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2015年11月15日 (日)

生物の進化には、酸素濃度が大きく影響している

生物の進化に環境が大きく関係しているのは明らかですが、その中でも特に酸素濃度が大きく影響しているようです。

以下、恐竜はなぜ鳥に進化したのか 絶滅も進化も酸素濃度が決めた /ピーター・D・ウォード著
の要約版を引用します。 (リンク

☆ ☆ ☆ 以下引用 ☆ ☆ ☆
・過去 6億年のうち、地球の酸素濃度は、12%~35%の間で大きく変動している

・生物の大規模絶滅は、酸素濃度が低い時期に発生している

・動物の多様性と酸素濃度の間には相関関係があり、高い多様性がみられるのは高酸素濃度の時期

・カンブリア爆発の進化の多くは、かつて言われた運動能力や捕食といった観点だけでなく、より効率的な酸素の獲得の結果として説明できる

・動物の陸上進出は、高酸素濃度が不可欠(進化途中の肺では低酸素濃度を生き残れないため)。最古の陸上生物は4.1億年前に現れ、3.7億年前のデボン紀の大絶滅の洗礼を受けた後、3.3億年前辺りから再度進出という経過を辿るが、これは、4.1-4.0億年前の高濃度の状態から3.7億年前には12%まで急激に低下し、その後、3.0億年前まで急激に上昇した酸素濃度のカーブと一致する

・2.5億年前のペルム紀の大絶滅は、火山活性化による二酸化炭素放出→温暖化&酸素濃度の低下→硫黄代謝細菌の増殖→有害な硫化水素濃度の上昇、という流れの結果

・2.5-2.4億年前の三畳紀前期は、酷い低酸素濃度が続き、この間に低酸素に適応した哺乳類と恐竜の祖先が現れる。哺乳類は横隔膜を、恐竜は二足歩行を獲得した(四足歩行は、歩行中に肺の圧迫を引き起こし、呼吸を阻害してしまうらしい)

・恐竜は、竜盤類と鳥盤類の二つに大きく分類できる。竜盤類は、鳥類が持つ気嚢システム(哺乳類の2倍の呼吸効率のあるシステム)も獲得していた。一方、鳥盤類は気嚢システムを持っていないため低酸素耐性が弱い

・三畳紀末(2億年前)に、酸素濃度は12%まで低下し、再度、大絶滅が起こる。低酸素に強い耐性を持つ竜盤類恐竜は、低酸素に影響されることなく生き残り、続く大恐竜時代を生む

・恐竜が誕生した三畳紀後半からジュラ紀中期までの長い間、低い酸素濃度のため恐竜の多様性は抑えられていた。いろいろな種類の恐竜が出てくるのは、十分酸素濃度が高くなったジュラ紀後半以降

・酸素濃度の上昇に伴い、低酸素耐性の強い竜盤類は減り、低酸素耐性は弱いものの捕食能力が高い鳥盤類が増えていく。また、大型化もガンガン進む

・哺乳類の台頭が恐竜絶滅を待つのは、少なくとも高温&低酸素の時代(三畳紀後半~ジュラ紀中期まで)は、恐竜に比べ低酸素耐性や温血といった点で、不利だったのが原因

・哺乳類が胎盤システムは一定以上の酸素濃度が必要。哺乳類が胎盤を獲得したのは、高酸素濃度となった白亜紀後期

末廣大地

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