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2016年1月

2016年1月29日 (金)

共鳴原子力電池と光合成細菌~放射性物質無害化のメカニズム

生体内での原子転換とそのメカニズムが明らかにされようとしている。

どうやらポール・E・ブラウン博士の「共鳴原子力電池」と同じメカニズムを、光合成細菌は体内で行っているらしい。

リンク

しかも、電子シャワーが放射能を短期に無害化できるという点も注目に値する。それは数万年半減期の放射能も、これを応用すれば短期間に無害化できる可能性が出てきたと言うことだ。

リンク

RIPVANWINKLE

2016年1月26日 (火)

微生物による放射性物質の無害化は可能なのか?

放射線に強い(耐性のある)微生物、放射線をエネルギー源として利用するが存在することは確かですし、また放射性物質を吸着する性質をもつ微生物もおり、これらを放射能対策に活用できる可能性はあります。
ここではもう一歩進んで、微生物による放射性物質の無害化はありえるのか?について考えてみます。常識では放射性物質そのものを無害化することは不可能といわれますが、果たして本当か?それともまだ解明されていないだけなのか?
一般には「トンデモ」といわれる領域のようですが、追求する価値は在ると思います。

■微生物による「元素転換」は可能か?
放射性物質を無害化するとは、つきつめれば、微生物の何らかの働きによって、放射性物質が別の物質に転換する(元素転換する)ことはありえるのか、という問題です。

○微生物による土壌の浄化 リンク 
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微生物は、現在一般に知られている以上に能力をもっています。たとえば、常温の元素転換も行っているわけです。
野生動物、それに牛も馬も植物を食べ育ちます。りっぱな骨格がありますが、そのカルシウム(Ca)はどこから来たかというと野草からきているわけです。その野草が生えている土壌には、そんなにカルシウムや鉄分は見つからない場所も多いのです。じゃあ、カルシウムはどこから野草のところへきたかというと、実は、植物細胞の内部や土壌中で、微生物が炭素や窒素から元素転換をしてカルシウムや鉄を作りだしているんですね。
このように、微生物が有害なものを分解・浄化したり、ほかの元素まで作ってしまうほどの力には、これまでの常識を超えた驚くべきものがあります。粘菌をつかってダイオキシンや環境ホルモンを分解するというのもそのひとつです。
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○特殊微生物による重金属類等有害物質の処理技術 リンク
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生物学的元素転換理論は、フランスの生化学者の故ルイ・ケルブラウン博士が提唱したもので、植物や動物、あるいは人体においてある種の酵素や微生物の媒体により、例えばナトリウムがカリウムに、シリカ(ケイ素)がカリシュウムに変化するといった元素転換が生じるという理論です。この理論について現代科学者の多くは、否定か無視をします。常軌を逸しているという理由からです。
では本当にそんな現象はあり得ないのでしょうか。いやあり得るのです。
●インドやアフリカ、動物園の「ゾウ」
 ゾウは植物性の草・木・実だけを食べています。肉食ではないのでカルシュウム分はほとんど摂取していません。カルシウム分を摂らないのになぜあのような大きな身体に成長し維持できるのでしょうか。現代科学理論(特に栄養学)では説明が付かないのです。
●畑の困り者雑草「スギナ」
 土筆(つくし)は春の季語ですがこれはスギナの胞子茎です。実はこのスギナの栄養茎の部分の生体成分は、カルシウム分が非常に多いのです。ですがスギナの生育している土壌にはカルシウムなどほとんど含まれていません。ではどうしてカルシウムが多くなるのでしょうか。
「スギナ」の現象は、シリカ(ケイ素)などがカリシュウムに生物学的元素転換していることが考えられます。この理論ならば説明が付きます。これ以外にも現代科学理論では説明が付かないさまざまな現象で生物学的元素転換理論ならば説明ができる現象が多いのです。
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この特殊微生物は、自然界から採取された配合株数の割合が好気性菌群約55%・嫌気性菌群約45%からなる120種類以上の菌類を含む有効微生物群です。
 生物学的元素転換理論においては、単一微生物種族では元素転換の効率が悪く、多種多様な菌が共生関係にある微生物集合体では転換効率がよいとされております。この120種類以上の多種多様な菌群が重要な要素となります。なお菌類の内容は以下です。
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そもそも特殊微生物で重金属類などの元素起源の有害物質を減少させるという現象は、現代科学では『常軌を逸した現象』として扱われやすいものです。しかし、重金属類などの有害物質が実際に減少した数多くの実証データから判断して、生物学的元素転換理論に基づいた現象としか結論付けられないのです。しかし、事実であっても説明できないことは否定するという現代科学思考の壁が大きな課題となっております。『確実に起こっている』という結果は事実です。将来的には常温核融合理論と共に理論的な追試・考察がなされていくであろうことを期待しております。
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○微生物で放射能を除去するプロジェクトについて リンク
㈱高嶋開発工学総合研究所「複合微生物体系の複合微生物動態系解析における複合発酵法を用いた放射能・ 放射性物質分解処理方法」によると、微生物によって、放射能・放射性物質は分解消失する、となっている。
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複合発酵状態になると、発酵→分解→合成のサイクルが生れ、好気性及び嫌気性有害菌は抑制される。このような生態系が生じると、すべての微生物を、共存、共栄、共生させることが可能となり、フザリウム属の占有率がゼロになり、酸化、変敗、腐敗を断ち切り、生態系内における微生物群の死滅率がゼロになることによって、すべての微生物群を発酵から合成に導き、生菌数を1ミリリットルあたり10のn乗から無限大とし、同時に生菌数が1種類1ミリリットルあたり10の9乗を超えると、菌のスケールが10分の1以下となり、凝集化(固形化)を生じ、数千種、数万種の増殖が可能となる。これにより、微生物の高密度化が起こり、微生物のDNA核内に一酸化窒素、二酸化窒素及び高分子タンパク結晶による情報接合とエネルギー接合を引き起こし、その結果、微生物間でのDNA融合が生じ、融合微生物による対抗性菌、耐衡性菌により獲得した酵素及びタンパク質の高分子結合結晶が発生し、情報触媒の作用として情報とエネルギーを現生・発現させ、すべての物質、分子、原子レベルに対する分解菌並びに分解酵素を現生させて、すべての元素の原子核の陽子における分裂と崩壊の法則(β回路)を抑制し、中性子における合成と融合の法則(α回路)をハンドリングすることにより、常温超伝導、常温核分解、及び常温核融合を発現させる。以上の作用により、放射線エネルギー、放射能、放射性物質の相転移、転移、変位、昇華、消失を可能にするものである。
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※参考:微生物は元素転換の夢をみるか リンク

★考察
微生物が放射性物質を分解、無害化できるか否かの早急な結論はさておくとして、、、常温核融合をはじめ、元素融合や元素分裂によって物質が転換することは様々な実験で知られており、また生物の何らかの作用によって物質が転換することは現象事実としてはあると考えてよいように思います。
(ただし、それが放射性物質について起こりうるかどうかは分からない)
ひとつ興味深いのは、単体の微生物(特定の細胞)が元素転換等に作用するのではなく、多種多様な菌が共生する微生物共同体=バイオフィルムが物質との特殊な相互作用に関わっているらしいという点です。

2016年1月23日 (土)

【宇宙】『重力の再発見 ―アインシュタインの相対論を超えて(ジョン・W・モファット,早川書房)』2

続きです。

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 もちろん,天体物理の専門家は以前からその異常現象の解明に努めていて,それを説明するためにブラックマター,ブラックエネルギーという概念を導入した。

 銀河団の辺縁の銀河の異常な速さを説明するために「まだ検出されていない物質=ブラックマター」が銀河団にあるために銀河団の重力が強くなり,銀河団辺縁の銀河に強い重力が及ぶため,移動速度が大きくても銀河団を脱出できない,と説明し,「宇宙空間(=真空)にはこれまで検出されていない斥力=ダークエネルギー」が満ち溢れているから宇宙の膨張速度は加速していると説明した。

 そして,現実の銀河の速度と宇宙の膨張速度を説明するため,「宇宙を構成するすべての物質とエネルギーのうち,96%はこれまで観測も検出もされていない未知のもので,残り4%だけを私たちは観測してきたに過ぎない」ということを認めざるを得なくなった。つまり,アインシュタインの重力理論が正しいとすれば,ダークマターとダークエネルギーを想定せざるを得ないのである。そして何より,1世紀に渡って物理学の根底を成してきた相対論を捨てるのに比べたら,ダークマターやダークエネルギーを認める方が心理的に楽である。

 こう説明されると何となく納得してしまうが,これは考えてみるとかなりの異常事態である。「地球上の湖のうち96%はまだ発見されていない」,あるいは「地球上の動物のうち,これまで発見されてきたのは4%に過ぎない」というようなものだからだ。

                ◆

 それに対し,本書の著者は「宇宙の96%は未知の物質とエネルギーというのはおかしくないか? ニュートン力学とアインシュタインの相対論で説明できない現象が起きているのだから,ニュートンやアインシュタインがそもそも間違っているからではないか?」と考えたわけだ。そして,本書の著者とそのグループは,「相対論を守るために得体の知れない素粒子やエネルギーを導入するのはおかしい。それより,現実の観測データの全てを一意的に説明できる新しい理論を構築すべきだ」と主張し,修正重力理論(MOG)を提唱したのだ。

 MOGは「重力と同じくらいの強さの第5の力」を導入し,その第5の力は銀河や銀河団などのような大規模構造で初めて作用する力である。これを導入すると,相対論はMOGの一部として組み込まれることになり,しかもダークマターもダークエネルギーも不要になるのだ。それどころか,ホーキングが指摘した「ブラックホールでの情報喪失問題」という大問題も生じなくなり,おまけにビッグバン理論に幾つもある矛盾も回避できるらしい。というか,ブラックホールの概念自体も大きく変化せざるをえないのである。

新しい創傷治療~読書とエッセイ(リンク)より抜粋引用
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上記の中では、

>宇宙の96%は未知の物質とエネルギーというのはおかしくないか?

 という指摘は納得できます。ほとんどわかっていないものを想定(想像)して、まだ見つかっていないだけで理論は正しいという主張は、はたして正しいのかという疑問がわきます。

 宇宙という、一般の人にとって興味はあるが非常にわかりにくい領域だからこそ通用するやり方(はっきり言えばごまかしに近い)なのではないかと思います。

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2016年1月20日 (水)

【宇宙】一般相対性理論が間違っていることの証明2~ビッグバン宇宙論に対するフランダーンの指摘

続きです

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「科学をダメにした7つの欺瞞」(徳間書店)をよんでいると、天体物理学者トム・ヴァン・フランダーンが、「標準理論はおかしなことだらけ」と題して、現代宇宙論を次のように述べている箇所をみつけました。

現代のビッグバン宇宙論の奇妙な姿が映し出されていると思いますので、紹介しておきます。

「科学をダメいした7つの欺瞞」p.171~172

標準理論はおかしな事だらけ

 現在の自然科学の体系には大きな間違いがある。奇妙な数学理論ばかりがまかりとおり、根拠のあやふやな理論がもてはやされる。
 私の専門である天文学を例にとっても、初めから最後まで、おかしな事だらけである。
 まず、標準理論として多くの学者の支持を得ている「ビッグバン理論」について考えてみてほしい。この理論では、以下のような事を疑問なしに受け入れる必要がある。

●大昔、時間と空間は存在していなかった。
●ある時、爆発によって時間と空間が忽然と出現した。
●爆発の原因は不明である。
●宇宙は光速よりも速く膨張していた。
●宇宙は均一である。
●宇宙には均一でない大構造がある。
●宇宙の膨張によって銀河同士の距離は増大するが、銀河内の太陽と地球の距離は変わらない。

 このような矛盾だらけの理論が平気で受け入れられているのである。これは明らかに何かがおかしい。・・・・・

 フランダーンのこの指摘と、上記私の等価原理に関する指摘、さらに他のページで述べた相対論における様々な欺瞞の指摘を合わせて読んでいただけば、現代宇宙論がいかに誤った道を歩みつづけているかがわかって頂けると思います。

さてみなさんは、どのように思われるでしょうか。

<引用>
「21世紀物理学の新しい公理の提案」(リンク)より引用
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2016年1月17日 (日)

【宇宙】一般相対性理論が間違っていることの証明1~近藤陽次氏「世界の論争・ビッグバンはあったか?」

ビッグバン宇宙論への疑問を提起するサイトからいくつか紹介してみます。
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<現代宇宙論は完全におかしい>

 上記証明により、一般相対性理論が誤った理論であることは誰の目にも明らかになりましたが、皆様もご存知のように、現代の宇宙論はその一般相対論を基礎としています。

 物理学という学問は、基礎となる方程式を元に全てを展開しますので、その根本の方程式がもし間違っていたら、いくらそこから壮麗な建造物を構築しようとも、議論全部が大嘘となってしまいます。現在天才と称されるホーキングやペンローズが一般相対論を駆使し宇宙やブラックホールについて論じていますが、それらがいかに数学的に立派であろうと、全部誤りであると断定することができます(根本の一般相対論が間違っているのですから!)。

 さて、先日ブルーバックス「世界の論争・ビッグバンはあったか?」(近藤陽次著、講談社)を読んでいて、興味深い記述を見つけましたので、下記に紹介します。

指摘されれば、もっともなことなのですが、天才と称される人たちにいわれると、どういうわけか人間は暗示にかかってそれを信じこんでしまう傾向があります。その点を近藤氏は突いています。

「世界の論争・ビッグバンはあったか?」p.117~118

 宇宙における銀河の分布は均一性が高いので、それを説明するために、インフレーション・ビッグバン論が生まれたわけだが、そのためには初期の宇宙は非常に高速度で膨張しなければならない。

 ほとんど零に近い大きさ(プランク長さ)から1センチの大きさになるのに、10のマイナス33乗秒しかかからない。
この膨張速度は、光の速度の10の22乗倍以上になる。これは、アインシュタインの特殊相対性理論の速度限界を、はるかに超えたものになる。
 インフレーション・ビッグバン論の支持者は、通常、次のように答えて、その間の事情を説明している。

 宇宙が、インフレーション・ビッグバン論でいうように、光の速度の10の22乗倍(1兆の100億倍)以上の高速度で膨張する場合、その宇宙は、時間も空間もまだ存在しないところに膨張していくのだから、特殊相対性理論による、物体の速度が光の速度の限界を超えることはないという原則が適用されない。
 さらに、膨張するのは空間そのもので、その空間の中の物質がお互いから飛び離れていくのではないから、いずれにしても、その現象には光速の限界は適用されない。

 だが、それはそうかもしれないと一歩譲ったとしても、右記のインフレーション・ビッグバン論で、距離と時間を議論するには、それを測る基準になる時間と空間の存在が、前提として必要ではないかと思える。ここで、インフレーション・ビッグバン論は、まだまったくテストされたことのない、未知の自然科学の”法則”を用いていることになる。
・・・・・・・・
注:青色は杉岡がつけました。

 言われてみれば、そのとおりと思います。

近藤氏は宇宙論学者の矛盾した主張をやんわりと指摘されている。

「宇宙誕生初期に時間・空間は存在していない!」といいながら、そのときの状況を時間・空間を用いて議論していることのおかしさを宇宙論学者ははたして認識しているのでしょうか。

 人間というのは、一旦正しいと信じこめば、もう目が見えなくなって、自分の信じた理論に有利な解釈を無意識のうちにしてしまうもののようです。

そして現代物理学はなぜかアインシュタインを優先してしまう傾向があります。

 ところで、今回紹介した近藤陽次氏の「世界の論争・ビッグバンはあったか?」は、たいへんな名著です。

相対論をもとにするインフレーション・ビッグバン宇宙論を優先する本が多い中で、競合する他の多くの宇宙論(相対論を用いない宇宙論)も公平に扱っていてその著者の科学者としての態度には敬服します(近藤氏は著名な天体物理学者)。

 この本を読めば、ビッグバン宇宙論に有利な決定的な証拠などじつはなに一つないということがわかり、いかに我々がマスコミの情報に踊らされているかがわかります。ぜひ一度読んでみてください。

<引用>
「21世紀物理学の新しい公理の提案」(リンク)より引用
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2016年1月14日 (木)

赤ちゃんの進化学 ③子育てを誤ることは、国を滅ぼす、間違った子育て法が常識となってしまっている点が非常にまずい。

****つづき、以下引用

【乳幼児から大人のリンパマッサージのまどろみ助産院】
子育てを誤ることは、国を滅ぼす、間違った子育て法が常識となってしまっている点が非常にまずい。リンク

●進化のメカニズムを知る
 現在の日本の子供は、離乳食で害されているのである。離乳食を早く与えられるため、食品アトピーで皮膚炎にかかる子供が激増している。子供ばかりではない。現在、30~40代の“大人”にもアトピーは多い。これは戦後の育児学が、誤った認識のままで今日まで行われて来たからである。
 乳児にとって「蛋白質を含む離乳食」は毒なのである。これらの毒を与えると、乳児の“人間以前の腸”は、フリーパスでこれらを吸収してしまう。するとこの蛋白質は“抗原”となるのである。“抗原”があると、身体は“抗体”をつくる。
 蕁麻疹を例にとってみよう。悪い食べ物(アミンなど)やばい菌のついた食べ物を食べると、3分から5分で皮膚につぶつぶと痒い湿疹ができる。これは、腸から吸収された悪いものが、すぐに皮下組織(皮膚の下)で、白血球やリンパ球によって消化される作業がはじまるためである。この消化作業がうまくいかないと、ヒスタミンがでたりして、アレルギー反応が皮下組織で起こる
 皮膚と言うのは、脊椎動物のはじまりである“ほや”の時代から、腸によって吸収されたものを消化して排出する装置なのである。うまく消化されると、汗となって出るが、消化しそこなうと痒みのある皮膚炎や蕁麻疹になるのである。
 身体の使い方を誤ると、私たちは病気を引き起こす。これが免疫病である。子育ての誤りも、身体の使い方の誤りの一つである。その子育ての誤りで起こる乳幼児のアトピー、小児喘息、小児白血病、川崎病などは、すべて小児の免疫病である。
 従って、使い方を誤らないためには、身体のメカニズムをよくよく知って理解する必要があるのである。 
 人間は悠久の年月をかけた進化の歴史をもつ脊椎動物の、ド真ん中を駆け抜けた哺乳動物の頂点に立っている。このことに想いめぐらすと、私たちの身体のメカニズムをよく理解するには、進化のメカニズムをよくよく知る必要があることがわかってくる。進化のメカニズムがよく理解されれば、おのずから正しい身体の使い方や正しい育児法が明らかになるのである。

●子育てとは何か
 育児法とは、医学ではなくて、伝承である。ところが正しい伝承が失われると、国の将来が危うくなってくる。
 では、伝承であるところの“育児”とは何であろうか?生物学的にみると、人間を含めた哺乳類の持つ習性の一つに“子育て”がある。
 もちろん、鳥も巣をつくってヒナを育てるし、最近の研究では、恐竜も子育てをしたのではないかといわれている。だから、“子育て”は何も哺乳類に限定したことではないが、いずれにしても、卵を産みっぱなしで、あとは自然環境にまかせる生き物とは異なり、みずからの子孫を、自然環境に任せる前に、みずからの手で、ある程度の段階まで育て上げる種類の生き物が、地上にはたくさんいる。
 そして、私たち人間も同じである。“子育て”というと、教育とか、しつけという意味合いが連想され、きわめて人間的な言葉という印象を受けるが、他の動物に目をやると、程度の差はあれ、どの動物もせっせと子育てをしているのである。
 とくに「哺乳類」という種類は、生まれた赤ちゃんに、“お乳を飲ませる”ことが特徴である。哺乳類における子育てのスタートは、まさしくこの“お乳を与える”ことからはじまるのである。
 この“授乳”の意味は、非常に大きい。赤ん坊が生まれて初めて口にする栄養がお乳である。
 赤ん坊もやがて成長していく。そうすると、赤ん坊の親は「もうお乳はいいだろう」と考えて、離乳食を与えるようになる。この“お乳”から離乳食へと切り替わる時期を「離乳期」という。
 問題は「離乳期」がいつなのかということである。そのためには、赤ちゃんの身体のメカニズム、とくに「成長のメカニズム」を、よくよく知っておく必要がある。
 この判断を誤ると、大切な愛児を、一生涯不幸な体質にしてしまいかねない。これは重大なことである。現在の日本の医師たちや厚労省が、どの程度まで、ことの重大さを認識しているか知らないが、私は、子育てを誤ることは、国を滅ぼすことだと考えている。
 育児といっても、幼児教育ばかりでない。幼年期から少年・少女期、青年期、そしてその子が結婚して、今度はその子が子供を産む段階になる。
残念なことに、日本にはこのような育児書は一冊もない。だから、本書で試みる次第である。

●医学の誤り
 十七歳の少年たちによる凶悪犯剤が、マスコミでクローズアップされ、「日本の子供達は、いったいどうなってしまったのか」ついぞ三十年前の“日本の子供”なら、こういう犯罪はまず考えられなかった。
 凶悪犯罪ばかりではない。いじめの問題をはじめ、ふだんは穏やかな子供が、突発的に暴力をふるう(キレる)ような問題も多発してきた。このような「子供の異変」は年々数を増し、その内容も私怨によるものから、人格的なものへと変化し、さらに凶悪化しているという。
 医者の立場からいえば、アトピー性皮膚炎、小児喘息、子供の成人病などが急増していることが心配である。また、睡眠不足で、学校で居眠りする子供がふえているという。そればかりか、疲れやすい、集中力がない、朝起きられない……といった症状を示す子供まで急増中である。
 元気はつらつで、駆けずり回る……まさしく疲れを知らないのが、子供の特権であるとされていた。しかし現代社会の実態は、全くこれとは違うものである。
 これはやはり「子育て」に問題があると言わざるをえない。とくに赤ん坊のときからの、食事・呼吸・寝方につながる“子育て”の誤りである。
 しかし、「子育てに誤りがある」というと、すぐに“親の責任”が問われる状況があるが、医学的な見地からいえば、日本の医学の前提が間違っているから、間違った子育て法が常識となってしまっている点が非常にまずい。
 医学がこれだけ発展しているのに、まさか育児学の根本が間違っているなどとは、一般の方々は想いもしないだろう。
 日本の子育ての正しい伝承が、今次大戦の敗北で途絶えて、誤った欧米の育児法に代わってしまったことが大問題なのである。しかもご本家のアメリカでは、さまざまな事件があって、その育児法を、ほとんど戦前の日本式に近いものに改めてしまっていることを、日本の医学者と厚労省がほとんど知らないことが、事態を一層悲劇的なものにしている。
 日本の医学者は、HIV事件のときの無責任な血液製剤投与と同様に、きわめて勉強不足だといわざるをえないのである。

●赤ちゃんは“人間以前の段階”にある
 人間(ヒト)は、哺乳類の一員である。このことをしっかり理解していないと、正しい育児を行う事ができない。医者たるもののみならず、親たるものはよく知らねばならない。

***以上、引用終わり

いちどう

2016年1月11日 (月)

赤ちゃんの進化学 ②進化の旅は生まれた後にも続いている

****つづき、以下引用


【乳幼児から大人のリンパマッサージのまどろみ助産院】
胎児、進化の旅は5億年、1日は160万年以上のスパンに相当するリンク
子育てを誤ることは、国を滅ぼす、間違った子育て法が常識となってしまっている点が非常にまずい。リンク



●赤ちゃんはホモ・サピエンスなのか
「進化の旅」は、いつ終着を迎えるのであろうか。胎児はどの段階で、ホモ・サピエンスとなるのだろうか。
多くの人は、赤ちゃん誕生の瞬間だと漠然と考えておられるのではないだろうか。つまり、赤ちゃんは、完全な人間として生まれて来る……というふうに、ほとんどの人が考えているのであろうか。

しかし、この世に誕生した瞬間に、進化の過程が全部完了して、人間として完成するということはありえない。実際に、赤ちゃんがホモ・サピエンスとしての特徴をもちはじめるのは、生後1年を過ぎた頃からである。
正確にいえば、一歳を過ぎた頃から、赤ちゃんは段々に人間になっていき、二歳半の頃になってようやく「ホモ・サピエンスの子供」になる。
つまり、一歳までの赤ちゃんは、ホモ・サピエンスではなく、他の哺乳類と同様の特徴をそなえているのである。

●赤ちゃんがホモ・サピエンスでない理由
赤ちゃんは、母親の乳首や哺乳瓶に吸いついて、お乳やミルクをごくごく飲んでいる。しかも、“息をしながら”である。数分間、息継ぎもせずに、お乳を飲んでいる。これは、人間以前の哺乳類に出来るが、私たち大人の人間にはできないことである。
つまり、私たちは食べ物や飲み物を“のみこむ”とき、息を止めるが、赤ちゃんは息を止めないでも“のみこめる”。

私たち大人の場合は、食道と気管が交差していて、ミルクをのみながら、同時に、誤って息をしてしまうと、わたしたちはゴホゴホッと“むせて”しまう。肺に飲み物や食べ物がまぎれ込むと、誤嚥性の肺炎になる、窒息死を引き起こすことさえある。赤ちゃんの場合、この食道と気管が、きちんと分かれていて、食道と気管それぞれが、それぞれの働きを“同時に”行うことができるのである。

サルやイヌ、ネコなど他の哺乳動物は、赤ちゃんと同じように、息継ぎせずに、食べ物を食べ続けることができる。
ということは、赤ちゃんの身体構造は、他の哺乳動物のグループに属しているといってもよいような段階にあるのである。乳児が“人間以前”といったのは、このような理由からである。

●「言葉を話す」という進化
なぜ、成長した人間だけが、他の哺乳動物と異なる“喉の構造”なのか。人間が“言葉を話す”ようになったためである。

声を発するメカニズムは、肺にある空気を、鼻ではなく、口へ向かって吐き出すことで、哺乳動物は声を発する。このとき、気管から鼻へ向かうべき空気が、喉の交差点で、口へと向かう。動物が“吠える”ときは気管を“一時的”に食べ物の道につなげて、喉から口へ、かなり努力を要する“特別な作業”である。なぜ、努力が要るかというと、喉をはげしく緊張させ、かつ運動させ、気管を強引に喉の方に近づけ、食べ物の道である口につなぎ、さらに声を発する(吠える・鳴く)作業をするからである。
す。

●哺乳・吸綴は、人間の原行為
哺乳類は、哺乳・吸綴を行うがゆえに、“哺乳類”とよばれる。哺乳の行為をする、つまり、お乳を“吸い啜る”動物である。爬虫類のトカゲは、哺乳行為をしない。もちろんカラス(鳥類)も、カブトムシ(昆虫)もカツオ(魚類)も、同様で哺乳行為をしない。
そして人間も哺乳類である。特に人間の場合、この哺乳類の哺乳類たる行為である哺乳・吸綴を、生後、充分に行わないと、言葉をよく話すことが出来なくなる場合があるので、赤ちゃんには、充分に「哺乳・吸綴」をさせる必要がある。

かつてこのようなお母さんがおられた。このお母さんは、ご自身が喘息のため、母乳がよく出なかった。それでミルクを赤ちゃんに与えていた。
ところがこのお母さん、赤ちゃんが飲みやすいようによかれと思って、哺乳瓶の吸い口(乳首)の孔を大きくしたのである。孔を大きくすれば、赤ちゃんはさほど強く吸わなくても、ミルクを飲むことができると考えたのである。
お母さんのこの行為は、赤ちゃんへの愛情からでたものであるから、私は大いに理解したいと思っている。しかし、この行為そのものは、大きな問題があった。
簡単に言えば、赤ちゃんから、“吸える力”を奪ってしまうと、最悪の場合、話すことができない子供に育ってしまう危険がある。話すことができない子供の症例では、他に五つのケースを知っているが、なんと全員、哺乳瓶の乳首の孔を大きくしていた。
さらに悪いことに、医者の指導を真に受けた親が、乳首型の“オシャブリ”を使わせず、ハイハイもさせないで育てたのである。
このようにして育てられた子供は、身体をいくら検査しても、どこにも悪いところはないのに、特殊養護学級に入らざるを得ないようになるケースがある。
日本の戦前の育児法に従って育てられた子供はみな親が驚くほど頭のいい子供に育っている。


(つづく)
***以上、引用終わり



いちどう 
 

2016年1月 8日 (金)

赤ちゃんの進化学 ①胎児、進化の旅は5億年、1日は160万年以上のスパンに相当する

実現論前史 イ.可能性への収束=統合<リンク
もちろん人類も、単細胞の時代から今日まで外圧適応態として必要であった全てのDNA配列=諸機能or 諸本能は、今も現在形において(しかも最基底部から上部へと段階的に塗り重ねられて)その全てが作動しているのであって、単細胞や動物たちの摂理を人間とは無関係な摂理と見なす様な価値観は、人類の傲慢であり、かつ大きな誤りである。

胎児の成長の過程は進化そのもの。
5億年の過程を10ヶ月で追体験し、赤ちゃんとして生れ落ちる。
胎児だけでなく、妊娠中の母胎に現れる変化も、その進化の一環。
生物史に照らし合わせると胎児の成長が、とても感慨深く神秘的なものに感じる。

***以下引用
乳幼児から大人のリンパマッサージのまどろみ助産院
胎児、進化の旅は5億年、1日は160万年以上のスパンに相当するリンク

赤ちゃんの進化学:西原克成著

哺乳類の中でも、霊長類に属する人間の赤ちゃんは、どのような特徴をもつのだろうか?
これが正しい伝承が途絶えて、忘れられた育児学の鍵となる。
“人間以前の段階”にあるのが“人間の赤ちゃん”である。
このことをよく理解しないと、進化学や動物学を知らない医師たちのように、とんでもない育て方を指導しかねないのである。
では赤ちゃんが、どのように「人間以前」なのか、それをお話しする前に、胎児とはどのような存在であるかを、進化学と発生学の観点から、もう一度おさらいしてみよう。

●10カ月で5億年の進化をたどる
精子と卵子が出会って、受精卵の姿から、脊椎動物の始祖として海の中で“生”をうけた原始魚類、陸に上がった古代魚、そして鰓呼吸から肺呼吸へと移った両生類、陸の王者として一時代を築いた爬虫類、現在の地球上を支配する哺乳類……という具合に、その“姿”をつぎつぎと変えながら、胎児は大きくなってゆくのである。

つまり、5億年におよぶ生命進化の過程で、みずから形成してきた「形」を、もう一度再現しながら、現時点での進化の到達点である「人間の形」へと変容して行く……これが胎児である。
形態学では、この変容(変身)のことをメタモルフォーゼというが、これこそ、生命のもつきわめて厳粛な出来事であり、5億年にわたる壮大なスケールの“下敷き”があって、はじめて演じられる“進化の歴史”そのものである。

この地球上に、初めて生命が誕生したのが、今から30億年前だといわれている。
約30億年前の先カンブリア紀、原始のスープとよばれる海に、単細胞の微生物が誕生した。
やがてこれが多細胞の生物へと変身するが、カンブリア紀以降、生命は、5億年という長い長い進化の旅を始めることになる。
逆からいえば、30億年以上かけて、現代の私たちの姿形へとなっていった。そしてそのプロセスを、胎児は、母親のお腹の中で再現させているのである。
単細胞の生命から始まって、心臓が動き出し、受精後30日ぐらいから魚類になり、両生類になり、手が生まれ、爬虫類になり、哺乳類になり、やがて刻々と人間(ヒト)になっていく。
初期の胎児は、稚魚のような形だが、これは古代の宝飾品である“勾玉”のようでもある。
よく知られている勾玉の形〔受精卵が割卵(=分裂)して、桑実胚・原腸胚・神経胚・咽頭胚(鰓腸胚)になる。咽頭胚の段階が、ふつうの勾玉である〕になる以前が、タツノオトシゴのような形をしたものだ。この形は、“神経胚”の後期に相当し、この時期の勾玉がいわゆる“子持ち勾玉”である。

(中略)

●悪阻ツワリとは何か
5億年にも及ぶ進化の長い歴史を、わずか300日の妊娠期間中に再現してみせる胎児だが、この再現スピードは驚くほど速い。
妊娠期間の一日は、160万年以上の進化のスパンに相当する。生命の神秘はすさまじいほどだ。
妊娠中に、多くの妊婦さんが、“悪阻”をおぼえる。これも胎内の進化と大いに関係する。
この悪阻が起きる妊娠初期のころとは、進化のステージでいえば、どの段階だろうか。

それは約4億年前の地球の状態を考える必要がある。4億年前、地球の大変動で海が浅くなり、干上がりかけた陸地に取り残された数多くの古代魚が、陸地で干上がる危機に瀕した古代魚は“のたうち回って”空気中から酸素の呼吸を余儀なくされた。重力が水中の6倍になり、過酷な環境にあって、古代魚は“のたうち回って”空気中から鰓エラで呼吸をし続けるうち、血圧が上がり空気呼吸に対応できる肺ができた。こうして、鰓から肺へと呼吸が移っていき、これらの古代魚は、やがて陸上での生息に適応できるようになったのである。
これが古代魚の“上陸劇”である。ここから哺乳類型爬虫類と両生類・爬虫類・鳥類へと進むイクチオステガ(イクチオは魚という意味で、魚類型爬虫類のこと)の二つの流れが分かれる。
胎児は5億年の進化を再現するのだが、上陸劇は、人間の胎児ではいつ再現されるのか。それは妊娠初期の32日目から38日目の6日間である。
そしてちょうどこの時期から“悪阻”が起きるのである。
この時期の胎児は、かつて4億年前に、古代魚が上陸劇で味わった“のたうち回る”ような苦しみを、母親のお腹の中で再び体験しているのである。そして悪阻はちょうどこの時期から始まる。この時期が胎児の危機で、実際、息も絶え絶えの上陸劇がそっくり胎児において再現されるが、ヘタをすると死んだり、奇形が発生しやすい時期である。
つまり、母親のお腹の中で進化を再現しつつある胎児の、上陸劇における“追体験”を、母親も“悪阻”という形で共有しているものと思われる。なぜなら、水棲の生き物から、陸上の生き物への“変容”は容易なものではなく、多くの生命がこの段階で失われる。胎児も実際、息が絶え絶えになって上陸劇のときとそっくり同じように、胎児の身体もまた「免疫システム」「造血システム」「自律神経」「体壁筋肉系」がおおきく変化している。第二革命の重力と空気呼吸への対応で血管系の変化がもっとも顕著に起こる。鰓呼吸用の血管から肺呼吸用の血管へと、大きく変化するからである。
胎児の苦しみに、母親の身体が反応するのである。このとき、お腹の胎児は、はるか4億年前の進化のステップアップをしているのであり、これを乗り切ることで、一歩一歩人間へと近づいているのである。
悪阻は、母体の血液の酸素不足で強まるが、これは母体の腸の門脈の酸素不足によるから、横隔膜呼吸を充分にして、腸を冷やさないようにすれば、悪阻は克服することが出来る。生殖器も肺も、全ては腸からできることをわすれてはならない。(門脈とは、大動脈から腸に入り、消化された栄養を豊富に吸収して、肝臓の関係を通って、心臓に還る静脈のこと)

(つづく)
***
以上、引用終わり

いちどう 

2016年1月 5日 (火)

ソマチッドの誕生(3)ソマチッドとミトコンドリアの共生

太陽系に地球とその他の衛星が存在するように、土中にも極小の太陽系のような関係があったと考えればどうでしょうか?

各種の生物がその細胞の中にミトコンドリアとソマチッドを同時に共生させているのは紛れのない事実であり、ミトコンドリアはソマチッドの周りを回る衛星みたいな存在であったと考えると説明が可能になるように思われます。

多くの原核生物の中で、傑出した生命力を持つソマチッドは、ミトコンドリアが必要とする電子を供給する能力を持っています。そのミトコンドリアが細胞の内部に入り込んで、細胞のATPエネルギー生産の源となり、ソマチッドは細胞膜を自由に通過する能力があるので、外部(多細胞生物においては樹液とか血漿または体液)に出て自己の為のエネルギー取得を行い、そのエネルギーの一部をミトコンドリアのエンジン始動の原動力として配給するようになったと考えられます。

従って、ミトコンドリアは独立した生物ではなく、ソマチッドの離れた一部であると考えることができます。そこでクロロフィルはソマチッドと共生したのです。
これらは約25億年前に起きたと思われますが、ソマチッドは完成された最強の原始生命としてその時期に存在した一次生産者ですから、ソマチッドの起源は30億年以前と考えられます。

参考書籍:ソマチッドの謎 /冬青社 (リンク
/著者:宗像久雄、福村一郎(共著)

村田頼哉

2016年1月 2日 (土)

原核生物の超適応戦略~あらゆる生命のDNA情報を活用する~

生物を細胞核の有無で分類すると、細胞に核を持たない原核生物(細菌)と真核生物(菌類・植物・動物)に大きく2分されます。 この細菌と呼ばれる原核生物たちは、原始的かつシンプルな生物であると思われていますが、原始的かつシンプルがゆえに、大きな外圧変化に適応する為に「遺伝子の水平移動」という、種を超えたDNA情報のネットワーク機能を既に手に入れているようです。 必用に応じて、進化適応に必用なDNA情報を外部世界・外部生命体から直接取り込む。生命誕生から38億年を経て、今だ適応し続ける細菌たち。彼らはある意味、完全生命体なのかもしれません。 <新しい創傷治療「消毒とガーゼ」の撲滅を目指して>リンク~「細菌という生き方」より ----------------------------------------------------------- 原核生物と真核生物では,基本的生き残り戦略が全く異なっている。 原核生物の生き残り戦略・繁栄戦略の基本は「より速く分裂する」ということに要約できる。その目的達成のために原核生物たちはあらゆるものを切り捨てる。遺伝子を切り捨て,シンプルな構造を選択した。その結果,原核生物は地球上のあらゆる環境を生活の場にできた。おそよ真核生物が生きられない過酷な環境でも易々と生活圏とできるのが古細菌であり細菌なのである。 なぜ原核生物がそのような戦略を採択したかというと,そういう戦略でしか生き残れない体の構造をしているからだ。 原核生物の体の構造は極めてシンプルだ。一番外側に細胞壁があり,その内側に細胞膜があり,その中に核を含む細胞質がある。問題は,細胞膜と細胞壁が担っている役割にある。原核生物にとって細胞膜と細胞壁は呼吸,すなわち生存のためのエネルギー(ATP)を生み出すための装置でもあるからだ。  呼吸とは酸化還元反応(電子を失うと酸化された状態,電子を受け取ると還元された状態)によって発生したエネルギーで,膜を通してプロトンを膜の外側に汲み出し,その結果できた膜の内側と外側のプロトン濃度の差ができ,これでATPアーゼを動かしてATPを作ることを言う。これは真正細菌,古細菌,真核生物の全てで共通している現象で,地球上の生命体に普遍のエネルギー調達方法といえる。  後述するように真核生物ではこのエネルギー生成をミトコンドリアで行っているが,真正細菌や古細菌は呼吸に必要な酵素群は細胞膜に付着していて,細胞膜で生成されたATPは拡散で細胞内を移動するのだ。だから,細菌にとって大きくなることは得策ではない。大きくなればなるほど,細胞内の必要な部分にATPを運べなくなってしまうからだ。さらに,小さいほど体積に対する表面積の割合が大きくなるため,小さいほどエネルギー効率がよく,大きくなるほど効率は悪くなる。これらの理由で小さな細菌ほど生存に有利になる。  さらに,呼吸にはプロトンの濃度差が必要となるが,細菌の場合は,細胞膜の外と内側の濃度差であり,細胞膜の外にある細胞壁はプロトンの散逸を防ぐ役割をしている。つまり,細胞壁がなければプロトンは環境に逃げてしまい,細胞膜を挟んだプロトンの濃度差が保てなくなるのだ。要するに細菌や古細菌が生きていくためには細胞壁は絶対に必要な基本的な構造物なのだ。  細菌は細胞壁と言う堅い鎧を身にまとうことになった。これは呼吸にとっては必要なものだが,反面,細菌の生き残り戦略の選択の幅を狭めるものだった。他の細菌,すなわち「邪魔者」がいたらそれを飲み込んでしまえばいいという戦略が取れなくなったのだ。堅い細胞壁が外側を覆っているためである。そのため,同じ環境で生活する他の細菌がいたら,それより早く分裂して数を増やし,専有面積を広げるしかない。要するに陣取り合戦である。  陣取り合戦に勝つためには他の細菌より速く分裂するしかなく,速い分裂のためには体の構造をよりシンプルにする必要があるし,遺伝子もできるだけ小さな方がいい。実際,細菌はとりあえず必要でない遺伝子はどんどん捨てて遺伝子をコンパクトにする傾向があるのだ。遺伝子を小さくしてでも分裂速度を上げたい,というのが細菌という生物の論理なのだ(実際,細菌は遺伝子の複写速度を超えるスピードで分裂することもあるようだ)。  だが,サイズが小さな遺伝子は両刃の刃だ。環境が安定しているときはいいが,環境が変化した時,その変化に対処するための遺伝子を持っていないため,生き延びられないからだ。この問題をクリアするために,細菌は「遺伝子の水平移動」で対処する。他の細菌(これは他の種類の細菌であってもよい)からプラスミドを介して新しい遺伝子を導入する,と言う方法だ。この方法で,他の種類の細菌からでも必要な遺伝子を獲得し,環境の変化に対処するわけだ。  これはコンピュータに例えると分かりやすい。細菌とは,最小限のハードディスクに最小限のデータしか納めていないコンピュータなのである。しかし,世界中のコンピュータとネットで繋がっていて,他のデータが必要になったときにはネットからダウンロードできるようになっているのだ。要するに,細菌たちは30億年前以上昔から,究極の分散型ネットワーク・システムを構築してきたわけである。  さらに最近では,環境水中に溶存態のDNAが存在していることが明らかになっていて,この溶存態DNAは遺伝子としても機能していることも証明されている。この溶存態DNAが水中の異なる細菌種間での遺伝子水平伝播や細菌の進化に深くかかわっている可能性が指摘されている(『微生物生態学入門』日本微生物生態学会編,日科技連)。  このため,細菌の種という概念は非常に曖昧になる。他の種類の細菌からでも簡単に遺伝子のやり取りをするからだ(これは要するに,人間がネズミやヒトデや桜やシイタケと遺伝子のやり取りをするようなものだ)。「種の概念・種の分離」という生命の最も基本的な部分(と,人間が思い込んでいる)でも共通基本概念すら通じないのが原核生物らしい。

笠原光

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