太陽活動の低下によって地震や火山爆発が活発化する
「熱移送説」を発表した角田氏は、海外の研究者との情報交換を通じて、地震や噴火をもたらす熱エネルギー量の変化を調査してきた。その結果、「弱い太陽」の状態が5年間続いた2013年に熱エネルギー量がこれまでになく増大したことを確認した。その一例として2013年8月から12月にかけて伊豆諸島の青ヶ島の海底火山が活発化したことを挙げている。角田氏が作成する地震・噴火の予測線に従えば、「2017年または2021年に、伊豆・相模地域でかなり大規模な直下型地震が発生する」という。
太陽と地震の関係について、角田氏は「詳しいメカニズムはあまりよく分かっていない」としながらも、「太陽活動が弱い時期には、透過力の大きなイオン化された宇宙線が地球に降り注ぐ量が増大する。宇宙線は地球内部を加熱することにより、外核から放射される熱エネルギー量が多くなるため、地球内部の火山・地震活動が活発になるのではないか」と推測する。
太陽活動と地震活動の関連を示唆する研究結果が、2011年11月の地球電磁気・地球惑星圏学会で発表されている。九州大学の湯元清文宙空環境研究センター長のチームによれば、1963年から2000年までの太陽の黒点数と同時期に発生したマグニチュード4以上の地震との関係を調べたところ、「太陽の黒点数が少ない時期ほど巨大地震の発生頻度が高い」ことが判明した(ただし「太陽と地震活動をつなげる要素は不明」だという)。
地球は自らが発している磁力と太陽風などが相互に影響しあって、有害な宇宙線を防ぐための特殊なシールドを形成しているが、太陽活動が急低下することでこのシールドが弱体化する。宇宙線を防いでいるシールドが弱くなれば、地球に降り注ぐ宇宙線の量は増大し、地表を貫通した宇宙線は強力な放射線でマントル(マグマ)を気化させ、地震や噴火を誘発させるという説もある
火山活動と太陽活動の関係は実証されているわけではないが、「宇宙線と火山活動に関係があるかもしれない」と考えている科学者や地質学者は決して少なくない。
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