や有機物の合成をも可能にしていると言うのだ。なるほど、これなら目に見えない力が働いていると考えても、辻褄が合う。

地球上に存在している多様な微生物群の中には、海底火山の熱水噴出孔周辺や、太陽光の届かない地中深くなど、実に様々な領域まで生態系が広がっている。これらの細菌類は、大きく分けて嫌気性細菌、好気性細菌に分類され、現代科学ではそれらをDNA区分ごとにさらに細かく類型化されているが、凡そ人類が把握出来ているのは微生物全体の1割にも満たないのだろうと思われる。

しかし、現実に人間では適応出来ないような高温域や無酸素状態でも生命活動を行なっている古細菌もまた、腸内細菌の一部として体内共存をしていたりもする。そして、分類学上は特定の細菌に区分されるそれらの存在一つ一つも、厳密に言えば全て違いを持った細菌の共同体と言えるだろう。この細胞群の微妙な違いと連携、つまりは複合力こそが、様々な物質を別の物へと変える力を有しているという事だ。

人間は酸素をエネルギー源として活動する好気性生物の一種。しかし、腸内には嫌気性細菌も同居している。もっと言えば、人間の細胞は60兆の細胞(これすら、単なる仮説に過ぎないが)で構成されているが、実はその10倍を超える細菌群との共生によって成り立っている生物である事が解明されつつある。腸内だけでなく、皮膚上細菌のバリアー等も含めて、体中のあらゆる部位で、種を超えた細胞間コミュニケーションを行なっているのだ。

微生物の複合発酵の仕組みによって、実は273235「太陽を食べる男 NASAが研究へ~米科学者らは、130日間日光と水分だけで生きていることを確認した」ことすらも、説明できてしまうでは無いか!

腸内細菌の生態系も、人によって全く異なる組合せである事が知られている。だとすれば、腸内細菌の複合力によって、宇宙線や太陽光等の外的資源を直接的なエネルギー源として人類の生命活動を維持できてしまう者が60億人に一人くらい居ても、おかしくは無い。

現代科学、つまりは要素還元主義の世界では、目に見える物質間の関係性だけで全てを論じる事だけが“証明可能な事実”となるため、実証できない現象は葬り去られる傾向にある。見方を変えれば、都合の悪い現象は研究対象から除外する事により、特定の現象だけを説明する事で成り立たせた部分的事実に過ぎない。もっと言えば、研究室という特殊空間内だけで再現できる現象だけが、科学的事実とされているのだ。現実捨象も甚だしい。

そもそも、地球上に生物が誕生してから40億年の歳月を掛けて、様々な外圧に適応する中で現世生物群の進化が実現した事実と同時に、40億年間殆ど姿形を変えずに現代まで生きながらえている細菌群が存在する事自体が、何よりも驚異的ではないか!地球環境の劇的な変化を乗り越えてきた進化積層体と、周り(他者)を進化させつつも、その体内に共生の道を作り出してきた古細菌群との生命共同体の存在こそが、何よりも雄弁に語りかけてくる。

生命活動の歴史は、常に不可能を可能にしてきた道程であると。現代科学の力を持って証明できない事象など、あって当然ではないか。
宇宙~地球~生命活動の人智を超えた循環システムに、もっと深く感謝し、同化して行くこと。そこにこそ、次代を生き抜く知恵、観念進化の道筋が残されているのだと思う。

参考記事
・高嶋工学研究所:現状報告 リンク
※5,000坪の敷地での除染実証の報告書も頂いています。
・佐野博士:現代物理学の限界と微生物作用の理論 リンク
・人と微生物の共生関係 リンク

2015年11月15日 (日)

生物の進化には、酸素濃度が大きく影響している

生物の進化に環境が大きく関係しているのは明らかですが、その中でも特に酸素濃度が大きく影響しているようです。

以下、恐竜はなぜ鳥に進化したのか 絶滅も進化も酸素濃度が決めた /ピーター・D・ウォード著
の要約版を引用します。 (リンク

☆ ☆ ☆ 以下引用 ☆ ☆ ☆
・過去 6億年のうち、地球の酸素濃度は、12%~35%の間で大きく変動している

・生物の大規模絶滅は、酸素濃度が低い時期に発生している

・動物の多様性と酸素濃度の間には相関関係があり、高い多様性がみられるのは高酸素濃度の時期

・カンブリア爆発の進化の多くは、かつて言われた運動能力や捕食といった観点だけでなく、より効率的な酸素の獲得の結果として説明できる

・動物の陸上進出は、高酸素濃度が不可欠(進化途中の肺では低酸素濃度を生き残れないため)。最古の陸上生物は4.1億年前に現れ、3.7億年前のデボン紀の大絶滅の洗礼を受けた後、3.3億年前辺りから再度進出という経過を辿るが、これは、4.1-4.0億年前の高濃度の状態から3.7億年前には12%まで急激に低下し、その後、3.0億年前まで急激に上昇した酸素濃度のカーブと一致する

・2.5億年前のペルム紀の大絶滅は、火山活性化による二酸化炭素放出→温暖化&酸素濃度の低下→硫黄代謝細菌の増殖→有害な硫化水素濃度の上昇、という流れの結果

・2.5-2.4億年前の三畳紀前期は、酷い低酸素濃度が続き、この間に低酸素に適応した哺乳類と恐竜の祖先が現れる。哺乳類は横隔膜を、恐竜は二足歩行を獲得した(四足歩行は、歩行中に肺の圧迫を引き起こし、呼吸を阻害してしまうらしい)

・恐竜は、竜盤類と鳥盤類の二つに大きく分類できる。竜盤類は、鳥類が持つ気嚢システム(哺乳類の2倍の呼吸効率のあるシステム)も獲得していた。一方、鳥盤類は気嚢システムを持っていないため低酸素耐性が弱い

・三畳紀末(2億年前)に、酸素濃度は12%まで低下し、再度、大絶滅が起こる。低酸素に強い耐性を持つ竜盤類恐竜は、低酸素に影響されることなく生き残り、続く大恐竜時代を生む

・恐竜が誕生した三畳紀後半からジュラ紀中期までの長い間、低い酸素濃度のため恐竜の多様性は抑えられていた。いろいろな種類の恐竜が出てくるのは、十分酸素濃度が高くなったジュラ紀後半以降

・酸素濃度の上昇に伴い、低酸素耐性の強い竜盤類は減り、低酸素耐性は弱いものの捕食能力が高い鳥盤類が増えていく。また、大型化もガンガン進む

・哺乳類の台頭が恐竜絶滅を待つのは、少なくとも高温&低酸素の時代(三畳紀後半~ジュラ紀中期まで)は、恐竜に比べ低酸素耐性や温血といった点で、不利だったのが原因

・哺乳類が胎盤システムは一定以上の酸素濃度が必要。哺乳類が胎盤を獲得したのは、高酸素濃度となった白亜紀後期

末廣大地

2015年11月12日 (木)

二つのエネルギー生成系で見る生命の仕組み⑤:ガン細胞とは、悪化した内部環境に適応して生まれる解糖系生命体

272925の続きです。

安保徹氏は、「ガンの原因はストレスによる低体温・低酸素→ミトコンドリアの不活性」であると仰っています。

●ストレスは「解糖系」にとって良い条件を生む

体の無理であれ心の悩みであれ、短いスパンでは、顔色が青ざめたり、低体温になったり、血糖値が上がるということは、解糖系には好条件なので、危機を乗り越えるためにはプラスです。相手をはねのけたり、攻撃したり、逃げたりするのにプラスに働くからです。
だから、ストレスで顔が青ざめたり、冷えがきたりするのは、体の失敗ではなく、適応のためです。

●ミトコンドリアの不活性によって、病気が起こる

ところが、そういう内部環境を長いスパンで引きずると、ミトコンドリアの持続力にはマイナスに働くので、疲れやすくなったり、タンパク質合成のエネルギーが少なくなって、病気が発生します。

●ガン細胞は、悪化した内部環境に適応した「解糖系生命体」

さらにストレスの多い生活を続けると、ミトコンドリアが正常に機能しなくなり、低酸素・低体温・高血糖への適応として、解糖系生命体=癌細胞が目覚めます。
ガン細胞は、サイズは大きいが、ミトコンドリアが大変少なく、カウンターで数えられるほどしかありません。つまり、ミトコンドリアが持ち込んだ分裂抑制遺伝子が働けなくなった状態です。ある意味では、精子と同じように解糖系でひたすら分裂する世界に戻ったのです。
つまり、悪化した内部環境への適応に成功してガンができるのです。人間は生き方は間違えるけれども、体の中で起こっていることは間違っていないのです。

●ガンへの対策

ミトコンドリアが正常に機能しないストレスフルな生き方が癌の原因なのだから、ミトコンドリアが正常に機能する状態にすれば癌細胞は増えないはずです。したがって、原因である「ストレス」への対策こそが、ガンの予防で最も重要です。

また、解糖系の癌細胞は温かさと酸素に弱いので、入浴と湯たんぽと深呼吸も有効です。

最終的に癌細胞を攻撃するのは、一番古いタイプのリンパ球であるナチュラルキラー細胞や胸腺外分化T細胞です。ストレスの多い生活を続け消化管の内部環境が悪化すると、これらのリンパ球が育ちません。
そこで、結局は食事が大事なのです。食物繊維の豊富な野菜や海草やキノコ、未精白の穀物で、古いリンパ球を育てます。そうすれば、癌の進行は大体一、二ヶ月で止まります。最終的にリンパ球が働いて退縮まで行くには一年ぐらいかかります。

【参考】
『西村一朗の地域居住談義住居・住環境の工夫や課題そして興味あることの談義「エネルギー生成系で知る病気の成り立ち」(安保 徹)より』 リンク
『健康生活宣言Vol.9 [特集]生き方と食べ方』リンク

萱間直 

2015年11月 9日 (月)

二つのエネルギー生成系で見る生命の仕組み③:「生殖」とは、20億年前の「解糖系の古細菌(→精子)」と「ミトコンドリア生命体(→卵子)」の合体のやり直し!?

272897の続きです。

●「有性生殖」とは、20億年前の解糖系とミトコンドリア系の合体の再現

ミトコンドリアの極端に多い細胞と、極端に少ない細胞があります。それが、「生殖細胞(卵子と精子)」です。

精子のミトコンドリアは1細胞あたり100前後であるのに対し、卵子は10万前後もあります。他の部位でミトコンドリアが多いのは、心筋で5000個、少ないのは皮膚細胞で200~300個なので、「卵子」と「精子」がいかに両極端な特徴を持っているかが分かります。

「生殖」とは、膨大な数のミトコンドリアをもつ「卵子」と、ほとんどミトコンドリアのない「精子」の合体。ということは、20億年前の古細菌とミトコンドリア生命体との共生(=真核生物の誕生)のやり直しだったのです!!

私達(真核生物)は全て、酸素の嫌いな生物と酸素の好きな生物との合体でできています。
私達は、少しずつ放出される活性酸素で老化し、死にます。そこで、次の世代を残すため、解糖系生命体=精子と、ミトコンドリアだらけの生命体=卵子を合体させることで、新しい生命を生殖によって創り直したのです。

●エネルギー生成系と男女の寿命の関係

卵子はミトコンドリアが多いので、温めることで卵子のミトコンドリアを増やす必要があります。精子は解糖系なので、冷やして分裂が促されます。

このような精子と卵子の特徴は、何と、男女の平均寿命の差にも現れています。
女性の長寿は、沖縄県。温かく、卵子を育てる環境が適しているのです。
一方、男性の長寿は長野県。寒くて空気(酸素)が薄く、精子を育てる条件が、男性の長寿に結びついているのです。(リンク

【参考】
『西村一朗の地域居住談義住居・住環境の工夫や課題そして興味あることの談義「エネルギー生成系で知る病気の成り立ち」(安保 徹)より』 リンク
『健康生活宣言Vol.9 [特集]生き方と食べ方』リンク

萱間直 

2015年11月 6日 (金)

二つのエネルギー生成系で見る生命の仕組み①:真核生物は、「解糖系」と「ミトコンドリア系」の二つのエネルギー生成系を持つ

●真核生物への進化~原核細胞とミトコンドリアの共生~

私達は一つの生き物のように見えますが、実は20億年程前に、「古細菌」に「ミトコンドリア生命体」が寄生して出来た「真核細胞生命体」を元にしています。二つの生き物が合体したものが出発点で、その名残は今でも残っています。

20億年前の地球には酸素は殆どなかったので、「古細菌」は無酸素で分裂を繰り返して生きていました。これが我々の古い先祖です。
エネルギー生成には無酸素系と有酸素系がありますが、この「古細菌」は無酸素で行える【解糖系】のエネルギー生成を行いました。

さて同じ頃、太陽の光を使って光合成する細菌が生まれ、大気中に酸素を徐々に放出しました。その結果、解糖系で生きていた古い生命体は、酸素による酸化の害で生きづらくなっていました。

このような折、有害な酸素を使って効率よく大量のエネルギーを作る「ミトコンドリア生命体」が進化の過程で生まれてきました。
ミトコンドリアは、我々の古い先祖である「古細菌=解糖系生命体」の残した乳酸を求めて寄生を繰り返しました。しかし、安定した寄生関係はなかなかできませんでした。何故なら我々の先祖の分裂があまりに早くて、ミトコンドリア生命体が寄生しても希釈されてしまったからです。

そこで、約12億年前、ミトコンドリア生命体が「分裂抑制遺伝子」を持ち込み、我々の古い先祖の分裂を遅くしました。それにより、ようやく安定した寄生関係が完成し、「真核細胞生命体」となりました。

我々の古い先祖は、ミトコンドリアという巨大なエネルギー生成工場を獲得したことによって、様々な能力を飛躍的に伸ばし、単細胞生物から多細胞生物へ、すなわち、カビ・キノコ・酵母などの真菌類、植物、動物へと進化を遂げていったのです。

●二つのエネルギー生成過程:解糖系とミトコンドリア系の特徴

したがって、我々は古細菌由来の「解糖系」に加え、「ミトコンドリア系」の2つのエネルギー生成系を作動させています。ミトコンドリアの少ない細胞は、解糖系のエネルギー生成が主となります。

解糖系は、白筋にて無酸素でぶどう糖をピルビン酸か乳酸に分解する過程で、炭素の結合エネルギーを取り出しています。反応が単純で、ミトコンドリア系の100倍の速さでエネルギー生成を行います。生成されたエネルギーは分裂と瞬発力に使われますが、持久力がなく疲れやすいです。

一方、ミトコンドリア系は、赤筋などにて有酸素のエネルギー生成を行い、ぶどう糖1分子から36個の「アデノシン三リン酸」を作ります。
解糖系ではぶどう糖1分子から2個の「アデノシン三リン酸」しかできないので、それと比較すると、18倍のエネルギー効率です。ただしエネルギー生成に時間がかかるため、瞬発力はなく持続力に向いているのです。

●ミトコンドリアの多寡によって細胞の働き方が異なる

細胞は、ミトコンドリアの多寡によって主なエネルギー生成系が異なり、体内での働き方も異なってきます。

ミトコンドリアは分裂抑制遺伝子を持ち込んだため、ミトコンドリアの多い細胞はあまり分裂せず、(ミトコンドリアの)少ない細胞は活発に分裂しています。
ミトコンドリアが圧倒的に多いのは心筋細胞、骨格筋の赤筋、脳神経。これらの箇所では、細胞分裂は約3歳までに終わり、以後殆ど起きません。
一方、ミトコンドリアが一番少ないのは精子です。皮膚細胞、腸上皮も少ないです。これらは活発に細胞分裂を繰り返しています。

また、ミトコンドリアの多寡は、筋肉の場合、瞬発力に強い白筋であるか、持続力に秀でた赤筋であるかをも決定します。
ミトコンドリアは酸素を受け取り貯蔵するために、シトクロム・ミオグロビンなどのたんぱく質を持っています。これらのたんぱく質は赤いため、ミトコンドリアの多い筋肉は赤く見えます。一方、ミトコンドリアの少ない皮膚や精子や白筋は白く見えます。
例えば、鶏皮はミトコンドリアが少なく分裂しているので、白く見えます。ところが砂肝はいつも動いていて休むことがないので真っ赤です。マグロのような回遊魚は、休まず動き回るために赤筋が発達し赤身です。
一方、ヒラメやタイは、普段は波間に漂うか砂に潜っていて餌が近くに来た時に瞬発力を発揮するため、白筋が発達し白身です。

【参考】
『西村一朗の地域居住談義住居・住環境の工夫や課題そして興味あることの談義「エネルギー生成系で知る病気の成り立ち」(安保 徹)より』 リンク

萱間直

2015年11月 3日 (火)

「経絡系」には、体内器官との深い関わりがあった!

「経絡」や「経穴」は、それ自体が独立したネットワークでありながら、血管や臓器、神経系とも何らかの相互作用を及ぼしているようです。

また、「経絡系」は、生物の発生のごく初期段階で形成され、臓器などの諸器官が細胞分裂によって形作られるのを、先導している可能性すらあります。

『バイブレーショナル・メディスン~いのちを癒す〈エネルギー医学〉の全体像』(リチャード・ガーバー著・上野圭一監訳・真鍋太史郎訳)からの引用です。
* * * * * *
それらの微小管から抽出される液体には、血液中に比べてはるかに高濃度のDNA、RNA、アミノ酸、ヒアルロン酸、十六種類の核酸、アドレナリン、コルチコステロイド、エストロゲンなどのホルモンが含まれている。

経絡中の液体から検出されるアドレナリンの濃度は血中の二倍であった。経穴においては、血中の十倍以上に当る濃度のアドレナリンが検出された。微小管内にホルモンやアドレナリンが存在することは、明らかに経絡系と内分泌系が何らかのつながりをもっていることを示唆している。

キム博士はまた、深在系の終末微小管が細胞の遺伝情報の中枢である核の内部にまで到達していることを見いだした。

経絡中の液体成分に拡散やコルチコステロイド、エストロゲンのようなホルモンも存在していることから見て、経絡と内分泌系による人体機能調節の間には相互関係があると考えられる。

キム博士は数多くの実験をおこない、深在系を通る経絡の流れが停滞することなく臓器に流れ込んでいるという事実の重要性を確認した。彼はカエルの肝臓につながる経絡を切断して肝臓の組織学的な変化を調べた。

すると、経絡を切断した直後、肝細胞は腫大して内部の細胞質ににごりが生じてきた。続く三日間のうちに、肝臓全体の血管の変性が進行してきた。何度繰り返して実験を行っても、得られる結果は同じだった。

キム博士は、神経の周囲を通る経絡を切断した時の反射の変化についても調べた。結果は、経絡切断後三十秒以内に反射反応時間がもとの五倍にのび、その変化はほぼ一定して四十八時間以上続いた。

それらの研究は、古代中国における「経絡は五臓六腑のそれぞれにあった滋養を供給する」と言う鍼灸の理論を裏付ける立場に位置している。

その様な膨大な実験データに基づいて、キム博士は経絡が相互につながっているだけでなく、組織内に存在する全ての細胞の核をむすびつけていると結論している。

発生過程においてその核/細胞間の結合が形作られる時点を突き止めるために、キムは様々な種類の生物をもちいて経絡がどの時点で形成されるのかを研究しはじめた。

バー博士の研究(※引用者注:272209参照)を連想させるかのようなその発生学的実験によって、キムはニワトリの胎児においては、受精後十五時間以内に経絡系が形成されることを明らかにした。

発生学では、その時点では最も基本的な器官(器官原基)すらもまだ形成されていないとされているので、キムの発見は大変に興味深いものである。

経絡系の三次元的形態形成の完了が器官の形成よりも早い時期に訪れるということからすると、鍼灸における経絡系の作用が、体内臓器を形成する際の細胞の遊走や臓器の三次元的位置の決定に影響を与えている可能性も考えられる。

経絡系が個々の細胞における遺伝情報の中枢をむすびつけているとすれば、細胞の複製や分化(特殊化)にも重要な役割を果たしているかもしれない。
* * * * * *
引用以上

おおさかじょん

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