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2016年3月 5日 (土)

『微生物との共生を組み込んだ新しい代謝理論』の必要性(1)~人工甘味料は「糖尿病予備軍」の原因

『微生物との共生を組み込んだ新しい代謝理論・・・自然の摂理に則した生き方を創造するために』リンク
> 腸内細菌にエサを与えて育てることで、人間が生きるために必要な栄養の一部を彼らに生産させたり、腸内の人体に有用な細菌バランスを整えたりという、細菌との共生関係が新しい栄養学の幹として姿を現してきたのです。

私たちの健康、栄養に関して、「腸内細菌」が非常に大きいな役割を担っている、「腸内細菌」を抜きに考えられないことを示す事例を紹介します。
『微生物との共生を組み込んだ新しい代謝理論』の必要性(逆に言えば、腸内細菌を十分に考慮していない現代栄養学の危険性)を端的に示す事例です。

 糖質制限を目的に、砂糖を控え代わりに人工甘味料を使うと、かえって糖尿病になる危険が増加する可能性があるようです。

これは人工甘味料の直接的な効果ではなく、人工甘味料を摂取することで腸内細菌叢が変化し、血糖値を下げるためのホルモンである「インスリン」の分泌が抑えられるか、インスリンの効果が出にくくなったことが原因と考えられています。

以下、「人工甘味料は「糖尿病予備軍」の原因に、血糖値が下がりにくくなる」リンクより転載します。
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血糖値への反応が弱る

 タイトルは「人工甘味料は腸内細菌叢を変化させ耐糖能異常を引き起こす(Artificial sweeteners induce glucose intolerance by altering the gut microbiota)」だ。

 研究の内容は全くタイトルの通りだ。私たちが砂糖を制限する目的で使っている、サッカリンをはじめ、スクラロース、アスパルテームを摂取すると、グルコース負荷に対する反応性が落ち、糖尿病予備軍状態になるという結果だ。

 この原因は、私たちの糖代謝システムへの人工甘味料の直接的な効果ではない。腸内細菌叢(そう)を変化させたことによる間接効果であると示している。

 実験の詳細は省くが、この研究の鍵になる実験系とは、全く細菌を持たないマウスの腸の中にさまざまなタイプの腸内細菌叢を移植し、細菌叢自体の特徴によって血糖値への反応が高まるか低下するかを調べたところだ。

 この結果、人工甘味料を取っているマウスやヒトから取った便を移植すると、血糖値への反応性の異常も同時に移植できると示すことに成功した。

 これは、腸内細菌から糖が大量に作られ、知らないうちに糖尿病になるというメカニズムではない。細菌叢が腸内にあると血糖値を下げるためのホルモンである「インスリン」の分泌が抑えられるか、あるいはインスリンの効果が出にくくなって血糖値が下がらなくなったことを意味している。専門的には、このことを「耐糖能異常」が起きたと呼んでいる。

 さらに決め手になっているのが、試験管内で腸内細菌を培養するときに人工甘味料を入れた上で、そうして増えた腸内細菌を細菌のいないマウスの腸に移植するだけで血糖値を下げる反応が出にくくなった点だ。耐糖能異常が起きたのである。人工甘味料が腸内細菌叢に直接作用してこの現象が起こるとはっきりした。

 一方、ヒトを対象とした実験でも、人工甘味料を常用していると血糖値の指標であるHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)が軽く上昇していること、さらに1週間という短期の摂取でこの変化が引き起こされる点だ。

 とはいえ、メカニズムについてはほとんど分かっていない。示された結果から、インスリン分泌はそれほど落ちていないようだ。とすると、インスリン抵抗性が起こっているのかもしれない。

 データを詳しく見ると、本当ならもう少し実験を重ねても良かったかなと思う。ただ、ネイチャー誌のエディターもこの論文の発するメッセージの重要性を優先して採択したのだろう。
最終結論にはさらに検討を

=======================================================以上



斎藤幸雄

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