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2015年11月21日 (土)

蜂と同じような社会(真社会性)をもつ哺乳動物「ハダカデバネズミ」 ~原始人類も真社会性集団か?

テレビで蜂と同じような社会(真社会性)をもつ哺乳動物「ハダカデバネズミ」が紹介されていた。
「ハダカデバネズミ」が、ガンにならない理由
リンク
で注目されていますが、それ以上に興味があるのは、哺乳類にも拘らず、地下トンネルに集団で住み、真社会性の集団を構築した事です。
デバネズミは、地下トンネルに住む為、体毛がなくハダカであり、出っ歯をより進化させ、女王を頂点として役割分担を決めた真社会性(≒集団が一つの生命体)である。例えば天敵のヘビがトンネルに侵入してくると、年寄りの兵隊ネズミが自らヘビの餌となってヘビの空腹を満足させ退散させる。この自己犠牲の行為は個人主義の観点からは解釈できないが、集団が一つの生命体であると考えれば納得できる事である。

又各個体の役割分担は生得的ではなく、コロニー内の環境に応じ変化する。コロニーから隔離・つがいにされたオスメス未分化成体は、自然にオス・メスに分化成体になる。

まさにデバネズミは、人類の極限時代(洞窟に隠れ住む)と同じような状況であったのです。人類も体毛が無くハダカであり、脳機能を発達させ、リーダは女(実現論の「原始人類集団のリーダーは、精霊信仰⇒祭祀を司る女であった リンク」)であった。そして人間の危機に直面した時の自己犠牲の強さにも注目すると、極限時代の人間集団は、生き残る為、本能も封印し真社会性の集団に可能性を見出したのかもしれない。

注)『真社会性(しんしゃかいせい)とは、動物の集団のうちで、社会性昆虫などに見られるものを指す言葉である。もともとはこれらの動物に対しても、普通に使われるような、社会的な集団を作る性質の意味で社会性と呼んだのであるが、行動生態学等の進歩の中で、その意味が見直され、新たな概念として提出されたものである。その重要な特徴は、集団の中に不妊の階級を持つことである。
又1981年、哺乳動物として初めてハダカデバネズミが真社会性であることが報告された。真社会性が観察された哺乳動物は、デバネズミ科のハダカデバネズミとダマラランドデバネズミの2種のみである。』
ウイキペヂアから
________________________________
ハダカデバネズミ研究ユニット
リンク
【デバの生態】
ハダカデバネズミ(naked mole rat, Heterocephalus glaber)は、
アフリカのエチオピア、ケニア、ソマリアなどのサバンナの地中で暮らすげっ歯類です。
地下のトンネルの中で、最大300頭もの大規模な群れを形成し生活します。
ひとつの群れの中では、1匹の女王ネズミと1-数匹の王ネズミのみが繁殖を行います。
他の非繁殖個体は、それぞれ兵隊ネズミ(soldier, 巣の防衛)や働きネズミ(worker, 穴掘り, 食料の調達, 仔の世話)として、協調的に集団生活を行います。このような社会性は真社会性と呼ばれ、ハチやアリなど昆虫においてよく見られる現象です。
哺乳類では、ハダカデバネズミとダマラランドデバネズミの2種のみにおいて、真社会性が観察されています。
自然下では、ハダカデバネズミは地下植物や植物の根茎を食べています。

【 デバ真社会性と脳神経可塑性】
<ハダカデバネズミの真社会性~成体脳の可塑性の観点から~>
ハダカデバネズミは、昆虫のアリやハチに類似した分業制のカースト社会を持つ(Queen, King:繁殖、Soldier: 巣の防衛、Worker: 巣の拡張、餌収集、子育て等)。その特徴は以下の通りである。
■多くの近縁の個体からなる1つのコロニーにおいて、繁殖を行うのは1匹のQueenと数匹のKingのみである。
■カースト決定は生まれつきではない。
■Queenは、何らかの方法で巣内の他の雌個体の女王化を抑制している。一旦女王から引き離された♀Workerは自動的に女王化する。つまり、ハダカデバネズミの女王化は、人為的に誘導可能である。Queenと下位の雌個体では、脳の一部の形態が異なるとの報告がある(Holmes et al., PNAS, 2006)が、女王化(=カースト変化)抑制機構及び抑制解除仮定は完全に不明である。
この女王化、即ち社会行動変化が起こる際には、
1.まず、何らかのTriggerにより、抑制が外れ、最初の成体脳神経系の変化が起こる
2. 次にその変化を元に、脳神経系・生殖系・内分泌系の変化が起こり、女王化が引き起こされる
と予想される。
<ハダカデバネズミの真社会性~性差の観点から~>
哺乳類の行動において、雌雄の個体は各々に特徴的な行動様式をもつ。性差の決定機構は、種間の多様性が非常に大きく、生物固有の社会システム・繁殖システムに大きな影響を受けながら進化を遂げたと考えられている。このような「行動の性差」は「脳の構造と機能における性差」と「生殖巣における性差」の緊密な相互作用によりもたらされると考えられる。実際、ヒトを含む哺乳類では、脳の多数の部位において構造的、あるいは生理学的な性差が確認されている。脳の構造と機能の性差のほとんどは、遺伝的性別とは独立に、脳の発生途上の特定の時期に生殖巣が分泌する性ホルモンによって決定される。実験的に新生仔期に生殖巣の除去や移植、あるいは性ホルモンの投与を行うと、脳の性転換が起こることが知られている。これらのことから、行動における性差を解明するためには、”脳”における性差に加えて、”内分泌”・”生殖巣”における性差を包括的に理解していく必要がある。
性差の観点から:デバの特徴
■繁殖個体の決定は生得的ではない。
若齢ネズミは非繁殖カーストに属しWorkerもしくはSoldier的行動をとるが、コロニー内の状況変化に応じ、一部の個体はQueen, Kingへと変化する。一方で、非繁殖カーストのまま生涯を終える個体も数多く存在する。
■非繁殖成体における体重・骨格には性差が見られない(Seney et al., PLoS ONE, 2009)。
■非繁殖成体における生殖巣の発達は未成熟である(Holmes et al., Front. Neuroendocrinol., 2009)
■コロニーから隔離・つがいにされた非繁殖成体(性未成熟成体)は、自動的に性成熟する。
(後略)

岸良造

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