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2016年3月26日 (土)

40億年前の彗星重爆撃の意味を探る【1】

太陽系の中で大気に大量に窒素を含んでいる惑星は地球しかないと言われてきたが、カッシーニ探査によって土星の衛星であるタイタンの大気にも、地球以上の窒素が含まれていることが明らかになった。タイタンの大気形成は彗星重爆撃に着目してリンクに仮説が展開されているが、今日はこれをヒントにして、40億年前の彗星重爆撃の意義をリンクを参考にして考察を行いたい。

まず、初期地球の大きな流れを要約しておく。

46.5億年前:地球誕生
44.0億年前:海洋(=マグマオーシャン)登場→脱ガス化+冷却
41~38億年前:彗星重爆撃→ほぼ同時に生物誕生

            【以下引用】

 1953年にS. L. Millerは当時,推定されていた初期地球の大気組成であるメタン,アンモニア,水蒸気の混合気体(還元的大気)にアーク放電を行い,数種類のアミノ酸を合成することに成功した。

 しかし現在では上述の通りマグマオーシャンからの脱ガスと水素の散逸により,初期地球の大気は二酸化炭素と窒素を主成分とする,弱酸化的な大気であったと考えられている.このような弱酸化的な大気を模擬した混合気体には,放電や衝撃波などのエネルギーを加えても,生成物からはアミノ酸が,汚染物と区別がつかない量しか検出されないことが分かっている。

             (中略)

 後期重爆撃で,実際のところどのようなタイプの隕石が衝突したのかは明らかになっていないが,現在の地球で見つかる隕石は普通コンドライトが圧倒的に多い(86%)。普通コンドライトは金属鉄を含む隕石であり,この隕石が海洋に衝突し,鉄の酸化反応が起これば,水素が発生し,隕石の衝突蒸気雲内に局所還元環境が形成されるであろう。また,衝突蒸気雲内には周囲の大気も取り込まれ,蒸気雲内の物質と相互反応を起こすことが,実験と数値計算の結果により示唆されている。さらに,衝突蒸気雲に取り込まれた窒素が,隕石鉄により還元されれば,アンモニアを生成するということが,隕石の海洋衝突現象を模擬した衝突実験によって示唆されている。

 普通コンドライトには,グラファイトやダイヤモンドなどの無機炭素が 1wt% 程度含まれている。これらのことから,無機炭素が局所還元的な衝突蒸気雲で反応すると有機物が生成する可能性が,中沢により「有機分子ビックバン説」として提案された。しかし,海洋衝突を模擬した無機物からの有機物生成はそれまで報告されていなかった。

            【引用以上】

鉄を含む隕石が、窒素に富む大気を持つ初期地球の海洋に衝突する現象を模擬するため,一段式火薬銃を用いて衝突回収実験を行ったのが、今日紹介したサイトだが、ここまでで重要なポイントは以下の点である。

【1】大気が還元的性質を有していないと生体高分子は生まれない
【2】彗星重爆撃は海洋面に衝突したのがメインである
【3】金属鉄を含む隕石が海洋に衝突すると鉄が酸化され水素が発生する
【4】鉄の酸化に対応して蒸気大気内には還元的環境が形成される
【5】普通コンドライトにはダイアモンドなどの触媒が含まれている

以上を前提にして、次回は実験の内容と結論を紹介する。

匿名希望

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